人民新報 ・ 第1120 号<統合213> (2004年1月25日)
  
                  目次

 ● 国の進路をめぐる歴史的な闘い  イラク反戦運動の空前の高揚を!

 ● 「派兵反対! 戦争反対! 劣化ウラン弾反対!」  イラク派兵反対1・17ヒロシマ集会

 ● イラク派兵、有事法制、改憲手続き法案などに反対しよう  国会開会に市民と国会議員の院内集会

 ● ネバーギブアップの精神で派兵反対を闘う!!  女たちの集会

 ● 日米共同指揮所演習「ヤマサクラ45」反対  朝霞基地へ1800名が抗議行動

 ● 国のための戦死者を「祀る」靖国神社  小泉首相の参拝を許すな!

 ● イラク反戦、賃上げ、労働条件の向上、春闘再生   全労協春闘討論集会

 ● 超大国アメリカの持続可能性(サステイナビリティー) B  /  関 考一

 ● 共同声明・憲法改悪のための手続き法案(憲法改正国民投票法案)の国会上程に反対します

 ● せ ん り ゅ う  /  ゝ 史

 ● 複眼単眼  /  アイレディース宮殿黒川温泉ホテル、 潟Aイスター、宗教法人、女性党




国の進路をめぐる歴史的な闘い  
イラク反戦運動の空前の高揚を!

 一月十九日から第一五九通常国会が始まった。この日、陸上自衛隊の先遣隊は重武装してクウェート国境から戦地・イラクに入った。
 小泉首相は衆院本会議での施政方針演説で、米英軍のイラク軍事占領支配支援のための自衛隊派兵を、「人道復興支援」と言い換え、またも憲法の一部を恣意的に抜き出して、これが「国際社会で名誉ある地位を占める」ことにつながるなどと強弁し、「国際社会にたいする責務」だと述べた。首相がいう「国際社会」なるものが、実際には米国をさすに過ぎないことは明らかだ。歴代の自民党の首相のなかでこのようにあからさまに、恥ずかしげもなく対米追従を表明した首相はいない。国際法に反する先制攻撃論をとなえ、国際世論に背いてイラクを攻撃した米国ブッシュ政権を、世界に先駆けて支持した小泉首相は、米国の要求にしたがってとうとうはじめての自衛隊の海外戦場派兵に踏み切った。米国のアフガニスタン攻撃の際には「ショウ・ザ・フラッグ」という恫喝にしたがって、米軍などの作戦支援の補給を目的にして、海上自衛隊をインド洋などに派遣した。そして今度は「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」という恫喝を受けて、陸上部隊を戦場に送るのだ。これは憲法違反であるのは明らかであり、世論の多数もいまなおイラク派兵に反対している。政府・与党は昨年の国会でイラク特措法を強行可決し、戦時派兵の「合法性」を装った。しかし、この自衛隊派兵は従来の自衛隊法すら想定していないものだ。小泉内閣は自らの政権成立基盤である憲法とその他の法を破って派兵に踏み切ることにより、事実上「立憲主義」を放棄した。私たちは立憲主義の放棄がファシズムにつながった過去の歴史を忘れてはならない。小泉首相が今年の元日に靖国神社を参拝したことは、彼が弁明したような単なる思いつきなどではなく、このイラク派兵と不可分の動きに他ならない。

 この国会では小泉内閣はまずイラク派兵(自衛隊の「人道復興支援活動」「安全確保支援活動」)の承認を求めることになる。そして予算案を処理すれば先の有事関連三法を補完するための有事関連七法案、三条約・協定の改定批准が審議にかけられる。この有事関連法案は@「国民保護」のための措置に関する法案(国民総動員法案)、A米軍の行動の円滑化に関する法案(米軍支援法案)、B特定公共施設等の利用に関する法案(交通・通信法案)、C国際人道法の重大な違反行為の主罰に関する法案、D外国軍用品などの海上輸送の規制に関する法案(有事船舶臨検法案)、E捕虜等の取り扱いに関する法案、F自衛隊法改正案の諸法案(自衛隊支援法案)と、日米物品役務提供協定改正(有事ACSA)案、ジュネーブ条約二追加議定書だ。
 @はこの間本紙で繰り返し暴露してきたように、「国民保護」に名を借りた米軍と自衛隊に対する「国民の協力」と戦時統制がねらいであり、Aは、日本とその周辺、アジア太平洋地域での米軍の戦争に対する物品・役務・施設などの提供を可能とするもので、今回のイラク派兵でも問題になった武器弾薬の輸送や提供も含むといわれている。Bは米軍・自衛隊による空港、港湾、道路、電波などの優先使用と統制のため、Dは武器などの海上輸送を阻止するための臨検の法制化などであり、いずれもきわめて重大な問題法案だ。
 小泉内閣はこれを二月下旬に国会に提出する。先の有事関連三法案の採決に際し、「国民保護法制の早急な制定」を条件にした民主党は、イラク派兵承認案件では反対しても、これらの有事関連法案の支持に回る可能性が大きく、提出されれば国会の圧倒的な多数が賛成する可能性が濃厚だ。そしてこの有事関連七法案と同様の有事法制の意味をもつ「対北朝鮮経済制裁」法案が与野党の多数から提出される動きがある。
 さらに憲法改悪に道を開くための「憲法改正国民投票法案」の提出も予定されている。ほかにこの国会では国民年金改悪法案、高速道路公団民営化法案など、ひとびとの暮らしの悪化につながる悪法も予定されている。これらの悪法を七月の参議院選挙前に片づけてしまおうというのだ。
 これらと並行して憲法改悪の動きも急であり、首相の改憲発言が相次ぎ、民主党幹部の改憲発言が改憲論議を誘発している。そして憲法調査会は毎週開催に踏み切るなど、動きはあわただしくなってきた。

