人民新報 ・ 第1360号<統合453号(2018年4月15日)
  
                  目次

● 森友・加計事件徹底解明・糾弾  米トランプ政権のシリア軍事攻撃阻止

           安倍を追い詰め打倒しよう!

● 3・21さよなら原発全国集会

           原発なくせ 米軍基地なくせ 改憲阻止

● 郵政産業労働者ユニオンの18春闘

           3・20  全国19職場でストライキ突入

● 安倍「働き方改革」一括法案の問題点を指摘

           日本労働弁護団が院内集会

● けんり春闘勝利中央総行動

● 特定秘密保護法廃止にむけて

           国会情報監視審査会と年次報告書の意義

● 東京都迷惑防止条例改正の危険な意図

● 那覇地裁の判決糾弾   山城博治さんたちに不当判決

           米軍基地撤去の闘いを強化・拡大していこう

● 本の紹介  /  矢部宏治「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」

● せ ん り ゅ う

● 複眼単眼  /   「みんなのちからで政治を変えよう」 






森友・加計事件徹底解明・糾弾 
 米トランプ政権のシリア軍事攻撃阻止

           安倍を追い詰め打倒しよう!

 安倍内閣は発足以来最大の窮地に落ちいっている。 森友学園事件では、財務省の文書隠蔽・改ざんという事実がつぎつぎと暴露され、ウソで塗り固めた官僚の国会答弁や佐川前理財局長の証人喚問は、首相官邸の国有財産の大幅値引きなどでの政治介入の闇についての疑惑を強めるものとなった。世論は安倍首相と昭恵夫人の森友関与について、はっきりした釈明をもとめ、与党内からも、抗しきれないという声が広がり始めた。
 自衛隊のイラク・南スーダンPKO活動日報についても、その存在をついに隠蔽しきれなくなった。自衛隊PKO活動が「非戦闘地域」でのみ行われているという虚構は、現地での状況を記した日報が明らかになればデマだと暴露されてしまうことを恐れた官邸・自衛隊は極力、逃げ回ってきたが、しぶしぶ、認めざるを得なくなったのである。
 そして、安倍の「腹心の友」加計孝太郎の加計学園・岡山理科大獣医学部の新設にさいして首相官邸が関与していたことを証拠立てる「首相案件」文書が明らかにされた。愛媛県の中村時広知事は県担当職員が「備忘録」として作成していたと認めたのである。知事は、「県庁職員は真面目な職員」であり、「しっかりと、報告のために記述したものであることは間違いない」とし、そのうえで、逆に「国が正直に言ったらいいのではないか」と述べたのである。文書の信ぴょう性は確実になった。文書には、安倍首相と加計孝太郎理事長の会食の席での話の内容まで記されていて、これまで安倍は「加計理事長とは獣医学部の話をしたことがない」と言っていたのに、安倍の国会での虚偽答弁が立証されたのだ。これは安倍首相はじめ政府中枢が、この事件に関与していたことを顕在化するものであった。。
 それだけではない。安倍内閣が本国会の目玉であると押し出してきた「働き方改革」一括法案は、残業代を払わずに長時間労働を強要する裁量労働制拡大、高度プロフェッショナル制度と「残業時間の上限規制」をセットにした安倍流の欺瞞的なものだ。だが、裁量労働制拡大のためのデータのでたらめさが明らかにされ、法案から裁量労働制拡大を引き下げざるをえなくなった。また東京労働局長の過労死問題をめぐるマスコミ威圧の暴言など厚生労働行政の分野でも混乱が広がっている。文部科学省では、自民党右翼議員に指図されて前川前文科事務次官の講演についての介入があったが、これは世論と当該教育委員会からの反撃で彼らには逆効果の事態となった。経済産業省は、原発再稼働をつづけているが、玄海原発はさっそく事故を起こし停止された。
 外交面でも安倍は窮地に落ちいっている。朝鮮半島をめぐる情勢展開での日本政府の立ち遅れは、誰の目にもあきらかだ。東アジア情勢の緊張をあおり、北朝鮮への圧力強化一辺倒の政策は、北朝鮮の新政策、中国の動き、とりわけトランプの「変心」によって破綻した。安倍は、4月の南北朝鮮首脳会談、5〜6月に予定の米朝首脳会談という情勢変化を完全に見誤まった。4月の訪米と日米首脳会談で、安倍はトランプを「説得」すると言う。しかし、結果は日本への経済的犠牲を約束させられることになるだろう。そして安倍が「100%の一致」をアピールするトランプ政権は、米ロ対立を決定的にする無謀なシリアへの軍事攻撃をもくろみ、日本の支援を強要してくることは間違いない。
 こうして長年の強引な引き回しによる悪政の結果はついに、広範な人びとの怒りと政府機能不全を露呈させるようになってきた。
 戦争する国づくりと格差拡大・貧困化の深刻な状況を作り出した安倍政治打倒の好機が到来している。市民と野党は、総がかりの態勢で迎え撃つ体制をいっそう強化しなければならない。4月5月6月は今後の日本政治を左右する重大な闘いの時期だ。安倍の最後のあがきとして、早期の解散・総選挙の可能性も言われている。
 総がかり行動を一層強化・拡大して、安倍内閣を退陣させ、改憲発議を粉砕して改憲を阻止し、そして戦争法、秘密保護法、共謀罪の廃止を実現し、「戦争する国からの脱却の政治」を作り出そう。

