人民新報 ・ 第1356号<統合449号(2017年12月15日)
  
                  目次

● 安倍改憲NO!

● 日本労働弁護団主催の集会「8時間働けば誰でも暮らせる社会に!― 働き方改革ってなんだろう?」 

● 「秘密保護法と表現の自由を考える市民の集い」 秘密保護法、共謀罪など表現の自由を縛るものは、戦前の悲惨な状況の反省から制定された憲法の否定だ

● 立憲野党が共同で共謀罪廃止法案を国会提出

● 「18けんり春闘」が発足  8時間働けば生活できる賃金を!

● 原発なくせ!全労協脱原発労働者集会

● 辺野古新基地建設阻止  18年2月の名護市長選に勝利しよう

● 本の紹介 / 西谷文和 「テロとの戦い」を疑え

● 川柳と狂歌

● 複眼単眼 / 改憲派と市民の激突の時代が来た

● 冬季カンパのお願い   労働者社会主義同盟中央委員会






安倍改憲NO!


 来る2018年は安倍9条改憲との大きな闘いになり、改憲派と市民の激突の時代の本格的到来となる。
 10月衆院選の結果は、自民党・公明党の与党が3分の2の議席を確保することとなった。安倍は、加計、森友学園問題をはじめとして、共謀罪法の強引な成立、自衛隊南スーダン日報問題で法相や防衛相が窮地に追い込まれ、そして自民党所属の各級議員たちのスキャンダルなどが続き、その影響もあって都議選での自民党の大敗に追い込まれた。とりわけ安倍個人の資質に対する不信から内閣支持率は急速に低下し、国会が開かれれば、連日の安倍への追及が行われ、内閣の存続も危ういと言われる事態が起きようとしていた。「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」に見られるような改憲阻止、安倍内閣打倒にむけた「総がかりをこえる総がかり運動」の広がりつつあったこと、また先の参議院選挙での1人区の勝利は総選挙での野党と市民の共闘が進めば、与党の3分の2われ、自民党の過半数割れの条件が形成されようとしていた。しかし、安倍はトランプと金正恩のチキンレース的な罵倒合戦による朝鮮半島危機に便乗し、危機を煽り立て、戦争する国づくりに向けての策動を強めてきた。同時に、小池百合子、前原誠司などによる野党共闘と民進党の破壊工作を最大限に利用した。総選挙で自民党は公約に、「自衛隊の明記」「教育の無償化・充実強化」「緊急事態対応」「参院の合区解消」の改憲4項目をあげた。安倍は、自民党憲法改正推進本部長に自派の細田博之をすえ、11月16日に推進本部の全体会合で、自民党の改憲案の取りまとめに向けた議論を再開した。安倍は、来年の通常国会での改憲発議を目指しているが、まず自民党内の意見を集約させる必要があり、また支持基盤の動揺を気にし始め改憲論議に慎重になっている公明党との協議、そして野党の取り込みなど、改憲の前にはいくつものハードルが待っている。とりわけ、前原や小池によって壊されようとした「立憲野党+市民」の共闘路線はしっかりと残り、ひきつづいて共謀罪廃止法案の共同提出など具体的な行動がある。これは安倍政権にとって、恐怖である。9条改憲に反対する広範な人びとの戦線は着実に広がり強化されており、安倍の考えるスケジュールを実現するのは簡単ではない。加えて、頼みのアベノミクスの失速がしている。人口減少が深刻化する日本で高度成長の再来を実現しようと、異次元金融緩和によって「インフレ期待」を起こすというインチキ経済学は無理だという評価が広がっている。目先の景気刺激策と結果として日銀の国債保有高、日銀当座預金が増えるばかりであり、いつ破綻するかわからない。
 さらに安倍が「100%の一致」を強調する米トランプの政権の迷走である。トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都に認定する大統領令に署名した。この暴挙は北朝鮮の新型ICBM発射よりも、世界に衝撃的な影響を与えて、中東、イスラム圏をはじめ世界で抗議の行動がエスカレートしている。世界的規模に拡大させられた日米軍事同盟、海外で米軍の補充兵力として戦うことになる自衛隊の現実が見えてきた。
 すでに米本国でもトランプ政権への支持層の崩れはアラバマ州上院補選でのまさかの共和党候補の敗北となって表れている。
 安倍政治に対する反対の声は増大していく。安倍政治を終わらせるのは、さまざまな運動が大きく合流した総がかり行動態勢の拡大、それを基盤としての立憲野党の共闘のいっそうの強化であり、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会」の「安倍改憲NO!の3000万署名運動」を軸に「総がかりをこえる総がかり」運動を実現することが闘いの前進と勝利の鍵である。
 この間着実に前進してきた民衆的なさまざまな運動を一層力強く推し進め、改憲阻止・安倍内閣打倒を目指して闘い抜こう。


日本労働弁護団主催の集会(日比谷野音)

