人民新報 ・ 第1252号<統合345号(2009年4月15日)
  
                  目次

● ソマリアに平和を! 自衛隊の海外派兵に抗議のシュプレヒコール!  自衛隊ソマリア派兵・『海賊対処派兵新法』反対

● イラク・アフガン・パレスチナに平和を  WORLD PEACE NOW 3・20
 
● グアム移転協定反対  沖縄県議会が協定反対意見書採択

● 北朝鮮のロケット打ち上げを口実とした緊張激化政策に抗議

● 非正規雇用労働者の賃上げと均等待遇の要求し郵政ユニオン3・19ストライキ貫徹

● 不当な鉄建公団訴訟控訴審判決   勝利・解決に向けて闘いの強化を

● 都教委の3・31君が代処分糾弾

● オバマ政権の軍事戦略と日米関係  「日米同盟の正体 迷走する安全保障」(講談社現代新書)を読む

● 複眼単眼  / 北朝鮮の人工衛星騒動について






ソマリアに平和を! 自衛隊の海外派兵に抗議のシュプレヒコール!

             
自衛隊ソマリア派兵・『海賊対処派兵新法』反対

 三月一四日、海賊対策と称して、隊員約四〇〇人と海賊の逮捕権を持つ海上保安官八人を乗せた海自第四護衛隊群呉基地所属の護衛艦二隻が日本から遠く一万二千キロ離れたアフリカのソマリア沖・アデン湾へ向けて出港した。午後二時五分、無事を祈る家族の声と抗議のシュプレヒコールが交錯する中を「さみだれ」(四五五〇t)が、ついで「さざなみ」(四六五〇t)が静かに呉基地を離れた。この二隻はそれぞれが海賊対策の装備として、あらたに防弾板で補強した上に機関銃を二基から四基に増設、特別警備隊用の黒い高速ボート二艇を積載、さらには、哨戒用ヘリ二機を搭載している。
 
 一月二八日、日本政府はソマリア沖の海賊対策に自衛隊法八二条に基づく海上警備行動を発令し、自衛隊の艦船を送ることを決定した。
 何故、自衛隊の艦船だったのか。常識的には海上保安庁による国際協力が妥当であり、これまでも、海上保安庁はマラッカ海峡での海賊対策に貢献し、沿岸諸国との協力で大きな成果を上げてきている。海賊被害が多発しているアデン湾の北側に位置するイエメンの沿岸警備隊は、自国の商船しか守れない海上自衛隊の派遣よりも、警備隊の基地になる港湾の新設や高速警備艇の導入、海上保安庁による技術指導などを日本政府に求めていた。
 にもかかわらず、〇八年一〇月のテロ・イラク特別委での民主党・長島昭久衆院議員の「海上における日本の国益を守るため、いま緊急に必要な政策は何か。海上保安庁として海上輸送の安全を確保するために何ができるのか」との問いに答えた海上保安庁・岩崎貞二長官は「現有船艇勢力・能力では派遣は困難」と発言し、しだいに「自衛隊を派遣せよ」との声が強まった。続く同年一二月にはニューヨークの国連本部で「ソマリア領内での海賊に対する軍事制圧を認める」旨の国連安保理決議が採択され、これを受けた米国、中国などが相次いで軍艦を派遣し、一気に「流れに乗り遅れるな!」との機運が高まった。明けて、〇九年三月四日には海賊対策プロジェクトチームが発足され、一三日には武器使用の緩和を目的とした「海賊対策法案」を提出したが、未審議のまま見切り発車となった。

 こうした動きに対して、呉・広島では様々な抗議行動が取り組まれた。とりわけ、平和市民団体「ピースリンク広島・呉・岩国」の反応は素早く、海上自衛隊呉基地総監部などの関係各所への抗議の要請行動や要請文の送付、呉駅前や広島市内での街宣活動などを精力的に行い、これらの活動は各局のTVニュースや新聞各紙で都度、取り上げられた。これまでの訓練とは異なり、実弾戦も想定される今回の派遣には、呉市民の関心も必然的に高まり、近々の世論調査では派遣反対が半数に迫る勢いで盛り返している。
 この日、午後一時から始まる式典に出席した麻生首相と浜田防衛相の警備で、基地周辺の約三キロが一一時から一五時まで車両通行止めの交通規制で完全に封鎖される厳戒態勢となった。間近に海上自衛隊呉基地を臨む「アレイからすこじま公園」は、抗議行動の市民とそれを取り巻く、おびただしい数の警備の機動隊員で埋め尽くされていた。空には十数機の報道関係のヘリが飛び交い、数隻の海上保安庁の警備艇や報道関係の船が海上を埋めた。「自衛隊の海外派兵を許さない」「九条を殺すな」と書いた横断幕を掲げたピースリンク平和船団の小さなゴムボート五隻が強風と荒波の中へと漕ぎ出し、護衛艦との並走抗議は断念させられたものの、果敢に海上デモを決行した。一方、陸上では約三〇〇人が基地前や市内で集会やデモを行い抗議の意志を示した。