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ひきつづき「森友学園疑惑徹底追及!安倍9条改憲NO!安倍内閣は総辞職を!」の闘いを


 3月2日の朝日新聞の報道以来、公文書偽造など安倍自公政権による「国家権力と国有財産の私物化、政治の腐敗、3権分立と民主主義の破壊」の実態が次々と暴露され、国会内の野党各党の奮闘、マスコミの連日の報道と呼応した、全国各地の市民運動も大きく高揚しています。マスコミの世論調査でも、内閣支持率は各機関軒並み30%台に落ち込み、不支持率も50%台に迫っています。
 追い込まれた与党は27日の佐川元理財局長の喚問に同意しましたが、佐川氏は安倍政権の意を汲んで「証言拒否」を連発し、真相究明どころか、疑惑をいっそう深めました。
 しかし、これは真相究明のたたかいの第1歩にすぎません。真相解明のためには、ひきつづき国政調査権の発動による全ての資料提出と安倍昭恵氏、佐川氏の前任の迫田元理財局長、昭恵氏付の政府職員谷査恵子氏、今井尚哉首相秘書官等の喚問が必要です。
 国会内の野党と国会外の全国の市民は結束してたたかい、安倍内閣を総辞職に追い込まなくてはなりません。
 また、25日の自民党大会では「9条1項、2項はそのままにして、自衛隊を保持する」案を決めました。この案は9条を壊してフルスペックの集団的自衛権の行使と、海外での際限のない武力行使に道を拓く極めて危険なものです。
 わたしたちはいまこそ、安倍政権による国家の私物化と民主主義の破壊に反対し、憲法9条の破壊に反対して、安倍政権の退陣をもとめ、全国各地の草の根での闘いを一斉に展開するときです。
 集会、デモ、街頭宣伝、スタンディングなど可能なあらゆる形での行動を起こしましょう。安倍改憲NO!3000万人統一署名の取り組みを飛躍的に前進させましょう。
 私たちは心の底から怒っています。戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、志を同じくするできるだけ多くの人びとと協力し、全力で闘う決意です。全国各地の市民のみなさん、ともに行動を起こしましょう。

2018・3・31

      戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会


3・21さよなら原発全国集会

         原発なくせ 米軍基地なくせ 改憲阻止


 3月21日、冷たいみぞれが降りしきる中で、東京・代々木公園で、「『いのちを守れ くらしを守れ フクシマと共に』さようなら原発全国集会」が開かれた。主催は、「さようなら原発」一千万署名市民の会で、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会が協力した。
 落合恵子さんが開会挨拶で、私たちの安全と安全保障とは、原発をなくすこと、米軍基地をなくすこと、改憲をさせないことだと述べた。
 「フクシマから」では3人が発言。「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表の片岡輝美さん―京都地裁と東京地裁の原発事故被害者集団訴訟で国と東電の責任を認める判決が出た。自主避難者も賠償の対象として認められた。こども人権裁判と親子裁判は、福島原発事故以後の放射線防護対策を問う裁判であり、被ばくそのものが損害であるとする裁判だ。真実を見抜く力が求められている。私たちは権力者にとって都合の良い無力な市民ではない。
 福島被ばく労働裁判を闘っているあらかぶさん―現場の状況は劣悪な環境だったが、一刻も早く原発事故を収束させたいという想いで作業をしてきた。だが東電は労働環境を整備するのではなく、労働者使い捨ての扱いだった。裁判で東電の姿勢・体質を明らかにしていきたい。
 自主避難者の長谷川克己さん―原発事故で米国などは80キロ圏内の住民に避難指示を出したが、日本政府は30キロ圏内に留めた。被ばく線量年間1ミリシーベルトの閾値も20倍にも引き上げた。今も事故前よりも明らかに高い放射線量の地域に帰還を促している。その他にも理不尽なことがつづいた。国、福島県を信じず、自分の子は自分たちで守る、という決断をせざるを得なかった。
 元東海村村長の村上達也さんは、東海第二原発を再稼働させないために茨城県民は頑張ると述べた。
 韓国からかけつけたイ・キョンジャさん(核再処理実験阻止30キロ連帯実行委員長)は、人間が人間らしく生きて行くための社会は、全ての核の廃棄からだ、安倍政権を倒すまで連帯してともに闘うと述べた。
 つづいて、「2018フクシマ連帯キャラバン」隊が登壇し、団長の丹野泰希さん(全港湾小名浜支部)が、福島、新潟などからのキャラバンの経過報告を行い、原発の問題は日本すべての問題であり、一致団結して運動していこうと述べた。
 原発ゼロ自然エネルギー推進連盟・河合弘之さんと立憲民主党の逢坂誠二衆議院議員(党エネルギー調査会会長)が、3月に「原発ゼロ基本法」を国会に提出され、社民党、自由党、共産党、無所属の会も賛同していて、国会で成立させたいとアピールした
 戦争をさせない9条壊すな!総がかり行動実行委員会の福山真劫共同代表は、いま安倍政治の矛盾が噴出してきている、それは福島の切り捨てと原発推進、森友、加計など国家の私物化、憲法をないがしろにすること、貧困と格差社会化、沖縄新基地建設強行、朝鮮半島の課題では緊張激化策であり、こんな政権は総がかり行動の力で打倒しようと述べた。
 最後に鎌田慧さんが閉会の挨拶で、原発は既に歴史的な決着がついた、安倍がいなくなれば原発はなくなる、と集会を締めくくった。
 なお、デモは悪天候のため中止となった。


