人民新報 ・ 第1400統合493(2021年8月15日)
  
                  目次

● 
急落する内閣支持率・党内対立激化する自民党

      衆院選勝利  菅政権を倒せ

● 中央最賃審の答申について

      最賃額の大幅引き上げと全国一律最賃制が必要だ

● 米中新冷戦と日本の生き方

      鳩山友紀夫元首相と孔鉉佑大使が講演

● 2021夏    反戦平和・反原発をかかげてピースサイクル 各地で快走

      埼玉ピースサイクル 

      長野ピースサイクル 

      静岡ピースサイクル 

      四国ピースサイクル 

● 桜を見る会 検察審議会議決

      安倍晋三を徹底的に追い詰めよう

● いかにして弾圧を粉砕するか考(2)

● せんりゅう

● 複眼単眼  /  86首相挨拶の顛末






急落する内閣支持率・党内対立激化する自民党

     衆院選勝利 菅政権を倒せ

 菅内閣のオリンピック強行は、新型コロナウイルスの蔓延をいっそう深刻化させた。しかし政府はそれを認めない。オリンピックは8月9日に終わったが、その翌日の記者会見で、加藤勝信官房長官は、コロナの感染拡大とオリンピック開催との関連について、東京都ではオリンピック期間中、夜間滞留人口は減少していること、自宅でのオリンピック観戦などを理由に、「直接の原因となっているわけではない」と言い切った。
しかし東京では感染陽性者は連日数千人規模での発表が続いている。いま東京だけでなく、神奈川、埼玉、千葉など関東近県はもとより、全国がかつてない勢いでの陽性者数の激増に直面している。そもそも陽性者数とはPCR検査によって確認された数字であり、それは感染者総数のごく一部でしかない。これまで官邸や都側は、感染被害を少なく見せようとして、検査数を極力抑えてきたのは周知の事実だ。陽性者が増えれば、重症者そして死者が増えていくのは確実だ。
 オリンピックは日本の多くの問題点を露呈させ、まさに「呪われたオリンピック」となった。政治・企業・社会の行き詰まり・停滞・混迷の本質を浮かび上がらせた。とりわけ国際オリンピック委員会の「ぼったくり男爵」たちと連動した商業主義、儲け主義の結果、経費は大きく膨らみ、これをだれが負担するのか大問題なる。
 オリンピックの政治主義的利用がまたひどいものだった。安倍前政権はオリ・パラ東京招致とその開催と成功によって、憲法改悪にむけての政府・自民党支持率の大幅アップを狙った。「復興五輪」をうたい、福島原発事故が収束していないにもかかわらず、事態は「アンダー・コントロール」していると全世界向かって大嘘をつき、巨額の金をばらまいて東京決定を買い取ったのだが、安倍自身がが、森友・加計学園、桜を見る会、東京地検検事長問題などで窮地に立たされ、また連続する閣僚の不祥事・議員辞職、そして新型コロナ対処に失敗して、「病気」を口実に政権を投げ出した。つづく菅政権は失政続き、とくに4月25日の衆院北海道2区・参院長野補選、広島再選挙で全敗したことで、政権は深刻な打撃をうけた。それからの反撃とコロナ禍対処への甘い見通しから、政権支持率の浮上を狙って内外からの大きな反対を押し切ってのオリンピック強行開催となった。だがオリンピックの成功で改憲などいう幻想はすでに吹き飛んだ。それどころではない。レガシー効果による経済への影響もまったく逆になってきた。2017年4月発表の東京都の試算では、総費用1兆6440億円に対して、観光とビジネス拠点の形成などで12兆2397億円のプラスの効果が見込めるとされていた。その実態はどうか。赤字や追加負担は2000億円以上に膨らむ可能性があり、赤字補填や追加負担を含めると五輪の総費用は4兆円に迫るなどともいわれている。結局、莫大な赤字のツケは国民や都民にかぶさってくることになる。
 しかし、菅は、オリンピックは成功したとして、コロナ感染の急拡大の中でも、8月24日から9月5日までのパラリンピック開催を強行しようとしている。菅政権は日本社会を破壊しているのである。
 自民党政治を早急に終わらせなくてはならない。10月21日で衆院議員の任期は切れる。いよいよ衆院総選挙だ。市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)は、「私たちが政治に望む15のこと」で、憲法に基づく政治と主権者に奉仕する政府の確立(@立憲主義の再構築A民主主義の再生B透明性のある公正な政府の確立)、生命、生活を尊重する社会経済システムの構築(C利益追求・効率至上主義(新自由主義)からの転換D自己責任社会から責任ある政府のもとで支えあう社会への転換Eいのちを最優先する政策の展開F週40時間働けば人間らしい生活ができる社会の実現G子ども・教育予算の大胆な充実)、地球的課題を解決する新たな社会経済システムの創造(Hジェンダー平等に基づく誰もが尊重される社会の実現I分散ネットワーク型の産業構造と多様な地域社会の創造J原発のない社会と自然エネルギーによるグリーンリカバリーK持続可能な農林水産業の支援、世界の中で生きる平和国家日本の道を再確認する(L平和国家として国際協調体制を積極的に推進し、実効性ある国際秩序の構築をめざすM沖縄県民の尊厳の尊重N東アジアの共生、平和、非核化)をかかげて、自民党政治に代わる新しい政治の実現を呼びかけている。立憲野党にはこうした基本政策で一致しての選挙戦を期待したい。
 いまは自民党内からも菅では衆院総選挙は闘えない、議席数の大幅減少は避けられないなどいう悲鳴が出てくる情勢となった。菅の地元神奈川県の横浜市長選でも自民党は一致できていない。だが菅に替わって総選挙に勝てる顔を探すのは難しいし、自民党総裁選をまえに党内亀裂も拡大する。市民と野党は共闘を一段と強めて、衆院選挙でおおきな勝利を実現しよう。

