人民新報 ・ 第1368号<統合461号(2018年12月15日)
  
                  目次

● 安倍は憲法審査会に「改憲案」提示できなかった

       総がかり・野党共闘を強めて  改憲阻止、安倍内閣打倒へ!

● 止めよう!辺野古埋立て

       沖縄の民意を踏みにじる安倍政権に抗し 市民と野党は団結して 辺野古新基地建設を阻止へ

● 全日建関西生コン支部への弾圧を跳ね返そう

       秘密保護法対策弁護団総会度重なる弾圧に強く抗議する声明

● 原発ゼロ社会の実現は可能だ

       六ヶ所村再処理工場に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワークの主催で学習会

● 国民投票では広告規制は前提

       国民投票法の改正が絶対に必要だ   本間龍さんが強調

● 19けんり春闘発足集会

       来春闘を闘う春闘として再生させよう

       講演・職場のハラスメント防止法を作ろう

● 東海第2原発再稼働反対!

● 侵略と植民地支配の歴史を直視しアジアに平和をつくる国際シンポジウム

       改憲問題は歴史認識問題でもある。改憲論と明治150年史観=明治礼賛論はつながっている

● 本の紹介

       西谷文和著『戦争はウソから始まる』   

● せ ん り ゅ う

● 複眼単眼  /  衆院憲法審査会をめぐるたたかい

● 冬季カンパのお願い






安倍は憲法審査会に「改憲案」提示できなかった

       総がかり・野党共闘を強めて  改憲阻止、安倍内閣打倒へ!


 12月10日、第197臨時国会は会期を延長することなく閉会した。人権を無視して外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改定、大企業に漁場を自由にさせる漁業法、儲け基準を水にまで持ち込み、儲かればやる、儲からなければ事業から撤退するという深刻な結果をもたらす水道法の改悪、日本の酪農業を壊滅に追い込む日欧経済連携協定(EPA)などを強行採決に次ぐ強行採決という強権的なやり方で成立させた。入管法改正論議では改正の理由となるべき外国人労働者についての調査なるものがとんでもなくでたらめなものであることが明らかになった。それ以外の法案もことごとくが実にずさんなものであった。それにもかかわらず成立のために言い訳もできない規則やぶりが連続した。いずれも、儲け優先の財界のつよい要求によるもので、これから日本社会はそれらの悪法がうみだす悲惨さを身にしみて感じるようになり、今後、社会的矛盾は深まり階級闘争は激化していく。
 また、どうにか安倍はそれらの法律を成立させたものの、悲願の「2020年の新憲法施行」のための9条に自衛隊を明記するという自民党改憲案を憲法審査委員会に提示はできなかった。安倍は、9月の自民党総裁選での3選にあたり、改憲発議を急ぐと強調し、そのために改憲推進本部長に忠実な手先の下村博文をすえ、臨時国会冒頭の所信表明演説では、行政の長である安倍が、立法府に改憲論議を指示するという暴挙をおこなったてきたにもかかわらず、結局、提出出来なかった。。
 玉城デニー新知事の圧勝という県知事選であらわされた沖縄の心を踏みにじり辺野古への土砂投入を強引に行おうとしているが、沖縄の闘いは全国の支援をひろげて頑強であり打ち破られることはない
 森友や加計学園問題の疑惑は強まるばかりである上に、「適材適所の新大臣」たちは、片山さつき地方創生担当相、桜田義孝五輪相宮腰光寛沖縄北方担当相、平井卓也科学技術担当相などが続々と問題をおこす状況になってきている。
 外交でも、戦争責任を認めない日本政府の強弁によって日韓関係はいっそう深刻化し、ロシアとの「北方領土」交渉は、まったく行き詰まった。米トランプ政権との関係では、純然たる二国間FTA(自由貿易協定)の話し合いで一方的に安倍が屈服する構図が明らかになった。安倍は、すでに、巨額な米製兵器の大量買い上げなどをおこなっている。
 安倍内閣の頼みの経済でも、アベノミクスなるものの弊害が露呈してきている。
 安倍内閣支持率は国会会期中に大幅に低下するということを繰り返してきたが、この臨時国会でも、多くの人びとのいかりをかうことになった。
 この国の抱える諸問題を解決するためには、なによりも安倍政権の打倒以外にない。
 ことし、安倍の暴政に抗する市民運動、労働運動などによる総がかり行動は着実に前進した。同時に市民と立憲野党の共闘はいっそう強まった。来年2019年は、統一地方選、参院選が予定されており、法人税減税と裏腹の関係にある消費税増税があり、また天皇代替わりなどというものも飛び込んできた。
 米国では、1月から野党・民主党が多数派になった下院でトランプへの監視・規制・弾劾の動きが活発化するだろう。米中摩擦の激化と長期化、米ロ対立や中東情勢の不安定化などのなかで、安倍の日米軍事同盟基軸路線は、米軍の世界的な展開の一翼をになう任務がより重大化する。
 こうした難題山積の状況もかかわらず、安倍は国会終了時の記者会見で、「2020年は新しい憲法が施行される年にしたいと申し上げましたが、今もその気持ちには変わりはありません」とのべた。だが、安倍内閣は内外政策ともに行き詰まりをみせている。
 総がかり行動をいっそう強化・拡大し、市民と野党の共闘を強めよう。
 改憲阻止!
 安倍内閣打倒!