郵政産業労働者ユニオンの18春闘

       3・20  全国19職場でストライキ突入


               スト連帯集会、各局で春闘ビラの配布情宣行動を展開

 郵政産業労働者ユニオンは3月20日、春闘要求に対する日本郵政の「ゼロ回答」を受けて本部ストライキ決行指令に基づき全国で怒りのストライキに入った。全国11拠点、19職場、68人の組合員、そのうち非正規組合員20人。
 当日は、11時から日本郵政グループ本社前でストライキ突入集会を、首都圏を中心とした組合員と支援の仲間150人が結集して開催された。また、早朝から、ストライキに連帯する集会が全国8か所でおこなわれるとともに、各局で春闘ビラの配布情宣行動がおこなわれた。

怒りのストライキ、全国で19職場
 郵政本社前集会では、郵政ユニオン本部日巻委員長が「本日、大幅賃上げと非正規社員の均等待遇実現要求に対する会社のゼロ回答に断固抗議して全国でストライキにたちあがった。要求実現の前進をめざして最後まで闘い抜こう」と力強い決意を述べ、全労協金澤議長、全労連橋口事務局長代行からの連帯のあいさつ、春闘交渉経過の報告、銀座支部長からの決表明などがおこなわれた。
 東京では、銀座支部で9名の組合員が午後12時45分から1時間のストライキに立ち上がった。その前段に、激しい雨が断続的に降る中、ストライキ突入集会が90名の参加者でおこなわれた。銀座支部支部長のあいさつ、ストライキに入る組合員の決意表明ではベースアップ、非正規社員の均等待遇の実現要求に加え、夜間労働の改善を求める切実な発言がおこなわれた。練馬全労協、東京地評、郵政20条裁判を闘う浅川さん、関東地本で早朝にストライキに入った浦安支部組合員、東京の各支部からの共に闘う連帯のあいさつがあり、練馬全労協からは激布が銀座支部に手渡された。
 これらに先立ち、東京地本は、午前7時半から葛飾新宿局前でストライキ連帯集会、春闘ビラ配布の行動がおこなわれた。寺島東京全労協事務局長が連帯のあいさつを述べた。葛飾新宿支部からは本人同意を得ないまま、勤務指定の改ざんがおこなわれたことに対する強い抗議の発言があった。その後、9時半から荒川局前でも同様の行動がおこなわれ、中原東京全労協副議長、最近解雇撤回闘争で勝利的和解を勝ち取った全国一般東京労組フジビ分会からの連帯のあいさつが述べられた。東部支部荒川分会から、年間の36協定360時間を超える、連日の超勤による過酷な労働実態が報告された。両局とも要員不足に起因し、増員を行わない会社に対し強く抗議をした。東京地本からは、大幅な増員を東京支社に引き続き求めていくことが表明された。

ゼロ回答、均等待遇を全面否定
 郵政本社の郵政ユニオンに対する回答の主な内容は以下のとおりである。
 期間雇用社員関係で、賞与係数1・8を1・9に、特別加算については夏期手当20、000〜5、000円上乗せ、均等待遇については年始勤務手当1日4、000円の新設、アソシエイト社員に夏期、冬期休暇を各一日(有給)。
 正社員関係では、ベアゼロ、一時金年4・3月、一般職、地域基幹職の初任給引き上げ、高齢者再雇用社員の処遇改善は無し、制度の見直しについては一般職住居手当廃止、年末勤務手当廃止、新規採用者の年休を15日に見直し、寒冷地手当削減。要員関係ではインターバル規制の施行導入となっている。
 期間雇用社員関係では、賞与、手当で一定のプラス回答はあったものの、大きな前進、均等待遇の実現とは言えない。
 正社員のベアゼロは3年連続。「均等待遇」の原資として、年末手当の廃止、寒冷地手当の削減、新規採用正社員の年休削減となっている。加えて、一般職の住居手当の廃止は、労契法20条裁判で原告側が、期間雇用社員と一般職とを比較してその格差の是正を求めたのに対して住居手当の支給を命じた地裁判決を真っ向から否定するものである。正社員の待遇を引き下げての均等待遇などあり得ないことである。

問われる郵政の社会的責任
 今春闘における日本郵政の姿勢は、これまでと同様に、内部留保を吐き出し大幅な賃上げと非正規社員の均等待遇の実現、貧困と格差の是正を求める職場労働者の切実な声を全面的に否定するものである。安倍政権の日本経済のデフレ脱却のための3%のベースアップという経済界に対する要求にも答えようとしていない。ヤマト運輸では、定期昇給とベアを含めて1万1千円(3・6%)のアップとフルタイムドライバー全て3000人を正社員とするという。日本郵政の社会的責任が大きく問われている。なお、許しがたいことに、連合JP労組は早々と3月15日に妥結している。
 郵政ユニオンは引き続き、労契法20条裁判の勝利、正規・非正規社員の処遇改善、増員などを求め闘いを継続していくこととしている。