    「8時間働けば誰でも暮らせる社会に!― 働き方改革ってなんだろう?」 


 12月7日、日比谷野外音楽堂で、日本労働弁護団主催の集会「8時間働けば誰でも暮らせる社会に!―働き方改革ってなんだろう?」が開かれた。
 主催者を代表して日本労働弁護団の徳住堅治会長があいさつ。いま長時間労働などで働かされ過労死や健康が損なわれることが横行している。労働弁護団は、8時間働けば誰でも暮らせる社会の実現とそのための働き方改革の実現にむけて今日の集会を開いた。
 棗一郎幹事長は、求めるべき社会(8時間働けば誰でも暮らせる社会)の実現、そのための本当に必要な働き方改革とはなにか、それを追求してオールジャパンで体制でユニオンが総結集し真の労働改革を勝ち取っていこう、そのために今日の集会は動画の上映や全国をつないでの試みをおこなうと述べた。
 動画の上映では、自分の労働時間を記録していくことの必要性、外国人実習生問題の映像が流された。
 つづいては、札幌、大阪、福岡の労働弁護団と中継放映。北海道と大阪からは屋外集会からの映像が映し出された。
 上西充子さん(法政大学キャリアデザイン学部教授)、川上資人さん(弁護士、交通の安全と労働を考える市民会議事務局)、菱山南帆子さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)が、安倍内閣の労働政策、憲法改悪にともに反対して闘おうとのべた。
 最後に、行動計画(今日からみんなで取り組もう!)では、集会での内容や集会アピールを職場やSNSでシェア(情報共有)する、集会で見た動画をSNSでシェアする、『働き方』の学習会を開くことなどが提起された。
 集会を終わって、デモに出発。「仕事は1日8時間」「自分の時間を取り戻そう」「マトモな仕事、マトモな給料」「マトモな生活、マトモな社会」「安倍政権は雇用を守れ」「安倍政権は平和を守れ」などのコールを挙げた。

                      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

12・7集会アピール

1 「8時間働けば誰でも暮らせる社会」を目指そう! (略)

2 本当に必要な「働き方改革」
 ○1日の労働時間の上限規制を導入しよう!
 ○勤務終了から次の勤務開始までの休息時間(勤務間インターバル)制度を導入しよう!
 ○すべての労働者の労働時間の把握と記録を罰則付きで使用者に義務付けよう!
 ○非正規雇用そのものを制限する入口規制を導入しよう!
 ○非正規労働者の正社員化・無期転換を促進しよう!
 ○正規と非正規との間の雇用形態の違いによる不利益な取扱いを禁止しよう!
 ○最低賃金を1500円に引き上げよう!
 ○「雇用によらない働き方」を規制しよう!
 ○差別やいじめ・嫌がらせ・ハラスメントを禁止する法律を作ろう!
 ○ワークルール教育を推進する法律を作ろう!


秘密保護法、共謀罪など表現の自由を縛るものは、戦前の悲惨な状況の反省から制定された憲法の否定だ

        「秘密保護法と表現の自由を考える市民の集い」で清水雅彦日体大教授が講演

 安倍政権は戦争する国づくりのための重要な一環として2013年12月6日、世論の反対の声を無視し、秘密保護法を強行採決した。それから4年、自衛隊南スーダンPKO「日報」問題に表れたように、政権の情報隠蔽は加速してきている。

 12月6日、文京区民センターで「秘密保護法強行採決から4年 秘密保護法と表現の自由を考える市民の集い」(主催・「秘密保護法」廃止へ!実行委員会)が開かれた。
 講演は、清水雅彦さん(日本体育大学・憲法学)が「秘密保護法と表現の自由〜戦前の反省から制定された憲法の否定、『新夜警国家』へ」をテーマに行った。共謀罪法には問題が多い。この法律制定の口実として、国連越境組織犯罪防止条約との関係があるとされたが、この条約はマネーロンダリングなどの組織的犯罪対策が主眼で、テロ対策の条約ではない。合意罪か参加罪を選択しなくても予備罪の追加などで対応可能だ。テロ対策についても日本はすでに関連する13の条約を批准している。また、刑法上の問題点としては、原則「既遂」取締からの変更となり、警察活動の前倒し、主観的判断で警察活動が可能になってしまい、罪刑法定主義・明確性の原則との関係があいまいにされている。とくに「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」という定義のあいまいさは「一般人」か否かの判断を結局捜査機関の主観的判断にゆだねることになってしまう。憲法上の問題点では、プライバシー権(13条)や思想・良心の自由(19条)の侵害可能性があり、計画段階での捜査では、メールやラインでの合意判断の可能性や持ち物で実行準備行為の判断がなされる。表現の自由・通信の秘密(21条)の関連では、市民運動・労働運動などの表現行為に対する弾圧・萎縮効果がある。そして、共謀罪法成立後の警察・政府と市民社会の関係では、盗聴法改正による傍受対象の拡大、室内・街頭傍受の導入、自首した者の刑の軽減・免除規定は誤認逮捕・でっち上げ逮捕の危険性につながり、市民社会における萎縮がひろがる。
 この間の警察・政府の「テロ対策」には、「緊急治安対策プログラム」(2003年8月警察庁策定)、「テロ対策推進要綱」(2004年8月警察庁策定)がある。そして、この動きの中で、警察内における力関係の変化がおこった。実は1996年から2002年(約285万件)まで刑法犯認知件数は増加したが、その後減少した(2016年約99万件)。 当然、警察は縮小すべきなのだが、逆に「体感治安の悪化」を強調しながら「安全・安心まちづくり」へということで、2003年度に警察職員27万8307人(警察庁警察官7498人、都道府県警察官27万0809人)だったのが、2016年度には警察職員29万5664人(警察庁警察官7797人、都道府県警察官28万7867人)に増えた。そのなかでも、巻き返しを図っているのが公安警察である。
 安倍政権は、戦争法プラス国家安全保障会議プラス秘密保護法で何をやろうとしているのか。自民党改憲案(2012年4月)の目指すものがそれだろう。
 かつてアダム・スミスなどが規定した近代国家では、国家は経済活動などは企業に自由に任せるが、警察や軍隊だけをその任務とする夜警国家としてあった。いままた、国家が警察・軍隊に力を入れる新夜警国家となろうとしている。こうした危険な動きを何とか食い止めなければならない。