止めよう!辺野古埋立て

   
沖縄の民意を踏みにじる安倍政権に抗し 市民と野党は団結して 辺野古新基地建設を阻止へ

 辺野古新基地建設絶対反対!―9月に行われた沖縄県知事選での玉城デニーさんの圧倒的勝利で県民の強い意志はまたも確認された。翁長雄志前知事の命をかけた基地反対の遺志を受け継ぐ沖縄県は、公有水面埋立承認の撤回を行った。にもかかわらず、茶番劇の末に国交大臣が執行停止の採決を行い、安倍政権は、民主主義も地方自治も無視して土砂投入を強行しようとしている。
 全国で沖縄の闘いをささえる動きがひろがっている。12月6日には、東京・教育会館大ホールで、基地の県内移設に反対する県民会議、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会による「沖縄の民意を踏みにじるな!辺野古新基地建設強行を許さない首都圏集会」がひらかれた。
 主催者を代表して、「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会の野平晋作さんが、新基地建設を絶対に許さない運動をつくっていこうとあいさつ。
 政党あいさつでは、共産党の赤嶺政賢衆議院議員、立憲民主党の本多平直衆議院議員、社会民主党の福島瑞穂参議院議員、国民民主党の藤田幸久参議院議員、会派「沖縄の風」の伊波洋一参議院議員、無所属の柚木道義衆議院議員がそろって、土砂投入などが違法なものであると発言した。なお5党2会派は、連名で、防衛相、総務相、国土交通相にたいして「防衛省・国土交通省による辺野古公有水面埋め立てに関する『法的手続き』についての申し入れ」を行っている。
 沖縄から―基地の県内移設に反対する県民会議共同代表の山城博治さんが発言。政府は問答無用の暴力の炸裂で基地建設を強行してきている。絶対に負けるわけにはいかない。いつもは温和な玉城知事もまなじりを決して、政府と闘っている。こちらは現地で、みなさんはこちらで安倍政権と闘っている。安倍政権の無法を止めなければならない。資本家のためだけの政治、わたしたちを絞め殺す政治、戦争国家への政治の安倍政権を一日もはやく打倒そう。
 法学者から―白藤博行専修大学教授が、「沖縄の美ら海を違法に埋め立てる国との闘い〜埋め立て承認撤回に対する国の反法治主義的な対応は許せない」と題して講演。
 市民団体から―辺野古土砂搬出反対全国協議会首都圏グループの毛利孝雄さんが、土砂全協の活動と衆参両院議長あての辺野古埋め立て用の土砂搬出計画に反対する署名への訴えがなされた。
 最後に、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の藤本泰成さんが、辺野古土砂投入阻止に向けた当面の行動の提起をおこなった。


全日建関西生コン支部への弾圧を跳ね返そう

     秘密保護法対策弁護団総会度重なる弾圧に強く抗議する声明

 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(連帯労組・関生支部)への不当な大弾圧が止まらない。使用者団体・大阪広域生コンクリート協同組合の一部利権集団が、右翼ヘイト集団をつかって労組破壊の策動をおこない、それにくわえて大阪府警、滋賀県警が多くの組合員を逮捕・再逮捕し、委員長や書記長が長期にわたって拘留されているという、きわめて異常な事態がつづいている。断じて許されることではない。
 
 12月6日、秘密保護法対策弁護団総会は、「全日建関西生コン支部に対する度重なる弾圧に強く抗議する声明」を採択した。それは、「共謀罪適用のリハーサル弾圧である」「さらなる弾圧の拡大」が予想されるとして、「これらの事件は、共謀罪が直接に適用された事件ではなく、秘密保護法に関する事件でもない。しかし、労働組合の日常的なコンプライアンス活動や争議権の行使の一部を犯罪事実として構成し、これに関与した組合員を一網打尽で検挙し、デジタル情報の収集によって関係者間の共謀を立証することで犯罪を立証しようとしている点において、担当弁護団が正しく指摘するように、共謀罪型弾圧の大規模な開始を告げるものと捉え、これに対抗する態勢を整えなければならない。秘密保護法にも共謀罪処罰規定が組み込まれているところであり、本件のような共謀罪型弾圧は決して容認することができない。本件のような共謀罪型弾圧が、仮に見過ごされ、捜査機関の手法として定着してしまうと、将来、秘密保護法違反被疑事件が起こった際に、同様の共謀罪型弾圧がなされ得ることは想像に難くない。秘密保護法対策弁護団と共謀罪対策弁護団は、この未曾有の大弾圧に対して強く抗議し、当該担当弁護団と連帯してその拡大を許さない陣形を構築することを、広く呼びかけ」た。

 12月8日、大阪市立中央区民センターで、「滋賀県警・大阪府警による連帯ユニオン関生支部弾圧を弾劾する集会」が開かれた。関生支部、大阪労働者弁護団が事件の報告、連帯の訴え、当面の行動の提起が行われ、「集会決議〜延べ40人の組合員逮捕は、事実上の労働組合活動の禁止だ!」が採択された。