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新型コロナウイルス対策の立て直しのための政治の責務に関する声明

 東京オリンピックの開催は新型コロナウイルス感染を大きく広げるという専門家の警告を無視して、菅義偉内閣はオリンピックを強行開催した。開会式から2週間たとうとする今、東京都の新規感染者は5千人を超える深刻な事態となった。

 8月2日、政府は「中等症以下の感染者は自宅療養」という方針を公表した。これは、国民の生命を守ることについて責任を放棄するという極めて無責任な政策である。しかも、世論や与野党の批判に答える中で、この方針転換には専門家の知見が反映されていないことを政府自身が明らかにした。もはや、菅内閣の失政が医療崩壊をもたらしたのであり、この政権は政府の体をなしていないというしかない惨状である。

 国会では、閉会中審査によって現状の把握と政策の検証が行われているが、国会がこの危機に対して十分役割を果たしているとは言えない。国民の生命を守るためには、臨時国会を速やかに召集し、医療体制の整備、雇用と企業経営を持続するための財政支出のために法整備、予算見直しに取り組む必要がある。

 自民党内でも、ポスト菅をめぐる動きが始まると伝えられているが、安倍、菅政治の根本的な転換なしに、政権のたらいまわしをするだけでは、コロナ危機を打開することはできない。誠実で責任感のある政権を新たに樹立することの必要性は一層高まっている。10月までに行われる衆議院総選挙において、立憲野党には、政党の組み合わせをめぐる内向きの議論を脱却し、政権構想を打ち出し、国民の不安を解消し、生命と生活を守る道筋を示すことを求めたい。

2021年8月6日

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合


中央最賃審の答申について

     
最賃額の大幅引き上げと全国一律最賃制が必要だ

 中央最低賃金審議会は7月16日、2021年度の地域最低賃金について、全てのランクで28円の引き上げを厚生労働相に答申した。目安どおりに実施されれば全国平均は930円になる。昨年度はコロナ禍を理由に凍結を主張する政府・経営側の意向に忖度し、据え置かれたが、今年度は一転して@春闘での賃上げ、Aワクチン接種の開始、B企業利益の回復等を引上げの理由にはしたものの、6月18日に閣議決定されたいわゆる「骨太方針2021」において最低賃金の引き上げを示した菅政権の意向に沿った形での引き上げとなった。目安額は1978年度の目安制度が始まって以降、最高額(率で3・1%)の引き上げではあるものの、「全国一律1500円」、「コロナ禍だからこそ最賃の大幅引上げ」を求めてきた運動からすると到底納得できるものはない。また、一律28円の引き上げでは現状の地域間格差221円も固定化されることになる。また、先進諸国のなかでも依然として日本の最低賃金は低水準にある事実は変わらない。

