人民新報 ・ 第1151 号<統合244(2004年12月5日)
  
                  目次

● 自衛隊のイラク派兵延長反対!

● 辺野古新基地ボーリング調査阻止

● 9条改憲阻止! 各地で憲法集会

         四五〇〇人が参加して憲法9条を守る宮城集会

         憲法9条を変えるな! 寒波の札幌で3000人が結集

● イラクからの自衛隊撤退をめざして、市民と国会議員が緊急院内集会

● フォーラム平和・人権・環境などが「自衛隊はイラクから撤退を!派兵期限の延長を許さない集会」

● 一日も早い解決を!政府はILO勧告を守れ!  国鉄労働者1047名の解雇撤回・鉄建公団訴訟勝利 12・1全国集会

● 武器輸出をもくろむ経団連に抗議デモ

● 書評  /  谷口誠 「東アジア共同体 ― 経済統合のゆくえと日本」

● 複眼単眼  /  高野連は、茶髪、眉ぞりを許さないのだって




自衛隊のイラク派兵延長反対!


 イラク特措法が一二月一四日に期限切れになる。昨年七月に成立した「イラク復興支援特別措置法」は、「非戦闘地域」での「人道復興支援活動」が可能であるとして、小泉政権は自衛隊をサマワに派遣した。
 いまのイラクの状況は、イラク特措法の前提すらが崩れていることを示すものだ。自衛隊を派兵によって、NGOやボランティアの活動も含む非軍事的な復興支援活動が妨げられている。自衛隊派兵で、日本は中東人民の敵と見なされ、すでに何人もの日本人の命が失われている。
 小泉内閣は、国会が十二月三日に閉会するのを待って、自衛隊のイラク派兵の一年間延長を閣議決定しようとしている。国会での審議もなく、説明責任もまったく果たさずこの重要な決定を行うのである。国会審議となれば、ますます反米感情が高まり、「治安」が悪化するイラク情勢、多国籍軍の一員としてアメリカの不当な占領支える自衛隊の姿がハッキリと見えてしまい、自衛隊派兵延長反対、即時撤退の声がいっそう強まってしまうことを恐れているからだ。小泉は議会制民主主義の最低限さえ踏み外している。国会の会期を延長して、審議を尽くすのは当然のことだ。
 一二月一日には、民主党、共産党、社民党の三党が共同してイラク特措法の廃止法案を提出し、社民党から採決を求める動議が出されたが、自民党、公明党の反対多数で否決された。
 小泉政権の横暴を許さず、自衛隊のイラクからの撤退を要求して断固として闘いぬこう。

 アメリカ・ブッシュ政権は、イラク攻撃の口実としてフセインによる大量破壊兵器の保有、アルカイダとの組織的なつながりなどをあげた。そのことごとくが「うそ」であった。そのことは、アメリカの調査でも明らかになっている。しかも、9・11事件が起こる前からブッシュ政権はイラク攻撃と中東支配のプランを持っており、9・11事件が起ころうと起こるまいと何かの理由をつけてフセイン政権打倒の戦争をはじめるつ積もりだった。このことは米政権の中枢にいた人物も告白している。
 9・11事件以降、テロにたいする戦争と称して、アフガニスタンに戦争を仕掛け、イラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と規定し、国際世論の大きな反対を押し切ってイラク戦争を開始した。全世界の人民の連携した反戦運動の高揚、フランス、ドイツなどのヨーロッパ諸国の反対、そして国連の会議でも多くの国ぐにがアメリカ批判の声をあげた。
 二〇〇三年三月二〇日のイラクへの攻撃を開始したブッシュは五月一日に勝利宣言を行い、一二月にはフセイン大統領が拘束された。しかし、アメリカをはじめとする占領軍へのイラク人民は反撃は日一日と高まっていった。そして、四月のファルージャなど各地での虐殺事件の報道、米兵によるアブグレイブ収容所での拷問の発覚は世界におおきな衝撃を与えた。これらの暴露は、大量破壊兵器問題とあいまって、「反テロ」戦争なるものが、アメリカ帝国主義の利益のためだけの侵略戦争であったことを多くの人びとが知ることとなった。
 そうしたアメリカによるイラク戦争を率先して支持したのが小泉政権であり、「非戦闘地域」への派遣などという詭弁を弄して派兵を強行した。だが、いま小泉政権は窮地に立たされている。サマワの自衛隊宿営地は何度も砲撃を受け、自衛隊はアメリカ占領軍の一員だとして撤去を求めるデモが行われるようになっている。
 一一月七日には、イラクかいらい政権によって、北部クルド人自治地域を除くイラク全土に非常事態が宣言され、米軍の攻撃が激化した。これは、来年一月に選挙を行うために、イラクの反米勢力を絶滅する軍事行動である。米軍は、「テロリストのザルカウィ」が潜伏しているとしてファルージャを包囲し、総攻撃をかけた。住民三〇万人の三分の一近くが脱出できずに、米軍の攻撃にさらされた。米軍の無差別攻撃が開始されてから、すでに六〇〇〇以上の人びとが死んだといわれている。米軍はファルージャ攻撃の際、まず医療施設やモスクを破壊し、そこを軍事拠点とし、全市を包囲し、無差別攻撃を仕掛けた。
 こうしたファルージャ攻撃の暴挙にたいして小泉は、支持し、米軍の「成果」をたたえたのである。
 アメリカのイラク占領は破綻しはじめている。占領多国籍軍から脱落する国が次々とでてきている。ブッシュの盟友として戦争支持の中軸のひとつであったスペインはイラク問題をめぐって政権交代があり軍が撤退した。サマワの治安を担当しているのはオランダ軍も、来年の三月には撤退することになった。イギリスでも撤退の声が高まっている。自衛隊派兵を続ける日本はアメリカの手先として見られ、世界的に孤立するようになっている。
 自衛隊派兵延長は小泉政権があえてイラクの人びとと敵対する立場を鮮明にするものだ。来る一二月一四日は、日本の進路にとってきわめて重要な日となる。
 WORLD PEACE NOWは、「派兵一年、期限切れ 撤退させよう自衛隊 終わらせようイラク占領 WORLD PEACE PARADE 12・14」を呼びかけ、「派兵延長をやめさせ、『自衛隊はいますぐ帰って来い』と言いましょう」と提起している。
 12・14集会を成功させ、ブッシュによるイラク侵略戦争・占領を糾弾し、自衛隊の派兵延長反対・即時撤退の闘いを前進させよう。
 自衛隊はイラク人を殺すな!
 自衛隊はイラクからただちに撤退せよ!


