人民新報 ・ 第1323号<統合416号(2015年3月15日)
  
                  目次

● 安倍の暴走に総がかりで対決しよう    安保法制・改憲阻止へ

                    5・3憲法集会の大成功を勝ち取ろう

● 辺野古新基地建設阻止へ闘いは進む  米軍による山城議長らの拘束糾弾

● 過労死促進法を川柳にする

● 3・8 マーチ・イン・マーチ  移住労働者の生活と権利の確保と向上を!

● JAL争議  解雇撤回まで闘うぞ!   不法な棄却決定に抗議し最高裁を包囲

● 非正規労働者の正社員化と均等待遇を要求する   郵政労働運動の発展をめざす全国共同会議の郵政本社前・院内集会

● 2・20 東京総行動  すべての争議の勝利・解決を!  昼には、けんり春闘と共同で経団連要請・抗議行動

● 丸の内で働く労働者にアピール  ホワイトカラーに過労死を蔓延させる「高度プロフェッショナル制度」

● 3・1朝鮮独立運動96周年 戦後70年 「戦争する国」を許さない!日韓連帯集会

                     東アジアの民衆連帯で軍事対決を終わらせよう

● KODAMA  /  非正規雇用労働者は、非正規労働者ではない! まして非正規人間ではない!


● 狂 歌

● 複眼単眼  /  「邦人救出に自衛隊」発言への自衛隊の不満






安倍の暴走に総がかりで対決しよう

    
 安保法制・改憲阻止へ

         
 5・3憲法集会の大成功を勝ち取ろう

 安倍内閣は昨年七月一日の集団的自衛権行使容認の閣議決定以降、改憲策動のテンポを一段と早めている。三月八日の自民党第八二回(結党六〇年)党大会は、強烈に改憲をうちだし安倍の反動カラーを全面化させた。それは「今、立党六〇年の節目を迎え、我々が改めて胸に刻まねばならないのは、日本の文化・伝統・国柄に立脚し憲法改正を党是として出発した保守政党としての矜持ではないだろうか」として、「これまでも、わが党運動方針で謳ってきたが、改めて靖国神社参拝を受け継ぎ、国の礎となられた英霊の御霊に心からの感謝と哀悼の誠をささげ、不戦の誓いと恒久平和の決意を新たにしたい」「わが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、国民の生命・財産や領土・領海・領空を断固として守り抜く体制の構築、切れ目のない安全保障法制の速やかな整備に全力を注ぐ。また、日米同盟の抑止力を高めるため、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の見直しを行うとともに、友好国との防衛協力を推進する」とした。
 そして「国民各層の幅広い理解を得つつ、憲法改正を推進する」という改憲方針を具体的に提起した。「憲法改正の投票権年齢を一八歳に引き下げる国民投票法の改正案とあわせて、関係各党と合意した選挙権年齢を一八歳に引き下げるための公職選挙法の改正案については、関係各党と協力して議員立法として国会に提出し、速やかに成立を図る。憲法改正については、現行憲法の主権在民、基本的人権の尊重、平和主義の三つの基本原理を継承して改正を目指す。その際、憲法改正に関する国民各層の理解を得つつ、衆議院・参議院の憲法審査会や各党と連携し、憲法改正原案を検討、作成することを目指す。同時に、国民各層の憲法改正への理解を促進するため、現在実施している都道府県連、選挙区支部主催の憲法改正研修会を今後も積極的に開催する。また、憲法改正の実現には改正原案への国民の過半数の賛成が必要であることから、各種団体と協力し、憲法改正推進本部と組織運動本部の連携のもと、憲法改正賛同者の拡大運動を推進する」。
 「改正原案の検討、作成を目指す」と明記し、改憲推進運動を展開し国民的規模での多数派の形成を狙っているのである。来年の通常国会に憲法改正原案を提出し、同年夏の参院選後の臨時国会で衆参両院の「三分二以上」による改正発議を目指すといわれる。
 安倍はいまなら改憲ができるとごり押しに出てきた。絶対に改憲はさせない! いまこそ対決の時期だ。とりわけ、自衛隊法改正などの集団的自衛権関連の諸法案との闘いが重要だ。集団的自衛権行使容認の閣議決定を個別法に具体化し、そのことによって憲法九条を実質的に空洞化させようとしているからである。
 安倍は四月下旬の訪米を検討している。オバマ大統領との会談では、日米防衛協力指針(ガイドライン)再改定や環太平洋連携協定(TPP)交渉などについて話し合うことになる。 関連法案をまとめるために、現在、毎週金曜日の早朝から公明党との与党協議を続けているが、安倍訪米の先遣隊として三月二六日から自民党の高村正彦副総裁はワシントンで、集団的自衛権行使を可能にする安保法制や日米防衛協力の指針再改定に関し、米政府高官らと意見交換するため急いでいるのだ。
 また安倍は、国会で一度も論議することなく、いつの間にか日本をISIS「イスラム国」と戦う有志国連合の一員として参加させた。戦争をする一方の側に加わる「参戦国」となったのであり、日本の人びとを相手から見て「敵」とみなされ攻撃される危険な状況に陥れたのである。
 日本を「戦争する国」にする安倍内閣の危険な政策に対してできる限り多くの人びとの力を結集して闘い、国政の大きな転換を目指さなければならない。
 集団的自衛権行使に反対する運動をはじめ、戦争、貧困、原発、差別など各地・各層での闘い・運動を共同させ、総がかりで安倍の暴走に対決していかなければならない。
 また、国会内でも反対勢力を形成し、与党の公明党や自民党内「護憲」派議員との連携も追求し、安倍ら極右反動勢力を孤立させよう。
 それぞれの闘いを展開するとともに、心ある人びとの当面する共通の課題は、「「平和といのちと人権を!〜戦争・原発・貧困・差別を許さない〜5・3憲法集会」」(横浜みなとみらい・臨港パーク)を大成功させることだ(別掲・「大きな共同による新たな『5・3憲法集会』へのご賛同とご協力のお願い」)。
 安保法制国会において安倍政権に対する闘いを強め広げて、「戦争する国」づくり、改憲策動を粉砕しよう。

