人民新報 ・ 第1212号<統合305>(2006年11月6日)
目次
● 防衛庁の省昇格・海外派兵の「本来任務」化を阻止しよう
● 北朝鮮の核実験反対、戦争につながる制裁反対、東北アジアを非核の地域に WPNが10・22緊急アクション
● 教育基本法改悪反対 ! 日教組が「非常事態宣言」
● 郵政民営化は地域・弱者切捨てだ 檜原郵便局の無集配化に反対する
● 油断せずに共謀罪新設法案阻止の運動を強めよう
● 解雇規制・非正規労働者のための労働法制を! 全労協「労働法制改悪反対
学習・決起集会」
● 国鉄闘争の年内勝利決着に向けて20回目の団結まつり
● 沖縄県知事選勝利に向けて糸数候補に支援の集中を
● 映画 「太 陽」 ( 監督 アレクサンドル・ソクーロフ )
● KODAMA / 反戦を訴え続けて 四〇年 自主工作
● 複眼単眼 / 政府・与党内での悪ガキ流の核議論の横行と、中央アジア非核地帯条約
防衛庁の省昇格・海外派兵の「本来任務」化を阻止しよう
米軍の下で戦う自衛隊
臨時国会では、十月二十七日、衆議院本会議で、「防衛省」法案の審議がはじまった。これは、「庁」を「省」に昇格させるとともに、海外派兵を自衛隊の「本来任務」に位置付けるもので、現行の「防衛二法」(防衛庁設置法と自衛隊法)を大幅に変更するとともに、憲法九条の内実をさらに否定し、米軍との共同作戦=集団的自衛権の発動に道をひらくものであり、きわめて危険な内容をもつ重大な法案だ。
膨張し続ける自衛隊に対する世論の批判や憲法との関係で、これまで政府は、古くは自衛隊は戦力ではないと言い、また「自衛のための必要最小限度の実力組織」だとして、憲法に抵触しないとかの「説明」を繰り返してきた。そして自衛隊の海外活動は、憲法と国民の批判のもとでこれまで、自衛隊法では「雑則」「附則」の中に「付随的任務」として位置付けられてきたものだった。
しかし、いま自衛隊の武力が世界有数であることは誰も否定できないし、「省」法案で、海外派兵が本来任務となれば「専守防衛」でも、政府説明はすべてまやかしであることがあきらかとなった。
しかも、この法案は、世論の批判、憲法との関係だけでなく、防衛庁をめぐる談合事件などのスキャンダル暴露でなかなか国会にもちだせなかったものだった。だが、安倍内閣は、北朝鮮の核実験強行を絶好のチャンスととらえ、省昇格法案をこの国会で成立させようとしているのである。
国会の答弁では、省昇格について、久間章生防衛庁長官が、国内外での自衛隊の活動の増加や米軍再編などによって防衛庁の役割は重要性を増している、そのため「自衛隊が国際平和協力活動に主体的・積極的に取り組む」と述べているように、省昇格は米軍の軍事戦略に密接に関連し、それを支えるものとして自衛隊を変貌・飛躍させるためであることは明白である。
日米両政府は、昨年十月の在日米軍再編に関する共同文書で、地球規模での日米軍事協力を「(日米)同盟の重要な要素」であるとした。これによって軍事一体化、実質的には自衛隊の米軍の下請け部隊化がいっそうすすむことになったのである。法案による本来任務として新たに加わる自衛隊の海外任務は、PKO(国連平和維持活動)法、周辺事態法、テロ特措法、イラク特措法などがすべて含まれ、広範囲な地域と規模での活動へと広げられようとしている。
これと同時に、海外で米軍とともに一体的な武力行使=集団的自衛権について憲法解釈を見直す作業が進んでいる。安倍内閣は、集団的自衛権は憲法に抵触する部分とそうでない部分があり、それらについて論議を深めていくとしているが、現行憲法が海外での他国との共同作戦・軍事行動を認めると強弁するのは至難な業(わざ)といえる。だが、日本の憲法改悪まで、日米共同作戦を待っている余裕が米軍にはない。イラク戦場をはじめ各地で苦境に立ち、同盟軍からの離脱がめだつブッシュ政権は日本の武力を必要とし、日本政府はそれに早急に応じる体制をつくらなければならないのだ。そして、派兵恒久法ができれば、米軍の一翼を担って海外で戦争ができる基本的な構造ができることになる。これが安倍内閣の狙いだ。
日米軍事同盟の結果は
防衛省法案、集団的自衛権、派兵恒久法によって、日米軍事同盟はいっそう強化されるが、それはどのような結果をもたらすのか。
安倍内閣の省昇格法案などの軍事法案を急いで成立させようとしているのは、ひとつにはアメリカの要請であり、もうひとつはアメリカの威をかりて世界大国として君臨しようとする日本支配階級の野心がある。だが、その道はかならず破綻せざるを得ないだろう。