 中央最低賃金審議会の答申を受けて、たたかいの舞台は各地方審議会へと移っている。東京は東京五輪の影響で例年より2週間ほど早くすでに7月21日に目安どおりに28円引き上げて、時間額1041円とする答申を行っている。昨年は中央最低賃金審議会の「据え置き」に対して、各地方での奮闘により、41県で1円から3円の引き上げを勝ちとってきた。今年の最低賃金引き上げのたたかいはコロナ禍での労働者、とりわけ非正規労働者、女性労働者の雇用と生活における困窮が深まるなかで、これまで以上にたたかいの切実度が増し、「最低賃金1500円」、「コロナ禍だからこそ最賃の大幅引上げ」をスローガンに全国各地で積極的なとりくみが展開されている。各地方審議会では多くの労働組合や民主・市民団体が最賃大幅引き上げと地域間格差の解消を求めて、意見書を提出するとともに、意見陳述をとりくんでいる。京都や北九州などでは地域からの積極的なとりくみによって議会に対して最賃引き上げと格差解消、全国一律最賃制度、中小企業等に対する支援の強化を求める意見書が採択された。中央の単産レベルでも最賃近傍の多くの中小民間労働者が加入する全国一般全国協は最賃署名のとりくみと厚労大臣への申入れ、中審への意見書の提出、非正規・パート労働者が約7割の生協労連は菅首相宛てにネット署名をとりくみ、秘書に直接署名提出するという成果をあげている。コロナ禍で行動制限があるなかで、創意工夫して宣伝・アピール行動がとりくまれている。今後も目安額28円のさらなる引き上げをめざして粘り強いたたかいが展開されていく。

 最賃の目安制度は概ね5年ごとに見直すとされており、今年はその年にあたる。6月に最低賃金の目安に関する全員協議会(目安全協)の議論がはじまった。2017年3月にとりまとめの報告がされた@目安制度の意義、Aランク区分の在り方、B目安審議の在り方、C参考資料の在り方の4課題について、2022年3月末を目途に今後協議が行われる。2019年に結成された自民党内の「最低賃金一元化推進議員連盟」が最賃問題は「基本的人権」と言い、地域間格差解消のために全国一律制度を主張している。今年度の最賃答申がすべてのランクで一律答申を行ったことはランク区分の見直しにむけて「半歩前進」と言えるかもしれない。目安全協の動向に注視しつつ、全国一律制度の実現に向けたとりくみを大きなかつ重要な課題として労働運動全体が総力をあげてとりくんでいくことが求められている。


米中新冷戦と日本の生き方

     鳩山友紀夫元首相と孔鉉佑大使が講演


 7月30日、国際シンポジウム「米中新冷戦と日本の生き方 一帯一路構想・新彊ウイグル問題を中心に」(主催「国際アジア共同体学会」)が衆議院第一議員会館大会議場でひらかれ、冒頭に鳩山友紀夫元首相と中華人民共和国の孔鉉佑駐日特命全権大使が記念講演をおこなった。