 まさにこの国は小泉首相の下で「戦争をする国」への道を突き進んでいる。この国の進路をめぐる歴史的な闘いが始まった。私たちはこれを阻止する力が民衆の中にこそあることを確信し、広範な大衆闘争を展開することで小泉内閣の悪政と闘い、これを打倒しなければならない。イラクへの自衛隊派兵反対を前面に掲げてこの状況を突破しよう。すでに用意された一月二五日のWORLD PEACE NOWを数千の結集で闘い取り、この力を二月十三日の明治公園での集会(二〇労組、市民緊急行動、宗教者、キリスト者の呼びかけによる実行委員会主催)の数万人の結集につなげよう。そして、三月二〇日、米英軍のイラク攻撃から一年、国際共同行動に呼応する東京の反戦行動を歴史に残る巨大な闘いとして、成功させよう。私たちはこれらの闘いを成功させ、戦争の道を阻止するために、その共同の推進と、闘いの下支えとなって奮闘しなければならない。


「派兵反対! 戦争反対! 劣化ウラン弾反対!」

       
イラク派兵反対1・17ヒロシマ集会

 一月一七日、二三〇〇人が参加して広島・原爆ドーム前でイラク派兵反対ヒロシマ集会が開かれた。
 集会がはじまる前には、音楽サークルの歌や演奏で会場の気分が盛り上がる。そして見る間に原爆ドーム前の会場は多くの市民、労組員で一杯になった。
 はじめに主催者の岡本三夫実行委員会共同代表が、いま民主主義が踏みにじられている大変なときだ、みんなの力をあわせて自衛隊のイラク派兵に反対していこうとあいさつした。
 海上自衛隊員を息子に持ち、自衛隊員の募集の仕事をやってきたという人は、隊員を募集するときに日本には憲法九条があるから戦争に行かなくて良いと誘ってきたが、募集した隊員が、イラクへ行かされたら、あの言葉はウソだったのかということになってしまうと訴えた。
 ロバート・スミスさん(米兵家族の会)は、広島では一四万人もの原爆犠牲者がでた、今度自衛隊員がイラクへ行けば必ず戦死者が出る、その死者たちは原爆犠牲者とともに平和の大切さを訴えるようになるだろうが、そうなるまでには多くの人が死ぬことになるだろう、と発言した。
 被爆者の高橋昭博さんは、いまの政治の動向に強い危機感を抱いていると述べた。
 呉れからのピースサイクルのメンバーが到着した。呉の湯浅一郎さんが、呉がふたたび派兵の「軍都」となりつつある現状について報告した。
 集会アピールを確認し、「原爆許すまじ」をみんなで唱い、ピースパレードに出発。広島市内を、「派兵反対! 戦争反対! 劣化ウラン弾反対!」「NO Dispatch! NO WAR! NO DU!」といったコールや、音楽などで楽しく行進し、元安橋から本通り、金座街を経て紙屋町、再び原爆ドーム前に戻った。


イラク派兵、有事法制、改憲手続き法案などに反対しよう

          
国会開会に市民と国会議員の院内集会

 通常国会開会の一月十九日、衆院第二議員会館内で、「自衛隊のイラク派兵中止を!『国民保護法制』など有事関連法案反対!憲法改悪のための手続き法案反対!教育基本法改悪反対!1・19市民と国会議員の院内集会」が開かれ、三〇〇人が参加した。会場に入りきれず急きょ第二会場もつくられ、多くの人びとにイラク派兵への怒りが広がっていることが感じられるものとなった。
 この集会は、戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動、平和をつくり出す宗教者ネット、平和を実現するキリスト者ネット、陸海空港湾労組二〇団体の呼びかけによるもの。
 はじめに主催者を代表して宗教者ネットの木津博充さん(日本山妙法寺)があいさつ。政党あいさつは、日本共産党の市田忠義書記局長、社会民主党の又市征治幹事長がそれぞれ党を代表して発言し、民主党からは円より子副代表があいさつを行った。そのほかにも多くの国会議員や代理が参加した。
 市田書記局長は、陸上自衛隊の先遣隊がイラクに送られたがそれも全体の自衛隊の一部だ、イラク特措法でさえ非戦闘地域へ送るとしているのに、その特措法すら無視して戦地に武装した日本の自衛隊を初めて派兵しようとする小泉政権の言い分はまったくのでたらめだ、思想信条の違いを超えてイラク派兵反対の一点で大きく団結してがんばろう、と述べた。
 又市幹事長は、今国会は戦前回帰・戦争承認の国会となろうとしている、憲法に反しているのはもちろん特措法にも違反してイラク派兵が強行されている、アメリカの前財務長官がブッシュ政権は発足当初からイラク攻撃を計画していたと暴露したが、アメリカの狙いは中東支配そのものだ、いま自民党の中からも自衛隊派兵に反対する声があがっている、戦争を許さないために広汎に手を繋いで行こうと述べた。
 つづいて呼びかけ団体からの発言。
 平和を実現するキリスト者ネットの門間幸枝さんは、出身地の宮崎・日向弁で憲法九条を読み上げた。
 陸海空港湾労組二〇団体の大野則行航空安全会議議長は、いま国際航空線は攻撃の不安で緊張の連続だ、いまこそまとまって声をあげ国会に圧力をかけて行こう、と発言した。
 平和をつくり出す宗教者ネットの武田隆雄さんは、宗教界では宗派をこえて戦争に反対する動きが強まっていると報告した。
 戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動の富山洋子さんは、老いも若きも男も女もイラク反戦で行動しよう、憲法改悪阻止のうねりをつくりだしていこう、と述べた。
 会場からの発言では、滋賀県から一人ピースウォークを行ってきた広瀬さん、新聞労連委員長の明珍美紀さん、在日韓国民主連合の宋世一さん、作家のなだいなださんが反戦の思いと自衛隊派兵反対の決意を語った。
 最後に海員組合教宣部副部長の藤丸徹さんが、それぞれの政党・団体が私的な利害を捨ててイラク派兵反対の一点で、日本国中を騒然とさせるような運動をつくって行こうと述べた。