安倍「働き方改革」一括法案の問題点を指摘

    
  裁量労働制拡大と高プロ制導入の阻止にむけて

            日本労働弁護団が院内集会


 安倍内閣は、経営側の強い要求に従って、「世界で一番企業が活動しやすい国をつくる」ために、全力をあげている。この通常国会を「働き方改革国会」にすると位置づけ、労働法制の大改悪に打って出てきた。しかし、その目玉の裁量労働制の全面化の根拠となる基礎資料がでたらめ極まりないものであることが明らかになり、しぶしぶ「働き方改革」一括法案から裁量労働制の拡大の部分の削除に追い込まれた。しかし、新たに創設される「高度プロフェッショナル制度」は、「スーパー裁量労働制」であるにもかかわらず、政権側は断念してはいない。依然として、労働者搾取の強化による儲けの拡大の法制化を強行しようとしている。断固阻止しよう。

 3月16日、衆議院第一議員会館多目的ホールで日本労働弁護団主催による院内集会「これで働く者の命と生活が守られるのか―『働き方改革』一括法案の問題点を考える」が開かれた。
 主催者を代表して日本労働弁護団の徳住堅治会長が挨拶。いま国会では森友疑惑などで安倍政権は揺らいでいるが、もうひとつ見逃せないのは「働き方改革」問題だ。裁量労働拡大は学者や野党の奮闘で取り下げさせたが、高プロの導入は、金さえ払えば労働時間法制をすべて外すことになる。そしてその金額も低くなることは米国の例でも明らかだ。労働基準法の労働時間規制を根底から破壊するものだと私は理解している。また労働時間上限規制も100時間を持ってきているが、それよりもずっと低くても過労死ラインだ。こうしたものを許さない。国会でもおおいに論戦して行くための支えとなるような集会にしていきたい。
 つづいて棗一郎幹事長が国会情勢について報告。厚生労働省の働き方改革についてもふくめて文書の改ざんが行われている。このような安倍内閣にはやめてもらわなければならない。国会では、一括法案の中から、裁量労働制と高プロ制をからなず葬って行かなければならない。そして安倍退陣に追い込もう。
 野党からは、立憲民主党の長妻昭衆院議員、初鹿明博衆院議員、希望の党の山井和則衆院議員、共産党の高橋千鶴子衆院議員、山添拓参院議員が参加し、それぞれから安倍政権の強権的な労働法制改悪に対し、裁量労働制の拡大と高プロ導入を完全に断念させるためにともに反対していこうとのあいさつがあった。
 上西充子法政大学教授は、ずさんなデータ作成は、よく検討してみれば、すぐにわかることだ、法案を無理に通すためのものだということはあきらかで、裁量労働、高プロには根拠がないと強調した。
 つづいて、過労死考える家族の会より、TVの選挙報道に携わって過労死したNHK女性記者佐戸未和さんのお母さんなど4人の発言。それぞれの人から、過労死をおこす長時間労働の実態が報告され、悲劇をおこさない労働時間、労働環境の実現の切実さが訴えられた。
 企画型裁量労働制で働く保険会社営業職の男性は、営業職には裁量などはできない、みなし労働時間は9時間だったが、早めに仕事を終わらせても、ほかの仕事を与えられるなどで、職場はギスギスしてきた、裁量労働制の拡大長時間労働を助長し、職場環境を悪くするものだ、と述べた。
 最後に、棗幹事長が閉会のあいさつ。5月には、全国五か所で集会を開くなどあらゆる労働組合や市民と連携して裁量労働制拡大と高プロの完全な撤回を実現しよう。

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長時間労働と過労死をなくす法制を作ろう。「高プロ導入」と「裁量労働制拡大」を断念せよ!

2018年3月16日

            日本労働弁護団

 政府は3月1日、働き方改革関連法案から裁量労働制の対象拡大を削除することを表明し今国会での提出は断念したが、新たな実態調査を行った上で労働政策審議会での審議をやり直し、来年以降に再提出するとしている。
 しかし、裁量労働制は一日何時間働いても「みなし労働時間制」であり、労働時間の把握と記録をしないだけでなく、業務量と納期を自由に指示できるため、長時間労働に対する歯止めがなく、「定額(賃金)で働かせ放題」となる恐れがある。2014年のJILPT(労働政策研究・研修機構)の調査でも、裁量労働制の労働者は一般の労働者よりも長時間労働の割合が高いという結果になっている。裁量労働制の本質は、労働時間規制の緩和であり、長時間労働を助長して、労働者の命と健康を阻害しかねないものである。
 さらに、今回の法案にある「高度プロフェッショナル制度」も、野党から「スーパー裁量労働制」と批判されるように、裁量労働制以上に長時間労働を助長するものである。政府は、「高プロ」のことを「働いた時間ではなく成果で評価する制度へ働き方を変える改正」だと説明しているが、全くの誤りである。「高プロ」の本質は、対象労働者に労基法の労働時間規制を適用しない(適用除外・エグゼンプション)という危険極まりないものであり、際限のない長時間労働を強いることができるものである。同制度が「過労死促進法」「残業代ゼロ法案」と批判されるゆえんである。
 これら2つの制度の本質は「労働時間規制の緩和」であり、政府が同じ法案で目指している労働時間の上限規制による長時間労働の是正とは本質的に矛盾するものである。私たちは、政府に対し、裁量労働制の対象業務拡大と高度プロフェッショナル制度の導入を完全に断念することを強く求める。
 野党各党には、政府の法案に対して、一日の休息時間を含む生活時間を確保するためのインターバル制度の導入や過労死労災認定レベルではない労働時間の上限規制など長時間労働を根絶することのできる法案を共同して国会に提出することを強く期待する。