日米軍事同盟の強化、米軍と自衛隊の一体化、憲法の改正などの対日要求は、アーミテージ・レポート(二〇〇〇年十月)がでてから加速した。そこでは、「日本が集団的自衛権を禁じていることが両国の同盟協力を制約している」として「より緊密かつ効果的な安保協力」のために集団的自衛権の行使の解禁が迫られたのであるが、翌二〇〇一年三月の自民党国防部会は、これをうけて日米同盟強化のうえでの「問題点」は「日本国憲法に由来する集団的自衛権の行使など国内の法制面である」として、憲法「改正」を選択肢に上げた提言をだしたのであった。
その後、アメリカの対日要求はいっそう強まっている。それはアメリカがブッシュの先制攻撃戦略によって逆に孤立し困難に陥っているからだ。イラク戦争を最大の争点にする米中間選挙では上下両院で共和党は少数派に転落するといわれている。ブッシュの戦争政策は、国外だけでなく国内においても反対派が急増しているのであり、それゆえ米軍を支え、金も出し、血も流してくれる「同盟国」を求めているのである。
小泉・安倍の外交ブレーンである岡崎久彦などによれば、日本はいろいろ不満はあってもアングロ・サクソンと一緒になっていることが一番の安全保障となると主張してきた。なぜならアングロ・サクソンこそが一番力を持っているからだ、という単純な理論だ。いじめっ子がいてもそれが支配者なら、その子分になって、弱いものいじめに加担し、おこぼれをいただこうというなんともいじましい「理論」であるが、それを理屈づけてきた世界の趨勢自体がいま大きく変容しようとしている。世界を敵にしているのはアメリカ・ブッシュ政権であり、かつてのヒトラー・ドイツ、ムッソリーニ・イタリアと似ている。そのようなアメリカにいっそう追随していくのは、日独伊三国軍事同盟と同じで日本みずからが世界から孤立するようになることになるのだ。省昇格法案などの安保関連法案は、現実の世界情勢、とくに対米軍事同盟関係との関連で論議されなければならないのであるが、今こそ世界の中のアメリカの位置、そして日米関係が問われ、見直されるべきときである。
国会内外呼応した闘い
先ごろの衆院補選で勝利した安部内閣はいまだ高い支持率をたもっている。しかし、小泉政治の新自由主義と対米追随政策の負の遺産は安倍に重くのしかかってきている。安倍が最優先課題と位置づける教育基本法改悪法案は、競争激化による必修科目未履修問題、いじめなど新自由主義的教育システムが生み出した結果に直面している。日本のマスコミは意識的報じていないが、それでもしだいにイラクをはじめとするアメリカ対テロ戦争の敗北直前の実態、アメリカ本国でのブッシュ政権の人気凋落などがあきらかになってくるにつれて防衛省法案など安保・軍事関連法案論議は新たな段階に入るだろう。
教育基本法改悪法案、改憲手続き法案、防衛省法案などの成立を阻止するために、各地での大衆運動を強め、国会内の反対派議員と呼応して断固として闘おう。
北朝鮮の核実験反対、戦争につながる制裁反対、東北アジアを非核の地域に
WPNが10・22緊急アクション
十月二十二日、WORLD PEACE NOWの呼びかけで「ストップ戦争 武力によらない解決を
・ 緊急アクション」が行われた。この行動は、北朝鮮の核実験反対、戦争につながる制裁反対、東北アジアを非核の地域に、をスローガンに常盤橋公園で集会を開き、銀座をパレードした。緊急のよびかけにもかかわらず行動には労働者・市民など五百人が参加して、反戦の声をあげた。
集会では、主催者を代表して高田健さんが、自衛隊も米軍と一体となって船舶検査・臨検・封鎖を行おうとしているが、これは緊張を激化させるものだ、核実験に反対するとともに、戦争につながる制裁に反対していこうと述べた。
集会では、フォーラム平和・人権・環境、日韓民衆連帯全国ネットワーク、沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック、NO!レイプ NO!ベース女たちの会、平和憲法に学び行動する目黒の会、たんぽぽ舎、憲法を生かす会から発言があった。
教育基本法改悪反対 ! 日教組が「非常事態宣言」
安倍内閣は最優先課題として教育基本法改悪法案をあげている。十月二十五日に、教育基本法に関する特別委員会が再開され、三十日には安倍も参加して本格審議が開始された。委員会では与党側は圧倒的多数であり、審議はすでに十分に行ったとして数の論理で、十一月上旬にも採決を行うよう動き始めている。