ネバーギブアップの精神で派兵反対を闘う!!  女たちの集会

 小泉内閣のイラク派兵という暴挙に抗議する声が各界から沸き起こっている。
 一月十三日午後、労働組合の代表をしている三人の女性(内田妙子・航空労組連絡会議長、明珍美紀・日本新聞労働組合連合中央執行委員長、田中千恵子・日本医療労働組合中央執行委員長)の呼びかけによる「自衛隊のイラク派遣の中止を求める女たちの集会」が衆議院第一議員会館で開かれ、女性を中心に一五〇名の人々が集まった。
 集会では呼びかけ三団体を代表して医労連の田中委員長が挨拶。「この日の女性たちの行動を突破口にして、労働組合のなかでも垣根を越えた運動の高揚をはかっていきたい」とのべた。
 内田議長はこの集会に先立ち、内閣府に「自衛隊のイラク派遣の即時中止を求める緊急要請」書を届けたことを報告した。
 国会議員は井上美代共産党参議院議員と、福島瑞穂社民党党首が出席し、挨拶した。
 全日本海員組合本部の阿部さんは「海員は平和を願い、戦争に断固反対する」と述べ、市民緊急行動の高田健さんは「労働組合と連帯し、イラク反戦の巨大な市民運動を作り出し、戦争を阻止しよう」と呼びかけ、全労協の袖木さんは「こんなに簡単に憲法の理念が変えられることを許さない」と述べた、作家の山崎朋子さんは「かつて非国民といわれた経験を思い出す」と発言した。
 会場からの発言が続いた後、締めくくりの発言にたった明珍委員長は「米国のピースフル・トモロウズの代表が、日本が米国と同じ帝国主義の道を歩んでいるのが悲しいと語っていた。私たちのメディアに働く者も、戦争のためのペンは取らない、戦争のために輪転機を回さない、戦争のためにカメラを写さないと決意したはずだ。記者会見で同僚から、なぜ、女の集会かといわれたが、なぜ男は戦争を始めるのかと問い返したい。高知の競馬に負け続けているハルウララ号がいる。わたしたちも彼女のようにネバーギブアップの精神で闘い続けたい」と力強く挨拶した。


日米共同指揮所演習「ヤマサクラ45」反対

          
朝霞基地へ1800名が抗議行動

 陸上自衛隊朝霞駐屯地で一月二一日から大規模な日米共同指揮所演習「ヤマサクラ45」が始まる。朝霞基地は、東京都練馬区と埼玉県朝霞、新座、和光三市にまたがる広大なものだ。そしてその一部は日米地位協定により米軍に提供されている。朝霞基地での日米共同指揮所演習は一九九九年につづいて二度目。演習には、日本側は東部方面隊、アメリカ側は在日米陸軍、第一軍団、第九戦域支援コマンド、第三海兵師団が参加。今回新たに参加する第三海兵師団は沖縄にあり、イラク戦争に参加している。

 一月一八日には、 朝霞中央公園で、「朝霞駐屯地での日米共同軍事演習に反対する1・18集会」が開かれ、千八百人が結集した。
 集会は、練馬区職労の経過報告ではじまり、主催者を代表して北足立南部地区労働組合協議会議長が、市ヶ谷から移転した東部方面総監部では周囲を三メートルのセメントの壁、ドアが一メートルの鋼鉄板を守る工事が行われるなど戦闘体制にはいっている、共同演習はアメリカの戦争に日本を巻き込むものだ、この集会を契機にイラク反戦の大きな共同行動をつくっていこう、とあいさつした。
 つづく決意表明では、関西共同行動、平和委員会、東京地評、地元朝霞高校の教員が発言し、共産党、社民党が連帯のあいさつを行った。
 集会アピールを確認し、参加者は、「日米共同演習反対」「米軍は朝霞に来るな、練馬に来るな」「アメリカはイラクから撤退しろ」「米軍は沖縄から撤退しろ、韓国から撤退しろ、アジアから撤退しろ」「憲法改悪を許さないぞ」などのシュプレヒコールをあげながらデモ行進し、基地正門前では、陸上自衛隊東部方面総監菅博敏陸将、米第一軍団司令官エドワード・ソリアノ中将にあて要請書を提出した。要請書は、@ヤマサクラ45を中止すること、A自衛隊のイラク派兵の即時中止、派兵計画を撤回すること、B公共・民間施設の軍事利用を中止すること、を要求している。


国のための戦死者を「祀る」靖国神社

          小泉首相の参拝を許すな!