けんり春闘勝利中央総行動

    労働者は、団結して、賃上げ、非正規労働者の均等待遇、働き方改革一括法案廃案、朝鮮戦争反対、改憲阻止を闘い抜こう

 けんり春闘は、どこでもだれでも「20万円/月以上、1500円/時以上の最低賃金保障」「非正規労働者の処遇改善」「安倍働き方改革推進一括法案を廃案へ」や「9条改憲阻止!戦争法廃止・共謀罪廃止、朝鮮戦争策動阻止」などの要求で闘っている。

 4月6日、「8時間働けば生活できる賃金を!」をかかげて、けんり春闘勝利中央総行動が闘われた。銀座ブロッサム・ホールで開かれた集会では、はじめに主催者を代表して、渡邉洋・全水道東水労委員長があいさつ。いま18春闘は中小企業労働者を中心に引き続き闘われている。今年に入ってから郵政20条西日本裁判や東京労組フジビなどで勝利を実現できた。けんり春闘は賃上げとともに政治課題で闘っている。いま安倍内閣は偏狭なナショナリズムをまき散らし、同調しないものを排除するという民主主義とは真逆の政治を行っている。過労死・過労自殺が蔓延する中で、安倍政権はまやかしの働き方改革を強行しようとしているが、絶対に許すことはできない。絶対に粉砕していかなければならない。政治闘争と結合して春闘に勝利する運動を展開しよう。

 闘いの報告と決意表明にうつった。
 静岡ふれあいユニオン―科研製薬で、11年間、6か月更新で働いてきたが、他社員への嫌がらせなどの嘘の口実でこの3月に雇止めとなった。4月からの無期雇用転換をさせないためだ。裁判を起こすことを含めて、「雇い止め」撤回を求めて闘う。
 宮城全労協―3月14日、電通労組はストを闘った。最賃1500円、いますぐ1000円の闘いなど非正規を含めた労働者の闘いを進める。労働法制改悪反対の全国キャラバンンをおおくの労組と協力しながら成功させていきたい。
 国労高崎地本―国鉄の分割民営化から31年、JR北海道では事故続出、JR西日本は新幹線台車の亀裂、JR東海はリニア談合などさまざまな問題が露呈してきた。30年を検証し、闘いを作り出していきたい。
 北関東ユニオン・ネット―栃木、群馬、埼玉と各県交渉を強めるとともに、全国キャラバンを進めていく。 
 京都総評―JAL争議の解決に向けて、日本航空名誉会長の京セラの稲盛和夫の地元の京都で闘いを展開していく。
 東京清掃労組―公務員の賃金は秋闘だが、民間春闘に連帯して闘う。清掃は過酷な労働であり、なおかつ組織攻撃にあっている。地域の隅々に入り込んで、良質な住民ニーズにこたえながら運動を進める。
 神奈川春闘共闘―横須賀、川崎、横浜などで情宣活動を行い、県の商工労働部などへの要請をおこなっている。
 東京東部労組メトロコマース支部―正社員と非正規の労働条件の格差がひどすぎる。昨年三月に不当判決を受けたが勝つまで闘い続ける。
 郵政産業労働者ユニオン―郵政の職場は深刻な人手不足だ。それなのに会社は65歳定年制をやめない。郵政20条裁判では一定の成果を実現できたが、これからが本格的な闘いだ。春闘では会社の不当回答にたいしてストを打ち抜いた。
 全統一労組―すでに127万人にも達した外国人労働者は劣悪な条件の下で働かされている。ベトナム人実習生が被ばく地で除染作業に従事させられることまでの事態が起きている。外国人労働者の組織化、中央省庁との交渉を行っている。

 つづいて争議団が登壇し、JAL、ユナイテッド航空、医薬経済社などの争議団からのアピールつづいた。
 
 最後に、金澤壽全労協議長の音頭で、団結ガンバローで集会をしめくくった。

 集会を終わって、外堀通りから新橋までのデモに出発し、「全ての労働者に生活できる賃金を!」「安倍『働き方改革』法案NO!」「過労死拡大の高度プロフェッショナル制度導入反対!」「原発の再稼働を許さない!」「武器の輸出を許さない!」などのシュプレヒコールをあげた。


特定秘密保護法廃止にむけて

      国会情報監視審査会と年次報告書の意義


 森友事件をはじめ政府・官庁の情報隠し、データ改ざんが誰の目にも明らかになり、広範な怒りが広がっている。特定秘密保護法が、政府・官僚の情報隠し、データ改ざんを許す大きな原因の一つとなっている。特定秘密法の運用状況を「監視」するという衆参の情報監視審査会(原則非公開)はどうなっているのか。