辺野古新基地ボーリング調査阻止

 那覇防衛施設局は、名護市辺野古海域での海上新基地建設に向けたボーリング地質調査で、掘削作業用の単管足場二カ所で設置作業を実施しようとした。リーフの内側に掘削作業を行う単管足場を設置し、掘削作業用の機械を組み上げようとしている。
 一一月二九日、抗議船、カヌー隊は早朝から行動を開始し、施設局が設置した足場の上に乗り周りをカヌーで取り囲むなど阻止行動を展開した。季節的にすでに海は荒れ模様で、台風の接近やキャンプー・シュワブ米軍の訓練、そして連日の果敢な抗議行動などによってで工事は進んでいない。しかし、施設局は多くの業者を雇い入れ工事を強行しているし、海上でも海中でも、抗議する人びとに危険な攻撃が繰り返されている。
 一一月二五日には、国際自然保護連合(IUCN)が、ジュゴンやヤンバルクイナの保護策を日米両政府に求める勧告を採択した。勧告には辺野古沖を「環境アセスメントの対象とする」とあり、ただちにボーリング調査を中止し、アセスに組み入れるべきである。
 東京では、一一月二九日には、防衛庁・防衛施設庁にむけての定例の抗議行動が行われ、海上新基地建設の即時中止を求めるシュプレヒコールをあげ、申し入れを行った。
 辺野古の闘いは、冬を迎えいっそう厳しい状況を迎えている。現地阻止行動への参加、カヌー船などの資金カンパなど支援を集中し、全国各地で沖縄に連帯する闘いを巻き起こそう。


9条改憲阻止! 各地で憲法集会

四五〇〇人が参加して憲法9条を守る宮城集会

 一一月二一日、「憲法9条を守る宮城集会」が仙台国際センターで開かれた。同集会「呼びかけ人会議」(後藤東陽代表)と「九条の会」が主催した集会には、一時間も前から、長い行列が出来、予想をはるかにこえる四五〇〇人以上もの参加者がつめかけた。
 主会場と予備に用意した第二、第三会場もたちまち満杯になり、溢れ出た人たちは、戸外でスピーカーの音に耳を傾けた。
 始めに、後藤東陽氏の開会の挨拶があり、「戦争体験から、イラク戦争に反対する。平和憲法は、日本の誇りだ。一緒に守ろう」と呼び掛け、井上ひさし、澤地久枚・三木睦子、加藤周一各氏の講演に移った。
 先ず仙台ゆかりの井上氏は、「日本国憲法は明文で、国民が確定して決めたもの。他の法令に優越するのだから、そう簡単に変えられない」とフランスやドイツの憲法を例にあげて、改憲の動きを牽制した。
 澤地氏は、「イラクで自衛隊に何かあったら、一気に戦争論が復活する。憲法論議などしようものなら、『非国民』と言われかねない。それでも、未来の子供たちのために、9条という『かすがい』で結ばれた人間のサークルを日本中、否国境を越えて広げて行こう」と訴えた。
 続いて、先の大戦で兄を亡くしたという三木氏は、「自衛隊は、武装してイラクに行くよりも、新潟県中越地震の被災地にこそもっと応援に行くべきだ。日本が9条を捨てたら戦争になる。改憲を阻止するために、全国を廻っている」と声を振り絞った。
 加藤氏は、「9条と国際貢献は矛盾しない。緊急な国際貢献は、環境や南北格差、公衆衛生、教育などで、武力とは全く関係ないものだ。9条が日本に戦争をさせないし、アジアの平和に貢献する」と力説した。
 最後に、「9条を守る心は一つ」というアピールを採択し、参加者一同で会場から勾当台公園まで行進し、市民に訴えた。