 小泉純一郎首相は元旦に、靖国神社を参拝した。今年の小泉政権の政治姿勢を象徴する出来事だ。
 二〇〇一年四月の自民党総裁選で、小泉は八月一五日の参拝を公約し、首相就任以降も一五日の参拝を明言していた。しかし、与党内の慎重論、中韓両国などアジア諸国への配慮、国内の反対世論などから敗戦記念日二日前の八月一三日に繰り上げて参拝した。翌〇二年は四月二一日、昨年は一月一四日に参拝している。右翼思想にこり固まる小泉は、靖国神社に行きたくて行きたくて八月まで待てず段々と早めに参拝し、今年はついに元旦早々の参拝となったとの批判も聞かれる。
 二日には、「平和遺族会全国連絡会」など四団体の関係者が、「靖国参拝は『国のための戦死』を美化するもので、今回のイラクへの自衛隊派遣も、その延長線上にある」と首相官邸前で抗議行動を行った。
 韓国では、一日に外交通商省が「わが国民の感情を再び傷つけたことに憂慮と憤怒を禁じ得ない」とし「これ以上参拝しないことを強く求める」とする報道官声明を発表し、二日には尹永寛外交通商相が駐韓日本大使を外通省に呼び、小泉首相の靖国神社参拝について「公式に遺憾の意を伝える」とともに「これから参拝がないことを韓国政府として強力に促したい」と要求した。二日、ソウルの日本大使館前では、韓国の市民団体や元従軍慰安婦の女性らが小泉の靖国参拝に抗議する集会を開き、「靖国神社へ奇襲参拝する日本の首相を糾弾する」など小泉を批判する声をあげ、盧武鉉政権に強硬な対日対抗措置を取ることを求めた。
 中国では、一日、王毅外務次官が、駐中国臨時代理大使を呼び、「強い憤りを表明し、強く非難する」と抗議の申し入れを行った。二日付の『人民日報』は「新年に隣国の戦争被害者の傷口に塩を塗った」と論評、各紙も非難記事を大きく掲載した。二日には中国人の若者が北京の日本大使館前で抗議行動を行うなど対日感情の悪化に拍車がかかっており、日中間の首脳相互訪問再開もさらに困難になった。
 六日には、福田康夫官房長官が記者会見で、右翼から靖国を否定するものだと批判されている国立の追悼施設構想について「まだそういう時期には至っていない」と述べ、政府としての検討は時期尚早との考えを示した。
 小泉の靖国参拝・追悼施設建設構想の先送りなどは、日本の右翼勢力が、侵略戦争への反省もなく、靖国神社をイラク戦争への日本の参戦でうまれる戦死者をまつるものとして甦らせようとしていることを示している。


イラク反戦、賃上げ、労働条件の向上、春闘再生   全労協春闘討論集会

 一月一七日、新橋・交通ビルで、全労協の「04春闘討論集会」が開かれた。
 藤崎良三全労協議長が主催者あいさつを行った。
 今年の春闘はイラクへの自衛隊派兵という状況で闘われている。小泉内閣は、この国会へ憲法改悪のための国民投票法案を提出しようとしている。こうした流れは、日本の軍国主義の復活を意味する。まさにいま二一世紀の岐路にたたされている。なんとしても派兵、改憲を阻止して前進していかなければならない。小泉の構造改革の中で、解雇、労働条件の悪化、倒産、企業の整理統合が進められている。失業率が五%半ばで推移し、正規雇用労働者がパート、派遣にかえられている。新自由主義政策の推進で労働者への犠牲しわ寄せ、負担増で小泉改革のメッキが剥がれてきている。この春闘では、イラク反戦、国鉄闘争の前進、民間争議支援、労働相談活動、そして組織化の課題で成果をかち取っていきたい。
 つづいて、子島利夫事務局長が春闘方針を提起した。
 全労協は、「雇用も賃金も」重要課題であることを踏まえ、04春闘の重点課題を、@格差の是正とパート労働者を含む賃金の引き上げ、A「反失業・雇用確保」とセーフテイネットの拡充・対政府・行政機関への取り組み、B労働法制の改悪に反対し、均等待遇実現の闘い、C公務労働者への賃下げ攻撃をはじめとする諸攻撃に対し、官・民貫く闘いの追求、D労基法に「解雇の金銭解決方式・36協定適用除外拡大」に反対し、「解雇制限法」実現の闘い、E国鉄闘争をはじめとする争議支援の闘い、F自衛隊のイラク派兵阻止の闘い、G愛国心教育の復活を目指す教育基本法改悪反対の闘い、H改憲阻止の闘いを結合し共同闘争の追求であり、全労協は多くの労組・仲間たち団結して、二〇〇四年けんり春闘を闘い抜く(けんり春闘方針は別掲)。
 発言・決意表明は、京都総評、南部全労協、全労協女性委員会、東京全労協、都労連、国労、全国一般全国協、東京労組、東部労組、全統一から行われた。
 本部答弁で藤崎議長は、国鉄闘争についての質問に対しての全労協としての見解を表明。全労協は傘下のそれぞれの組合の決定を尊重するが、国鉄闘争は、単に国鉄・JR労働者に限った問題ではない。国鉄からはじまり労働者全体に広がった大リストラに抗する闘いでもあり、そうした意味で大きな支援が集まり、全労協も闘ってきた。昨年末の最高裁でJRに法的責任はないという不当な判決が出たが、それでも責任があるとすれば採用名簿を作成した旧国鉄(鉄建公団)にあるとしている。裁判闘争、ILO闘争、対政府闘争、世論喚起、支援の要請などの課題を大きく団結して行っていくことが大事だ。
 討論集会は最後に団結頑張ろうで04春闘での闘いと要求の貫徹を誓いあった。