 つづいて、海渡双葉弁護士による「日本は国連の人権勧告の実施を!」の報告。国連人権理事会(UNHRC)の作業部会が11月16日に、日本への勧告を発表した。勧告数は218にのぼり、日本は、それぞれの勧告を受諾するかどうかを決めなければならない。国連人権理事会は、国連総会の補助機関の1つで、国連加盟国の人権の状況を定期的に見直し、人権侵害問題に取り組み、それに対応する勧告を行う。日本への勧告は、反差別、死刑制度、国内人権機関の設置、個人通報制度等の選択議定書の批准、女性や子どもの性的搾取や人身取引に関するものであった。とりわけ女性、LGBT、人種・民族的少数者に対する差別、性的指向を理由とする差別の解消を求める勧告は60を超えた。死列廃止に関連した勧告は30を超え、国内人権機関の設置を求める勧告も30近くに及んだ。刑事手続や被拘禁者の処遇、福島第一原子力発電所事故の避難者への支援継続、メディアの独立性、特定秘密保護法、外国人技能実習生などの移住労働者、ビジネスと人権に関する勧告が複数あり、原爆被爆者や核兵器禁止条約の未批准に関する勧告もなされた。勧告に対する日本の受諾の有無を踏まえて、2018年2月〜3月の人権理事会本会合で正式に採択される予定だ。
 なお自由権規約委員会の日本の第6回審査に関する最終見解(2014年7月に採択)では、秘密保護法が取り上げられている。それは次のような指摘だ。「委員会は、最近成立した特定秘密保護法が,秘密として指定可能な事項についての曖昧かつ広範な定義及び秘密指定の一般的な前提条件を含み,また,ジャーナリスト及び人権擁護者の活動を萎縮させ得る重い罰則を規定していることを懸念する。締約国は,特定秘密保護法及びその適用が規約第19条の厳格な要件に適合することを確保するためのあらゆる方策をとるべきであり,とりわけ,以下の点を保障すべきである。(a)指定できる情報の範囲が狭く定められ,情報を求め,受け及び伝える権利に対する如何なる制限も,適法性の原則,比例性の原則及び特定のかつ確認可能な国家安全保障への脅威を防止するために必要なものであるとの原則に適合したものであること。(b)何人も国家安全保障を侵害しない正当な公共の利益に資する情報の流布により処罫されないこと」。
 国際人権委員会のようなこうした外からの圧力も、秘密保護法と共謀罪の廃止の運動に有利な状況を作っている。


立憲野党が共同で共謀罪廃止法案を国会提出

 12月6日、立憲民主党、共産党、自由党、社民党と衆院会派「無所属の会」は、「共謀罪は憲法が保障する国民の自由と権利を侵害するおそれがある」として、法律の一部を削除する改正案=共謀罪廃止法案(内心の自由を侵害する憲法違反の共謀罪法を廃止する法案)を衆議院に共同提出した。希望の党は立憲民主の呼び掛けの共同提案には応じなかったが党内で賛否が割れている。
 
 共同での共謀罪廃止法案の提出は、戦争する国づくりに反対する闘いの重要な一歩前進を示したものであり、その意義は大きい。

 この日の正午、衆院第2議員会館前で、「『秘密保護法』廃止へ!実行委員会」と「共謀罪NO!実行委員会」の主催による「秘密保護法強行採決から4年 12・6共謀罪廃止!秘密保護法廃止!9条改憲反対!国会前行動」が開かれた。
 つづいて、「共謀罪廃止のための連絡会」主催の院内集会「共謀罪廃止法案の提出を歓迎し、その意義を確認する超党派国会議員と市民の集い」が開かれた。
 二つの集会では共謀罪と秘密保護法などの廃止にむけて力強い発言が続いた。


「18けんり春闘」が発足  8時間働けば生活できる賃金を!