こうした与党の動向に対してさまざまさ反対運動が展開されている。
教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会は院内集会、国会前集会・リレーハンストなどを闘っている。全教は、十月十四日に、明治公園で、二万七千人が参加して、教育基本法改悪反対大集会を開いた。
十月二十六日には、日比谷野外音楽堂で、教育基本法改悪阻止!、特別委員会採決を許すな!をかかげて、日教組緊急全国集会」開催され、全国から日教組組合員八五〇〇名が参加した。
集会では日教組中村譲書記長が情勢報告を行った。
教育基本法を変えようという政府の動きが強まる中で日教組は、緊急全国行動を行っている。本日の緊急行動は、全国から集まった組合員が都内五ケ所の駅頭でアピールを行い、街頭チラシ配布して教育基本法改悪の問題点を訴えた。そしてここ日比谷野音での集会を開いている。
教育基本法は変える必要がなく、すくなくとも早急に結論を出すことなく、慎重に審議すべきものである。われわれは院内の野党共闘を応援し、今国会での政府案を廃案に追い込まなければならない。先ごろ自民党の中川昭一政調会長が「日教組の一部活動家はデモで騒音をまき散らしている」と暴言を吐いたが、デモや集会は正当な組合活動であり、そうした活動をしているのは一部ではなく、日教組全体が民主的な権利を行使していることを示さなければならない。日教組は「非常事態宣言」を発し、組織を挙げて、教育基本法改悪阻止に全力を尽そう。
「非常事態宣言」が確認され、集会終了後、国会に向けてのデモ・国会請願行動にうつり、衆議院・参議院議員面会所前では民主党・社民党議員団とともに教育基本法改悪法案の廃案に向けてのシュプレヒコールをあげた。
日教組・非常事態宣言
政府・与党は衆議院で、教育基本法「政府法案」を強行に可決させようとしている。
数々の世論調査でも明らかなように、国民の大多数が十分な時間をかけた審議を求めている。しかし、与党は、提案からたった六〇時間あまりの審議で強行採決という暴挙に及ぼうとしている。
相次ぐいじめによる子どもの自死や、増え続ける教職員の心身の病、拡大する教育格差、そして子どもたちの学習意欲の低下と、青年に広がる働くことへの無力感など、直面する教育課題は山積している。
教育基本法を変えることによって、それがどのように解決できるのかといった、私たちや国民の疑問には一切答えていない。
教育を国家戦略と位置づけ、子ども・教職員の願いを無視した教育基本法改悪は、何としても阻止しなければならない。
すべての子どもたちの人権・ゆたかな学びを保障するため、現行の教育基本法の理念を生かす教育こそが求められている。
たたかいはこれからである。
これまでにも増して、たたかいの輪を広げよう。
教育基本法「政府法案」の可決・成立は、戦後民主教育の否定、憲法改悪へとつながる。
全組合員の意思続一のもと、教育基本法改悪阻止にむけ、日教組全組合員の総力をあげて、最後までたたかい抜くことを決意し、非常事態を宣言する。
2006年10月26日
日本教職員組合
郵政民営化は地域・弱者切捨てだ 檜原郵便局の無集配化に反対する
六月二十八日、郵政公社は来年十月の郵政民営化を前にして、郵便局の再編計画「集配拠点、郵便貯金、簡易保険の外務営業拠点の再編について」を公表した。その内容は、現在、郵便物の収集・配達、貯金・保険の集金を行っている四九六九局の集配郵便局のうち一〇四八局を窓口業務だけの無集配郵便局にするというもので、対象とされている局はいずれも「過疎」の地域であり郵便局が生活に果たしている役割は非常に大きい。これは、サービス低下そのものであり、地方切り捨て、弱者切り捨てに他ならない。政府は、昨年の郵政民営化法案成立時に「国民共有のセーフティネットである郵便局ネットワークとサービスの現行水準を維持する」と約束していたが、その言葉を自ら否定するものとなっている。
東京では青ヶ島・御蔵島・利島・小笠原島・檜原村の五局となっている。そのうち檜原村では、檜原郵便局の外務業務を廃止し、あきる野局に統合するという計画である。
檜原村では、村民のほとんどが反対署名をし、村議会も反対の意見書を採択している。檜原村民によって結成された「心の架け橋・檜原村郵便局を守る会」は、「地元郵便局の現状維持は、都市と山村の心の架け橋として永年にわたり築き上げてきた貴重な文化を守ることに繋がります。東京の自然と清流の源である檜原村がいつまでも元気で存続できますよう、多くの皆さんのご賛同を願うものです」として全国に「檜原郵便局外務業務の集約化白紙撤回」のサポート署名を呼びかけている。