資料・
大成功させよう 5・3憲法集会資 料大きな共同による新たな「5・3憲法集会」へのご賛同とご協力のお願い

 わたしたちは一月六日、さまざまな課題にとりくんでいる主なネットワークを中心に、「平和といのちと人権を!5・3憲法集会〜戦争・原発・貧困・差別を許さない〜」実行委員会を発足させました。
 これまで東京では、五月三日の憲法集会は、超党派の市民団体や労組が参加する「5・3憲法集会実行委員会」が開催する集会と、平和フォーラムが主催する集会の二つが別個に行われてきました。しかし、安倍政権の憲法無視・破壊の暴走がつづき、さらに加速しそうな情勢に立ち向かうため、大きな共同で「5・3憲法集会」を開催すること、そこに平和やいのちや人権の問題で発言し行動する人びとや団体の結集を実現することで意見が一致し、新たな「5・3憲法集会実行委員会」の結成に至りました。
 安倍内閣はいま、集団的自衛権の行使容認による「海外で戦争する国」へと大転換を図り、戦争法制づくりと日米防衛ガイドラインの改定、秘密保護法の施行、武器輸出と兵器産業強化などを進めています。あまつさえ「イスラム国」の人質殺害を奇貨として、「救出」に自衛隊を派兵するとまで言い出しています。また、福島原発の事故収拾も被災者への十分な支援もしないまま、原発の再稼働と海外輸出を急いでいます。大企業と富裕層を優遇し、消費税の増税や社会保障の切り捨て、非正規・派遣労働者の拡大、TPP問題など、庶民や労働者に過重な負担と犠牲を強いるアベノミクスによって、貧困と格差がさらに拡大しています。沖縄・辺野古新基地建設に明確に反対の意思を示した沖縄県民の民意を無視し、強権的に建設を進め、露骨な差別・いじめ策も弄しています。また、教育・教科書の国家統制を強め、ヘイトスピーチを放置し、侵略戦争と加害の歴史認識の捏造・隠ぺいを図っています。これらはいずれも、平和といのち、人権を保障する憲法の精神と原則をふみにじるものです。
 この暴走にストップをかけるために、広範な世論とそれを支える人びとの声と行動を強く大きくしなければなりません。実際、9条改憲や集団的自衛権行使、原発再稼働、消費税増税、TPP、辺野古新基地建設やオスプレイの配備などには、世論の多くが力を合わせて反対しつづけています。
 わたしたちは、これらの声を行動として結集し示すため、今年の5・3憲法集会を「平和といのちと人権を!5・3憲法集会〜戦争・原発・貧困・差別を許さない〜」[5月3日(日)13:00〜15:30/横浜みなとみらい・臨港パーク]として取り組みます。万単位の参加者をめざし、4月には全国紙に全面広告を出すことも企画しています。この大きな共同による新たな「5・3憲法集会」の成功には、みなさまのご賛同とご協力が不可欠です。
 以上の趣旨をご理解のうえ、下記の項目についてご協力をいただければ幸いです。

            記

      1.当日の集会(5月3日13:00〜15:30/横浜みなとみらい・臨港パーク)へのご参加。
      2.集会成功と新聞広告の費用のための賛同カンパ(1口一〇〇〇円、できれば複数口で)。
                        ご協力いただける場合は、下記の郵便振替をご利用ください。
                    郵便振替口座:00160―7―586990 加入者名:5・3憲法集会