           講演「『働き方改革』―安倍政権のねらいと私たちの課題」


 11月27日、全水道会館で「18けんり春闘発足総会・学習集会」が開かれた。

18権利春闘発足集会


 はじめに金澤壽全労協議長が、けんり春闘を代表して挨拶。総選挙では安倍与党が大勝し、憲法を改悪しようとしている。われわれは立憲主義に基づいて、9条改憲に反対するとともに、労働基本権を保証する27条・28条を生かす闘いを進、とりわけ職場で憲法を生かす運動に取り組んでいきたい。
 つづいて、中岡基明けんり春闘事務局長(全労協事務局長)が、「18春闘はとこでも誰でも『8時間働けば生活できる賃金』を獲得する職場からの闘いと日本社会が直面する戦争する国への大きな曲がり角に直面し、闘いによって平和を守るという社会的課題を担うことである」と述べ、方針案(別掲)を提起した。
 議案は参加者の賛成の拍手で採択・確認された。

学習講演会・働き方改革

 つづく学習講演会では、法政大学キャリアデザイン学部の上西充子教授が「『働き方改革』―安倍政権のねらいと私たちの課題」と題して行った。
 現在、「働き方改革」という言葉は広く認知され、「働き方改革」には、各自がそれぞれに期待の思いをもっているが、労働組合などが求める「働き方改革」はどのようなものになっているのか、それと照らし合わせてみたときの安倍政権の「働き方改革」とは何なのかが問われなければならない。
 では、「働き方改革」ってなんだろうか。安倍政権は「働き方改革」を打ち出し8つの法案の改正をしようとしているが、それは@労働基準法(時間外労働の上限規制、高度プロフェショナル制度の創設と裁量労働制の拡大・残業代ゼロ法案)、A労働法契約法、Bパートタイム労働法、C労働者派遣法、D雇用対策法(雇用政策の転換・縮小)、E労働安全衛生法(労働者に対する面接指導/産業医に対する情報提供等)、F労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(休息時間、勤務間インターバルの努力義務化)、じん肺法(労働者の心身の状態に関する情報の取扱い)という労働法の一括法案の構成となっている。
 当初の安倍政権の「働き方改革」のねらいはなんだったのだろうか。安倍は昨年8月の第3次第2次改造内閣発足記者会見で、「最大のチャレンジは働き方改革」「長時間労働を是正します」「同一労働同一賃金を実現し、『非正規』という言葉をこの国から一掃します」といった。そして9月30日には、電通・高橋まつりさんの過労死労災認定がでて、電通は書類送検され、社長みずから緊急記者会見を行わざるを得なくなるなど、過労死をもたらす長時間労働の是正は社会的な声となった。
 しかし、安倍首相は、9月21日のニューヨークでの金融ビジネス関係者との対話では「この問題は、社会問題である前に経済問題です。我々は労働参加率を上昇させなければなりません。賃金を上昇させなければなりません。そして労働生産性を向上させなければなりません。『働き方改革』が生産性を改善するための最良の手段だと信じています。…私は私の、ドリルの刃を研ぎすまします。日本経済の構造を変えるため私のドリルの刃は依然として高速回転中です」とした。ここには働き方改革が過労死などの問題ではなく、経済問題であるという本音が出ている。
 今年2017年になって「働き方改革」、9月8日に一括法案要綱が厚生労働大臣から労働政策審議会に諮問となり、9月15日には労働政策審議会が一括法案の答申をおこなった。その後、解散・総選挙などがあり、一括法案は閣議決定されず、国会に提出されていない。
 9月25日の衆議院の解散に関する安倍首相の記者会見で、「急速に少子高齢化が進むこの国がこれからも本当に成長していけるのか。この漠然とした不安にしっかりと答えを出してまいります。それは生産性革命、そして人づくり革命であります。この2つの大改革はアベノミクス最大の勝負です」と言っていっている。ここでは安倍首相は、「働き方改革」を語らなくなっていた。
 時間外労働の上限規制(罰則つき)については、「過労死ライン」の上限規制として、@単月100時間未満(時間外・休日)、A2〜6か月平均80時間以下(時間外・休日)、B年720時間(休日労働含まず)、C年間を通して、月80時間までの時間外・休日労働が可能にとなっている。
 このようなものでは、「過労死ライン」でも、罰則つきの上限規制は、ないよりは「まし」といえるのだろうか。これでは三六協定の上限の引き上げにつながる恐れがあり、長時間労働をかえって助長することになるのではないかだろうか。そして、企業の安全配慮義務が緩くなって労災認定や裁判に悪影響することになるだろう。また複雑でわかりにくく裁量労働制などの「みなし労働時間制」の活用に流れる恐れがある。
 そして、「高度プロフェッショナル制度の創設」と「裁量労働制の拡大」という規制の「骨抜き」がある。
時間外労働の上限規制の「抜け穴」の拡大は、経済界の強い要請があるからだ。この「抜け穴」の拡大は、「抜け穴」の活用へと企業を誘導することになるのは明らかだ。制約を抱えた労働者は結局は「二流の労働者」にされる。だから、すべての労働者の労働時間の管理と長時間労働の是正が必要なのだ。
 法案には、「同一労働同一賃金」の言葉は残らず、合理性の立証責任が企業側に明確に課されていない。派遣労働者について、労使協定による均等・均衡待遇規定の適用除外を設けている。そして労働契約法20条の削除となるがこれはとても危険だ。労働契約法では民事的な効力を規定し、パートタイム労働法は行政取締法にされる。非正規雇用の「入口規制」や無期・正社員雇用化の促進を含んでいない。
 一括法案は、「抱き合わせ不良販売」というべきもので、非常に危険な要素を含んでいるものである。