 これまでの海上自衛隊の海外派遣は輸送や燃料補給などの後方支援の任務が中心であった。呉基地から始めての海外派遣は九一年の湾岸戦争後のペルシャ湾での掃海隊群による機雷除去の任務であった。翌九二年にはPKO活動で陸上自衛隊の隊員や車両などの装備を輸送する任務を行い、〇四年の大型輸送艦「おおすみ」のイラク派遣でも同様であった。同時多発テロ事件後はインド洋で対テロ作戦を展開する各国の軍艦に燃料を補給するという任務を行い、その補給艦「とわだ」による後方支援活動は現在も続いている。さらに驚いたことには、この日から三日後の一七日には護衛艦「あけぼの」(四,五五〇t)がインド洋での二回目となる海上補給活動のために呉基地を出港した。呉基地からのインド洋への派遣は一八回目となり、さながら海外派兵の拠点基地化の様相を呈している。
 今回のように武装した相手と直接対峙し、実践で武器を使用するのは初めてのことであり、後方支援から一変、一歩踏み込んだ海外派兵となった。自衛隊の海外派兵ありきの下での見切り発車の状態で、何が何でも先に派兵することは、自衛隊員の命にかかわるような大きな惨事を招くことに繋がると危険視されている。

 一九八〇年代から内戦状態が続くソマリアでは、仕事がない若者が生活維持のために民兵となり、さらに多くの稼ぎを求めて海賊になるという悪循環に陥っている。ソマリアで治安維持活動を展開しているアフリカ連合の部隊長はTVのインタビューで「ソマリアの平和と治安維持が海賊問題を解決する最も重大な課題である」と答えている。まさに、日本の国益はソマリアに平和が訪れた時に完全にもたらされることとなる。 (広島通信員) 

 四月四日夜、ソマリア沖のアデン湾で海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が、不審船らしきものと遭遇し、それを退去させたと報じられた。その船が何らかの抵抗を示したと自衛艦が認めれば交戦する可能性は大きかった。
七日には、海上自衛隊トップの赤星慶治・海上幕僚長は、救助を求める外国船に接近した護衛艦が攻撃を受けた際は「正当防衛、緊急避難の範ちゅう」と述べ、武器使用の可能性を認めたのである。

 5・3憲法集会実行委員会は七日昼、国会前で、「自衛隊ソマリア派兵・『海賊対処派兵新法』反対 4・7国会前行動」を展開し、「ソマリア沖への派兵反対、自衛艦をすぐ戻せ!」「いつでもどこへでも、武器使用もめざす『海賊対処派兵新法』はいらない!」「憲法9条を破壊する自衛隊海外派兵恒久法はいらない!」「憲法改悪のための憲法審査会を始動させるな!」などシュプレヒコールをあげた。


イラク・アフガン・パレスチナに平和を

    
WORLD PEACE NOW 3・20

 二〇〇三年三月二〇日、ブッシュ政権は世界にひろがる反対の声を押し切ってイラクに対する侵略戦争を開始した。それを真っ先に支持したのが小泉政権であった。当時、イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を所有しそれを使用する寸前だとかフセイン政権との関係を口実にしての攻撃だったが、それらの開戦の口実がことごとくデマであったことはいまや完全に証明されている。にもかかわらず、ブッシュは戦争と占領をつづけた。ブッシュの後継オバマも、兵力をアフガニスタンに集中させるとともにイラクでは撤退を言いながらもいまだに勝利を夢見ている。アメリカの対テロ戦争は、中東民衆を虐殺し続け、この地域を一気に不安定化させた。

 三月二〇日、東京・坂本町公園で、「アフガンから多国籍軍の撤退を」「イラクから占領軍の早期撤退を」「いますぐパレスチナに平和を」「ソマリア沖への自衛隊派兵反対」「自衛隊は戦争協力するな」「自衛隊海外派兵恒久法をつくるな」を掲げて「イラク・アフガン・パレスチナに平和を WORLD PEACE NOW 3・20」が六〇〇人の結集で開催され、銀座のピースパレードを行った。


グアム移転協定反対
 
     
沖縄県議会が協定反対意見書採択

 クリントン米国務長官と中曽根弘文外相が二月一七日に署名した在沖縄米海兵隊グアム「移転」協定は、アメリカの領土にある米軍基地の増強のために日本の巨額の税金を投入するというものだ。また協定には、米政府がグアム「移転」に必要な措置を進めるには、沖縄の普天間基地に代わる辺野古新基地建設について日本政府が具体的な進展を図ることが明記されている。
 このように「グアム移転協定」は、辺野古新基地建設の強行を打ち出すことで米軍再編を押し進め、その上に移転するとしている在沖海兵隊の数はまったくあいまいなままである。間違いなく戦闘部隊はほとんど残る。これで「沖縄の負担軽減」とはまったくのごまかしである。