原発ゼロ社会の実現は可能だ

      六ヶ所村再処理工場に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワークの主催で学習会


 11月23日、日本教育会館で、パルシステムや生活クラブなどの生協や日本消費者連盟による六ヶ所村再処理工場に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワークの主催で「原発ゼロって実現可能!〜原発ゼロ社会に向けて楽しく 実践するための学習会〜」が開かれた。
 講演@は、大島堅一さん(原子力市民委員会座長・龍谷大学政策学部教授)による「原発ゼロ社会への道」。原子力市民委員会は、独立性と専門性をそなえた市民シンクタンクとして、原子力政策のあり方と実行可能な選択肢についての知識・情報・視点を提供するとともに、さまざまな立場の人々や組織に対して、開かれた議論の機会を提供し、その活動を通じて、日本における脱原発政策を一日も早く実現していきたい。市民委員会は、これまでに詳細な「脱原発への道」(2014年版と2017年版)を公表しているが、ダウンロードできるので大いに活用していただきたい。福島第一原発の事故処理が全く進んでもいないのに、政府は依然として原発を不可欠なベースロード電源として想定している。しかし、市民の大半は原発ゼロを求め、再稼働反対だ。いまこそ、再生可能エネルギーの拡大・電力システム改革の進展がなされなければならない。すでに再生可能エネルギー事業は急速に拡大している。原子力は、国家の支え無しに生き残れなくなっている。これは政治状況によっては、原発ゼロ社会に向かうことは十分にありうるということを示すものだ。世界的に見て、再生可能エネルギーは、今後も成長の見込みであり、Appleや Googleなどのグローバル企業もが再生可能エネルギー100%を宣言するような状況になっているし、それらの企業はサプライヤーにも再生可能エネルギー100%を求めるようになってきている。サプライヤーになるには再エネ電気が必要になり、再エネ電気の需要は増大していくだろう。日本でも、再エネの主力電源化が進み、日本企業にも再エネ電気100%への動きが急速に広まっている。
 すでに、原子力発電を推進する理由はなくなっているし、原子力発電をゼロにすることは、持続可能な社会への扉を開くことになる。エネルギー政策は転換点にあり、原発ゼロは実現可能だ。そのためには、住民投票などさまざまなルートで、個別的に原子炉廃止や運転停止や運転禁止を実現するなど公権力に働きかけることができる。しかし政権交代による脱原発法制定が基本であり、「国策」転換によって原子力発電を終わらせることが必要だ。
 講演A 山崎誠さん(立憲民主党・衆議院議員)が、「原発ゼロ基本法案」の内容とその成立へ向けた活動について報告した。
 つづいて、原子力政策はなぜ変わらないか.変えるために私たち市民ができること、そして地域で起こっていることの問題とその解決策をめぐってのパネルディスカッションが行われた。
 最後に、「学習会参加者声明」が確認された。そこでは「今回の学習会で、最も経済的合理性が高い選択が『原発ゼロ政策』であることが明確になったので、再処理工場とともに原発をすべて廃止し、再生可能なエネルギーを使うことで、みんなで協力して楽しく暮らすこと」を宣言した。


国民投票では広告規制は前提

   
  国民投票法の改正が絶対に必要だ   本間龍さんが強調

 11月19日、戦争をさせない1000人委員会主催の院内集会で、ノンフィクション作家で大手広告代理店の博報堂社員だった本間龍さんが「国民投票における広告の役割と規制の必要性」について話した。
 国民投票が行われるときには、有権者がより公平な情報に基づいて判断を下せるような状況が前提である。そうでなければ人びとの本当の意思は表現できない。だからヨーロッパの国々では、広告規制が行われている。だが、日本の「国民投票法」には広告規制がほぼ存在しないといっていい。これでは、政権与党が圧倒的に有利な情報が人々の頭の中に注ぎ込まれてしまうことになる。私の広告会社で長く営業を担当した経験から言えば、このまま憲法改正の国民投票が行われれば非常に危険な状況になると言わざるを得ない。憲法改正は衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成で発議され、60日以後180日以内に国民投票が行われ、改正には投票総数の2分の1を超える賛成が必要だ。しかしほとんどの人がこの仕組みを知らないし、まして広告規制については全く知られていないのが現実だ。広告には、憲法改正に賛成または反対を呼びかける「国民投票運動広告」と、個人や企業・団体の意見表明という「意見広告」がある。「国民投票運動広告」では、投票日から14日前からテレビ・ラジオCMは禁止となるが、テレビ・ラジオ以外の新聞や雑誌、インターネットなどには規制はない。意見広告」は何の規制もなく投票日当日も可能だ。こういうなかで国民投票が行われたら、ものすごい広告が繰り返されることになる。これでは、莫大な金のある側、権力のある側が広告宣伝戦で圧倒的に有利となるのは明らかだ。大手広告代理店は金さえ払ってもらえれば、テレビCMの枠を押さえることから、映像の制作などなんでもやる。これまでも自民党と電通の関係はふかかった。原発の広告も電通だ。電通のような強大な総合的な広告代理店は海外には存在しない。その電通が改憲国民投票でも全面的に動き回るだろう。
 数多くの国民投票を経験してきたフランスでは、第三者機関を設置し賛成・反対両派の広報を監視するような規制を設けている。
 なにより憲法改正を発議させないことが大前提だが、国民投票法がそもそも公平ではないこと、とくに広告規制の重要性を人びとに知らせ、国民投票法を改正させていく必要がある。