2015年2月

           「平和といのちと人権を!5・3憲法集会〜戦争・原発・貧困・差別を許さない〜」実行委員会

                   連絡先:〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-21-6-301
                             電話:03-3261-9007(憲法会議)/03-3221-4668(市民連絡会)/03-5289-8222(平和フォーラム)


辺野古新基地建設阻止へ闘いは進む

   
 米軍による山城議長らの拘束糾弾

 昨年、沖縄では、名護市長・市議選、県知事選、衆院総選挙などで、ことごとく辺野古新基地建設反対派が勝利した。これが沖縄の民意である。にもかかわらず、安倍政権は、新基地建設に向けて辺野古埋め立て工事の早期着工をもくろみ、防衛省・沖縄防衛局は、ボーリング調査に着手、海上作業を強行している。そしてブイなどを固定するためだとしていくつもの巨大なコンクリートブロックを辺野古の海に投入し、サンゴを破壊するなどしている。反対する人びとには、警察や海上保安庁が弾圧をつづけ、けが人も続出している。しかし反対運動は、沖縄でますます強まり、同時に全国に広がろうとしている。

 二月二二日、米海兵隊キャンプ・シュワブ前抗議集会の直前、基地第1ゲート前で、米軍は、山城博治沖縄平和運動センター議長ら二名を不当にも身柄拘束した。米軍が直接こうした行動をとったことは辺野古基地建設阻止の闘いの高揚を前にした危機感からのものであり、断じて許されない暴挙である。集会には二八〇〇人が参加し、沖縄の闘いは一段と力を増してきている。
 同日、東京・新宿柏木公園では、沖縄に連帯して、「沖縄民衆を徹底的に圧殺する政府・防衛省の辺野古基地建設工事強行を止めよう!―『仮設』はウソ!実は巨大な突堤―安倍政権は『事実上の埋め立て工事』をやめろ!」行動が展開された。集会では、山城議長らの不当な拘束が報告され、参加者は厳しい糾弾の声を上げた。
 集会後には新宿駅周辺一周のデモを行った。


過労死促進法を川柳にする

 日本労働弁護団は、新ホワイトカラーエグゼンプション阻止、過労死のない社会を目指す運動の一環として、川柳、替え歌その他の募集した。
 
 その川柳の最優秀作は、

    名ばかりの 「長」で時間が 長くなる

入選作のうちにはつぎのようなものがあった

    残業は するな明日まで 仕上げとけ

    帰宅して 出勤までが 8時間


3・8 マーチ・イン・マーチ

       ともに生きのびよう!
           多民族多文化共生社会へ―
                移住労働者の生活と権利の確保と向上を


 移住労働者は、いわゆる3K(キケン、キタナイ、キツイ)労働、労働基準法や最低賃金法も守られない職場、解雇自由、非正規・有期の不安定雇用、派遣切り、社会保障からの排除という過酷な労働条件の下で働かされている。
 いま政府は少子高齢化社会の到来、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック、震災・原発事故復興での人手不足ために外国人・移住労働者の受け入れを拡大しようとしている。しかしそれは、徹底した労働規制緩和による「使い捨て労働力」としての受け入れであり、ますます労働条件の確保と向上とが求められている。これは移住労働者と日本の労働者の連帯した闘いによって勝ち取られなければならない。

 三月八日、日本で働く移住労働者が労働条件の向上と権利獲得を訴える春闘=マーチ・イン・マーチ(ともに生きのびよう!多民族多文化共生社会へ―移住労働者の生活と権利のための行動)が開かれた。集会は新橋の交通ビルで行われ、主催者を代表して、けんり春闘全国実行委員会の金澤寿・全労協議長があいさつし、労働時間法制改悪など労働者を過労死させる労働法制改悪と闘っていこう、移住労働者の闘いは日本の労働者にとっても同じ課題を目指すものだ、と述べた。
 神奈川シティユニオン、全国一般労働組合東京南部、多民族多文化共生社会の創出をめざす移住労働者と連帯する全国ネットワーク、全統一労働組合に結集する移住労働者が歌やスピーチを行った。 
 集会を終わって、サンバ隊を先頭に、にぎやかにデモに出発し、シュプレヒコールで「移住労働者に対する差別反対!」「解雇するな!」「多民族多文化共生社会をつくろう!」などをアピールした。


JAL争議  解雇撤回まで闘うぞ!