 4月6日、共謀罪NO!実行委員会と「秘密保護法」廃止へ!実行委員会による院内集会「情報監視審査会はどうあるべきか」が参議院議員会館で開かれた。
 はじめに参議院情報監視審査会委員の仁比聡平議員(共産党)が報告。2月20日に参院情報監視審査会の初めての公開質疑が行われた。そこで上川陽子法相は、外国から得た秘密情報を提供者の承諾なく第三者に提供しないとする「サードパーティールール」について、同ルールの提要対象を国会に提供する基準について、曖昧な答弁に終始した。
 4月3日には2回目の公開質疑が行われたが、ここでも上川法相は「秘密保護措置を講じた国会」にさえ、「提供できない場合」や提供可能かどうかを「提供元に照会できない場合」について明確な答弁をすることなく、ここでも何が秘密かも秘密という体制の下で「なにが提供できないのか」「なぜ出せないのか」についても秘密だということがあきらかになった。
  
 実行委員会の前田能成さん(出版労連)は、いまのモリ・カケ問題や自衛隊PKO日報問題でなどの取り組みの中で、公文書管理について大きく取り上げられるようになり、ここからも秘密保護法廃止の可能性がでてきた、と述べた。

 つづいて海渡雄一弁護士は、「情報監視審査会はどうあるべきか〜衆院29年年次報告を読んで〜監視権限が欠如した中で、議員・審査会委員に募るいらだちは特定秘密のコントロール不全の実態を明らかにしている」と題して報告。
まず言いたいことは、国会両院の情報監視審査会とその年次報告は重視されなければならないということだ。年次報告は次のように指摘している。公文書が次々に廃棄され、このままでは、公的機関の活動状況が記録されなくなってしまう。まず特定秘密文書の廃棄にどのように歯止めをかけるのか。行政文書の保存期間が1年以上の特定秘密文書の廃棄関係では、政府として公文書管理に係る法令等を見直し、特定秘密文書を重要な行政文書として位置付けた上で、原則として行政文書の保存期間として1年以上を設定することなどの規定を整備することを検討すること。保存期間1年以上の特定秘密文書に係る特定行政文書ファイル等の廃棄をする場合において、独立公文書管理監が廃棄とする措置を妥当と認めた際は、当審査会に対しても連やかに連絡するとともに、当該文書を保有する各行政機関においても当審査会に対し最大限の説明を行うこと。そして、独立公文書管理監において廃棄について検証・監察が行われている、または、廃棄協議中の特定行政文書ファイル等に含まれる特定秘密文書につき、当該文書が廃棄されると行政文書不存在の特定秘密となる場合は、廃棄をせず保存期間を延長して当該特定秘密の指定期間に合わせるか、廃棄する場合は当該特定秘密の指定解除を検討すること。防衛省の保有する特定秘密文書の廃棄に関し、旧防衛秘密から特定秘密に移行された時期の文書の状況を整理し、当審査会が納得できる説明をすることだ、としている。
 今年の審査会のレポートが、とりわけ重要なのは、保存期間が1年以上の特定秘密文書の廃棄に歯止めをかけようとしていることだ。審査会報告書によれば、内閣官房、警察庁、防衛省など6省庁は2016年の1年間に特定秘密文書44万4877件を廃棄していたとされる。それらは、いずれも保存期間1年未満だった。廃棄した文書の多くは、衛星写真など原本のある文書類の写しや暗号関連文書だったが、2万8272件は「別の文書に同様の情報が含まれる」ものの、写しではなかったとされている。今年度の審査会報告書は、この点を指摘した点て、政権全体を覆う公文書破壊の風潮に対して、かろうじて異を唱え、一年未満に指定できるのは写しだけであることを微底させようとしている。
 年次報告は、作成から30年を超える特定秘密文書の内容が明らかになる手続きが必要だ、とする。れには、作成から30年を超える特定秘密文書を保有する行政機関においては、その概要を整理して当審査会に報告すること。作成から30年を超える特定秘密文書について、その秘密として取り扱われてきた期間の長さを考慮し、保存期間満了時の措置を再検証の上、原則として歴史公文書等とし、保存期間満了後は国立公文書館等に移管することを検討すること。平成28年年次報告書の審査会意見で付した、作成から30年を超える特定秘密文書を保有若しくは今後保有しようとする場合、独立公文書管理監が審査を行うことや指定の有効期間を通じて30年を超えて延長する場合と同等の厳格な手続を検討の上、連やかに必要な措置を講じること、とした。
 審査会は、独立公文書管理監の活動についても、これまで以上に厳しいトーンで注文をつけた。@実地調査を増やすこと。A主導的に文書を選定すること。B検証・監察の流れを具体例を用いて当審査会に示すことなどがそれである。
 監視権限がないことが根本的な問題で、主観的な努力だけでは問題は解決困難だということで、要請されているのは、次のようなことだ。開示情報を増やすことが先決で、日本は、アメリカ等に比べて「不開示情報」の幅が広い。そもそも、不開示情報と開示情報の境界線が極めて曖昧であり、裁量の余地が大きい。不開示情報と秘密情報との線引きも確かなものではない。アメリカの場合、不開示情報や求められたら出す情報の範囲がもともと狭いので、過去に秘密であったものでも一度秘密でないと判断されたら、ホームページに掲載される開示情報となる。そのうえで、独立公文書管理監の権限を強化し、全ての特定秘密にアクセスでき、不適切な指定がなされていれば、その指定を解除し、開示情報として開示する仕組みを作る必要がある。独立公文書管理監の権限を法改正によって強化し、全ての特定秘密にアクセスでき、不適切な指定がなされていれば、その指定を解除し、開示情報として開示する仕組みを作る必要がある。それ以外に、この状況を変えるすべはないだろう。
 このように情報監視審貴会は、逆説的な意味であるが、役立っている。特定秘密の運用に関して、適切な監視が行われていないことを我われに教えてくれているからである。この審査会のレポートは、実質的な監視のシステムがないことを告発している。そして、改善すべきシステムのポイントを教えてくれている。そのような意味で、審査会の報告は有意義である。そしてこの機関に、特定秘密の不適切な取り扱いに関する通報を受け付ける権限を与えるべきである。監査の権限そのものを、この審査会に与えることも検討されるべきである。独立公文書管理監の現行の権限程度は、この審査会に与えても、何も不都合はないであろう。むしろ、管理監よりも実効性のある監査活動が期待できるだろう、と思われる。