                      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

18けんり春闘方針
(要旨)

       
8時間働けば生活できる賃金を!=官民連帯・総力で18春闘に勝利しよう!=

18春闘の課題と目標
 公務員労組の確定闘争に続き、民間企業労組の年末闘争を通して、安倍政権の「働き方改革=働かせ方改革」に対抗し、真に人間らしい労働=ディーセントワークを取り戻す運動と実践を創り出すことが求められている。8時間働けば生活できる賃金を求める闘いは長時間労働の規制を中心とした労働法制改悪反対の闘いと「どこでも誰でも人らしく生活できる賃金」の獲得を一体として闘うことである。最低賃金の大幅引き上げは喫緊の課題である。
 私たちは今秋闘から18春闘にかけて一連の大きな闘いの流れを作っていく必要がある。
 政治状況は新たな労働者市民による闘いと国会や他方議会を含む議会内闘争と強固な連携を行うことが必要とされている。立憲野党が強化され、安倍政権打倒と労働者市民の平和と生活を守る闘いの連携が強化される必要がある。現在、様々な組織・団体による闘いを統一的に集約し大きな流れを形成することが必要である。私たちには社会全体の喫緊の課題と目標を明確にし、打ち出していくことが求められている。17春闘から始まった、いわば「貧困と格差と差別と闘う総がかり行動」を更に拡大させるとともに、非正規労働者の処遇改善を柱にどこでも誰でも「8時間働けば生活できること」、「戦争をしない、させない社会」に向けて安倍政権と対抗し、安倍自公政権の打倒によって平和で人間らしい生活を取り戻すことであるだろう。
◎私たちの要求と全国キャンペーン…非正規労働者の要求を汲みあげて
 @どこでも誰でも「20万円/月以上、1500円/時以上の最低賃金補償」  最低賃金を「どこでも誰でも1500円、今すぐ1000円に引き上げ」
 A20000円以上、7%以上の賃上げ要求
 B時間外労働の法規制・・1日2時間、月20時間、年150時間
 C時短・要員増…インターバル休憩(11時間以上)―労働8時間、睡眠8時間、自分の時間8時間を基本として要求
 D非正規労働者の処遇改善  労契法18条による無期転換の実現と労働条件引き上げ要求  労働契約法20条裁判闘争、全ての争議勝利  外国人労働者・移住労働者の人権無視、奴隷労働の根絶、権利拡大
 E公共サービス関連民間労働者の集中的賃上げと自治体への申し入れ  公契約条例の制定・・単価引き上げと不当労働行為企業の排除
 F安倍「働き方改革」・・働き方改革推進一括法案を廃案へ!  過労死根絶・時間外労働規制の実現、真の同一労働同一賃金

政治・社会的課題

 @9条改憲阻止!、戦争法廃止・共謀罪法廃止、朝鮮半島戦争策動阻止!
 A沖縄新基地建設阻止 脱原発社会の実現 武器輸出・原発輸出反対
 B労働法制改悪〜働き方改革推進法案反対、均等待遇実現  36協定特別条項の廃止!  最賃引き上げキャンペーンの実施  解雇の金銭解決制度、労政審解体策動との闘い
 C社会保障切り捨て反対! セーフティーネットの確立  介護保険料引き上げ等の新税の導入攻撃との闘い!
 D「貧困/格差/差別を許さない総がかり行動」の建設  反貧困、弁護団、介護/保育、移住労働者に係わる闘いとの連携
 E消費税引き上げ反対!


原発なくせ!  全労協脱原発労働者集会

       
 原発再稼働を次々と強行する安倍内閣と対決し、脱原発の労働運動を広げていこう

 11月30日、「原発なくせ! 再稼働反対! 20ミリシーベルトなんてとんでもない! 全労協脱原発労働者集会」(主催・全国労働組合連絡協議会脱原発プロジェクト)が開かれた。