 沖縄県民はこうした日米政府に怒りを爆発させている。沖縄民衆の声を背景にして、三月二五日には沖縄県議会は、「名護市辺野古沿岸域の新基地建設につながるグアム移転協定に関する意見書」を採択した。決議は「国土面積のわずか〇・六%にすぎない狭隘な本県に、全国の米軍専用施設面積の約七五%が集中し、基地に隣接した生活を強いられている県民の思いは、過重な基地負担の軽減であり、昨年七月一八日の県議会の議決にあるように名護市辺野古沿岸域への新基地の建設に反対することである。民意を無視して締結されたこのような協定は到底県民が納得するものではなく、県民の激しい反発を招くだけである。よって、本県議会は、県民の生命、財産及び生活環境を守る立場から、在沖米海兵隊のグアム移転に関する協定の批准を行わず、県民の声に耳を傾け、県民の目に見える形での基地負担の軽減を早急に実現するよう強く要請する」としている。

 四月六、七日には、その決議を携えて、県議会の代表団五名を先頭に上京団が政府にたいして要請をおこなった。この行動に連帯して、四月六日、社会文化会館で沖縄上京団、フォーラム平和・人権・環境、辺野古への基地建設を許さない実行委員会による実行委員会の主催で「グアム移転協定反対 沖縄県議会上京団に連帯する4・6緊急集会」が開かれた。
 はじめに沖縄県議会上京団から、団長の渡嘉敷喜代子さん(社民党・護憲)が県議会決議の意味と辺野古新基地建設阻止の思いと決意を述べ、瑞慶覧功さん(社会大衆党・結の会)、前田政明さん(共産党)、奥平一夫さん(無所属クラブ)、上里直司さん(民主党)が報告をおこなった。
 今野東さん(民主党参議院議員)、福島みずほさん(社民党党首・参議院議員)、赤嶺政賢さん(共産党・衆議院議員)が政党を代表してあいさつした。
 つづいて上京団から、安次富浩さん(ヘリ基地反対協議会・共同代表)、高里鈴代さん(沖縄平和市民連絡会・代表世話人、那覇市議)、山田義勝さん(沖縄統一連・事務局長)、山城博治さん(沖縄平和運動センター・事務局長)から報告がおこなわれた。


北朝鮮のロケット打ち上げを口実とした緊張激化政策に抗議

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、四月四日から八日までの間に試験通信衛星を打ち上げると予告し、四月四日午前一一時半、ロケットを発射した。
 麻生内閣はこの問題について、人工衛星打ち上げであっても弾道ミサイルと同じだとして、秋田・岩手県に迎撃ミサイルPAC―3を配備し、迎撃ミサイルSM―3を搭載したイージス艦二隻を日本海に、弾道追跡イージス艦を太平洋に派遣するとともに、大々的な危機キャンペーンをあおった。

 四月一日には、防衛省正門前で、「迎撃」名目のミサイル防衛発動を許すな!防衛省行動実行委員会(呼びかけ団体は、平和の声・行動ネットワーク(入間)、パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会、ヨコスカ平和船団、非核市民宣言運動・ヨコスカ、核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)主催による抗議集会が開かれた。実行委員会は、「『破壊措置命令』を撤回し『ミサイル防衛』システムを即刻撤収させること、発射中止に向けた平和的な外交努力を六カ国協議の参加国と連携して最後まで続けること、北朝鮮を『仮想敵国』とした在日米軍基地の軍事態勢の見直しを図ること」を申し入れた。発射当日の五日には、核とミサイル防衛にNO!キャンペーンが、「自衛隊を即時撤収させ、発動に関する情報をすべて公開すること、『破壊措置命令』発令とミサイル防衛発動を二度と行わないこと、ミサイル防衛から撤退し、北東アジアの非核・非ミサイル地帯化に努力すること」を申し入れた。
 日韓民衆連帯全国ネットワーク、新しい反安保行動をつくる実行委員会などの「3・1朝鮮独立運動九〇周年〜一〇〇年にも及ぶ不正常な関係に終止符を!〜 和解・平和・友好の実現を求める3・1集会実行委員会は、麻生首相に「北朝鮮の人工衛星打ち上げを口実とした危機煽りと『制裁』の追加・延長をやめ、制裁解除・日朝交正常化早期実現を求める申し入れ書」で、「四月一三日で期限が切れる対北朝鮮制裁の延長をせず、制裁を解除すること」「日朝ピョンヤン宣言を基礎に、和解と平和、日朝国交正常化のプロセスに直ちに入ること」を要請した。
 自民・公明与党は国会決議での北朝鮮非難を策動した。決議案は、「(弾道)ミサイルだ」と決め付け、「我が国として断じて容認できるものではない」ものであり、国連安全保障理事会の決議に「明白に違反」するとしたうえで、国際社会に対北朝鮮制裁の完全な履行を求め、また日本政府も「独自の制裁を強めるべきだ」とするものである。そして七日には、決議を衆院本会議で、自民、公明、民主、国民新党の賛成で採択した(共産党は反対、社民党は棄権)。
 日本政府は、今回の事態を好機だとして最大限に利用し、軍備のいっそうの増強を世論にアピールし、同時に関係自治体とともに国民保護法による総動員体制の予行演習を強行したのである。
 いたずらに「不安と恐怖」を煽り、自衛隊を軸にする実戦態勢の発動は、麻生内閣が支持率の上昇、そして日米同盟の強化、実質的な九条改憲のためのものであり、断じて許すことはできない。