19けんり春闘発足集会

    来春闘を闘う春闘として再生させよう


       講演・職場のハラスメント防止法を作ろう

 経団連の中西宏明会長は講演(11月19日)で、「春闘ということばをやめましょうと以前から言っている。『闘いをみな一斉に』というのはやめましょうということだ」「統一要求、統一回答という春闘で培われてきた慣習は成立しないのではないか」と述べた。春闘は形骸化してきて久しいが、中西の狙いは、労働組合の闘いを個別に分断して、労資の力関係をいっそう経営側に有利にしたいという思いの表れだ。来19春闘は、こうした経団連の攻勢を跳ね返して闘い抜かねばならない。連合は11月15日の中央執行委員会で2019春闘方針案を確認した。

 11月30日には、19けんり春闘発足総会が、全水道会館で開かれた。
 代表して、共同代表の渡邉洋全労協議長があいさつ。国会では働き方改革法が与党の横暴の末に成立させられた。外国人労働者の受け入れ拡大、水道民営化でも次々に強行採決が行われようとしている。職場ではさまざまなハラスメント、強権的労務支配で、過労死状況が随所にみられる。また、安倍政権は、憲法改悪、原発再稼働などを強引に押しすすめようとしている。けんり春闘は、団結して、来春闘を闘う春闘として再生していきたい。
 中岡基明けんり春闘事務局長(全労協事務局長)が、けんり春闘方針(案)「8時間働けば暮らせる社会を!大幅賃上げを勝ち取ろう!―公務公共サービスを労働者・市民の手に取り戻そう!―」を提起した。
 「私たちの要求と闘い方」では、「19春闘は8時間働けば安心して暮らせる社会を実現させる闘いに全力を挙げなければならない。私たちは団結を強化し、大幅賃上げを勝ち取るとともに、市民と連帯して社会的課題に真っ向から挑戦することが求められている。政府は菅官房長官が経団連に賃上げを依頼したと報じられている。官邸春闘が続くことになるが、職場、地域、総資本との闘いなくして成果を得ることができないことはこの数年の官邸春闘が示している。19春闘について連合方針は賃金水準を重視、ベアは2%(定昇と込みで4%程度)としている。基本的に産別自決から単組自決へ、個別賃金重視となるのであろう。集団的共同行動によって労働者全体の賃金引き上げ、非正規労働者の均等待遇実現、市民福祉の充実を求める『春闘』は更に遠ざかることになろう。私たち19けんり春闘は要求の実現に向けて、正規―非正規労働者の共闘、外国人労働者との連帯、官民・市民連帯の闘いによって全力を挙げていこう」として、次の諸要求課題を掲げた。@どこでも誰でも「20万円/月以上、1500円/時以上の最低賃金補償」を!、A20、000円/月(7%)以上、150円/時給の賃上げを!、B職場に高プロ制度の導入反対!、C時短・要員増…インターバル休憩(11時間)、D非正規労働者の差別反対、均等待遇の実現、E公務公共サービスを労働者・市民の手に取り戻そう、F外国人労働者の処遇改善…入管法改悪反対! 技能実習制度の廃止、包括的な移民政策を策定し、多文化共生社会の実現、G社会保障切り捨て反対!セーフティーネットの確立、H労働法制改悪反対、労働者のための労働法制を!裁量労働制の適用拡大反対、解雇の金銭解決制度反対、職場のハラスメント防止法の制定を!労政審など労働行政の民主化、経産省主導の働き方改革反対!」で闘う。 
 また、「社会的課題として、@9条改憲阻止!(戦争法廃止・共謀罪法廃止)、A沖縄新基地建設阻止 脱原発社会の実現武器輸出・原発輸出反対!、B「貧困・格差・差別を許さない総がかり行動」の建設(反貧困、生活保護、介護・保育、移住者に係わる闘い)、C消費税10%へ引き上げ反対!」を闘う。
 そして、闘い方、組織・体制・財政、当面の行動などが提起され、参加者全体の拍手で確認された。