二〇〇四年 けんり春闘方針

1、闘いの基調

 (1)、闘いの広場としての春闘の再生・再構築をはかろう!多くの働く仲間との地域共同闘争を前進させよう!
 (2)、定昇廃止、賃下げ攻撃や能力・成果主義の賃金制度改悪に反対し、パート 時給改善と基本賃金引き上げを実現しよう!
 (3)、「労基法改悪反対」「解雇の金銭解決方式と労働時間規制適用除外拡大」に反対しよう!
 (4)、「低賃金・低処遇・不安定雇用」のパート等非正規・有期雇用の拡大に反対し、均等待遇の法制化実現に向け、幅広い共同闘争で闘おう!
 (5)、「判例・法理」に基づく「解雇制限法」の制定へ幅広い共同闘争で闘おう!
 (6)、行革・規制緩和攻撃に反対し、財政危機を理由とした自治体行革攻撃と対決し、公務員労働者と連帯し闘おう!
 (7)、国家的不当労働行為を許さず、一〇四七名の職場復帰を目指し闘おう!
 (8)、解雇、倒産、人員削減等の企業リストラ攻撃と対決し、国鉄闘争をはじめとする全ての争議支援・連帯闘争を強化しよう!
 (9)、日韓労働者連帯をはじめ国際連帯を強め、新自由主義に反対し闘おう!
 (10)、米英のイラク占領に反対し、日本の参戦を阻止しよう!全ての「テロ」 に反対し、世界の平和を実現しよう!

2、 闘いの課題と取り組み

 (1)賃金に関する課題
 @生活できる賃金、格差是正を含む賃上げ実現の闘い
 04春闘は、不況とデフレ、経済のグローバル化が更に進行し、総額人件費削減攻撃が強化されること明らかである。賃金は労働力の再生産費である。企業の大小を問わず、賃上げは労働者にとって当然の要求であり、生活実態に基づいた賃上げを要求していく。
 A公正な賃金制度の確立を実現しよう
我々は、賃金制度の改悪を許さず、公正で差別のない賃金制度実現に向け取り組んでいく。
 B地域別・産別最低賃金、パート賃金を引き上げよう
 「雇用の流動化」が進む中で、有期雇用労働者(パート、契約、派遣、季節、臨時等)が拡大し、低賃金・低処遇・不安定労働者が年々増大している。非正規・有期労働者は生活不安・雇用不安更には無権利状態に置かれている。我々は、不安定労働者の均等待遇実現と地域別・産業別・全国一律最低賃金制度の確立を目指し闘う。
 C具体的な賃金要求額について
 労働者の生活実態、労働実態の中から、各組合の賃上げアンケート等を実施する中で、各組合が要求を組織することとし、要求実現に向けストライキを含む闘いを職場から取り組むこととする。全労協の要求額は、生活できる賃上げとして一七、四〇〇円を下回らないものとする。 パート労働者の時給は、一〇〇円アップを基本とする。

(2)反行革・反リストラの課題

 @ 企業のリストラ攻撃と対決し、反失業、雇用確保の取り組み
 A 国と地方自治体による行政改革と対決する闘い
 B 有期雇用労働者の均等待遇を実現させる闘い
 C 改悪された労基法・派遣法に対する職場からの協約、点検・摘発闘争を!
 D NTT「改革」、郵政「民営化」反対、リストラ再編との闘い

(3)反失業・雇用確保、制度・政策の課題

 @週休2日制の完全実施、週35時間制の実現、サービス残業をなくし、雇用の拡大を
 A国・自治体による雇用確保・失業対策事業を創設させよう
 B国家・行政・企業の社会的責任で高卒・大卒者の雇用確保を実現させよう
 C雇用保険制度の抜本的改善を実現しよう
 D年金改悪に反対し、安心できる制度を確立しよう
 E女性差別を許さず、均等待遇を実現しよう
 F移住労働者権利確立の闘い
 G未組織労働者の組織化

 (4)国鉄闘争をはじめとする争議支援・連帯の闘い(略)
 (5)反戦・平和、政治課題について(略)
 (6)日韓連帯をはじめ国際連帯活動の強化について(略)