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声 明
  私たちは日朝両政府に対して、ロケット発射問題での瀬戸際政策の即時中止と、「日朝平壌宣言」(二〇〇二年)にもとづく関係の回復への真摯な努力を求めます


 朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)は四月四日から八日までの間に、試験通信衛星「カンミョンソン二号」(光明星二号)を打ち上げると国際海事機関(IMO)に事前通報した。中国、ロシアなどは北朝鮮に対してロケット発射の自制を求めている。北朝鮮の意図はどうあれ、それは北東アジアの緊張をいたずらに激化させ、朝鮮半島の非核・平和をめざす六カ国協議の進行にマイナスの影響を与えるものとならざるをえないからである。
 麻生首相は北朝鮮が発射準備をしているロケットについて、「日本に、上空をいきなり飛んでくる確率が極めて高い」「直接日本に危害が及ぶのであれば、自衛隊法で対応できる」などと発言し、非難した。日本政府とマスメディアはこの問題について、「日本上空の通過は許さない、迎撃すべきだ」などと、連日、危機感と北朝鮮に対する敵意をあおり立て、日本の領土、領海内に落下する場合に備え、自衛隊に対して「破壊措置命令」を発令して迎撃体制をとろうとするなど、緊張を激化させている。日米政府はみずからの人工衛星の開発は棚上げにして、「人工衛星だとしても、弾道ミサイルと発射装置はほとんど同じで、国連決議違反だ」などとして、一方的に北朝鮮に対する「制裁」を検討している。
 これに対して北朝鮮軍総参謀本部は「(人工衛星を迎撃することは)戦争を意味する」「本拠地に対する正義の報復打撃戦を開始する」などと声明している。折しも韓国では大規模な米韓合同軍事演習が行われ、朝鮮半島の軍事的緊張は極度に高まっている。
 いま、日朝両国政府は互いに相手の脅しに屈しないとして、チキンレースさながらの非難合戦をエスカレートさせている。この戦争の危険すれすれの「瀬戸際政策」は二〇世紀の遺物であり、北東アジアの民衆の平和の願いに反するものである。私たちはこのような力による威嚇は決して平和につながらないし、まして九条を持つ日本政府がとるべき道ではないと考える。
 二〇〇二年、小泉純一郎元首相の訪朝を機に発表された「日朝平壌宣言」は日朝国交正常化をめざして、過去の歴史における過ちを反省し、対話によって日朝間の諸問題を誠実に解決する決意を表明し、両国は国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことなどを約束した。にもかかわらず、この間は国交正常化のための日朝間の対話は進まず、「拉致」問題での非難の応酬に終始し、北朝鮮は核開発とミサイル実験を継続し、日本政府は「制裁」と敵視キャンペーン、ミサイル防衛(MD)体制の構築など敵対行動を強めるばかりで、北東アジアの緊張は激化する一方であった。そうしたなかで朝鮮半島の非核・平和をめざす六カ国協議も停滞したままで、協議は破綻の危機にさらされている。
 この重大な危機を前にして、私たちは日本政府、並びに米国政府に対して北朝鮮のロケット発射準備に対する軍事的対応の動きを直ちに中止し、「制裁」ではなく「日朝平壌宣言」を基礎とした対話による北朝鮮との関係の回復、六カ国協議の再開のための必要なあらゆる外交的努力を真摯に行うよう要求する。いま米国内部からも「過剰な対応をすべきではない」という声が出ている。懸案の「拉致」問題もこの対話の過程でしか解決できないことは明らかである。
 同時に北朝鮮政府に対して、予定されているロケット発射を中止し、六カ国協議の話し合いのテーブルにつくよう要請する。
 私たちはアジアの民衆と共に、憲法九条を持つ国の市民として、米軍再編の名の下に推し進められている日米軍事同盟の強化など、北東アジアにおける一切の戦争政策と緊張の激化の企てに反対し、九条を真に生かした平和と共生のアジアをつくり出すよう尽力する。

 二〇〇九年三月二五日

 許すな!憲法改悪・市民連絡会


非正規雇用労働者の賃上げと均等待遇の要求し郵政ユニオン3・19ストライキ貫徹

 郵政労働者ユニオンは、三月一九日、以下の全国一〇支店(郵便局)で一時間の時限ストライキに突入した。福島県・郡山南支店、新潟県・新潟中支店、神奈川県・横浜支店、東京都・深川支店、静岡県・浜松支店、大阪府・枚方北支店・大阪城東支店、兵庫県・灘支店、福岡県・粕屋南支店、長崎県・長崎支店。