      
不法な棄却決定に抗議し最高裁を包囲

  JAL不当解雇裁判は会社更生法下の整理解雇についての最初の判断となる。慎重な審理とそれにもとづく判決が求められていた。
 しかし最高裁は、二月四日に客室乗務員、同五日にパイロット裁判の上告および上告受理申し立てに対し棄却の決定を送付してきた。きわめて短期間で棄却の決定だった。
 そして、この決定はJALのみならず会社更生下での解雇は自由にやってよいと最高裁が墨付きを与えるようなものとしか言いようがない。
 JAL不当解雇撤回裁判でまともな審理もせず上告棄却・上告不受理の決定をした最高裁の暴挙を糾弾し、不当解雇撤回・全員の職場復帰まで闘う運動を一段と強めていかなければならない。

 二月二七日に、日本航空の不当解雇撤回を目指す国民支援共闘会議の主催による最高裁の不当決定に抗議する最高裁包囲行動がおこなわれ、平日の昼にもかかわらず六〇〇名を超える人びとが参加した。
 「最高裁は憲法を守れ!」「最高裁は人権を守れ !」「この決定は司法汚点だ!」「この決定は 世界の笑いものだ!」「我々は職場に戻るぞ!」「解雇撤回まで闘うぞ!」と怒りの シュプレヒコールがつづいた。

最高裁不当判決を受けての原告団の見解・今後の方針―日本航空は不当解雇を撤回し、一六五名を職場に戻せ

 私たちは不当解雇撤回まで決して諦めず闘います
最高裁は、二月四日と五日の両日、JAL不当解雇撤回の客乗訴訟と乗員訴訟の上告棄却・上告不受理の不当な決定をした。客乗訴訟で四カ月、乗員訴訟では三カ月にも満たない異例の早さでの決定であった。しかも、補充書提出を承知している矢先での決定である。会社更生手続き下での初の解雇事件であることや、管財人(弁護士)の行った不当労働行為事件の行政訴訟が東京高裁で審理されている最中での決定である。また、大阪地裁の客室乗務員の裁判で「解雇無効」の判決が出された直後のことである。
 この異常な決定は最高裁が判断を放棄したものであり、JAL解雇撤回闘争の拡がりを嫌った意図的・政治的判断でもある。ここに強く抗議する。
 JALの職場では、この四年間にパイロット一七〇名が他社に流出して、現在パイロット不足が深刻となっている。客室乗務員も毎年六〇〇名前後の流出が続き、すでに二〇〇〇名が採用されている。にもかかわらず、パイロット八一名と客室乗務員八四名を職場に戻さない。こうした問題にILO(国際労働機関)は強い関心を持ち、労使協議で解決するよう二度の勧告を出している。JALが自主解決を拒否しているのは、一六五名の解雇の真の狙いが人員削減に名を借りた労働組合潰しであり、もの言う労働者排除にあったからである。
 JALの現場からは「職場が暗」「人がいない」「勤務がきつい」の声が次々と報告されている。ベテランパイロットや客室乗務員の解雇は世界中に例がないばかりか、職場のモチベーションに悪影響を与えている。一六五名の不当解雇でJALの安全運航の基盤が崩れてきていることを経営者は認識すべきである。この四年余に亙る解雇撤回の闘いを通じて原告団は多くを学んできた。解雇撤回を求めて一人原告で闘う労働者、過労死で息子を亡くされ裁判で闘うご両親、冤罪事件に巻き込まれ闘う青年、すべて社会の不条理を許さない闘いである。JAL不当解雇撤回の闘いは四年余の運動で全国に拡がっている。国際的な連帯も強化されている。私たちの闘いは、労働組合だけでなく、広範な人々の支援によって支えられてきた。裁判が終結しても不当解雇に変わりはない。私たちの闘いは人権と雇用を守らせる闘いであり、空の安全を守る闘いでもある。
 決して譲ることのできない闘いである。
 本日、JAL不当解雇撤回原告団として新たな闘いを開始する。不当解雇撤回まで諦めず、団結して闘う決意を確認するとともに、これまで以上のご支援を呼びかけ、闘いの決意とする。

2015 年2月22日

           JAL不当解雇撤回乗員原告団
          JAL不当解雇撤回客乗原告団


非正規労働者の正社員化と均等待遇を要求する

     
郵政労働運動の発展をめざす全国共同会議の郵政本社前・院内集会

郵政本社前での集会

 三月二日、昼、霞が関の日本郵便本社前で、「郵政労働運動の発展をめざす全国共同会議」(郵政産業労働者ユニオン・郵政倉敷労働組合)の主催による「非正規労働者の正社員化と均等待遇を求める本社前集会」が開かれた。
 はじめに郵政ユニオンの日巻直映委員長があいさつ。郵政グループで働く四〇万人のうち半数は非正規の期間雇用社員だ。きわめて不合理な格差の下で働かされており、労働契約法二〇条裁判をすすめるとともに、この春闘で均等待遇を求め全力を挙げてたたかう。今日午前には「郵政に働く非正規労働者の正社員化と均等待遇を求める要請署名」二八四二六筆を郵政本社に提出した。この闘いは郵政のみならず二〇〇〇万人にもなろうとしている全国の非正規雇用労働者の均等待遇実現のための大きな闘いでもある。
 つづいて全労連の小田川義和議長、全労協の金澤壽議長がともに闘う挨拶を行った。そして郵政期間雇用労働者が次々に決意表明を行い、郵政本社に怒りのシュプレヒコールを上げた。