 集会ではフクシマ原発労働者相談センター代表の狩野光昭さんが、最新の福島第一原発(1F)収束廃炉作業の状況、住民帰還問題と労働者相談センターへの直近の相談事例等について講演した。廃炉作業では事故時に発生した燃料デブリの取り出しが大変な問題だが、その前に、燃料棒の取り出し、汚染水対策と難事業が重なっているが、いずれもうまくいっていない。汚染水対策では凍土壁工事に350億円もかけたが台風で汚染水は減らないばかりか逆に増えている。失敗ばかりで国費の無駄使いはあきらかだ。これでは燃料棒の取り出しなどはとても無理で、展望が立てられない状況にある。
 作業している労働者は平日6000人前後で、数年前と比較して約二倍となっている。今年4月では一日当たり5470人で、約半数が地元の人だ。作業では法令反などが多い。今年の1〜6月では廃炉作業を行う事業者に対する監督指導結果を見ると違反率が40%、違反件数77件で、安全衛生関係15、労働条件関係が62となっている。是正に向けて福島労働局は指導しているがなかなか改善されていない。
 今年になって約70件の労働相談があった。相談の事例としていくつか挙げる。 汚染水タンク解体作業に従事していた労働者が、汚染水抜き取後のタンク内に、全面マスクと防護服を着用して作業した後、マスクを外す際、放射性物質が付着した。東電はこの原因をゴム手袋で誤って顔面を触ったことだったと発表している。また、汚染水タンクの解体作業に従事する2次下請けの労働者が、一次下請けの職長からパワハラをうけ、適応障害の診断をうけ、労災申請を行うこともあった。東京電力福島第一原発構内の車両整備工場の整備士が昼の休憩時間後、整備工場に向かう途中で、体調不良を訴え、病院に緊急搬送されたが心疾患により死亡を確認された。現在、遺族から労災保険認定等についての相談を受けている。
 これからも相談・支援の活動を全国一般などの労働組合や市民団体などと協力しながら続けていきたい。

 基調提起は全労協脱原発プロジェクトの平澤勝さんがおこなった。福島第一事故から7年目を迎えている。歴史上かってない未曽有の事故を引きおこし甚大な被害を福島県内外に与え、しかも事故の原因究明とその責任の所在が問われないまま、時計の針は事故前に戻るかのような政治の状況が継続している。先の衆議院選では自民党の圧勝により、原発再稼働は「追い風」を受けるかのように強行的に推進されようとしている。全国で7000人を超える自主避難者の住宅支援の打ち切りがドラスチックに展開され、最近では、山形地裁米沢支部に福島からの避難者の住宅費の未払い賃料の支払いと立ち退きを求める訴訟が独立行政法人から起こされた。2020東京オリンピックを前にして「福島は復興した」とのフレームアップのため、その傍ら陰で隠れて事故の幕引きが画策されている。避難者・被災者の人権がないがしろにされ、生存権が脅かされる事態である。全労協は、2018年を総反撃の年にしなければならないと決意する。全労協は、今日もなお、原発再稼働に反対する56%の世論を背景に、あきらめずに、したかかに、被災者の人権無視の支援打ち切り反対、再稼働反対、脱原発運動を闘う広範な全労協運動を形成することに尽力しよう。
 具体的な取り組みの方向性については以下のようにしたい。@帰還決定地域の公共事業(自治体窓口業務、水道・下水道・郵便・病院・小中高等学校・鉄道)等について、事業運営の調査、披ばく労働への健康管理上の要求など、共通する関係先のインフラに従事する労働組合との情報交換・連携・連帯を深めていく。A福島連帯キャラバンなどの取り組み、フィールドワーク・調査活動とともに現地で闘う団体等の交流を通じて連携・連帯を深めていく。 これまで、川内原発1号機・2号機が、四国電力愛媛県伊方原発3号機、福井県高浜原発4号機、3号機が再稼働を強行した。そして、今年の冬には九州電力玄海3、4号機の再稼働が目論まれている。これらの原発は、いずれも新規制基準に基づき合格とされたものだが、規制委員会自身が認めているように「原発の安全を担保したものではない、最低限の基準」という事だ。
 このように来年には、安倍政権下で、再稼働に雪崩を打って突き進む働きがあり、これに反撃していく全労協を始め労働運動の陣形が問われている。
 2018年の取り組みとしては、「さようなら原発全国集会」(3月21日)、「福島県民集会」(3月17日)、それらをつなぐ「フクシマ連帯キャラバン(3月14〜21日)が予定されている。諸行動をを成功させ、脱原発の社会を作り出していこう。

 パネルディスカッションは、瀧秀樹さん(脱原発プロジェクト)をコーディネーターに、国鉄労働組合の佐藤祐樹総務・財政部長、東京清掃労働組合の中里保夫副委員長、郵政ユニオンの沼倉潤さん(脱原発プロジェクト)、東京水道労働組合金町浄水管理支部の田中繁樹書記長、全労協青年委員会の西山康彦さんがパネリストとして発言した。
 あらかぶさん裁判闘争(福島原発労災損害賠償裁判)支援の訴え。あらかぶさん(通称)は、全労協全国一般全国協ユニオン北九州の組合員で、福島第一原発で約2年間廃炉作業などに従事し、被ばく、労災認定を受け、原発労働者全体が同じような被害にあわないために裁判闘争を闘っている。
 つづいて福島除染労働者の賃金未払い裁判闘争の和解報告、2018福島連帯キャラバンの取り組へのよびかけがおこなわれた。
 最後に参加者一同の団結頑張ろうで、脱原発の闘い強化をともに作り出すことが確認された。