郵政労働者ユニオンは、 春闘の柱を、月給正社員二万五〇〇〇円、短時間社員一万二五〇〇円、時給制社員の二五〇円の賃上げを要求し、昨春闘でゼロ回答だった非正規雇用労働者の賃上げと均等待遇の実現に設定した。
 郵政ユニオンは春闘アンケートをベースに要求を組み立て、一票投票を実施して八五・九%でスト権を確立するとともに、二月四日に賃上げ要求、同二三日には緊急雇用要求を提出し、賃上げ、均等待遇の実現、増員などを求めて、中央交渉に臨んできた。今春闘でも、回答指定日までに会社は、賃金引上げ、とりわけ時給制契約社員・パート社員の要求にはゼロ回答であった。今年も、郵政会社は、日本最大の非正規社員を雇用しておりながらまったく改善の姿勢をしめしていない。

 三月十九日、東京でのスト拠点である深川支店の前には、早朝から郵政ユニオンの組合員を中心に、郵産労をはじめ支援の労組、市民が結集した。
 スト突入集会がはじまり中村知明地本委員長が主催者あいさつ。昨年の三三年ぶりの郵政ストに引き続く闘いで、非正規労働者の均等待遇実現を軸にした要求をストライキで闘う。今日、郵政ユニオン中央本部旗には黒い喪章がつけられているが、これは神奈川県共闘議長、ピースサイクル全国ネットワーク事務局長でスト直前にすい臓がんで死去した神奈川支部の竹内淳さんを追悼しともに闘う思いを共有したものである。全国の郵政スト、多くの労働者とともに春闘勝利にむけて闘いぬこう。
 内田正ユニオン中央執行委員長が経営側のゼロ回答を前に「音なし春闘」に終わろうとしている大手組合の対応など春闘状況および郵政での交渉状況の報告を行い、全労協中岡基明事務局長、前田薫江東区議などからのあいさつをうけ、三名のスト突入者が決意を表明し、午前八時ストに突入した。

 ストライキを終了して霞ヶ関に移動し、郵政グループ本社前での集会が開催された。ユニオン内田委員長の発言に続いて、郵産労の山崎清委員長が三月二十三日の郵産労のストライキにむけた決意を語った。


不当な鉄建公団訴訟控訴審判決

    
勝利・解決に向けて闘いの強化を

 三月二五日、東京高等裁判所(第一七民事部・南敏文裁判長)は、鉄建公団訴訟控訴審判決を出した。裁判所周辺には全国から結集した国労闘争団をはじめ国労組合員、そして支援の人々があつまり、判決をまった。しかし、その判決は期待はずれのものだった。
 判決は、「各五五〇万円及びこれに対する昭和六二年四月一日から支払済みまで年五分の割合による一審被告に対する損害賠償請求を認容する」と「損害賠償請求を認容」しつつ、「国鉄精算事業団在職中に追加的広域採用に応募しながら、これを辞退」した六名については、賠償額を半減させ、また「停職処分等により採用基準に該当しなかった」者六名と「第二希望のJRに採用されながらこれを辞退した」者四名については「請求を棄却」としたのであった。
 一方で、「JR採用にあたり、分割民営化に賛成していた鉄労、動労等の所属組合員とこれに反対していた国労等の所属組合員との間で採用率に顕著な差が生じている。このような差が生じたのは、国労所属組合員として分割民営化に反対し国鉄の施策に非協力的であったため、JR採用の観点からみて勤務成績が低く評価されていたであろうことが原因の一つであるのは否定できないが、他方で、採用候補者名簿作成にあたり、一審原告らが国労に所属していることを国鉄が不利益に取り扱う不当労働行為があつたのもその原因であつたと認められる」とするなど詳細な事実を述べて実質的に不当労働行為があったとするものとなっている。
 鉄建公団訴訟原告団・同事件弁護団と一〇四七名の不当解雇撤回 国鉄闘争に勝利する共闘会議は「判決に対する声明」で、「原告団は本日の不当判決に挫けることはない。闘いの矛は絶対に納めない。直ちに上告を行う。闘いを一層強化し、上告審では必ず勝利をもぎとり、納得のいく解決に向けて邁進する決意である」とし、四者・四団体(国労闘争団全国連絡会議、鉄道建設公団訴訟原告団、鉄道運輸機構訴訟原告団、全動労鉄道運輸機構訴訟原告団、国鉄労働組合、全日本建設交運一般労働組合、国鉄闘争支援中央共闘会議、国鉄闘争に勝利する共闘会議)は「今こそ鉄道・運輸機構及び政府、政治は解決を決断すべきである。鉄道運輸機構及び政府が、三月二五日の判決で示された不当労働行為の事実と損害賠償責任を踏まえ、『人権問題』として採用差別事件の全面解決のための交渉のテーブルに着くことを強く求めるものである。四者・四団体は、国策によって引き起こされた一〇四七名問題の全面的な解決に向けて、引き続き政治解決を求めて行くことを、内外に明らかにするものである」との共同声明を発し、ともに闘いの継続を宣言した。