 つづいて、フォーラム平和・環境・人権の共同代表の藤本泰成さん、沖繩・一坪反戦地主会関東ブロック運営委員の与儀睦美さんからのアピールが行われた。

 学習講演として、日本労働弁護団事務局次長の新村響子弁護士が「職場のハラスメント防止法を作ろう」と題して行った―いまパワーハラスメントに関する相談は急増している。しかしハラスメントに対する法規制が存在するのはセクシュアルハラスメント、マタニティハラスメントだけだ。これは男女雇用機会均等法、育児・介護休業法によるものだが、事業主に対して、「雇用管理上講ずべき措置」を義務付けているだけで、「禁止」を定めた法律はない。
 セクハラに関する事業主の措置義務として、事業主の方針の明確化及びその周知・啓発、相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、職場におけるセクシュアルハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応、そして、相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること、相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること、としている。
 パワハラの定義については、厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」ワーキンググループ報告は、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」としている。しかし、パワハラについては定義や事業主の措置義務等を定めた法律は存在しない。
 しかし裁判では一歩先を行く判決も出ている。川崎市水道局(いじめ自殺)事件判決は、パワハラに関連して債務不履行責任を認めたリーディングケースだ。「一般的に、市は市職員の管理者的立場に立ち、そのような地位にあるものとして、職務行為から生じる一切の危険から職員を保護すべき責務を負うものというべきである。そして、職員の安全の確保のためには、職務行為それ自体についてのみならず、これと関連して、ほかの職員からもたらされる生命、身体 等に対する危険についても、市は、具体的状況下で、加害行為を防止するとともに、生命、身体等への危険から被害職員の安全を確保して被害発生を防止し、職場における事故を防止すべき注意義務がある」とした。
 また社会福祉法人備前市社会福祉事業団事件では、「使用者は、労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、労働契約上の安全配慮義務として、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なう結果の生じないよう注意する義務を負う」「そして、使用者に代わって労働者に対し業務上の指揮監督を行う権限を有する者は、使用者の上記注意義務の内容に従ってその権限を行使すべきであり、その者がその権限の行使を誤り、上記結果を生じさせたときは、使用者において、上記安全配慮義務違反による債務不履行責任を免れないものというべきである」としている。
 現在、法制化に向けた動きとして、厚生労働省「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」で、法的義務化は不要とする使用者側と労働者側が大きく対立している。労働政策審議会の雇用環境・均等分科会でも労使の意見は平行線のままだ。
 ほかにも第三者からのハラスメント問題が置き去りにされていることがある。UAゼンセン「悪質クレーム対策(迷惑行為)アンケート調査」で、流通部門(小売業関係)や総合サービス部門(外食、介護等サービス関係)では、多くの組合員が悪質クレーム(迷惑行為)を体験している。UAゼンセン日本介護クラフトユニオンでも「ご利用者・ご家族からのセクハラ、パワハラ」を受けている実態が明らかにされている。日本看護協会の看護職員実態調査でも、精神的な攻撃、暴力、性的言動などを患者から受けたという回答が多数だった。
 そのほかにも、SOGI(性的指向・性自認)ハラスメント、レイシャルハラスメントなどその他のハラスメントも対象にすべきだ。
 ILOの調査では、欧米、中国、アフリカの多くの国々も、職場における暴力やハラスメントの規制が行われているが、日本はハラスメントに対する規制が「ない」とされている。来年のILO総会ではハラスメント禁止に向けた新たな条約が締結される。6月2日の採択時の立場表明の色分けは次のようなものだ。条約・勧告支持は、労働者代表はもちろんだが、政府代表でもアフリカグループ(54カ国)、EU(28カ国)、カタール、中国、フィリピン、インド、ニュージーランド、カナダ、アルゼンチン、キューバ、コロンビア、ラテンアメリカグループで、勧告のみ支持は、使用者代表、アメリカ合衆国だ。ところが日本政府は「態度保留」ということで、その理由に、「定義は我が国には、やや広すぎる。対策の中で柔軟化が図られるというが、現時点では、条約か勧告かまだ決められない」ことをあげている。
 しかし、あらゆる形態の暴力とハラスメントを対象とする包括的定義が必要だ。ジェンダーに基づく暴力を含むこと、女性や性別規範に合致しない人がハラスメントを受けやすいというジェンダーの視点が不可欠である。労働者の定義も契約上の地位にかかわらず、労働する個人、訓練中、ボランティア、求職者なども含むべきだ。被害者および加害者の定義も広くして、クライアント、顧客、サービス事業者、利用者、患者、公衆などの第三者を含むべきだ。ドメスティックバイオレンスの支援も必要としている。様々な角度からアプローチして、禁止規定が創設されなければならない。
 日本も批准すべきであり、社会的議論を盛り上げていかなければならない。 
 あるべき職場のハラスメント防止法について、労働弁護団は「職場のいじめ・嫌がらせ防止法の立法提言(第1次提言)」を発表している。そこでは、パワハラ、セクハラ、マタハラだけではなく、すべてのハラスメントを対象とすべきこと、事業主に対する措置義務だけでは足りないのであり、労働者の権利規定、行為禁止規定を設けるべきこと、損害賠償規定や、立証責任の転換、刑罰規定を設けるべきことなどを提言している。
 今後、労働組合として、立法運動を広げること、連動して企業に対し実効性のある措置義務の履行を求める、そして組合としても広いハラスメントに対してどのような対策を立てるべきかについて取り組むべきだろう。

 参加団体からは、東京清掃労働組合、全統一労働組合、練馬区立図書館専門員労働組合からの決意表明が行われた。

 閉会挨拶で、垣沼陽輔共同代表(大阪ユニオンネット)は、闘う春闘の実現そして関西生コン労組への弾圧を跳ね返そうと述べた。

 最後に、団結ガンバロウで、19けんり春闘が本格的にスタートした。


東海第2原発再稼働反対!