東京都迷惑防止条例改正の危険な意図

 3月22日、都議会の警察・消防委員会で、「東京都迷惑防止条例」改正が可決された。東京都迷惑防止条例は1962年に制定され、今回の「改正」は主に盗撮・つきまとい防止をさらに強化するというものだが、とくに問題なのは「つきまとい行為等の禁止」であり、「つきまとい」の定義で「みだりにうろつくこと」も加えられた。「盗撮」「つきまとい」の防止強化と「改善」を装うが、改正の目的は、規制対象の拡大である。改定のポイントは迷惑行為を「悪意の感情を充足する目的」ということで取り締まるということだが、「内面の問題」を警察が恣意的に判断することになる。また取り締まり対象は、電子メールやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)も含まれている。
 条例改正が、市民の国会前などでの行動、労働組合の抗議行動、報道活動などがあらたに規制となる危険性があることは明らかだ。
 こうした条例改正を、小池百合子都知事は審議3日間合計3時間の議論という短期間で強行した。安倍に連動した東京版の「共謀罪」だ。


那覇地裁の判決糾弾   山城博治さんたちに不当判決

           
 米軍基地撤去の闘いを強化・拡大していこう

 3月14日、那覇地裁は、沖縄米軍基地建設反対の闘いで不当逮捕された山城博治沖縄平和運動センター議長など3人に対して、威力業務妨害、公務執行妨害、傷害罪などをでっち上げて、有罪の不当判決を下した(山城さんに懲役2年、執行猶予3年)。即日控訴し、裁判の場でも闘いはつづく。
 山城さんたちは5か月にもおよぶ長期勾留をされた。この逮捕、長期拘留、不当判決は、辺野古や高江の新基地建設阻止の闘いを妨害しようとする政治的なものに他ならならない。
 山城さんは判決後、抗議活動を続けていくと強調し、「歴史の審判の中では沖縄が勝利者になる」とのべた。
 この不当判決に抗議して、同日夕方には、首相官邸前で、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの呼びかけで「辺野古埋立て差し止め訴訟判決、山城博治氏らの裁判判決 不当判決糾弾」行動がおこなわれた。集会では、参院会派「沖縄の風」の伊波洋一参議院議員が、安倍内閣は追い詰められている、退陣に追い込もうとあいさつした。
 官邸前抗議行動につづいて、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会のよびかけによる、国会議員会館前での「森友学園疑惑徹底追及!安倍内閣は総辞職を!国会前連続行動」に合流した。
 国会前や官邸前での行動には多くの人びとが参加している。その怒りは安倍政権に集中している。様々な運動が、日々、新たな参加者を加える幅広い戦線を作り出し、安倍内閣打倒を実現しよう。


本の紹介

    矢部宏治「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」 (講談社現代新書)

 昨年11月トランプ米大統領は米軍横田基地に降り立ち、そして同地から韓国に向けて出発した。日本に主権は存在するのだろうかと問うテレビ番組があった。コメンテーターの岸井成格さんは、日本の主権の及ばない「横田空域」の存在を指摘した。「横田空域」の問題は、成田空港反対の三里塚闘争の中でも注目されていた。さらに中国山地での米軍機の低空飛行訓練などから全国各地での米軍機の横暴・凶暴さが告発されている。しかしそれらの声も大きく政治問題化されることはできなかった。この本は、こうした現実を鋭く切り裂きその正体を手掴みし私たちの目の前に突き出している。
 ただ、憲法9条の成立過程について理解はできるが、その後の9条と私たち反戦勢力の中で重要性は軽視されている点については納得がいかない。
 日本の社会の現実をわが目でしっかりと見て、米軍の日本支配の構造を明らかにしていくことは、今後の沖縄の闘いとの連帯のためにも必要だと思う。
 なお著者の矢部さんは、集英社インターナショナルからの「日本はなぜ基地と原発を止められないのか」、「日本はなぜ『戦争できる国』になったのか」も出版している。  (河田良治)