 判決を受けて、午後一時半から、「判決報告集会」が開かれた。はじめに、二瓶久勝・国鉄闘争共闘会議議長が、四者四団体で判決前に政治解決させるとしてきたが、できなかったことに責任を感じる、解決のためにいっそう努力していきたいとあいさつ。
 主任弁護人の加藤晋介弁護士は判決にたいしてのコメント。控訴審判決の論理構成は第一審と全く変わらないものだが、不当労働行為があったとする点については詳細な事実の積み上げをしているのが特徴だ。しかし、これほどに不当労働行為を認めておきながら、判決の結果はどう見てもおかしいものだ。
 つづいて支援者、北海道の「家族会」、原告団からの決意の表明がおこなわれた。

 四月一日には全一日の東京総行動が闘われ、その夕刻からは「大井町きゅりあんホール」に一五〇〇名が参加して「一〇四七名の人権回復を!政治解決で要求実現をめざす4・1集会」が開かれた。
 高橋伸二国労委員長は、「もうこれ以上の時間的猶予を許さない。改めて早期の政治解決を求めて大衆闘争と裁判闘争を闘い抜く」と決意を語った。


都教委の3・31君が代処分糾弾

  河原井・根津さんの解雇を阻止


 三月三一日、東京都教育委員会は卒業式での不起立者一三名に不当かつ苛酷な処分を出した。「高校」では、戒告四名、減給(一〇分の一)六月三名。「特別支援学校」では、減給一月一名、停職三月一名(渡辺厚子さん)、停職六月二名(河原井純子さん、根津公子さん)。「小・中学校」では、減給六月一名。

 都教委は、三月三一日、水道橋の東京都教職員研修センターに被処分者を呼び出して処分を言い渡した。研修センターの前には、不当な君が代不起立処分に抗議して、教職員を中心に大勢の人びと集まって抗議集会を開いた。
 すでに停職処分を受けている河原井さんと根津さんへは解雇処分も予想されていた。昨年には「7・15分限対応指針」が出されたが、これは「分限事由に該当する可能性がある『勤務実績が不良の場合』、又は『職への適格性に疑念を抱かせる場合』の例として二一項目をあげるなど、石原都知事、都教委による日の丸・君が代強制に反対する教職員の首を切る布石であった。
 その上、処分直前の三月二六日には、東京地裁で「東京『君が代』裁判(〇四年の処分取り消し訴訟)」「河原井・根津『君が代』裁判(〇六年の停職処分取り消し訴訟)」で「不当判決」が出されていた(いずれも中西茂裁判長)。
 しかし、今回も、都教委は、根津さんや河原井さんをクビにすることは出来なかった。処分言い渡し会場から出てきた被処分者は元気にあいさつし闘いつづけると宣言した。


オバマ政権の軍事戦略と日米関係

      
 「日米同盟の正体 迷走する安全保障」(講談社現代新書)を読む

 オバマ政権で日米関係はどうなるのだろうか。オバマの当選が、ブッシュ政策にたいする批判を背景にしたものであることは事実である。そして、チェンジに大いに期待する声があがっている。たしかに、核軍縮、イランとの交渉の模索、キューバとの関係改善などの政策を進めている。ではオバマの政策(とくに外交政策)はブッシュ政権のそれと断絶したのか、それとも継承なのか。その評価が重要である。そして、それが日本との関係で持つ意味が明らかにされる必要がある。
 