憲法9条を変えるな! 寒波の札幌で3000人が結集

 十一月二十五日夜、札幌市の札幌市民会館で「九条の会」講演会が開かれ、奥平康弘さん、小田実さん、鶴見俊輔さんの三人が講演した。会場には冷たい風の中、開会前から大勢の人びとが集まり、通路やロビーには三〇〇〇人がぎっしりと座った。入場できなかった市民も数百人もあったが、何人もの市民が「たくさん集まってよかったね」とスタッフを激励して帰った。
 元国会議員の竹村泰子さんの司会で、地元の「講演会を成功させる会」の呼びかけ人の一人、花崎皋平さんが挨拶、「九条の会」事務局の高田健さんが経過報告したあと講演に移った。
 奥平さんは「現実に合わせて憲法を変えようというが、その現実は政府が作り出したもの。現実は変えられる。憲法九条を世界に発信しよう」と述べ、小田さんは「憲法九条は日本にとって必要なだけでなく、アジアと世界にとって必要なもの」と話した。鶴見さんは「アメリカは全体主義になりつつある。日本はこれに追従しているが、私はたとえ一人になっても憲法九条を守っていきたい」と述べた。
 参加者はテレビのモニターを見ている人びとを含めて、熱烈な拍手を送っていた。
 九条の会の講演会は、今後は那覇、福岡、広島などで開かれる予定だが、回を追うごとに人びとの期待が高まっていることを示している。


イラクからの自衛隊撤退をめざして、市民と国会議員が緊急院内集会

 一一月二九日午後に、参議院議員会館で、戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動などの呼びかけで、「イラクからの自衛隊撤退をめざす市民と国会議員の緊急院内集会」が開かれ、多くの国会議員と市民が参加した。
 日本国際ボランティアセンター(JVC)の熊岡路矢代表がイラク情勢を報告。
 米軍がファルージャを包囲して、ジャーナリストやNGOなどが中に入れない。赤十字にあたるイラク赤新月社の医薬品を積んだ車も入れなかったが、ようやく先週の金曜日に入れた。その報告によるとファルージャの状況は本当にひどいものだ。米軍は二〇〇〇人が死んだと言うが、六〇〇〇人以上が殺され、死体が放置されている。それに四〜五倍の重軽傷者がいる。ファルージャは二五〜三〇万人の人口だが、取り残された人五〜八万人が戦闘に巻き込まれた。米軍はテロリストのザルカウィを捕まえる、来年一月の選挙のためだとして攻撃をはじめたが、ザルカウィは居なかったし、イラク人の反米感情を高め選挙の条件は逆に困難になった。NGOは深い危機感を持っている。軍隊は人道・復興支援などできない。軍隊がいることによって、国連、ジャーナリスト、NGOは危険にさらされている。アメリカの占領をやめさせ、自衛隊の派遣をやめさせよう。
 社会民主党の福島瑞穂党首(参議院議員)の発言。
 一二月一四日が自衛隊派兵の期限だ。すでに占領に加担していた国も多く撤退をはじめた。自衛隊宿営地付近にいるオランダ軍も来年三月には撤退する。日本政府はイギリス軍に治安を頼むらしいが、自衛隊はイラクにとって百害あって一利なしだ。ただちに帰るべきだ。この間の政府による国会軽視ははなはだしい。一二月三日に国会が終わるが、自衛隊派兵の延長を閉会中の閣議で決定するというのだ。また米軍の世界的な再編の中で、アメリカ・ワシントン州にある米陸軍第一軍団司令部を神奈川県のキャンプ座間に移転させようとしている。これは、安保条約の極東条項にも違反し、細田官房長官もそうだとしている。昨日座間基地の中を視察した。ラムズフェルド米国防長官は「歓迎されないところには基地は置かない」と言っている。社民党は基地は「アンウエルカム(歓迎しない)」と申し入れてきた。いまこそ、平和を求める人たちが力を合わせる時だ。いっしょに頑張ろう。
 日本共産党の志位和夫委員長(衆議院議員)の発言。
 サマワを含めてイラクは戦闘地域となっている。自衛隊はイラク占領の共犯者であり、在沖縄米軍の第三一海兵遠征部隊もファルージャ攻撃に参加している。オランダ軍は撤退の理由を「われわれはイラク人の友ではない」ということがわかったことだ、と言っている。小泉首相はまったく無責任だ。ただちに自衛隊を撤退させよう。
 民主党からは今野東衆議院議員が発言し、戦争への道を許さない女たちの会、キリスト者平和ネット、安保破棄中央実行委員会、市民緊急行動などが発言した。