院内での集会


 集会の後は衆議院第二議員会館で院内集会が行われた。新聞労連の新崎盛吾院長が連帯発言を行い、国会議員のあいさつをうけた。集会では、、「郵政二〇条裁判を支える会」の共同代表でもある竹信三恵子・和光大学教授が「労契法二〇条訴訟はなぜ重要か」と題して次のような講演を行った。

労契法二〇条訴訟はなぜ重要か

 二〇一一年の厚労省調査を見ると、雇用形態だけで大きな収入差があるのがわかる。有期契約労働者の七四%が年収二〇〇万円以下(前回二〇〇九年では五八%、一六ポイント増)だ。正社員と同じ職務内容では二〇〇万円以下は六〇%(同四一%、二〇ポイント近く増)で、正社員より高度な技術の職務でも二〇〇万円以下は四四%((同三三%)となっている。これは、「お小遣い賃金」というべきものだ。「夫がいれば安くても食べられるはず」というパート差別、「父がいれば安くても食べられるはず」というバイト差別だ。世帯主にさえまともな賃金を保障すれば仕事の中身は問わない、という暗黙の合意が、仕事の中身を問わない「お小遣い賃金」と不安定・低待遇を横行させたのだ。いまだに均等待遇規定はまったく未整備である。労働基準法三条では身分や国籍などによる賃金差別を禁止しているが「雇用形態は身分ではない」とされる。また同四条には性による賃金差別の禁止があり、「『女性だから安い』はダメ」だが「パートやコース別だから安い」はOKとなる。
 ILO憲章は不正や窮乏をもたらす労働条件によって社会不安が生じれば世界の平和や協調が危うくされるとして、労働時間の規制、失業の防止、最低生活を保障する賃金の支給、労働災害からの保護、同一価値の労働に同一賃金」をうたっている。だが労基法四条を根拠にILO一〇〇号条約(男女間の同一価値労働同一賃金)は批准されているが、その「同一」の基準いぜんとして不明である。
 こうした賃金差別禁止の不備がもたらしたものは、同じ仕事でも雇用形態さえ変えれば「安くてもかまわない労働者」が手に入るということで、非正規雇用や間接雇用の労働者の急増である。
 職務の内容にかかわらず安くできる「便利」な非正社員の拡大は次のような手法で行われている。性差別賃金→均等法で禁止→コース別・パートヘ。直接差別→間接差別へ→同じ仕事でも安い非正社員の便利さへの注目、ということだ。
 一九九〇年代半ばの不況で当時の日経連は「新時代の『日本的経営』」で「ポートフォリオ(個人や企業が所有する金融資産の組み合わせ)経営」への道を提起した。さまざまな雇用形態の労働者を組み合わせてもっとも儲けが出るようにすることだ。
 いまや「雇用の手すりはボロボロ」状態であり、人材の劣化が進んでいる。スキルをみがいてもそれが必ずしも賃金の改善に結びつかないから働く意欲が低下する。潜在能力の発揮が抑え込まれて人材が育たない。少子化を背景に海外からの労働者や女性の参加を進める際に公正な賃金決定が妨げられ、円滑な参入が妨げられるようなことが起こっている。
 米国の経済学者のクルーグマンが「米国の福祉が進まなかったのは、白人による黒人への差別観をフルに利用されたからだ」と言っている。フランスの経済学者のピケティは「累進課税の引き下げがトップの報酬の法外な高騰と賃金・資産格差を生み、それが民主主義を歪める」と言っている。差別は最強で最悪の賃下げ装置なのだ。
 このような賃金差別解決に何が必要か。それは、「同一労働同一賃金」、「同一価値労働同一賃金」を担保する法律の整備である。「同一とは何か」を働き手からも主張していける客観的な基準の整備が必要だ。ところが、日本には奇妙な「同一基準」がある。経団連は「会社への貢献度=同一価値」とし、また改正パート労働法では「正社員と同じように転勤するなど拘束度を「価値」に含めるという。だがこれはまったく違う。労契法二〇条は、有期労働者と無期労働者の間の不合理な労働条件の相違を禁止し、それも賃金、労働時間だけでなく、一切の労働条件を含むものだ。労契法二〇条訴訟は、性別を超えて拡大した不合理な待遇格差に対抗し、不合理な待遇格差を防ぐ装置を生み出そうとするものであり、「不合理な待遇格差とは何か」の基準づくりである。

 最後に、全国から大勢参加した期間雇用社員から差別に対する怒り、均等待遇求めて闘う決意がつづいた。


2・20 東京総行動  すべての争議の勝利・解決を!