 日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)は、30キロ圏内に約96万人、150キロ圏に3500万人が生活している。
 運転開始からまもなく40年を迎えた老朽原発であるにもかかわらず、原子力規制委員会は問題だらけの新規制基準で20年運転延長の認可をだした。
 東海第二原発は沸騰水型原発(BWR)で、福島第一原発と同じ型だ。しかも、東日本大震災で被災して停止中のものだ。

 11月28日、国会前は、「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」主催の抗議集会が行われた。国会向けて「運転延長反対」「許すな!再稼働」シュプレヒコールをおこなった。


侵略と植民地支配の歴史を直視しアジアに平和をつくる国際シンポジウム

        改憲問題は歴史認識問題でもある。改憲論と明治150年史観=明治礼賛論はつながっている 


 11月29日、衆議院議員会館で、アジアと日本の連帯実行委員会の主催で、「軍備拡大と改憲・戦争への道を許すな!『明治150年』徹底批判! 侵略と植民地支配の歴史を直視し、アジアに平和をつくる国際シンポジウム」が開かれた。
 主催者挨拶で、藤田高景さん(村山首相談話を継承し発展させる会・理事長)は、改憲やヘイトの風潮、軍備増強という状況の中で、戦争と植民地という日本の歴史をしっかりと反省し、アジアの平和のためにこのシンポジウムを成功させたいと述べた。
 立憲民主党・江崎孝参議院議員、国民民主党・藤田幸久参議院議員、日本共産党・井上哲士参議院議員と福山真劫平和フォーラム共同代表(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動共同代表)が連帯の挨拶をおこなった。
 基調講演の山田朗明治大学教授は、「『明治150年』史観批判―近現代日本の戦争・櫨民地支配と国民統制―」と題して講演した。
 改憲問題は歴史認識問題でもある。改憲論と明治150年史観すなわち明治礼賛論はつながっている。日本国憲法第9条は、近代日本の歩みに対する「反省」によって制定され、継承されてきた。戦争・植民地支配・自由の抑圧に対する全面的反省こそが9条の基盤であるが、それらに対する反省なし、あるいは部分的反省というのが9条改憲論の基礎のある。9条護憲論は失敗事例から学ぶが、失敗から学ばない者は失敗を繰り返すことになる。改憲論は成功事例とされるものから学ぶといい、成功事例の再現を期待するが、そこでは、その成功といわれるものを支えた世界史的条件を無視している。それらは一過性のものであり、繰り返されることはないのだ。そして同時に、それらの人たちは成功の裏面や「成功」が失敗に転化することを見ようとしない。司馬史観といわれるものが「明治150年」史観(明治礼賛論)として再編され、現在の9条改憲論の土台となっている。
 改憲論のひとたちは、明治時代の「脱亜入欧」戦略や欽定憲法、皇室典範を基準とした国家戦略による憲法・皇室論を言っているが、その典型的なものが、2015年8月の「安倍談話」だ。そのメルクマールになるのが日露戦争と中国との戦争であり、植民地支配に対する評価である。「安倍談話」は、「終戦七十年を迎えるにあたり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、二十世紀という時代を、私たちは心静かに振り返り、その歴史の教訓の中から、未来への知恵を学はなければならないと考えます。百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」。日露戦争をこのように評価することは、この戦争が朝鮮半島と中国東北部をめぐる「植民地支配」確立のための帝国主義戦争であったことを見えなくするものだ。日本にとっての日露戦争の目的は、朝鮮半島に対する支配権の確立と「満州」の権益確保だった。自衛の名目で、中国を戦場として戦い、勢力圏を確保、朝鮮に対する植民地支配を本格化させたのだった。
 つづいて、「安倍談話」は、次のように述べている。「世界を巻き込んだ第一次世界大戦を経て、民族自決の動きが広がり、それまでの植民地化にブレーキがかかりました。この戦争は、一千万人もの戦死者を出す、悲惨な戦争でありました。人々は『平和』を強く願い、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出しました。戦争自体を違法化する、新たな国際社会の潮流が生まれました。当初は、日本も足並みを揃えました。しかし、世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。こうして、日本は、世界の大勢を見失っていきました。満州事変、そして国際連盟からの脱退。日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした『新しい国際秩序』への『挑戦者』となっていった。進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました。そして七十年前。日本は、敗戦しました」。明治以降150年の前半の近代日本が、最も長く、最も多く出兵し戦争したのが中国だった。「安倍談話」は、日露戦争は語っても、日本人のアジア観を変えてしまった日清戦争については語らない。日露戦争から第一次大戦、その後、世界恐慌までを順に追いながら、日本の「植民地支配と侵略」が最も苛烈に行われた日中戦争とくにアジア太平洋戦争段階について、具体的に触れない。この意味は、「侵略」と「植民地支配」の中身について語らないということだ。
 いま、歴史修正主義と「明治150年」史観を克服するために、日露戦争の捉え直しが必要だ。日本の150年には、一貫して超大国との軍事同盟路線があった。日露戦争でのイギリス、アジア太平洋戦争でのナチス・ドイツ、敗戦後はアメリカという具合に続いてきた。この超大国との軍事同盟路線こそが、歴史の真実を隠蔽し、歴史観を歪める元凶になっている。日露戦争では、日英同盟が日露戦争遂行の大前提であり、イギリスが構築した情報ネットワークが日本を有利にした。イギリスが完成させた世界海底ケーブル網の利用、英国政府・マスコミによるロシア軍情報の提供やロシア側への情報攪乱工作、世界のマスコミとくに英米の新聞社通信社によるロシア軍情報の日本への提供、英米マスコミ主導による世界の反ロシア世論の形成、また日本国内では「世界最強のバルチック艦隊」という虚報がつくられ定着した。それだけではなく、イギリスの日本に対する軍事的・経済的支援がおこなわれた。日本海軍艦艇20万トンのうち実に70%がイギリス製であり、戦艦6隻のすべてがそうだった。日本陸軍の鉄砲弾の約半分は、アームストロング社などイギリスに発注されたのだった。しかし、イギリスは日本の「勝ちすぎ」を食い止めるために、日本海海戦後にはロシアに接近し、1907に英露協商が成立している。
 アメリカも、日本を支援し、戦費をまかなうための外債募集(18億円―当時の日本の国家予算の約6倍)の約40%をユダヤ系などのイギリス資本とアメリカ資本が助けた。そのアメリカも、日露戦後は、日本がアメリカ資本の「満州」進出を拒絶したことで、日米対立の状況が作られた。
 安倍談話は「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」というが、日露戦争が有色人種に「希望」を与えたのは確かだが、それは日本が意図したことではなかった。また、1930年代以降は、「有色人種を代表して白人と戦った」という評価が流布されたが、事実は、むしろ日露戦争によって日本は白人の側に立って近隣の有色人種の支配を姶めた。
 日露戦争を契機に、日本による韓国の保護国化や日本国内の反体制派の弾圧がつよまった。「大逆事件」(1910年)は社会主義者・非戦論者への大弾圧に発展し、戦争・植民地支配・国民統制(弾圧)というトライアングルがつくられた。
日清・日露戦争を契機とする対外膨張の連鎖が続くようになった。だが、日露戦争勝利による韓国併合=植民地支配で、朝鮮を「主権線」化したために、南満洲を新「利益線」に、そして満州事変となった。「満州国」建国を「成功事例」とみなした日本の国家指導層は、華北分離工作→日中戦争→日独伊三国同盟→アジア太平洋戦争へと拡大させていき、アジアの人びとに大きな被害を与えた。この戦争の過程で、日本軍は泥沼化打開のため、広大な占領地→膨大な兵力の投入→日本軍の質的低下→生物化学兵器の使用となり、日本軍の食糧などの「現地調達」「自活」方針は。略奪・虐殺の悪循環(三光作戦など各地で繰り返された虐殺・虐待・略奪・性暴力)がもたらされた。
 このように9条改憲問題のベースには、歴史認識問題がある。そしてそのポイントは、日露戦争については、日本人自身が日露戦争の真相・実態をしらないことにあり、とくに軍事同盟路線に注目しなければならないと指摘しなければならない。中国との戦争では、日本人の価値観を歪めたのが日清戦争で、現在も続く「脱亜人欧」の価値観が植え付けられた。そして、あまりの残虐さゆえに日本人の戦争の記憶から抹消されたのが日中戦争だ。植民地支配についても日本国内にも残された支配の傷跡や差別問題から記憶の復元がなされなければならない。私たちは「脱亜入欧」と軍事同盟の「明治150年」から学んではならないのである。