フォーラム平和・人権・環境などが「自衛隊はイラクから撤退を!派兵期限の延長を許さない集会」

 一一月三〇日、星陵会館で、「自衛隊はイラクから撤退を!派兵期限の延長を許さない 11・30集会」が開かれた。主催の実行委員会は、戦争反対・有事つくるな!市民緊急行動、日本消費者連盟、ATTAC Japan、アジア太平洋平和フォーラム、フォーラム平和・人権・環境で構成されている。
 はじめに主催者を代表して、福山真劫・平和フォーラム事務局長があいさつ。
 昨年の三月、アメリカは国際的な世論に反してイラクへの侵略戦争をはじめた。そして一年八カ月、イラクでは市民など一〇万人が殺され、民衆生活は破壊された。その戦争を、いち早く支持したのが小泉政権であり、いま自衛隊は多国籍軍の一員として占領軍の一翼を担っている。かつては日本に対して友好的であったイラク国民は、日本をアメリカ、イギリスに次ぐ三番目の敵だというまでになっている。私たちは、一二月の闘いで、自衛隊の派兵をやめさせて行かなければならない。この間、小泉首相も大野防衛庁長官も野党の質問にまっとうに答ができていない。自衛隊も日本の青年だ。それなのに、説明のできないまま派兵が続けられている。一一月七日にイラク「政府」は、北部クルド人地区を除いて六〇日間の非常事態を宣言した。これは自衛隊のいるサマワも戦闘状態になっているということだ。当初三七カ国が派兵していたが、スペイン、フィリピンなどが撤退しいまは二七カ国になっている。来年にはオランダやポーランドなどが撤退する。野党はイラク派兵法廃止法案を出した。連合も集会を予定している。まだ間に合う。WORLD PEACE NOWの一二月一四日の集会を大きな結集で成功させるなど国会の内外で闘いを強めて行こう。
 つぎに国会情勢報告。
 稲見哲男・民主党衆議院議員が発言。
 臨時国会は終盤を迎えているが、民主党など野党は国会会期の延長を求めている。橋本元首相の収賄事件などの政治と金の問題、それと自衛隊のイラク派兵問題だ。三日に国会は会期末を迎える。政府与党は、それまでは国会での議論になるので派兵延長の決定を下さず、閉会になったら決定するという姑息な手段を取っている。イラクは非常事態で全土が戦争状態にある。小泉首相は、すでに自衛隊派遣の条件がなくなったから中断・撤退すると言うべきだ。
 社民党の幹事長の又市征治・参議院議員が発言。
 アメリカのイラク戦争は、大量破壊兵器がなかったことなどでその侵略戦争の性格がはっきりした。小泉政権はその戦争を率先支持した。世界中で日本人はテロと報復の対象となり、すでに、外交官、ジャーナリスト、市民が犠牲者となってしまった。サマワの自衛隊宿営地でも八回にわたって爆発が起こっている。米軍のファルージャ攻撃では六〇〇〇人以上のイラク市民が殺されたと言われる。国連加盟の一九一国のうちアメリカの戦争に参加・支援しているのは二〇数カ国にすぎない。政府はただちに自衛隊を撤退させるべきだ。
 問題提起では、田巻一彦さん(ピースデポ副代表)、志葉玲さん(ジャーナリスト)、富山洋子さん(日本消費者連盟)が発言した。
 田巻さんは「一体化の進む米軍と自衛隊」と題して話した。
 この一年、イラクをめぐる状況は大きく変わった。ブッシュはイラク攻撃の直前二〇〇三年三月一七日に最後通牒の演説をおこなって次のように言った。「われわれは今行動する。一年から五年放置すれば、イラクが自由な国家に被害を与える能力は数倍にも膨らむだろう」と。しかし、つい最近の二〇〇四年一一月四日にIAEAエルバラダイ事務局長がスタンフォード大学で講演したが、それは、@査察は機能していたのに連合国はそれを無視して戦争に走った、A先制攻撃は誤り、B分裂した国際社会に勝者はいない。イラク国民こそ最大の被害者だ、といものでアメリカのイラク政策に対する批判が大きくなってきている。
 集会では、イラク民主的国民潮流(CONDI)のアブデル=アミール・アル・リカービさんからの「イラクにおける自衛隊の存在は戦争行為にあたること、また自衛隊の存在は占領に加担することであり、いますぐに自衛隊はイラクから立ち去るべきです」というアピールが紹介された。


 一日も早い解決を! 政府はILO勧告を守れ!