辺野古新基地建設阻止  18年2月の名護市長選に勝利しよう

  
 首都圏からも、さらに大きな支援の行動を起こそう

 安倍政権の戦争政策の要として沖縄の軍事基地強化がある。辺野古に最新鋭の基地を作ることは政権にとってやり遂げなければならない最重点政策とされている。新基地建設の工事にたいして、沖縄県内外の人びとが、機動隊による排除・弾圧に抗しながら、工事資材などを運ぶトラックを止める行動をつづけている。
 来年2018年2月4日、名護市長選が行なわれる。辺野古新基地建設阻止闘争にとって重要な課題だ。基地反対の現職の稲嶺進市長と自民党・基地建設推進勢力の一騎打ちの選挙である。辺野古新基地建設に関する工事については市長のいくつもの許可が必要で、基地建設阻止のためには絶対に負けられない。稲嶺市政の継続がぜひとも必要である。

 12月2日に文京区民センターで、「辺野古へ行こう! 新基地建設阻止―名護市長選勝利をめざして―」(主催・辺野古への基地建設を許さない実行委員会)が開かれた。
 辺野古への基地建設を許さない実行委員会の中村利也さんが主催者挨拶。来年2月の名護市長選に絶対に勝利しよう。陸にも海にも基地をつくらせない―これが稲嶺さんの公約だ。辺野古基地建設阻止のために、本土から多くの人が座り込みに、そして海上の阻止行動に参加してほしい。そのキャンペーンのための今日の集会だ。本土では、沖縄の運動を中傷するが行われている。それらを跳ね返して、本土においても名護市長選を争点にして、支援を拡大していこう。 
 沖縄からの報告は大城悟さん(沖縄平和運動センター事務局長)。
 沖縄は、日本総人口の1%に過ぎないが、大きな軍事基地の負担を強いられている。関東の多くの人びとが反対運動に加わることによって安倍政権にプレッシャーをかけることができる。
 辺野古基地建設は2014年から再開されているが、遅れに遅れている。政府でさえ3年くらいの遅れだとしている。台風など天候の影響もあるが、何といっても阻止行動が続いていることが原因だ。しかしなかなか止めるということにはなっていない。それが悔しい。
 オスプレイは昨年の12月に名護市の海岸に墜落し、今年8月にはオーストラリア東部で墜落している。緊急着陸は伊江島、大分空港、石垣空港と続いている。オスプレイの事故率は異常に高いが、日本政府は、オスプレイの安全性を誇張し危険性を隠蔽している。
 CH53大型輸送機墜落もこの10月にあった。
 こうした危険性が明らかになり、反対運動が高まるのを恐れて、山城博治沖縄平和センター議長などへの不当不法な弾圧が行われた。これは共謀罪の先取りであり、反対運動を萎縮させる狙いがある。宮古島、八重山(石垣)への自衛隊地対艦ミサイル部隊の配備も強行されようとしている。こうしたなかで、来年は沖縄にとって重大な意義を持つ選挙がある。2月には名護市長選挙があり、稲嶺市長3選を実現したい。つづいて11月の沖縄知事選挙での翁長雄志知事の再選にも勝利していきたい。ぜひとも多くの人びとの力で基地反対の運動を進めていきたい。

 連帯発言では、沖縄と東京北部を結ぶ集い実行委員会、沖縄の闘いと連帯する東京東部集会実行委員会、辺野古に基地はいらないイン三鷹、日野市の今と未来を考える会、地域共闘連絡会、島ぐるみ会議と神奈川を結ぶ会から訴えがあり、沖縄への偏見をあおる放送を許さない市民有志、警視庁機動隊の沖縄への派遣中止を求める住民監査請求実行委員会、宮古島からのアピールが続いた。
 最後に、辺野古への基地建設を許さない実行委員会の尾沢孝司さんが、「バスに乗ってみんなで一緒に辺野古へ行こう」と行動提起をおこなった。


本の紹介

   
 西谷文和・著 「テロとの戦い」を疑え―紛争地からの最新情報(かもがわ出版)

 いったい何万発のミサイルが、北朝鮮から撃ち出されただろうか。と思うほど毎日、ニュース、ワイドショウと特番は北朝鮮のミサイル発射シーンを放映し続けた。東日本では小学生に防空頭巾を着用させて机の下に隠れさせる。Jアラートを鳴らし鉄道を停め、「東京都民は地下に」と言っている。まるで日本と北朝鮮が戦時下にありあるようにさせている。そして、森友、加計隠しのために、『国難』とわざわざ大仰に銘打って総選挙を行った。これが安倍のやり方だ。
 来年度防衛省予算では、1基700〜800億年もするイージス・アショア2〜3基導入が要求され、さらに日米2プラス2では、その規模が拡大し、トランプの訪日によってさらに増強された。いまアメリカでは朝鮮半島での危機と戦争の特需が起こっている。
 この西谷さんの本では、北朝鮮や日本のことには詳しく触れていないが、なぜ戦争が起こるのかについては明確に答えている。それには、戦争は儲かるからだと断じている。湾岸戦争やイラク戦争での劣化ウラン弾・クラスター爆弾の残虐さを告発している。西谷さんは、いまも戦火の下で子どもたちの支援活動を続けている。そして、戦争を始めて継続するために、平気でデマとペテンがまかり通っていることを指摘している。
 また西谷さんは新聞に、南スーダン・ジュバの避難民キャンプで横たわる子の涙にハエがたかっている写真とともに次のような記事を掲載している。「ハエは元気な子にはたからない。死期が近いことを知っているのだ。水分を求めたハエが、この子の涙を吸い取っていく。現実は残酷だ」と。
 しかし、日本のマスコミはフクシマ同様にこうした不都合な真実を伝えないでいる。
 安倍は何を狙っているのだろうか。トランプは日本を守るのか。北朝鮮はアメリカに水爆を打ち込むのか。中国やロシアは北朝鮮をどう位置付けているのか。韓国はアメリカや日本の動きをどう見ているのか。
 私たちには、自分の頭で分析していかなければならないことが多い。この本は、その有益な灯になる一冊だと思う。(河田良治)