超大国アメリカの持続可能性(サステイナビリティー) B

                                 関 考一


八、恐慌の発生の根源A

 恐慌発生の究極の根拠である「生産と消費の矛盾」を指摘するマルクスに対して、「過剰生産」へ突き進む資本の動態を切り捨てて「労働者階級の狭隘な消費限界」だけを抜き出して、恐慌を単に労働者大衆の消費不足だけで説明しようとするマルサス、シスモンディなどが提唱した「過少消費説」という理論がある。この説では単純に労働者の賃金を引き上げさえすれば過剰な供給と不足する需要の矛盾を解消できるかのように考え不況や恐慌を避けることが可能とする。こうした「過少消費説」は実際にも、かって公明党が提唱して実施された「地域振興券」やブッシュ政権が行っている「小切手還付」による大減税のように姿形をかえて現れているが、その効果は極めて限定的なものでしかない。問題は制限された消費の限界さえ越えて過剰生産に突き進む資本の動態にこそ資本主義的生産の特質があるのである。
 またマルクスは飽くなき剰余価値の追求こそ「資本の魂」であり、人類に「生産のための生産」を強制するのが資本の本質であるとして次のようにも述べている。「資本家としては、彼はただ人格化された資本でしかない。彼の魂は資本の魂である。ところが、資本にはただ一つの生活衝動があるだけである。すなわち、自分を増殖し、剰余価値を創造し、自分の不変部分、生産手段でできるだけ多量の剰余労働を吸収しようという衝動である。資本はすでに死んだ労働であって、この労働は吸血鬼のようにただ生きている労働の吸収によってのみ活気づき、そしてそれを吸収すればするほど活気づくのである。」(資本論第八章労働日)
 「資本家は、ただ人格化された資本であるかぎりでのみ、一つの歴史的な……存在権をもっているのである。……だがまた、そのかぎりでは、使用価値と享楽がではなく、交換価値とその増殖とが彼の推進的動機なのである。価値増殖の狂信者として、彼は容赦なく人類に生産のための生産を強制し、したがってまた社会的生産諸力の発展を強制し、そしてまた、各個人の十分な自由な発展を根本原理とするより高い社会形態の唯一の現実の基礎となりうる物質的生産条件の創造を強制する。……そのうえに、資本主義的生産の発展はひとつの産業企業に投ぜられる資本がますます大きくなることを必然的にし、そして、競争は各個の資本家に資本主義的生産様式の内在的な諸法則を外的な強制法則として押しつける。競争は資本家に自分の資本を維持するためには絶えずそれを拡大することを強制するのであり。また彼はただ累進的な蓄積によってのみそれを拡大することができるのである。」(資本論第七編第二十二章剰余価値の資本への転化)
 「蓄積せよ、蓄積せよ!これがモーゼで、予言者たちなのだ。『勤勉は材料を与え、それを倹約が蓄積する。』だから倹約せよ、倹約せよ!すなわち剰余価値または剰余生産物のできるだけ大きな部分を資本に再転化させよ!蓄積のための蓄積、生産のための生産、この定式のなかに古典派経済学はブルジョア時代の歴史的使命を言い表した。」(資本論第七編第二十二章剰余価値の資本への転化)
 資本主義的生産はより大きな利潤獲得の可能性があれば、消費が限られた限界に押しとどめられていたとしても、いかなる制限も乗り越えて生産を拡大しようとすること、ここに過剰生産と恐慌発生の根源があるのであって「企業家はもの作りの原点を忘れてはいけない」などとして資本家の理性やモラルで制御できるものでは決してない。
 またマルクスはその貨幣論において恐慌の可能性は販売(W―G)と購買(G―W)の分離になかに潜んでいることを指摘している。
 「購買と販売という流通の二つの本質的な契機が相互に無関心であり、空間と時間にかんして分離されているかぎり、両者はけっして一致することを必要としない。両者の無関心性は、一方が他方にたいして固定化して、仮象的に自立化した状態にまで進行することができる。しかし両者が本質的には一個の全体の二つの契機をなしているかぎり、自立した姿態が強力に打ちくだかれ、内的統一が暴力的な爆発を通じて外的に回復されるような一瞬間がやってこないわけにいかない。こうしてすでに媒介者としての貨幣の規定のうちに、交換の二つ行為への分裂のうちに、恐慌の萌芽が、少なくともその可能性が存在する。」(五七〜五八年草稿)

九、恐慌の発生の根源B「利潤率の傾向的低下の法則」

 資本主義的生産は、より一層の剰余価値創造を目指して固定資本の大規模化・巨大化による大量生産を必然とし、従って原材料の消費量もまた増大せざるを得ない。その結果資本の有機的構成(不変資本Cを可変資本Vで除したもの=C/V)は高度化し、可変資本に対する不変資本の比率が一段と高まり、資本全体(不変資本C+可変資本V)に対する剰余価値(m)の割合である利潤率(m/C+V)は低下せざるを得ない。マルクスはこの資本主義の現実の傾向を分析して次のように述べている。「資本主義的生産は、不変資本に比べての可変資本の相対的減少の進展につれて、総資本のますます高くなる有機的構成をうみだすのであってその直接の結果は、労働の搾取度が変わらない場合には、またそれが高くなる場合にさえも、剰余価値率は、絶えず下がってゆく一般的利潤率に表されるということである。(……)だから、一般的利潤率の漸進的な低下の傾向は、ただ、労働の社会的生産力の発展の進行を表す資本主義的生産様式に特有な表現でしかないのである。」(資本論第三編 利潤率の傾向的低下の法則 第十三章 この法則そのもの)マルクスはまたこの「利潤率低下の法則」に反対に作用する要因として「不変資本の諸要素を低廉化する諸原因」と「剰余価値率を上昇させる諸原因」あげてこの低下が長期的傾向として発現することを明らかにした。
 さらに続けて「資本主義的生産様式の制限は次のような点に現れる。(1)労働の生産力の発展は利潤率の低下ということのうちに一つの法則を生み出し、この法則は、生産力の発展がある点に達すれば最も敵対的に対抗し、したがって絶えず恐慌によって克服されなければならないということ。」(資本論第十五章 この法則の内的な諸矛盾の展開)と述べているが利潤率低下と恐慌との関係については次の指摘が補足的に説明をしているといえる。「利潤率が下がれば、一方では、個々の資本家が改良された方法などによって自分の個々の商品の個別的価値をその社会的平均価値よりも低く押し下げようとし、……資本の緊張が生じる。他方では思惑が現れ、それは、一般的平均にはかかわりなくそれを超えて高くなる特別利潤をいくらかでも確保するための新たな生産方法、新たな投資、新たな冒険の熱狂的な試みによって、一般的に助長される。」(同前)
 こうして利潤率の傾向的低下は、恐慌と不可分の関係にあることを示しているのである。(つづく)