 
 国鉄労働者一〇四七名の解雇撤回・鉄建公団訴訟勝利 12・1全国集会

 一二月一日、日比谷野外音楽堂で、「一日も早い解決を!政府はILO勧告を守れ! 国鉄労働者一〇四七名の解雇撤回・鉄建公団訴訟勝利12・1全国集会」が開かれ、全国から四三〇〇人が参加した。
 国労大井工場支部のスペシャルブレンド・バンドの演奏でオープニング。
 呼びかけ人を代表して、下山房雄・九州大学名誉教授があいさつした。
 争議勝利の基礎は団結にある。国鉄闘争でも、ようやく一〇四七名の団結へむかいつつある。いま必要なのは、何よりも鉄建公団訴訟の前進であり、勝利判決をかちとることだ。そうすれば政治解決の道も開かれる。
 決意表明では、建交労・全動労争議団の梅木則秋が発言。
 新たに鉄建訴訟に加わる流れを強めていくことが大事だ。建交労鉄道本部も闘いを強化する方向で進んでいる。
 つづいて鉄建公団訴訟原告団の酒井直昭団長が発言。
 四党合意が出てきたが、われわれは鉄建公団訴訟にたちあがった。それに対して国労本部は統制処分、生活援助金をとめるなどの締め付けをやってきた。だが、訴訟やめられない。すでに原告団と家族の全員が法廷に立って訴えを行ってきた。建交労もともに闘う方向だ。そして千葉動労とも一緒になって闘おう。全国からあつまった支援の仲間に感謝するとともに、勝利するまで闘いう決意を表明する。
 連帯・激励挨拶で、経済学者の伊藤誠さんは、労働者にとって厳しい情勢となっているが、国鉄闘争の前進が労働運動の道を切り開くものとなっている、と述べた。
 評論家の佐高信さんは、私はここに激励に来たのではない、激励をうけにきた、闘わない組合は組合ではない、プロ野球の選手でさえストを打っている、連合などは指導を受けたほうがいい、と述べた。
 高知短大名誉教授の芹澤寿良さんは、鉄建公団訴訟への新たな合流など団結の動きができた、もっと大きな団結への動きが必要だ、それぞれの組織が充分頑張って、その力を基礎に大きな闘いをつくりだそう、と述べた。
 国際労働研究センターの戸塚秀夫さんは、一九八〇年代以降、民主主義を支えてきた労働運動が後退し、また期待していた組合も闘いを回避するようになった、国労への支持は変わらなかったが四党合意には賛同できない、国鉄闘争の勝利に期待する、と述べた。
 会場の参加者が北海道から九州・沖縄までブロックごとに起立し、紹介された。地方を代表して、国鉄闘争勝利四国ブロック、闘う闘争団とともに闘う新潟の会が激励の発言をおこなった。
 集会アピールを確認し、中村宗一国労高崎地本委員長が集約・団結ガンバローを行った。
 集会終了後、梯団ごとにデモに出発した。

 集会アピール
 
 国鉄労働者一〇四七名の解雇撤回・職場復帰を柱とする国鉄闘争は、一八年が経過しようとしている。長期にわたる争議の中で、三二名もの仲間が解決を見ることなく病や事故などで他界し、たたかいつづけている多くの仲間が病床にふしている。
 職場復帰の願いもむなしく定年を迎えた仲間も増え、長引く不況のもとで解雇された当事者とその家族の暮らしも、一層、厳しさを増している。この解雇争議の解決は一刻の猶予も許されない緊急の問題である。こうした事態を放置してきた政府・鉄道運輸機構の責任は重大である。
 昨年一二月二二日に出された最高裁判決は、「JRの責任」を免罪した不当な判決である。しかし、一方、不当労働行為の事実は否定することができず、その責任は「国鉄清算事業団・現鉄道運輸機構」にあることを明らかにした。
 今年六月一八日に出されたILO第六次勧告は、最高裁判決を引用し、鉄道運輸機構と三〇〇名の鉄建公団訴訟原告を関係当事者として明確にした。そして、政府にすべての関係者との話し合いの場を設け、早期に解決をはかるよう勧告している。
 鉄道運輸機構は、われわれの申し入れに対して「当事者としての認識はもっている」としながらも「何らかの根拠がなければ動けない」とし、現在進行している鉄建公団訴訟について「重要な判断となる」とこたえている。最高裁判決後の新たな局面のもとで、政府を動かし、鉄道運輸機構に解決を迫るうえで鉄建公団訴訟の動向が大きく影響することは言うまでもない。
 われわれは、鉄建公団訴訟勝利を正面に掲げ、一〇四七名採用差別事件の早期解決をめざしてたたかう当事者である一〇四七名が団結してたたかえば、必ず、解決への道を切りひらくことができると確信している。
 このたたかいの支えになっている支援者・団体の物心両面にわたる支援を忘れることはできない。国鉄闘争は、正念場を迎えている「団結なくして勝利なし」。今日の全国集会は大きく成功した。
 たたかうすべての仲間に呼びかける。
 一つ、鉄建公団訴訟の公正判決を求める団体・個人署名を全国から東京地裁に集中しよう。
 二つ、一〇四七名の解決要求には道理がある。共同行動をひろげ、世論を結集しよう。
 三つ、政府は責任をもって解決せよ。鉄道運輸機構、関係省庁、政党・議員への働きかけを強めよう。


武器輸出をもくろむ経団連に抗議デモ

 小泉政権の戦争できる国家づくりに呼応するかたちで、日本の軍需産業の活動も活発化している。日本経団連は七月二〇日に提言「今後の防衛力整備のあり方について」を出したが、そこでは武器輸出三原則の見直し、宇宙の平和利用原則の見直しも求めている。