          昼には、けんり春闘と共同で経団連要請・抗議行動


 二月二〇日、けんり総行動東京総行動は、八時四五分、国土交通省前からスターとした。実行委員会代表の纐纈東京全労協議長があいさつ。すべての争議の勝利解決にむけて闘いを強め、非正規雇用労働者の均等待遇の獲得、労働時間法制など労働法制の改悪を阻止するために団結して闘おう。
 国交省にたいしては、JAL争議解決に向けての申し入れ行動が行われ、金澤壽全労協議長などの要請団が入った。
 そのあと、二手に分かれて、三井不動産、NTT持株会社、三井住友銀行本店、新日鉄住金本社、ヤンマー東京本社、ニチアス本社、そして昼には、けんり春闘全国実行委員会と共同で経団連要請・抗議行動を展開した。集会は、松本耕三全港湾委員長が主催者あいさつ。争議団などからの決意表明がつづいた。
 午後は、日本印刷、総務省、トヨタ東京本社、都庁、厚生労働省、日本郵政本社への抗議・申し入れ行動が行われた。


丸の内で働く労働者にアピール

        ホワイトカラーに過労死を蔓延させる「高度プロフェッショナル制度」


 厚生省労働政策審議会では、三月二日、労働側委員の反対を押し切って、「高度プロフェッショナル制度」などをふくむ「労働時間法制の在り方についての法案要綱」まとめられ、法案が国会に出されようとしている。
 それは一定の収入の労働者を労働基準法の労働時間、休憩、休日・深夜の賃金割増から適用除外とするものだ。その収入限定も次々に下げられて多くの労働者が過労死をもたらすような働き方を強いられるようになるものだ。

 三月六日正午からビジネス街の中心丸の内で、「過労死促進・残業代ゼロは許さない!丸の内昼デモ&経団連前行動」が闘われた。主催は、安倍政権の雇用破壊に反対する共同アクションで、MIC(日本マスコミ文化情報労組会議)、全港湾、航空連、純中立労組懇、全労連、全労協、中小労組政策ネット、下町ユニオン、東京争議団共闘、けんり総行動、全労連、全労協、MIC、反貧困ネットワークなどが参加している。
 この昼デモは、丸の内界隈で働く人たちに大改悪の内容を知ってもらうために、派手にアピールして改悪反対の運動を広げていくために行われた。
 一二時に、丸の内仲通に集まり集会を行い、デモに出発し、「労働時間規制の大破壊はやめろ!」「一日の労働時間は八時間以内に!」「残業代ゼロは許さない!」などのシュプレヒコールをあげた。
 行動の最後に、経団連前で抗議の集会を行った。


3・1朝鮮独立運動96周年 戦後70年 「戦争する国」を許さない!日韓連帯集会

                   
東アジアの民衆連帯で軍事対決を終わらせよう

 二月二八日、文京区民会館で、「3・1朝鮮独立運動九六周年 戦後70年 『戦争する国』を許さない!日韓連帯集会」が開かれた。

 主催者を代表して日韓民衆連帯全国ネットワークの渡辺健樹共同代表があいさつ。
 わたしたちは毎年アジアの人びととの平和な関係をきずく集会を開いてきたが、今年は日本の敗戦七〇年にあたり、「戦争する国」づくりに暴走する安倍首相は七〇年談話を出そうとしているが、それは近隣諸国との関係をいっそう悪化させるものとなるだろうと思われる。このような状況に、国内では総がかり的な運動で対決していく力をつくるとともに、日韓の民衆連帯をより強めていきたい。今日は四人の韓国ゲストをお招きしている。

集団的自衛権と自衛隊

 集会の講演は、半田滋さん(東京新聞 論説委員兼編集委員)が「日本は戦争をするのか―集団的自衛権と自衛隊」と題して行った。 安倍政権は昨年末の総選挙の勝利で、本格的に「国のかたち」の変更にでてきた。六月には安保法制の強行採決、そして年末には防衛大綱、中期防の再改定もあるかもしれない。
 「統合機動防衛力」に加え、中東、アジアの情報収集能力の強化などの自衛隊の海外活動強化のために、二〇一六年度からいちだんと防衛費が増加させられるかもしれない。そして自衛隊の大幅増員だ。
 来年七月の参院選挙で参院でも改憲派議席の三分の二以上獲得をめざし、二〇一八年にも憲法改正国民投票をやろうとしている。
 そして安倍首相の歴史修正主義がいっそう鮮明となり、中国や韓国との対立が深刻化するかもしれない。 アメリカ政府は安倍政権を警戒しつつも安全保障面で自衛隊を本格活用するつもりだ。手始めに中東での戦の「後方支援」に自衛隊派遣を要請するだろう。