共同声明・

憲法改悪のための手続き法案(憲法改正国民投票法案)の国会上程に反対します


 小泉首相はこのほど中山太郎・衆議院憲法調査会会長に対して、改憲のための手続き法案(「日本国憲法改正国民投票法案」とそれにもとづく「国会法の一部を改正する法律案」)の早期成立を図るよう示しました。これを受けて中山会長は、同法案を二〇〇四年の第一五九回通常国会に提出、成立を図ろうとしています。すでに中山氏が会長をつとめる憲法調査推進議員連盟(自民、公明、民主の有志議員で結成)は二〇〇一年秋に「憲法改正国民投票法案」を発表しています。
 先の総選挙を前にして小泉首相は自民党執行部に対して「二〇〇五年秋の結党五〇周年までに自民党の改憲草案を取りまとめる」よう指示し、同党はそれをマニフェストに掲げました。しかし、今回の選挙では自民党はなぜか憲法問題を正面からとりあげることを回避したために、憲法論議は必ずしも盛り上がらず、争点とはなりませんでした。
 「日本国憲法について広範かつ総合的に調査する」として、五年をめどに国会に設置された憲法調査会は、残り期間を一年あまり残していますが、いまだに憲法の実施状況の調査などは行われておらず、「初めに改憲ありき」の議論に終始しています。にもかかわらず、こうした「憲法改悪のための手続きを定める国民投票法案」などの準備が、憲法の精神に全く反する自衛隊のイラク派遣の動きの中で進められています。憲法の遵守義務がある首相自らが「憲法の隙間」とか「自衛隊は誰が見ても軍隊」などという憲法違反の発言を公然と行いながら改憲を指示しているのです。こうした政治的風潮は、憲法の危機であるだけでなく立憲主義そのものの危機です。
 改憲を目指す中山氏たちの議連は「憲法九六条の改正規定がある以上、改憲の手続法の策定をしないのは立法不作為にあたる」などといいます。しかし、平和憲法を敵視して解釈改憲を積み重ね、自らも「自衛隊の現状は憲法と大きく乖離してしまっている」などという人びとが、九六条の遵守だけをなぜ強調するのでしょうか。これはまったくご都合主義の議論にすぎません。
 私たちは二一世紀をブッシュ米国大統領がいうような「新しい戦争の時代」にしたくはありません。日本国憲法が掲げる平和と人権、民主の理念が全世界で花開く時代にしたいと願っています。私たちは倦まずたゆまず一歩一歩、この理想の実現に向かって全世界の人びととともに歩み続けたいと願っています。この憲法の理念をねじ曲げ、ゆがめ、破壊するための「憲法改悪手続き法」(改憲のための国民投票法案)は要りません。いまこそとりわけ第九条を堅持し、世界と日本の平和のために生かすことが必要です。
 以上、連名をもって声明します。