川柳と狂歌

     憂いあり台風一過アベ禍見え

     台風一過コイケ嵐も想いでに


     国民を労働力化しましたね
        ニホンの危機は
           ここにあります

2017年12月  
                         ゝ 史


複眼単眼

       改憲派と市民の激突の時代が来た


 今期、特別国会での憲法審査会の実質審議(幹事など役員の選出など形式的なものは他にもあった)は、衆議院が11月30日、参議院が12月6日の各1回ずつで終わった。衆議院では自民党の筆頭幹事の中谷元が7日にも審査会を入れる提案をしたが、公明も含めて他の党が消極的で、結局、審査会は開けず、長めの幹事懇談会を入れることで妥協した。
 自民党改憲本部が同党の4項目の改憲原案討議で2巡したものの、党内の一致が十分図れていない。各自民党委員は改憲の意見を相次いで主張したが、同調するのは維新の会、希望の党などだけだった。これらの改憲意見は中身は陳腐で、またまた押しつけ憲法論を主張したり、合区は都道府県の主張を反映しないから、憲法を変えて都道府県から最低1名の議員は出せるようにすべきだなどという主張に止まっていた。
 ただし、注目したいのは、従来、国会議員の任期延長に限定していた非常事態条項に関する改憲で、これにとどまらない非常時の政府の対応一般を主張するものもあった点だ。これでいけば、国家緊急権全般の導入、国家授権法の導入に結びつきかねないので、要注意だ。
報道では、自民党は改憲原案の年内作成は断念したようだ。この流れでは、次期通常国会の召集が1月19日とも、22日ともいわれているが、予算案の討議を経て、3月以降の改憲原案の審議がもくろまれているのかも知れない。当初から、自民党は次期通常国会で改憲発議をねらっている。改憲原案の審議を2〜3ヶ月で終わることはほとんど難しい場合、延長国会ということもあり得る。戦争法では、史上最長の延長で9月19日の強行採決もあったから、油断できない。
 最大の政治課題である改憲問題を、わずか1国会で済ませようなどという自民党安倍政権の暴挙を絶対に許すことはできない。戦争法ですら、2014年の通常国会から、2015年の通常国会まで3国会の審議をした。改憲発議を2018年通常国会だけの審議で強行するような安倍政権の企ては全力で阻止する必要がある。
 今国会の憲法審査会を傍聴していて、その様子が変化したことに気が付いた。
 従来の憲法調査会、憲法審査会とは違って、委員の出席率が非常に高いのだ。委員の空席がほとんどない。衆議院は50人、参議院は45人だが、会議にはそのほとんどが出席していた。長く傍聴してきた筆者には薄気味が悪いほどだった。 しばらく前頃は、出席が半数にも満たなくて、会議が始められないなどということもあったし、出席しても、お行儀が極めて悪く、他の野党の委員から幾度も抗議を受けるという具合だった。
 今回の出席率の良さは、改憲派の気合の入り方を感じざるをえない。自民党など改憲派の委員たちの緊張の度合いの強さが感じられる。
 先頃、日本会議は創立20周年大会を開き、全国285の選挙区全てに組織を作ることを決めた。
 新年からいよいよ草の根での改憲派と市民との激突が始まる。  (T)


冬季カンパのお願い

 安倍首相は、集団的自衛権の行使による米トランプ政権の無謀な世界的な軍事行動に率先して参加しようとしています。その態勢づくりが、秘密保護法、戦争法、共謀罪法の強行成立であり、海外で戦争する自衛隊を書き込む憲法改悪の策動です。また社会的格差の拡大と急速な貧困化という金持ちや大企業優先の政策の破綻は明らかです。わたしたちは、広範な統一を実現しするために闘って来ましたが、自民党など右派勢力の攻撃に対抗する力をいっそう拡大し、政治変革の流れをつくりだしていかなければなりません。そのために、私たちは一段と奮闘する決意です。
 運動の勝利的な前進のために冬季カンパをお願いします。

二〇一七年冬

     労働者社会主義同盟中央委員会