十月二十七日、国会参議院議員会館で、「心の架け橋・檜原郵便局を守る会」と「郵政民営化を監視する市民ネットワーク」による「『地方切捨て』『格差社会の拡大』につながる集配郵便局の集約・再編に反対する院内集会」が開かれた。
集会には、社民党の又市征治幹事長(参議院議員)、共産党の吉川春子衆議院議員が参加しあいさつした。また新党日本の滝実衆議院議員の秘書など議員代理の出席もあった。
檜原村からは丸山美子村議らが参加し、「心の架け橋・檜原郵便局を守る会」の丸山二郎事務局長が、郵便局の集約化に反対して次のように述べた。
郵政公社による七月に行われた説明会では、サービス低下があきらかになり住民の不安をいっそう大きなものにした。老人率が四〇%を超え、これからますます大変になる。郵便局の外務業務がなくなるのは非常に大きな問題だ。 私たちは以下の四点を要望する。@檜原郵便局での外務業務を廃止しないでください、A土・日曜日、休日の窓口サービスを継続してください、Bライフラインである郵便局のサービスを低下させないでください、C計画の白紙撤回を要求します。
総務省・郵政公社との質疑では、郵政公社の郵政事業総本部の山本龍太郎氏など七名が説明に当たったが、いずれも事実の本質をはぐらかすものだった。
総務省・郵政公社からの説明を終わり、議員に反対署名を提出し、郵産労の砂山洋一副委員長、郵政労働者ユニオンの内田正委員長、監視ネットワークの栗原康さんなどから、これから本格化する郵政民営化に対する運動について発言が行われた。
油断せずに共謀罪新設法案阻止の運動を強めよう
自民、公明両党が、犯罪を実行しなくても事前に合意しただけで罪に問える「共謀罪」新設を柱とする組織犯罪処罰法改正案の今国会成立を見送る方針を固めたという報道が流されている。共謀罪反対運動の一部にもやれやれという気持ちが流れだしているのも事実だ。 世論の広い反対の声に直面している共謀罪新設法案を、与党があえて強行に採決すれば国会の空転は必至であり、安倍内閣が最優先課題とし、今国会での成立に全力をあげている教育基本法改悪法案審議に重大な影響が出ることを懸念してのことだといわれる。だが、与党はあきらめたわけではない。教育基本法などの優先法案が成立すれば、いつでも共謀罪法案に取り掛かってくるし、マスコミ報道でも、今国会で共謀罪の成立はないとしているにしても、衆議院法務委員会での審議・採決がなくなったとはまったく言っていないし、与党は、今国会での審議も含めて断念したわけではない。
与党サイドの狙いは、意識的にあいまいな情報をマスコミに流し、世論を油断させることであり、反対運動が少しでも沈静化すれば、だまし討ち的に法務委員会での審議・採決を行うのは間違いないだろう。
共謀罪に反対する運動は、こうした与党の策動に油断することなく闘いを継続している。
十月十七日には、九十人以上の市民が参加して、共謀罪に反対するネットワーク主催の院内集会が行われた。集会には民主党から江田五月参議院議員と松岡徹参議院議員、共産党から仁比聡平参議院議員、社民党から保坂展人衆議院議員が出席してそれぞれ共謀罪阻止のために力を合わせようと挨拶した。
議員に反対署名が提出されたがこれまでに集められた署名は累計三十六万筆を超えている。
十月二十五日には、衆議院議員面会所で緊急集会が開かれた。民主、共産、社民の四人の議員から国会報告を行い、市民団体からは、アムネスティ・インターナショナルの寺中誠さん、横浜事件第三次再審請求人の木村まきさん、移住労働者と連帯する全国ネットワーク矢野まなみさん、許すな!憲法改悪・市民連絡会の高田健さん、日本国民救援会の鈴木賢さん、日本山妙法寺の石橋行受さん、日本消費者連盟の富山洋子さんが発言した。
解雇規制・非正規労働者のための労働法制を! 全労協「労働法制改悪反対 学習・決起集会」
十月十日、全水道会館で、日本版エグゼンプション反対!、こんな労働契約法はいらない!、解雇規制・非正規労働者のための労働法制を!を掲げ、全労協と東京全労協の主催による「労働法制改悪反対
学習・決起集会」が開かれ、一五〇名を超える労働者が参加して、労働法制の全面改悪阻止に向けて、学習と意志一致を行った。