 講談社現代新書「日米同盟の正体」の著者である孫崎享氏は、外務省情報調査局分析課長、調査局長、駐ウズベキスタン大使などを歴任した。著者の分析課長の時代に調査局長は岡崎久彦であった。岡崎は、日本外交はアングロ・サクソンとの協調、現在ではアメリカに密接に追随していくことこそが日本外交の基本だという立場である。「おわりに」で著者は書いている。「あるインターネットのサイトに孫崎は岡崎氏の子分であると書かれていた。人的繋がりではそうである。しかし本書を読んでいただいた読者には十分お分かりの通り、二人の主張点は両極にある」。
 そういう人物の日米同盟論には注目していいだろう。
 本書のなかからオバマの外交・軍事戦略と日米関係について紹介していきたい。
 オバマの政策だが、その前に、ベトナム戦争の立役者であったマクナマラ元国防長官のベトナム戦争でなぜ米国は敗退したかの総括のところを引用しておく。マクナマラは言う。「@ベトナムが米国の安全保障に与える影響を過大評価したAわれわれはベトナム人の中に自由と・民主主義への渇望があり、そうと思ったBナショナリズムの力を過小評価したC地域の歴史、文化、政治に無知であったDハイテク装備、兵力、軍事思想の限界を認識していなかったE軍事行動前に、議会と国民を率直な議論に巻き込まなかったF国民に対する十分な説明がなく、支持を失ったG米国も指導者も全知の存在でないことを認識していなかった。米国が直接脅かされていないとき、他国の利益の判断は公開の国際的討議のテストにかけるべきだったH多国籍軍と合同で実施する原則を守らなかったI国際問題では時として解決できない問題があることを読めなかった。そして取り散らかされた世界と共存しなければならないことを認識しなかったJ行政府のトップクラスが複雑な問題に対処できるように組織してこなかった」。
 だが、アメリカの大敗北から引き出されたこうした教訓は、ブッシュ(ネオコン)政権によって否定され、アフガニスタンやイラクへの対テロ戦争が発動されたのである。
 著者は、こうした政策はブッシュ政権発足の前からの、アメリカの支配層によるソ連崩壊後に強大な軍事力を維持・拡張させるための新たな敵づくり=新戦略策定にあったとしている。
 それはソ連崩壊後の一九九二年にはすでに動き出しているとして、同年三月の「ニューヨーク・タイムズ」の記事を示す。そこには、「冷戦後の米国の政治的軍事的任務は他の超大国の出現を許さないことにある」「唯一の超大国としての米国の地位を、十分な軍事力で、永久化させる」「この目的達成のため、集団的国際主義は排除する。危機において米国が単独で行動できるようにする」「有志連合はアドホックベースで形成される」「イラク、北朝鮮等での核兵器、他の大量破壊兵器の拡散を防ぐため、軍事使用の計画を考える。これを許すと日独の核保有国化を誘導し、結果として米国との世界規模での競争を招く」「日独の軍事力増強、特に核兵器保有化を阻止する」などの骨格が決まり、九二年秋の大統領選挙でクリントンが勝利し、この政策方向の延長線上に九三年のレス・アスピン国防長官の下での軍事戦略「ボトムアップレヴュー」が作成され、これが冷戦後発表された最初の体系的な米国戦略となったとする。こうして米国国防省は議会に対し軍事予算の維持を正当化することが出来るようになったのである。
 ブッシュは二〇〇二年の一般教書でイラン・イラク・北朝鮮を悪の枢軸と位置づけた。しかし、すでに冷戦後の米国戦略の核心はイラン・イラク・北朝鮮を脅威の源泉と見なすことになっていたのである。
 ではオバマはこうした政策から決定的に「チェンジ」できるのであろうか。著者はオバマ政権について次のように位置づけている。
 「@オバマ大統領の唱える金融、安全保障の面で真の変革を実施するには、既存勢力との激しい戦いが必要である。そのためには理念のみでなく、戦いうる陣容を整える必要がある。それが出来ていないのではないかA安全保障面では冷戦後の大きな潮流がある。米国は圧倒的軍事力を維持する方針を出したが、そのためには、ソ連に代わる脅威を必要とし、この中で一九九二年よりイラン、イラク、北朝鮮の危険性に対応する戦略を出した。これは十数年一貫して変わっていない。オバマが重視するアフガニスタンはイラクに代わる役割を果たすという意味で、従来の戦略の枠組みの中にある。大統領選挙中オバマは開設した自己のインターネット・サイトで、核の不拡散、特に対テロリスト、タフな外交、同盟再構築、イランの脅威の終焉、強い米・イスラエル関係、イスラエルの自衛権の支持といったことを謳っている。仮にこれらがブッシュ大統領のサイトにあっても違和感がない。これからすると、オバマ政権の米国安全保障政策は根本的変革を志向していないと見られるBいまの米国の安全保障政策の要は中東政策にあると言ってよい。近年、米国の中東政策決定過程ではイスラエルの安全保障に対する配慮が極めて強い。スティーヴ・ウォルト教授らはこれが米国の中東政策、米国の安全保障政策全体を歪めているとしているが、オバマはイスラエルと強い関係を有している。…オバマは最初に行った人事で首席袖佐官にラーム・エマニュエル、上級顧問にデヴィッド・アクセルロッドを指名した。こうした動きを見ると、オバマが安全保障政策の追求において、イスラエルの安全保障と米国の安全保障とは一体との前提で政策を遂行する可能性が高いCオバマは改革を標榜したため、アウトサイダーの印象が強い。しかし、彼の行き方の基本は米国の既存体制との協調にある。オバマ大統領の新陣営においては、民主党の既存勢力に属するグループの重用が顕著である。他方、米国政治体制の変革を主張したグループはほとんど主要ポストについていない」。
 そして、ブッシュの側近中の側近であったカール・ローブ元大統領上級顧問やマイク・マレン統合参謀本部議長がオバマを賞賛する言葉をあげ、「過去の政権の政策を継承する方向に動いている。この動きは多くの選挙民の期待とは異なっている」とするのである。このようにオバマとブッシュとの継承性を強調する。
 その上で「安全保障面でのオバマの特色は、同盟国の協力を一段と求める点にある。かつて日本において日米関係に発言力を持ち、推進派と見られる人、吉田総理、下田外務次官、猪木防衛大学校長などは、日米関係の重要性を認識する一方、日米に国益の違いが生ずるのは当然として、日米関係に安全弁をおくことに尽力した。今日の日本の政界官界の主流は、米国の要求をできるだけ実現するのが日本の国益と見なしている。これは日本の過去の行き方とは異なる」として、この間の日本政府の対米協調(追随)路線を指摘する。
 そして日米関係である。著者は日米同盟を規定する基本文書は、二〇〇五年一〇月二九日に調印された「日米同盟:未来のための変革と再編」(ライス国務長官、ラムズフェルド国防長官、町村外務大臣、大野防衛庁長官による署名)が一九六〇年の日米安保条約に変わったとする。安保条約第六条は「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」とする極東条項を持っているが、それが「日米同盟:未来のための変革と再編」では「世界における課題に効果的に対処するうえで垂要な役割を果たしている」として日米協力は世界大に拡大され、また具体的な兵力運用についても規定されたのである。それはオバマ政権でも不変であり、とくにオバマのアフガニスタン重視政策により対米財政支援はいっそう膨らみ、自衛隊の参戦に対する要求も強まる。カネを出せ、汗を流せ、そして血も流せという要求は強まることは必至である。
 日米関係に関する筆者の結論は次のようなものだ。「@現在、日米関係は、世界を舞台に国際的安全保障環境を改善することを目的に日米共通の戦略で対応することを目指している。しかし、この動きは無理がある。米国は軍事力で国際的環境を変えることを志向してぃるが、この考えは、伝統的な西側理念に反している。かつオバマ大統領が最も重視するアフガニスタンでのテロとの戦いは、誰がアフガニスタンを統治するかという土着性の強い問題であり、この政策は成功しない、A米国は自己の戦略上日本の基地を重視し、その見返りとして日本の安全を守るという戦略的取引を提示し今日まで至ってぃるが、この取引は依然米国にとり有利なものである。この取引を中心に日米関係を築けば双方に多大の利益がある。その際、日本側は負い目を感ずる必要はないB極東地域においては日米の安全保障の利害は一致するケースが多く、この協調関係は維持する。しかし@に見た通り、世界規模では日米の考えは必ずしも一致しない。後者を強引に追求することは、極東での協力関係にひびが入る危険性がある」。
 対米自立派の主張として一読に値する。(H)