せ ん り ゅ う

     雪柳咲いてしじまに猫のこえ

     きたなさやああ汚さや首相殿

     原発と森友加計とうそだらけ

     お名前もアベねつぞうとなりました

 2018年4月
                   ゝ 史


複眼単眼

    
 「みんなのちからで政治を変えよう」 

 4月の国会前での「森友疑惑徹底追及・安倍政権退陣、安倍9条改憲阻止」の行動に参加しながら考えた。
 私らはここでこの間、「みんなの力で政治を変えよう」というコールを叫んでいる。安倍政権による国家の私物化、官僚制度の私物化、3権分立の破壊、民主主義の破壊はとどまるところをしらない。世界的に見ても米国トランプ政権の国家機構の破壊に匹敵する深刻な事態が、この日本で進んでいることに戦慄する思いだ。
 夜の国会議事堂にこだまするシュプレヒコールの「みんなの力で政治を変えよう」は痛切な叫びだ。
 そんななかで、4月3日に行われた韓国の文在寅大統領による「4・3犠牲者追念辞」を読んだ。
 韓国の南端・済州島で「済州4・3事件」が起きた。70年前の4月3日、南朝鮮労働党を中心とする350人が、米軍政(韓国人警察、右翼含む)の強い弾圧や、朝鮮半島を分断する南側単独選挙に反対し武装蜂起した。これに対し当時の米軍政、後に韓国政府が強硬に対応する過程で、「反共」理念をかかげて無差別虐殺を進め、島民の10分の1にあたる約3万人が殺され、関係者は厳しい弾圧にさらされた。
 その事件から70年後の4月3日、韓国の文在寅大統領は済州島を訪れ犠牲者に謝罪を行うと共に、「4・3の完全な解決こそが済州島民と国民の皆が望む和解と統合、平和と人権の確固とした土台になる」と演説し、「済州に春が来ている」と宣言した
 その文演説はまさに抒情詩であり、感動的だ。
 韓国の民衆は2016年のキャンドル革命で「政治を変え」、この「キャンドル大統領」を生み出し、米朝などの朝鮮半島の緊張激化の動きにくさびを打ちこみ、平和の方向へと流れを逆転させつつある。4月3日の演説はそうした流れの中で行われた。
 日本の市民も韓国の民衆に続いて「みんなの力で政治を変えよう」、変革の先の社会は韓国で燃え続けるキャンドルの炎が照らしているのだ。(T)

 以下文在寅演説抜粋。
 4・3生存犠牲者とご遺族の皆さん、済州島民の皆さん、石垣ひとつ、落ちた椿の花ひとつ、痛哭の歳月を受け止めた済州で「この地に春はあるのか?」と皆さんは70年間、尋ね続けてきました。
 私は今日、皆さんに済州の春を知らせたく思います。
悲劇は長く、風が吹くだけで涙が出るほど悲しみは深かったですが菜の花のように満開に済州の春は咲きほこるでしょう。
 皆さんが4・3を忘れずに皆さんと共に、痛みを分かち合った方たちがいたからこそ、今日、私たちは沈黙の歳月を乗り越えこのように集まることができました。
 渾身の力を振り絞り、4・3の痛恨と苦痛、真実を知らせてきた生存犠牲者とご遺族、済州島民の方たちに大統領として深い慰労と感謝の言葉を捧げます。
 尊敬する済州島民の皆さん、国民の皆さん、
 70年前、ここ済州で無辜の良民たちが理念の名前で犠牲になりました。理念というものを知らなくとも泥棒がいない、乞食がいない、門も無く共に幸せだった罪のない良民たちが訳も分からないまま虐殺に遭いました。
 1948年11月17日、済州島に戒厳令が宣布され、
中山間(山のふもと)の村を中心に「焦土化作戦」が展開されました。家族のうち、一人でもいなければ「逃避者家族」という理由で殺されました。
 中山間の村の95%以上が焼けて無くなり村の住民全体が虐殺された所もあります。
 1947年から54年まで当時、済州の人口の10分の1、3万人が亡くなったと推定されます。
 理念が分けた生と死の境界線は虐殺の場だけにあったのではありません。
一度に家族を亡くしても
「暴徒の家族」という言葉を聞きたくないがために息を殺して生きなければなりませんでした。
(中略)
 4・3生存犠牲者とご遺族の皆さん、国民の皆さん、
 4・3の真相究明は地域を越え不幸な過去を反省し、人類の普遍価値を取り戻すことです。
 4・3の名誉回復は和解と相生、平和と人権に向かう私たちの未来です。
 済州は深い傷跡の中でも過去70年間、平和と人権の価値を叫んできました。これからその価値は、朝鮮半島の平和と共存につながり、人類全体に向かう平和のメッセージとして伝わることでしょう。
 恒久的な平和と人権に向かう4・3の熱望は決して眠ることはないでしょう。
それは大統領である私に与えられた歴史的な責務でもあります。
 今日の追念式が4・3の英霊たちと犠牲者たちに慰安となり、わが国民たちにとっては新しい歴史の出発点になることを願います。
 皆さん、「済州に春が来ています」
 ありがとうございます。
2018年4月3日
 大韓民国大統領 文在寅