 一一月二六日、「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン二〇〇四」、「グループ武器をつくるな!売るな!」、「新しい反安保行動をつくる実行委」のよびかけで、「恥を知れ!経団連 武器輸出をするな! 11・26 経団連抗議デモ」が闘われた。
 坂本町公園の集会では、旧ベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)の福富節男さんが発言。
 三一年ぶりに経団連へデモをかける。一九七三年の六月にこの阪本町公園からデモをやった。当時は、前年の北ベトナムによる和平協定が明らかにされて、日本はベトナム復興開発援助などを臆面もなく言い出した。戦争の基地となっている日本が難民救済を言った。これは援助を口実にした新たな侵略だった。経団連は財界の総本山だ。いまは、あの時よりももっと厳しい状況が日本を覆っているが、警察で守られている経団連に直接申し入れにいこう。
 デモは常盤公園までで、警察は経団連まで行かせない。デモ終了後、行動参加者は三々五々、経団連に向かい、会館前でシュプレヒコールを上げた。

 [武器輸出問題について……日本経団連に対する公開質問状]

 一、武器輸出三原則について
 @提言は日本を「平和国家」と位置付けている。その「平和国家」日本の『国是』として三原則が確立され、一定維持されてきた背景、根拠をどのように了解されているのか。
 A「三原則は日本の平和・軍縮外交に説得力を与える財産として機能してきた」との見解が存在している(最近の例では猪口邦子前国連軍縮大使)。
 提言は三原則のマイナス評価のみを書き連ねているが、その積極的意義についてはどのように考えているのか。
 B提言は、三原則の存在により「日本の防衛産業は…世界の安全保障の動きからも孤立しつつあり」と述べているが、これは具体的にどのような状況を指しているのか。
 二、武器輸出解禁がもたらす事態について
 C米軍需産業は、三原則緩和による協力の相手として日本の軍需(防衛)産業だけでなく、「技術、製品、サービスなどで優れた企業」(ボーイング統合防衛システム部門最高経営責任者のジム・オルボー氏)をも望み、微細加工や優れた製造技術、小型化技術、電子技術などへの強い期待を表明している。提言も民生技術の軍事利用を奨励しているが、それにより企業が負う機密管理負担の増大や民生看板の色あせを指摘する声もある。こうした米側の要求にそのまま応えようとするのか。
 D西岡喬経団連副会長・防衛生産委員長(三菱重工会長)は、米ロッキード・マーチン主導の次世代戦闘機「ジョイント・ストライク・ファイター(JSF)」の国際共同開発に、「今からでも参加したい」と表明している。将来、日本企業が参加し、その技術・部品が組み込まれた最新鋭戦闘機が空爆に参加し、アフガニスタンやイラクにおいて見られるような民間人殺害という戦争犯罪を行なうケースが容易に想定される。こうした可能性についてどう考え、どう対処するつもりなのか。
 E石破茂前防衛庁長官の一月の発言や防衛庁の「防衛力のあり方検討」案(七月二四日、産経)、さらに守屋武昌防衛事務次官発言でも、中古護衛艦の東南アジア輸出の意向が示されている。東南アジアでは、最近でもインドネシア国軍によるアチェ州での民間人殺害を伴う軍事作戦に、米製F16、英製ホーク戦闘機が使用された。今後、武器輸出解禁により日本の部品・技術が含まれた兵器によるこうした自国民殺害が行なわれるケースも想定されるが、どのように考えるか。
 F「対テロ戦争」を掲げた先制攻撃(=侵略戦争)戦略を実行している米国は、世界最大の紛争当事国であり紛争加害国となっている。今、この時期に米国への武器輸出を解禁することは戦争犯罪への加担であり到底許されないと思われるが、どう考えるか。また、米国によるイラク戦争、ファルージャ総攻撃についての見解も示されたい。
 三、ミサイル防衛(MD)について
 G三原則見直しのきっかけとされるMDは、技術的困難性、軍拡競争の促進、米国の先制攻撃の敷居を下げる危険性、宇宙軍拡の恐れなど多くの問題点が指摘され、日米のみならず、アジア、世界においても根強い批判が存在する。MDをどうとらえているのか。 (以下略)


書評

  谷口誠
 「東アジア共同体 ― 経済統合のゆくえと日本」

                       岩波新書  2004年11月 819円(税込)