複眼単眼

     
 北朝鮮の人工衛星騒動について

 私ごとで申し訳ないが、以下は某所で、私が二年半ほど前にお話ししたものの一部だ。不十分なところもあるが、そのまま引用する。いまでも通用すると思う。あらためて考えてみたい。 (T)
 
 結論から言うと、北朝鮮は航空戦は出来ないということです。あるいは日本海を船で渡ってきて本格的に日本に戦争を仕掛ける能力がない。私が言うんでなくて、実は「防衛白書」にそう書いているんです。防衛庁の戦争のプロが知っているんです。週刊誌で色々なことを書き立てて、北朝鮮が明日にでも攻めてくる様に言いますが、実は防衛庁はそこのところはしっかり見ています。後は、可能性はミサイルを何発かということです。まだ核弾頭を積む能力はないですけど。後は潜ってきてゲリラです。原発を爆発されたら大変だというんです。原発は安全だといって全国につくってきたのは誰なんでしょうね。
 このミサイル攻撃は何発か飛ばす能力はあると思います。これをどうやって防ぐかですが、アメリカや日本が考えているのはイージス艦とかパトリオットとかミサイルでミサイルに対抗させて防衛すると言ってるんです。今の北朝鮮のミサイルに間に合うようにするには五年後だとか三年後だと言います。なにか明日にでもミサイルが飛んできそうな話をしながら五年後なんですよ。沖縄で嘉手納基地を守るために、パトリオットを入れたとき沖縄の人たちは反対しました。沖縄の人々を守るはずのパトリオットに沖縄の人が反対する、沖縄の人は良く知っている。結論からいうと、ミサイル防衛はピストルを撃たれてその弾をピストルで打ち落とす様なもので技術的には不可能で、一〇発撃たれて一発でも落ちたらだめで、百発百中で無ければ、全部の場所を守れないわけです。ミサイルは途中から何個にもなる多弾頭もありますから、アメリカ今の軍事技術でも難しいことなんです。航空自衛隊もまだイラクにいますが、イラクの飛行場から飛び立つとき、ゲリラからミサイルが撃たれるのが一番怖いんです。それで、アルミの粉をまき散らすとか、熱をどうするかと対策を打っている。でもそれは相手もできるということですから、打ち返して命中させると言ってもゆらゆら飛んだり、いくつにも分かれたりしたら手のうちようが無いわけです。今の日本でどういうところを防衛しようとしているかと言えば、基地のあるところなんです。でも、向こうが基地のあるところに撃ってきますかね。間に落ちたらごめんなさいなんです。ミサイル防衛なんてそんなところなんです。私はもっと防衛強化しろと言うんじゃない。無理だと言ってるんです。
 北朝鮮がやけのやんぱちで、何発かミサイルを撃ったところで、あの国は滅びます。金正日がミサイルを韓国や日本に飛ばしたら自分の国が滅びるということを覚悟する事になる。独裁であれ何であれ、一定の人間をまとめている(のだから、それなりの)判断力は持たないはずはありません。滅びることも覚悟の上で「瀬戸際政策」や取り引きを必死であの国もやっている。だから、軍事を使わせてはいけないということです。