 ノレの会による韓国民衆歌謡の「岩のように」「反戦平和の歌」につづいて韓国ゲストからの発言が行われた。

韓日平和陣営の課題

 イ・チャンボクさん(六・一五南北共同宣言実践南側委員会常任代表・元国会議員)は、一九九六年に来日し、日本の進歩的な人びとと韓日共同の課題について討論したことが懐かしく思い出される、それらの人びとにまたあえてとてもうれしいと前置きして次のように述べた。
 今年二〇一五年は、アジア諸国の市民に深い意味のある年だ。アジア全域を苦しめた日本帝国主義の侵略戦争が終わって七〇年、また朝鮮半島では分断七〇年となる年であり、いまだ清算されない七〇年前の苦しみを清算するのか、再びその過ちを繰り返すのかという重大な曲がり角に立っているときでもあります。私たちの選択と団結によって、これからの数十年の運命が決められることになるだろう。
 韓国では情報機関が大統領選挙に介入し、合法的な政党が強制解散させられ、国民が直接選んだ国会議員の資格が剥奪されるなど、民主主義が破壊されている。日本でも特定秘密保護法の制定など、国民の知る権利と国民による政策への監視・統制の権限が損なわれていると聞いている。
 戦後数十年、市民による努力で、わずかでも前進した民主主義と平和の価値が、再び暴力的に破壊され、私たちは軍事的対決と葛藤の渦に巻き込まれる危機に直面している。この危機を克服し、新たな平和と協力の時代を開くのか、暴力に屈して民主、生存権、平和が破壊される状況を続けるのか。私たちはいま、その岐路にさしかかっている。
 いま東アジアの民衆は重大な曲がり角に立っている。この曲がり角で平和と和解協力の流れを作っていくためには、いくつかの課題があり、重要ないくつかを提案したい。@日本の安倍政権の再武装と軍国主義的右傾化、歴史修正主義を阻止する。A米国の覇権中心主義とこれを支える軍事政策を拒否し、より幅広い平和協力を求める。B東北アジアの平和実現の核心的課題である朝鮮半島問題の解決のために、南北対話と和解、平和協定を実現する。
 私は昨年秋に日本を訪問し、日本の政界と市民社会の代表の人びとに「東アジア市民平和連帯」を提案した。
 それは次のような組織であればいいと思う。@暴走する日米韓軍事同盟を実質的に制御するため幅広い団結が必要であるだけに、政界や市民社会がともに参加する。A名前だけの機構ではなく、長期的な交流と集まりを通じて互いの計画を共有し、共同の行動を決定、執行していくことで、連帯と団結を強化していく。B韓国と日本において第一歩を踏み出し、北朝鮮や中国、台湾などを含めた本当の東アジア平和連帯へと進めていく。これからよく話し合い、力をひとつにしながら、東アジア民衆の真の連帯を拡大し、強化して結実させていきたい。
 東アジアで軍事的対決が終わり、平和が実現されれば、世界平和の実現にも決定的な礎となるだろう。
 私たちは重い荷を背負っている。日韓両国間には独島、歴史教科書、慰安婦問題などがある。特に慰安婦問題では日本大使館前の水曜デモは一〇〇〇回を超えた。ハルモニ(おばあさん)たちはなぜそんなに続けられるのか。それは、そこに真実があるからだ。
 最近日本において、平和憲法を壊そうとする安倍政権に対抗し、政党や地域を乗り越え団結する努力により、これまで分裂し、別々に進んできたあり方から抜け出し、「総がかり行動実行委員会」へと結集していると聞いている。日本の平和運動の努力に深い敬意を表しつつ、このような団結の動きがお互いを励まして刺激し、より大きな団結、韓日民衆の広い連帯へと結びつくことを期待している。ともに連帯し、東アジアの冷戦の歴史を終わらせ、新たな和解、平和の歴史を切り開いていこう。

ともに闘うアピール

 最後に、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、許すな!憲法改悪・市民連絡会、「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW・RAC)、日韓つながり直しキャンペーン2015、「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会からアピールが行われた。



KODAMA

    非正規雇用労働者は、非正規労働者ではない! まして非正規人間ではない!
    労働者そのものであり、全き人間だ!
    労働者は奴隷じゃない!人間だぞォー

 
 仕事の内容や責任は同じなのに、雇用形態が少し違うだけで、大きな差別がもたらされている。これがかつてない経営側の儲けをもたらしているのである。
 資本主義にとっては最大限の利潤の追求がその存在理由であり、国の法制度もこれを保障するシステムになっている。「合理的な理由」などなくても、よいのだ。一九七〇年代くらいまでは、労働運動、左翼運動が強かったので、経営側は、やむなく賃金・労働条件、社会保障制度などの面で妥協してきた。それで儲ける割合が少なくなった。それへの反動―資本の側からの反革命として新自由主義攻撃がかけられ、残念ながら労働運動の側はそれに有効に対処できずに、いまのような状態を招いてしまった。
 労働者が二〇世紀に勝ち取ってきた権利は奪い取られ、一九世紀資本主義のような赤裸々な搾取・収奪・弾圧の時代が来たといえよう。非正規雇用労働者の状況、切実な訴えを見聞きすると、それが実感だ。
 だが、非正規雇用労働者は、非正規労働者ではない、まして非正規人間ではない!