 中国からは、重慶大爆撃犠牲者遺族、細菌戦犠牲者遺族が参加した。
 陳春龍さん(中国社会科学院教授、中国元全国政協委員、中国民間対日本索賠連合会副会長)は、「事不忘 後事之師(前事忘れざるは後事の師)」とする報告をおこなった。明治天皇によって推し進められた政治改革から、一世紀半がすぎた今、私たちはここに集結し、客観的に、そして冷静に「明治150年」が私たちに残した経験と教訓を振り返ってみる必要がある。なぜなら、日本の右翼や保守勢力は未だにこの歴史的教訓を学んでおらず、外に対しては近代日本が特に第二次世界大戦でアジア諸国に犯した侵略の罪を認めることを拒否し、国内では日本の政治安定と経済繁栄を保証する平和憲法を改正しようとし、アジアと世界の平和に新たな不安の種をまいているからだ。この場を借りて、私個人的な考えを2つほどお話したい。それは、@日本の右翼勢力が第二次世界大戦中、中国の一般市民への人権侵害に対する謝罪と賠償を拒否することが、中国人民の感情を著しく傷つけるということ、A戦時中に中国の一般市民に犯した人権犯罪を認めないことは、日本の平和憲法改正、中日の経済協力やアジアの経済発展にも影響を及ぼしているということ、だ。今の中国の経済成果の中には日本政府、日本企業、そして国民の大きな功績がある。中国は日本政府と国民に感謝を忘れることなく、これらを中日友好の重要な基盤とみなしている。従って、私たちは自信を持って中国と日本という同じ肌の色、共通の文化を持つ最も身近な近隣が百年あまりの敵意と憎しみをできるだけ早く解決し両国が協力して東アジアと世界の美しい未来を作り出せることを強く願っている。


本の紹介

     
 西谷文和著『戦争はウソから始まる』
            日本機関紙出版センター・定価900円

この本のタイトルの通り、日本社会を覆う『ウソとペテンとゴマカシ』は今だけの問題ではないが、私たち市民の前に流されてくる情報は、自公政府にとっていかに都合の良いものばかりか。とくに国外において、日本は何をしているのか、まったく情報はコントロールされている。大手マスコミの特派員は、ホテルのベランダからアナウンスするのが限度である。しかし、この本の著者の西谷さんのレポートは、『現地に行き』『人びとと交流し友人』となっていく。西谷さんのレポートは、小泉純一郎からはじまり安倍政治につらなるウソを白日の下に出してくる。
 道徳の本の代わりに、この本を日本の子どもたちに読ませたいくらい、世界の子どもたちの苦境も伝わってくる。最近マスコミに載せた西谷さんは安田純平さんに対して、こう書いている。「戦争ほど理不尽なものはない。…自己責任を問う声があがっている。しかし彼もまたこの状況を取材し、戦争犯罪を告発するために潜入したのだ。批判されるべきは戦争であって、彼ではないはずだ」と。
 私たちが巨大マスコミに騙されてはならない真実を知るためにも、是非一読をすすめます。 (R・K)