主催者側を代表して藤崎良三全労協議長があいさつし、労働弁護団幹事長の鴨田哲郎弁護士が、「労働法制の動向と運動の課題」と題し、年末の建議、来年の通常国会での法制化をめざし急ピッチで進められる労働法制改悪にむけた労働政策審議会での審議の状況、法案の狙いと問題点などについて講演した。
つづいてNPO法人・労働相談センターの菅野存さん(東京東部労祖書記長)が「労働相談から見える労働現場の実態」について報告した。
昨年の労働相談件数は、五六四六件で、解雇(二二〜三%)、サービス残業(二〇%)、やめたくてもやめさせてくれない(一〇%)などが主な内容だ。こうした実態を見ると、労働法制改悪の先取りはすでにまかり通っていることがわかる。経営者の中には、労働法をまったく無視して、労働者を苦しめ、労働者が泣き寝入りしている場合が多い。
労働者を八時間労働などの規制から除外するホワイトカラーエグゼンプションは、すでに勝手に行われている。やりかたは、入社して一ヶ月あまりで管理職という名目だけの肩書きを与え、役職手当一〜二万円程度をつけるだけで、まったく残業代を払わないようにしている。管理職の肩書きをもつ労働者のほうが多い職場もある。
たしかに労働基準法の四一条は、「監督若しくは管理の地位にあるもの(いわゆる「管理監督者」)」について、労働時間、休憩および休日に関する規定の適用の除外を認め、管理監督者に労基法上の時間外割増・休日割増賃金の支払いは不要だとしている。だが、管理職という名前だけでは、ここに言う管理監督者とはいえない。具体的には、経営方針の決定に参画しまたは労務管理上の指揮権限を有している、出退勤について厳格な規制を受けず自己の勤務時間について自由裁量を有する地位にある、また職務の重要性に見合う十分な役付手当等が支給されているかどうか、さらに賞与について一般労働者に比べて優遇措置が講じられているかどうかが判断の基準になるのであって、いま行われている管理職の肩書きの乱発は、単に残業代を払わない目的のためであることはあきらかだ。また、労使委員会制度、解雇の金銭和解、変更解約告知など労働法制改悪は、現実に行われていることを法的に追認させ、合法的に労働者いじめを行えるようにするものだ。東部労組で取り組んでいるスカイラークの店長の過労死事件などのような長時間過密のタダ働きを強要されているケースが実に多い。また、旅行添乗員の場合もひどい。日給八〇〇〇円で、朝六時から夜十一時まで、乗客がバスを降りるまで一六時間も働かされているが、会社は事業場外みなし労働だとして八時間分の賃金しか払わない。自分で時間管理できない労働者なのにみなし労働だとされるのである。
こうしたまさに一九世紀型の労働がいたるところで行われている。人間としてではなく、ドレイ労働を強いられているのだ。東京ミモレというおもちゃ会社では、職場がいやで辞めたいという労働者に対して、「おまえは会社に損害を与えた、それを弁済するまでは辞めさせない」とタコ部屋に押し込めて「死ぬまで働け」ということが行われていた。月給二〇万円を取り上げ、五万円だけを小遣いとしてわたし、賞味期限切れの食事を与えたりなどしていた。
団体交渉では、ウチは労働基準法やっていないなど公言する経営者がいる。経営者が基準法をエグゼンプションしてしまっているのだ。いっさい会社側は責任をもたずに、業務上の事故でもすべて労働者個人の自己責任にされてしまう。会社の中が治外法権化して、労働者がこき使われるような状況に「おすみつき」を与えるのが労働法制の改悪なのだ。
集団的労資関係すなわち労働組合のない労働者はきわめて不利な状況に追い込まれている。経営者にやりたい放題にさせないために、ぜひとも労働者は労働組合に結集していくことが必要なのだ。
中岡基明全労協事務局長が、労政審の審議に対する全労協としての「当面の行動」を提起。
労政審・労働条件分科会・委員への要請行動、各地方の取り組み、厚労省包囲・抗議行動に取り組み、そして労働弁護団・全国過労死弁護団による決起集会(十一月十六日、総評会館)や「労働法制改悪反対!日本反エグゼンプション反対!」大集会(十二月五日、日比谷野音)などを成功させ、来年通常国会にも上程されようとしている労働法制の改悪に断固反対して闘おう。
集会には、韓国山本労組の第三次遠征団が駆けつけ、「争議支援・連帯」のアピールを行った。
最後に、東京全労協の押田五郎議長が集会の「まとめ」をおこない、「団結がんばろう」で、労働法制改悪阻止に全力決起の決意をかためた。
国鉄闘争の年内勝利決着に向けて20回目の団結まつり