 「二一世紀にはいり、EU(欧州連合)、NAFTA(北米自由貿易協定)に代表される世界の地域統合が拡大していく一方、東アジアにもようやく地域統合への動きが活発化してきた。現在、東アジア諸国間では、政府レベルでFTA(自由貿易協定)を中心とするEPA(経済連携協定)締結交渉が急速に進められている。……二一世紀は、世界経済が新しく三極構造化する中で、米国、欧州とも協調を保ち、躍進するアジアに軸足を置き、アジアと共に歩むべき世紀である」。
 著者の谷口は「はしがき」でこう書いている。
 谷口は、在ニューヨーク日本政府国連代表部特命全権大使やOECD(経済協力開発機構)事務次長などを努めた外交官だ。
 谷口は、日本がこうした地域化の流れに乗り遅れたと批判している。その原因は対米配慮が大きいとしているが、日本の対アジア外交の失敗の例として昨年二〇〇三年一二月に東京で開かれた日本・ASEAN特別首脳会議での東南アジア友好協力条約(TAC)への加盟問題を上げている。TACは東南アジアの恒久的な平和、永続的な友好・協力を促進することを目的としたものだ。東京会議で日本政府はTACへの加盟を表明したのだが、そのわずか二ヶ月前のASEAN+3(日中韓)首脳会議では、ASEANの加盟要請に小泉首相は拒否した。なぜ日本政府の態度が急変したのか。中国とインドがASEANの要請に答えて、両国がTAC加盟の署名をおこなったからだった。
 「最近の日本のアジア外交に特徴的なことは、まず中国にイニシアティブをとられ、初めのうちはこれを軽視しているのだが、結局は中国への対抗意識から、中国と同等、あるいはそれを上回る措置をとらざるを得なくなることである。その理由としては中国のアジア外交を甘くみていることや、または中国の力そのものを読み違え、軽視していることなども考えられるが、それよりさらに重要なことは、日本のアジア外交には常に米国への配慮、時には不必要なまでの米国への気遣いがあり、中国との関係においても、絶えず米国の影が感じられることである。このように日本のアジア外交の過誤を分析し、検証して言えることは、日本外交に今ある長期戦略とは、すなわち対米重視戦略であり、日米同盟、日米安全保障条約の堅持であって、対アジア、対欧州外交には、二次的、三次的ウェイトしか置かれていないと言うことである」。
 首相官邸のホームページを覗くと「二一世紀日本外交の基本戦略〜新たな時代、新たなビジョン、新たな外交〜」というのが載っている。これは、岡本行夫内閣参与(肩書きは当時のもの)を座長に、北岡伸一東大教授(現、国連次席大使)が執筆し、張富士夫トヨタ自動車社長、西原正防衛大学校長などをメンバーに、「多くの会合に総理大臣、官房長官、外務大臣に出席いただい」て、二〇〇二年一一月二八日に小泉首相に提出されたもので、小泉内閣の外交政策の基本的観点となっているものだ。その「日本の基本的国益とは何か」の項で「いかなる国にとっても、『安全』はもっとも重要な国益である。とくに日本は戦略的縦深性に乏しい国であり、軍備競争にもろい国である。核兵器を有する中国と単独で対抗することは困難である。したがって、日本がアジアおよび世界の安全保障の最終的担い手である米国との安全保障関係を強化していくことは、自然な要請である」とある。中国との対抗とアメリカとの軍事同盟が明言されてる。そのほかにも躍進する中国への不安と対抗心が随所にあらわれているものとなっている。
 また、日本外交の戦略問題について多くの場で発言し絶大な影響力をもつ人物に岡崎久彦がいる。岡崎は「日本外交の情報戦略」(PHP新書)などで、日本外交の最大の失敗は日英同盟の廃棄と真珠湾攻撃だとして、とにかくアングロ・アメリカンとの協調を第一とすべきだと言っている。第二次世界大戦でも、東西冷戦でも、勝者は米英だった。最強の力をもつものはアメリカだ。だからアメリカのがわに立つことが日本の国益なのだという。たしかに、唯一の超大国であるアメリカ「帝国」を軸にして世界が存在しているかに見える。だが、二一世紀に入り、ヨーロッパの統合、アジアの台頭は世界の多極化の趨勢を促進している。イラク戦争以後のアメリカの孤立は、それを一段と推し進めた。その時に、旧態依然としてアメリカ主軸の外交戦略を墨守すること悲惨な結果をもたらすことになる。小泉政権は、ヒトラーの進撃に目を奪われ日独同盟で突っ走った日本軍部と同じ様なものになっているのではないか。岡崎が言うように、確かに情報戦略は必要だが、新世紀の地殻変動を、惰性によって見逃しているようでは、情報戦略家の名が泣くのではないだろうか。

 目次は、「なぜ、いま東アジアに地域統合が必要か」「動きだした東アジアの地域統合」「地域統合への障害は何か」「『東アジア経済共同体』の可能性」「『東アジア経済共同体』の経済的メリット」「『東アジア経済共同体』の成立のために」「さらに『東アジア共同体』をめざして」となっている。谷口は、最後の章で、「このペースでいけば、日本・ASEAN、韓国・ASEAN、中国・ASEANの三つ巴ではあっても、二〇一〇年ころにはASEAN+3の間を中心とするEPAが締結され、それがいずれは収斂されて、何らかの形の『経済共同体』が形成される可能性は高く、その時期は予想外に早いかもしれない」と書いた(発行は二〇〇四年一一月一九日)。
 まさにその通りの展開が進んでいる。一一月二九日、ラオスのビエンチャンで開かれた第一〇回ASEAN首脳会議では、将来の東アジア共同体形成に向けて、ASEAN、日本、中国、韓国の首脳による初の東アジア・サミットを来年にマレーシアで開催することが合意された。十二月一日の日本経済新聞の社説「東アジアは『開かれた共同体』を」は、「実に多様な動きである。そのスピードにも驚かざるを得ない。ラオスの首都ビエンチャンで開いた東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の会合のことだ。……経済を中心とした東アジアの連携が重層的になり、空間的にも拡大し始めたと言っていい。……東アジアがすぐに、欧州のような共同体をつくれるわけではないし、それを目指しているとも言い難い。白地に絵を描くのはこれからである。ただ、東アジア各国が『共同体』を一つのゴールとして意識し始めたことの意味は大きいというべきだろう。……経済を中心とした東アジアの連携強化が日本の国益であることは疑いない。日本にはむしろ、こうした動きを主導することが求められる。FTAやEPAは一種のゲームであり、出遅れると大きな不利益を被る可能性があるからだ」と書いた。