せ ん り ゅ う

    人材と呼び奴隷貿易やります

      難民法改正で拉致労働みたい

    ジン材募集です人は採りません

      虚誕虚辞アベ答弁の虚妄虚飾

    ゴーン体制うむ似てるなアベ体制

      このセコさ元都知事の万倍だね

    ゴーンへと目線をそらし悪法案

     貧困をうみ聳えたつゴーン報酬

                       ゝ 史

2018年12月


複眼単眼

        衆院憲法審査会をめぐるたたかい


 臨時国会最終盤の12月6日、安倍自民党が「改憲案の提示」を企てた衆院憲法審査会は、開催に反対する市民と野党の抵抗と与党内に生じた動揺の結果、中止となり、「提示」は断念に追い込まれ、失敗した。
 これによって、安倍首相が8月に故郷の山口県下関で演説した「次の国会(臨時国会)には自民党の改憲案を提示できるように、とりまとめを急ぐ」としていた構想は破産した。前日には桜井よしこらが国会近くの憲政会館で「決起集会」を行い、自民党などの改憲派の尻をたたいたが、効果なく、右翼改憲派のなかでの安倍晋三政権の求心力は低下した。
 その原因は11月29日、衆議院憲法審査会の森英介会長が今国会初めての審査会を職権で召集するという異例の事態を引き起こしたことにある。
 この日は与党の自民、公明両党と日本維新の会などの出席で、野党6党派(立憲民主、国民民主、無所属の会、共産、社民、自由)が会長の運営に激しく抗議し、欠席したままで、新たな幹事の選任を強行した。
 29日午前10時10分から開催される予定だった衆院憲法審査会は、10時を過ぎると、自民党の幹事たちが会長の指示で、欠席している野党の幹事たちをたずねて説得するために、会場を出て行った。
 この間、20分余り、残った自民党などの委員たちは会議室で雑談していた。なんとその中でひときわ大きな声で談笑しているのが公明党の北側幹事と遠山委員らだった。あたかも「自民党のお手並み拝見。我々は関係ないよ」といった態だった。説得に失敗して帰ってきた自民党の幹事を含めて、会議は約30分遅れで始まり、わずか1分程度の間に、従来の「与野党協調派」と呼ばれる中谷元、船田一氏らの幹事の「辞任」(事実上の解任)を確認し、新藤義孝・元総務相らを新たな幹事に任命して、散会した。
 安倍官邸に直結する新藤氏は今後の衆院憲法審査会の運営を左右する与党筆頭幹事の任についた。
 この強行開催は2000年1月の憲法審査会の前身機関である憲法調査会の発足以来、与野党合意を重視して開催してきた憲法論議の場の慣例を突然、乱暴に踏みにじったもので、極めて異常な運営だった。
 憲法調査会から憲法審査会に至る約18年の運営では、初代会長の中山太郎氏(元外相)らによって繰り返し確認されてきた運営の原則がある。それは「(憲法に関する議論は)与党や野党第1党だけでなく、少数会派も含めて幹事会等で協議、決定するとともに、少数会派や委員にも平等に時間を配分して議論を尽くす」「この憲法審査会の伝統と特色は、憲法は国家の基本法であって、全て国民のものであるという憲法論議に対する基本理念に基づくもの」だなどというものだ。
 この中山の意を呈して自民党の中には船田一や中谷元らの「憲法族」が形成された。
 改憲を急ぐ安倍晋三はこの憲法族の進め方が手ぬるいと、これを安倍の直系の子分に差し替え、「改憲シフト」をしいた。今回、憲法審査会が強行開催に踏み切らざるを得なかったのは、功を焦った子分どもが、野党に「職場放棄」だなどと攻撃したことで、野党を一層硬化させたことによる。
 11月29日の強行開催は12月6日の憲法審査会の開催を不可能にした。前のめりになった安倍改憲派は焦ってつんのめった形だ。
 最終日の12月10日、会長のお詫びの表明と事務手続きのための衆院憲法審査会は開かれることになった。
 これで攻防の山場は新年の通常国会で、改憲発議をゆるすかどうかになった。 (T)


冬季カンパのお願い

 安倍内閣こそが諸悪の根源です。安倍内閣を早期に退陣させてこそ、この国とアジアの人びとは安心できます。その道理が多くの人びとにつかまれてきました。
 来る2019年は、世界的な大激動の時代になるでしょう。総がかり行動の前進、市民と野党の共闘で、政治変革の流れをつくりだしていかなければなりません。そのために、私たちは一段と奮闘する決意です。運動の勝利的な前進のために冬季カンパをお願いいたします。

二〇一八年冬

   労働者社会主義同盟