十月二十九日、東京・亀戸中央公園で、団結まつりが開かれ、前日の雨もあがり十月下旬にしては暑いほどの日ざしとなり、出店も多く、飲んで食べての交流の輪があちこちにでき、総計で一万人が参加し成功した。国鉄闘争勝利に向けての団結を大衆的に形成する場としての団結まつりも二〇回目となった。一〇四七名の軸となった鉄建公団訴訟での9・15東京地裁判決を機に闘いは統一の方向も出て反転攻勢が始まった。
開会あいさつで、一〇四七名の解雇撤回・国鉄闘争に勝利する共闘会議(国鉄闘争共闘会議)の二瓶久勝議長は、9・15判決を受けて、国労内の関係修復ができてきているがそれだけでは勝利できない、裁判闘争と大衆闘争を結合させる闘いが必要であり、まだ裁判に立っていない闘争団員が損害賠償だけでなく地位確認を含めた訴訟を起こすことが問題解決の最短コースだ、来年の団結まつりは勝利集会としたい、と述べた。
中央壇上では、争議団のリレーアピールや歌・演奏がつづいた。
闘争団・争議団が全員登壇し、鉄建公団訴訟原告団・酒井直昭団長、鉄道運輸機構訴訟原告団・川端一男代表、全動労鉄道運輸機構訴訟原告団・森哲雄代表、動労千葉鉄道運輸機構訴訟原告団の中村俊六郎さんが、それぞれ勝利に向けて決意表明をおこなった。
教育基本法改悪反対!11・12全国集会と12・5東京総行動への参加が提起され、団結まつりアピール(別掲)が確認され、国鉄闘争共闘会議の星野良明副議長の団結ガンバローで国鉄闘争の年内解決・勝利にむけて意思一致を確認した。
国鉄労働者一〇四七名の解雇撤回!労働法制全面改悪阻止!10・29団結まつりアピール
国労に所属していたことを理由に「JR不採用」(名簿不搭載)となったのは不法行為であるとした昨年の9・
鉄建公団訴訟判決は、国鉄闘争勝利に向けた展望を大きく切り拓き、解雇された当事者である一〇四七名の団結と共闘運動を大きく前進させた。そして、「一〇四七連絡会」の結成と鉄道運輸整備機構・国土交通省に対する統一解決要求の提出によって、解雇された当事者が納得ゆく解決の道筋を創り出していくことが明らかになった。この当事者の要求を実現する裁判闘争と大衆運動を二重にも三重にも強化することが重要である。
国鉄「分割・民営」化という国策の矛盾・破綻が要因となり、一〇七名もの犠牲者を生み出したJR西日本会社・尼崎事故に続いて、JR東日本会社・羽越線、JR九州会社・日豊線でも転覆事故が相次ぎ、利益優先・安全無視のJR各社の企業体質が誰の目にも明らかになってきている。しかし、JR各社は「いのちを運び、国民の交通権を保障する」鉄道の公共性を顧みることなく、「事故の真相を知りたい」「事故の再発防止を」という遺族の思いさえ押しつぶし、尼崎事故の「一〇八人目の犠牲者」さえ生み出してしまった。「解雇撤回の闘い」と「安全な公共交通の再生」を一体のものとして闘うことが問われている。
今、日本でも世界でも、戦争と環境破壊、「底なしの競争」による際限のない労働条件の切り下げと貧困の拡大を推し進めるグローバル資本主義の攻撃で弱肉強食の市場原理が生活の隅々まで導入されてきている。「新憲法制定」を掲げて登場した安倍内閣は、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の「核実験」を口実にして戦争を挑発する経済制裁と「周辺事態法」の適用によって一気に武力行使まで推し進めようとしている。戦争への道を止め、六カ国協議を通じた平和的解決で朝鮮半島・北東アジアの非核化を進めていくことは急務となっている。
安倍内閣がこの臨時国会で「新憲法制定」の突破口と位置づける教育基本法改悪は、戦争と格差社会を推し進めるものでしかない。「日の丸・君が代」の強制と教職員への処分攻撃は日本国憲法・教育基本法に違反するとした9・21予防訴訟判決を勝ち取った教育労働者と保護者・市民の闘いと固く連帯し、「教育基本法改正案」廃案の闘いを全力取り組もう。
不法に解雇しても「金銭解決で済ませられる」という新労働契約法法制化とサービス残業を合法化する「自立的労働時間制度」の導入も根っ子はひとつだ!今こそグローバル資本主義に対抗するすべての労働者・市民とともに、労働法制全面改悪を阻止し、一〇四七名の解雇された当事者の闘いを勝利させよう。また、民営化=安全性切り捨ての交通政策の犠牲となった「尼崎事故」遺族・被害者の思いを受けとめ、これまで以上に公共交通としてのJRの安全性確立の運動を広げよう!