二〇〇四年一月

 アイヌとシサムのウコチャランケを実現させる会/赤とんぼの会/アジア女性資料センター/アジア・フォーラム横浜/足の裏から憲法九条を考える会/あだち憲法問題懇談会/泉法律事務所/沖縄県憲法普及協議会/沖縄人権協会/神奈川教育労働問題研究会/かながわ平和憲法を守る会/関西共同行動/北九州かわら版/北九州第一法律事務所/北九州平和を考える市民の会/九プラス二五市民の会/教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま/共生のまちー狛江をめざす会/キリスト者政治連盟/草の実会平和・教育研/暮らしを支えるエイジレス・ポスト/ぐらす・かわさき/グローバル反戦メディアアクション/軍事力廃止を求める会/群馬県平和運動センター/「憲法」を愛する女性ネット/憲法九条の会・関西/憲法九条を世界に広げる諏訪地方ネットワーク/憲法九条を守り、戦争法の発動と具体化に反対する宮城県民連絡会(代表委員・河相一成)/憲法九条を守る非暴力市民の会/憲法調査会ひろしま見張り番/憲法を生かす会/憲法を生かす会茨城/憲法を生かす会・京都/憲法を生かす会・神戸/憲法を生かす会千葉/憲法を生かす会東京連絡会/憲法を生かす会・八尾/憲法を生かす板橋の会/憲法を生かす北区市民の会/憲法を活かす市民の会・やまぐち/憲法を生かす千代田の会/憲法を考えるつどい/憲法を生かす会・神戸/言の葉会/ごまめ通信舎/国際経済研究所/子どもと教科書兵庫県ネット21/The Article9 Society.USA/自主・平和・民主のための広範な国民連合愛知/志太憲法を大切にしよう会/市民ネットワークさせぼ/市民発・九条を世界へ尼崎市民の会/市民ピースネットワーク山梨/自由大好き!市民の会/自由法曹団/週刊金曜日練馬読者会/一九日佐世保市民の会/信教の自由と平和を求める香川キリスト者の会/信州からPEACEネット/新世界通信/真の男女平等を実現する会・杉並/杉並の教育を考えるみんなの会/杉並憲法集会連絡会/STOP!改憲・市民ネットワーク/青年法律家協会弁護士学者合同部会東京支部委員会/全国労働組合連絡協議会/戦争と平和を考える金曜連続講座/「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NET Japan)/ 戦争反対!三多摩/戦争への道を許さない北・板橋・豊島の女たちの会/戦争法反対・九条の会/即位礼・大嘗祭違憲神奈川住民訴訟の会(バンザイ訴訟の会)/「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NET Japan)/高橋聖書集会/第九条の会・日本事務局/第九条の会・オーバー東京/第九条の会ヒロシマ/第九条の会わかやま/多摩女性学研究会/長岡・憲法をくらしに生かす市民の会/長岡脱原発のくらし連絡会/長野県アジアアフリカラテンアメリカ連帯委員会/日本基督教団中国教区宣教委員会社会部/日本国際法律家協会/日本YWCA/日本山妙法寺/日本ジャーナリスト会議・出版部会/ヌチドゥタカラ(命こそ宝)ひろしま/ネットワーク五〇〇/ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン/反戦・平和アクション編集委員会/ピースアクション21/ピースアクション浜松/ピースサイクル・ヒロシマネット/ピースバス長崎/ピースリンク広島・呉・岩国(二〇数団体)/ひょうたん島研究会/ヒロシマ・エネルギー・環境研究室/広島瀬戸内新聞/ふえみん婦人民主クラブ/不戦へのネットワーク/仏教徒非戦の会・福岡/ベアテさんの会/「米海兵隊は日本にいらない」意見広告を広げる東京・関東のつどい事務局/平和憲法21世紀の会/平和憲法を活かす熊本県民の会/平和憲法を生かす新宿の会/平和憲法を広める狛江連絡会/平和・人権・環境を守る岐阜市民の声/平和を実現するキリスト者ネット/平和をつくり出す宗教者ネット/へいわとふくしを見つめる会/平和・民主・革新の日本をめざす広島の会(ヒロシマ革新懇)/平和と緑の会/平和と民主主義をめざす全国交歓会(全交)/平和をつくる大和市民の会/「孫の世代の戦争責任って…?」実行委員会/三重合同法律事務所/箕面から変えようネット! /民族差別を考える会・むくげ/メディア・リテラシー倶楽部/山形県高等学校退職教職員協議会/有事立法に反対する市民の会(廿日市)/有事立法はイケン(違憲)広島県市民連絡会(一一団体)/郵政労働組合全国協議会(郵政全労協)/郵政全労協・郵政近畿労働組合/郵政中国労働組合/許すな!憲法改悪・市民連絡会/許すな!憲法改悪・北部市民連絡会/許すな戦争!香川の会/労学舎/     (一三四団体)


せ ん り ゅ う

 小泉 軍事大国へと御参拝

 石破 英国へ武力同盟の談笑

 川口 マイヤーに武力協同でニコニコ

                  ゝ 史

二〇〇四年一月

 ○ 小泉軍事立国祈願で年頭の靖国参拝そして川口外相や石破防衛庁長官らを軍事外交の柱に使っている。公明党は自ら翼賛の旗を振り小泉独裁憲法無視の道に同化し国民をだます大役を受持つ大悪党ぶりだ。創価学会信者たちの自覚を求めたい。
 日本の軍事グローバル化を許すな!
 平和立国平和グローバル化を進めよう。


複眼単眼

アイレディース宮殿黒川温泉ホテル、 潟Aイスター、宗教法人、女性党


 阿蘇の黒川温泉のホテルがハンセン病元患者らの宿泊を拒否した事件を覚えているだろうか。
 この事件はハンセン病に対する無理解による不当な偏見と差別がこの社会に根強く残っていることの証として、実に後味の悪い事件だった。
その後、このホテル側が居直ったりしたかと思うと、急に社員が直接、元患者らをたずねて歩いたり、奇妙な迷走を繰り返し、本当に反省してはいないのではないかとの疑問も各所で指摘されていた。
 さらに事件発覚後、ホテル関係者が組織したと思われる患者への非難が相当数あったとも言われている。
 いずれにしても、こうした風潮を社会に根付かせた国の責任は重大だと改めて思ったし、この差別と偏見をなくす課題はわれわれにとっても現実の課題だと強く再認識させられた。
 ところがである。「くまもと市民センターニュース70」によれば、このホテルは「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」という名が正式の名前で、その本社が潟Aイスターというのだ。
 アイレディース化粧品の製造販売を始め、手広く商売をしている企業グループの中核会社だというのだ。これで思い当たる方もいると思う。
 以下、同市民センターニュースが指摘するところを紹介する。
 まず、アイレディース化粧品の訪問販売システムがマルチ商法疑惑が濃く、すでに問題が続出していること。
 第二に事件が大きくなるまでの潟Aイスターの社長は、西山栄一という人物で、彼が「和豊帯の会」という宗教法人の精神的支柱だということ。
 さらにこの西山が代表になって「女性党」という政党が作られ、過去、何度も参院選にでて、アイレディースたちを中心にした資金潤沢な選挙運動を展開、国会議員の当選をめざし、前回も女性を中心に四七万票を集めていること。
 今回もすでに参議院選挙に向けて銀座などで宣伝カーが走り回っている。
 その後、西山は社長を辞任し、広報課長を新社長にすえて、西山を守ろうとするなどの姑息なやり方もとっている。
 西山はこうした擬似政党、擬似宗教団体をつくり、何をめざしているのか。今回の差別事件はその危険な正体の一端を暴きだしたようだ。(T)