 やがて反撃の時は来る。
 総評労働運動の輝かしい時代を指導した高野実(元総評事務局長)の「日本の労働運動」(岩波新書)は、非人間的な日本の戦争が敗北した直後の労組が雨後の竹の子のように作られていく感動的な情景を記している。
 「みんな若く、張切っていた。私は、勤めを放り出した。そして、東西南北、職場という職場をかけめぐり始めた。徹夜してはビラをつくった。一台の謄写版が、よくも、こんなにまわるものだと思われたほどだ。私らは、ビラを持って、就業時間中の工場へ、やおら、ちんにゅうする。そこで、職人にわたりをつけて、演説をはじめる。さっそく要求書をつくってやる。団体交渉に立会う。数日にして、何々従業員組合が旗上げされるのである。…どんな日とて、組合の結成式の二つや三つ、ない日はなかった。…馬車馬のように馳けめぐっても間にあわなかった。それでも、めしをかみかみ出掛けた。労働者は奴隷じゃない! 人間だぞォー…とほえて歩いた。」
 「労働者は奴隷じゃない! 人間だぞォ」の叫びを一斉に挙げる時だ。  (MD)


狂    歌

         やめてくれ危険ドラッグともどもに
                    事故にあうまえ安倍の暴走

                                   ヽ  史


複眼単眼

      
  「邦人救出に自衛隊」発言への自衛隊の不満

 先般の後藤健二さんらの「人質」殺害事件は私たちにとっても慚愧に堪えない事件だった。
 国会で「責任者は私だ」と啖呵をきった安倍首相は、後藤さんらの殺害が明らかになって以降、まったく「謝罪」していないことは異常だ。私たちは市民運動の現場で、「運動の力不足で、救出できなかったこと」を幾度も詫びた。しかし、テロリストを厳しく弾劾した安倍首相の口からは「お詫びの言葉」のかけらも聞こえてこなかった。
 それどころか、この事件を利用して安倍政権は「自衛隊による邦人救出」に走っているのだから噴飯ものだ。
安倍首相は二月二五日のNHKの番組で、「海外で法人が危害にあったとき、自衛隊が救出するための法整備をすすめる」と発言し、以降も同様の主旨の発言をくり返している。
 中谷防衛相も三月一日、香川県の自衛隊基地を訪れた際に「海外で危機に陥った邦人を救出するための法整備」の必要性を強調、「在外邦人の救出は国の責務だ」と表明し、自衛隊がテロ攻撃への対処など特殊な訓練を積んでいる、「邦人救出に対応できる能力はもっている」と語った。
 「人質」殺害事件を集団的自衛権行使のための戦争法制策定の追い風にする意図が明らかだ。
 これに対して、自衛隊の準機関紙的な役割を果たしている新聞「朝雲」の二月一二日付コラム「朝雲寸言」が次のように批判しているのは注目に値する。
 「自衛隊が人質を救出できるようにすべきとの国会質問は現実味に欠けている」。
 「人質救出は極めて困難な作戦だ。米軍は昨年、イスラム国に拘束されている二人のジャーナリストを救出するため、精鋭の特殊部隊『デルタフォース』を送り込んだが、居場所を突き止められずに失敗した」。
 「作戦に際し、米軍はイスラム国の通信を傍受し、ハッキングもしていたに違いない。さらに地元の協力者を確保し、方言を含めて中東の言語を自在に操れる工作員も潜入させていたはずだ。もちろん人質を救出するためであれば、米軍の武力行使に制限はない。それでも失敗した」。
 「国会質問を聞いていると、陸上自衛隊の能力を強化し、現行法を改正すれば、人質救出作戦は可能であるかのような内容だ。国民に誤解を与える無責任な質問と言っていい」。
 「政府は、二つの救出の違いを説明し、海外における邦人保護には自ずと限界があることを伝えなければならない。私たちは、日本旅券の表紙の裏に記され、外務大臣の印が押された言葉の意味を、いま一度考えてみる必要がある」。
 この「旅券の裏」の言葉とは、各国政府にあてて、「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な助けを与えられるよう、関係の諸官にお願いする」とあるものだ。まさに軍事力によってではなく、外交の努力で「邦人の安全」をはかろうとしている言葉だ。自衛隊による邦人救出に前のめりになっている安倍政権に対する「朝雲」の痛烈な皮肉であろう。  (T)