二〇〇六年10月29日
沖縄県知事選勝利に向けて糸数候補に支援の集中を
きたる十一月十九日、沖縄県知事選挙の投票が行われる。
自民・公明推薦の候補に対抗して、民主党、共産党、社民党、沖縄社会大衆党など野党統一候補として参議院議員(無所属)の糸数慶子さんが立候補することになった。
糸数さんは、「平和バスガイド」として沖縄戦の真実を伝え、二〇〇四年の参院選(沖縄選挙区)では沖縄県民の反戦平和の意志を結集して圧勝した。
沖縄県知事選挙に臨む基本政策では、辺野古沿岸案及び新基地建設に反対し、米軍基地の整理縮小・撤去、日米地位協定の抜本的見直し、日本国憲法の第九条・平和理念を県政に反映させる、教育基本法の改悪反対など、与党の改憲・日米軍事一体化と真っ向から対決する政策を掲げている。
十月十一日には、糸数さんを励ます会が開かれ、民主党、共産党、社民党、沖縄社大党、新党日本が駆けつけた。
沖縄県知事選は「沖縄新基地建設・米軍再編を許さない闘いであり、全国から大きな支援を集中しよう。
映画 「太 陽」
監督 アレクサンドル・ソクーロフ
主演 イッセー尾形(昭和天皇) 桃井かおり(皇后) 佐野史郎 (侍従長)
ロシア・イタリア・フランス・スイス合作
2005、115分 カラー作品
監督のアレクサンドル・ソクーロフは、一九五一年旧ソ連のイルクーツクに生まれた。八七年までに制作された作品はことごとくソ連当局によって公開禁止処分になり、ペレストロイカ以降、作品は一般観客の目にふれるようになった。「太陽」はさまざまな意味あいにおいて二〇世紀の歴史の中心にいた人物を描く連作の三作目にあたる(一作目「モレク神」(99)ヒットラー、二作目「牡牛座」(01)レーニン、四作目以降も制作される予定)。またもう一方の柱としてソクーロフから見た隣国としての日本について描いた三作目ともなる(一作目「オリエンタル・エレジー」(96)、二作目「ドルチェ、優しく」(99)。二作品ともドキュメンタリー映画)。二つのアプローチの結節点と言えるのがこの「太陽」である。
前置きが少し長くなってしまったが、映画の冒頭部分はかなり退屈である。時間の流れがゆったりしすぎている。しかし、時間の経過とともにその感覚は薄れ、ぐいぐい画面に引き込まれていき、逆にこの作品はただならぬ映画ではないかと思われてくる。あくまでもこの映画は昭和天皇についてのフィクションなのだが、敗戦前後の地下防空壕での生活で、天皇には疲弊の色がでてくる。だが、この男はそんな人間的な感覚など持ちあわせていないかのように今までのくらしぶりと変わりなさをよそおおうとする。なにかとまとわりつく侍従たちにうんざりしながらも彼らなしでは日常生活もいとなめないジレンマ。侍従たちとの会話はいつもすれちがう。天皇というものの現実の生活もさもありなんという感じなのだが、このあたりはまるでドキュメンタリー作品を見ているような感覚におそわれてしまう。占領軍最高司令官マッカーサーと対面する場面も本当は極度の緊張におそわれているはずなのだが、言葉や感覚のすれちがいのなかで、その行動はあまりにも喜劇的、軽すぎて、そこがおかしくて滑稽でもある。
映画の最初はあまりのスローモーさにいらいらしてくるが、しだいにイッセー尾形の演技に引き込まれていって満足度が高くなってくる。しかし、映画のなかにおける昭和天皇の存在はかなり不気味である。侍従との会話は常にすれ違いの一方通行で、この男には感情というものがあるのかしらと思ってしまう。
天皇は悪夢を見る。それは広島・長崎への原爆投下や東京大空襲のシーンのようでもある。雲のあいだから大地が見え、魚の形をした爆弾が次々と落下していく。これはきわめて象徴的なシーンなのだろう。マッカーサーとの対面を無事に終え、地方に疎開していた皇后や子どもたちも皇居に戻ってくる。そこにほんの少しだが人間らしい側面を垣間みることができるのがわずかな救いか。天皇を演ずるイッセー尾形の演技は軽やかにみえて喜劇的かつ重厚さもありすばらしい。桃井かおりが演ずる皇后もあっけらかんとした感じが実にいい。天皇の「あっそう」という口ぐせまねて「あっそう」とオウムがえしにくりかえすシーンも天皇制というものの空虚さを見せてくれて興味深い場面といえよう。だが、唐突に言ってしまえば、私は、かつて昭和天皇が新聞記者との会見の席で、戦争責任について聞かれた時に、「私はそのような文学的な研究はしていないので、そのような言葉のあやについては答えられません」というような答え方をしたことは決して許すことができない。かつて古い日本映画で、「明治天皇と日露大戦争」(嵐寛寿郎主演)といったような大スペクタクルでどちらかと言うと軍国主義を賛美するような映画は存在した。しかし、天皇の戦争責任を追及するような映画は映画産業が資本の論理で成り立っている以上、「ヤマザキ、天皇を撃て!」で天皇の戦争責任を追及した奥崎謙三を描いたドキュメンタリー映画「ゆきゆきて、神軍」以外には寡聞にして知らない。「ゆきゆきて、神軍」とて直接に天皇の戦争責任を追及したわけではないが……。