 しかし、アメリカは東アジアの動きに警戒的だ。一一月三〇日、来日中の米国務省のミッチェル・リース政策企画局長は、「東アジアはオープンかつ包含的であるべきだ。域内国同士の協力だけでなく、米国との協力も求める」と述べ、東アジア・サミットについても、「新しい制度や協力の方式が米国を排除しないか懸念を持っている」とアメリカの不安と東アジアの動きを牽制した。
 日本外交の基本的な姿勢が変わったわけではない。ASEAN首脳会談でも、小泉首相は、東アジア地域統合をできるだけゆるやかなものとし、メンバーもASEAN+3に限定せず、オースタラリアやニュージーランドを含め、将来的にはアメリカにも門戸を開放していくことを主張した。
 しかし東アジア共同体に向けての歩みを阻害している最大のものは、谷口も言うように日中関係だ。経済的にはかつてない良好な関係をもちながら、政治的には三年間も両国首脳の相互訪問がないという「政冷経熱」という状況にある。小泉は、チリでのAPEC首脳会議で胡錦涛主席と、ASEAN首脳会議では温家宝首相と会談した。いずれも場合も靖国神社参拝問題を突きつけられた。国連の常任理事国入りを狙う日本は中国、韓国から歴史問題に真剣に対処しないことを理由に支持をとりつけられないでいる。日本は本当にアジアにむきあえるのかが問われている。また、地域統合が進む中で、犠牲をしわ寄せされる労働者、農民、中小企業者の生活と権利をいかに防衛するのかが焦眉の課題となっている。
本書は、予想をこえて急速に進む東アジア地域統合について考えるための必読のものであろう。 (MD)


複眼単眼

  
高野連は、茶髪、眉ぞりを許さないのだって

 十一月二六日の共同通信の配信記事によると「日本高野連の脇村春夫会長は二六日、野球部員がまゆ毛にそり込みを入れたり、髪を茶色に染めたりすることを禁止、校則違反の指導を徹底するように、極めて異例の通達をした。同日の全国理事会で決定した。各都道府県高野連を通じて教育現場に伝えられる。通達の中で、一部の大会出場選手に、選手としてふさわしくない印象を受けるまゆ毛のそり込みや服装の乱れがあると指摘している」ということだ。
 「沖縄タイムス」によれば脇村会長は記者会見で「茶髪も禁止。指導者は校則違反がないように徹底して試合に臨んでほしい」と注文したという。
 高野連というのはもともと、「天皇」と称される独裁者がいたり、「五人組的な処分による規律統制」を旨としたりする時代錯誤の傾向が強い組織なのだが、今回の「決定」と「通達」にはあきれかえる。プロ野球の先のジャイアンツ・オーナーのナベツネもそうだが、この手の連中が横行する球界はよほどの改革が必要だ。
 「沖タイ」の記事にあった漫画家の中尊寺ゆつこさんの談話はわが意を得たりのところがあるので、以下、紹介する。
 「高校球児が純粋ですがすがしいというのは、大人の勝手な幻想。押しつけてはいけない。今の高校生は男子もおしゃれの水準があがり、まゆげを整えたりするのは普通。野球部だけ規則で縛れば、運動能力の高い生徒は他のスポーツに流れる。プロでは(茶髪の)新庄剛志選手のように、派手なキャラクターもお客を呼べるとして重視される。一定の節度は必要だが、実力が伴っていれば構わない」と。
 高野連はまた「染めているか、自然の色で茶っぽいか」などの検査をやるのか。高校球児で今年の甲子園を沸かせたダルビッシュ君だっている。どうするつもりだ。偏向したナショナリズムは百害あって一利なしだってことくらい、わからないのだろうか。
 この手の高校生や若者を管理したがる大人には要注意だ。
 同様の魂胆から東京では高校生のボランテイア活動の義務化の問題が持ち上がっている。
 これに先の自民党の改憲草案大綱たたき台の「国防の責務」という論理を上乗せしたらどうなるか。
 高校生に義務化されるボランティア活動の対象に「自衛軍」での活動が入りかねない。ほら「高校生はボランテイアで軍隊に入り、根性をたたき直せ」などという声が聞こえるでしょう。
 こうした動きに反対したら「国防の責務」を規定した憲法の名において、私たちは訴追されるのだろうか。 (T)