映画「太陽」はもちろんフィクションであり、天皇の戦争責任を追及した作品ではないのだが、天皇制なるもののいいかげんさ、不気味さ、不条理性をあますところなく描き出してくれている。これはソクーロフ監督の力量のなせる技であり、日本の近代史をよほど深く研究していないとこのような作品をつくることはできないと思う、この作品を見て私はつくづく映画作りというものは知的冒険心の発露なのだと思ったしだい。ソクーロフは今までに劇映画、ドキュメンタリー映画を含めて四〇作品以上を世に出していて、どちらかというとかなり多作である。残念ながら日本で公開されたものはきわめて少なく、「太陽」も昨年のベルリン映画祭で大反響を呼んだために日本で公開となった。
「太陽」という作品を鑑賞して天皇制なるものをもう少し深く考えてもいいし、日本映画の現状を悲しんでもいいだろう。なにしろ現在の日本映画は小品は数多いが「暖い、甘い、温い」キーワードが通用する世界。そして現状とソクーロフ的映像世界とのはなはだしい乖離に愕然とさせられるのは私だけだろうか。できるだけ多くの人に「太陽」を見てほしいと思う。そして私はレーニンについてえがかれた「牡牛座」や「ソヴィエト・エレジー」などの作品も機会があれば鑑賞したいと思う。
なお、「太陽」はすべてサンクトペテルブルグにあるレンフィルムのスタジオで撮影されたが、実はレンフィルムの倉庫でもう日本には存在しないと言われていた戦前の日本の無声映画が大量に発見されたというニュースが数年前に報じられたということもつけ加えておこう。(東 幸成)
KODAMA
反戦を訴え続けて 四〇年 自主工作
一〇月九日。今年も西日本最大の自衛隊基地、岡山日本原に於いて、イモ掘り収穫祭を県内のグループの人たちと一緒に行いました。
六月にイモ植え、七月に草刈り作業、私自身数年前より参加しています。
この自主耕作も、最初、反戦を訴えながら、女性の方々が四〇年前に始められたそうです。
今年も例年通り、二月一一日、反戦、反基地、反自衛隊、日米共同演習反対、集会が盛大に行われましたが、二月下句、自衛隊と米軍の共同演習が強行されました。今国会では、憲法改正、特に第九条の改正を急ぐ動きがあります。
私も「九条の会」に入っています。今後、職場、地域に訴えて行きたいと思っています。
将来の子ども、孫たちに、戦争のない平和な暮らしを残して行きたい。
「団結は命」「継続は力」を合言葉に!
来年より自主耕作は新しい仲間が加わります。頑張ろう!(岡山通信員)
複眼単眼
政府・与党内での悪ガキ流の核議論の横行と、中央アジア非核地帯条約
最近の政府・与党の要人の議論を聞いていると、ほとんど悪ガキのような議論で、見識のかけらすらないのが多くなってきているように思う。かつてこの国の政治家という連中は、たとえそれが偽装であれ、もう少し多面的な議論が出来ていたのではないかと思うのだが。
小泉前首相が靖国参拝を「心の問題」にすり替えて、肝心の憲法二〇条問題には知らん顔を通したのは、これへの回答を持ち合わせていない、一面的な議論だからだ。
最近の中川昭一・自民党政調会長らの核保有問題の議論の容認についての論理もそうで、佐藤首相以来、歴代政府が「国是」としてきた非核三原則や、憲法第九条の問題を、臆面もなく「言論の自由」の問題にすり替えて、居直っている。
そして、これらの連中が「心の問題」や「言論の自由」の原則を大切にする人物かといえば、まったくそうではない。ご都合主義なのだ。一知半解の憲法をつまみ食いして引用することしばしばであった小泉前首相が憲法を無視する政治家であったことと、その論理構造は同じなのだ。「ああいえばこういう」という類の議論は、全く見苦しい限りだ。
北朝鮮の核実験に関連して、一〇月十五日、TV朝日の「サンデー・プロジェクト」で、中川政調会長が「選択肢として核保有ということも議論としてある。核の議論は尽くすべきだ」と発言した。ついで麻生太郎外相が十七日、「この国は言論統制されている国ではない。隣の国が核をもつとなったとき、一つの考え方として、いろんな議論をしておくことは大事だ」とこれを擁護した。
中川は批判を受けると、「政調会長として言ったのではなく、一日本人として、一国会議員として言っただけです」と弁明し、非を認めようとしない。麻生も「議論は必要だ」などと言っている。
それでいて麻生は「(非核三原則を堅持するかどうかは)二十年後のことはだれもわからない」ともいう。
今回、「政府としては非核三原則はまもる」と答弁した安倍首相でさえ、二〇〇二年、早稲田大学での講演で日本の核武装の可能性を主張した人物なのだから、酷い話だ。
米国のシンクタンク「アメリカン・プログレス」のジョセフ・シリンシオーネは日本のマスコミに「中川は本当に核を持ちたがっていると思った。言論の自由を盾にしているが、政府高官や政権党幹部が公に核武装を議論すること自体、極めて危険であることを忘れてはならない。日本の議論は韓国、台湾、インドネシアなどに波及し、連鎖反応を起こしかねない」と核ドミノの危険性を語った。
米国の核問題でのダブルスタンダードや日米安保のもとでの非核三原則の矛盾はいまは言わない。与党の連中の核問題の火遊びは許してはならない。
折しも中央アジア五カ国(カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)では非核兵器地帯条約の署名が九年間の協議の末に実現した。
どちらが人類史の本流なのか、この際、明確にしなければならないだろう。(T)