 鳩山元首相は、「米中対立と日本の戦略的役割」と題する講演のなかで、バイデン政権に対して三つの要望(外交に民主主義を含めた価値観を持ち込みすぎるべきではない、対中戦略で同盟国やパートナー国に自己の都合を押し付けようとすべきではない、中国に対して協調を呼びかける分野をもっと増やすべきである)、中国には大国としての責任を果たせ、そして米中両国は気候変動やパンデミックのようなグローバルな課題における協力とどまることなく、「情報通信テクノロジーにおけるデカップリングの制御」と「東アジアにおける地上発射式中距離ミサイルの配備を含む新しい軍拡競争の管理」という戦略的に重要な二つの分野で相互に関与を進めるべきであると述べ、さらに東アジアのミサイル軍縮を追求せよとして次のように指摘した―米国と中国は東アジアの安全保障の将来に最大の責任を負っている。米中、そして日本は東アジアでミサイル軍縮・軍備管理体制を本気で構築しなければならない。中国のみが圧倒的な数のミサイルで日本を含む近隣諸国を射程に収めている状況は決して正当化できない。だが、米国が東アジア・西太平洋へ中距離ミサイルを多数配備すれば、中国も米国と同等かそれ以上の数のミサイルを追加配備して対米優位を維持しようとするだろう。私は、将来、東アジアが世界の火薬庫になる、という悪夢のシナリオを心から恐れる。米国は地上発射式中距離ミサイルを開発することはできても、中国の海軍力や内陸部のミサイル部隊に有効に対処しようと思えば、当該ミサイルを第一列島線上に配備する必要がある。米国はそこに領土を持たないため、同盟国・パートナー国の領土へミサイルを展開するしかない。だが、東アジアで中国との関係悪化を厭わずに米国のミサイルを受け入れる国はなかなか現れまい。米国政府は地理的に有望であり、政府が同盟強化をマントラのように唱える日本に期待していると思われる。実際には、日本も米国のミサイル配備をおいそれと受け入れられるわけではない。日米安全保障条約は日本国における米軍の駐留を認めているが、日本政府が米軍によるミサイル持ち込みに対して明確な形で反対の意思を表明し、米国に協議を申し入れれば、米国もそれを無視できない。この立場を利用して、日本はアジア版INF条約を締結するよう米中に迫るのである。日本政府は米中や必要に応じてロシアにも働きかけ、ミサイル軍備管理体制の実現を妨げる障害を取り除くべく、積極的な外交を展開すべきである。日本が主導して韓国やASEAN諸国と連携すれば、米中に対するレバレッジは格段に大きくなる。そのためにも日本は、過去の侵略と植民地支配に対して謙虚に向き合う姿勢を持ち続けなければならない。また、東アジアでのミサイル軍拡はロシアの動向を通じて欧州方面にも悪影響を与えるだろう。欧州のミドル・パワーと日本が連携する意義もまた非常に大きい。―
 鳩山元首相は、最後に日中は尖閣周辺を相互立ち入り禁止区域とし、領土問題を管理するために日本政府と中国政府が新次元の協定を締結することを提案した。

 孔鉉佑大使は、「中日アジア共生の道」と題して講演し、そのなかで、世界の大きな変化は、人類が盛衰を共にする運命共同体であること、人類運命共同体を構築する基盤と出発点は、アジアにあると強調し、大事な視点として、相互尊重と信頼という共存の道を堅持すること、開放と統合という発展の道を堅持すること、多国間主義という協調の道を堅持すること、同じ船に乗る考えで助け合いの道を堅持することをあげ、日中関係について、@中国は日本にとって果たして脅威なのかどうか?、A中日は競争すべきか、それとも協力すべきか?、B中日は矛盾や食い違いにどう対処すべきか?、C中日はどのような責任を共有すべきか?について回答し、最後のD中米の駆け引きで日本はどうすべきか?では、次のように述べた。―中国はいわゆる「新冷戦」の言い方には賛成しません。なぜなら、われわれは米国との「新冷戦」を求めない、米国に取って代わるつもりも、ましてやもうひとつの米国になるつもりもないからです。逆に米国の一部の人が、中国を「仮想敵」として扱い、中国の近代化プロセスを妨げ、断ち切ろうとし、中国の道路や体制を変え、中国国民のよりよい生活を求める権利を奪おうとして、中国の発展を抑制することさえできれば、米国が窮地から脱し、覇権を維持できるという幻想を持っているのが現実です。米国の新政権は、前政権の極めて誤った対中政策をおおむね継続しており、「強者の立場から」中国に対処すると放言していますが、中国は断固として受け入れません。日本は中国の近隣国で、米国の同盟国であります。中国、米国との関係を対処することは、日本が避けられない地政学的な現実で、日本の戦略的知恵と先見性が試される課題です。中国側は、日本に中米の間でどちらかを選ぶように求めないし、日米が正常な関係を発展するのを妨げるつもりもありませんが、日米同盟も中国の利益を害してはなりません。覇権を維持するという米国の私利私欲のために、中日関係を犠牲にすることが日本の根本的、長期的な利益になるのか、真剣に考える必要があるではないでしょうか。私はよく日本の友人に申し上げておりますが、対米関係が日本外交のすべてではない、日米には同盟関係がありながら、中日にも平和友好条約があり、日本側にはそれを履行する義務もあるのです。日本が戦略的自主性を維持し、中国および米国との関係をバランスよく、適切に処理し、中米日の前向きなインタラクションを促進するために建設的な役割を果たすことを期待しています。―
 孔大使は、最後に来年の両中日国交正常化50周年を、新たな出発点であるとして、より堅実で強靭性のある、成熟して安定した中日関係を構築し、両国民、地域そして世界により大きな利益をもたらすために日本側と一緒に努力していく決意を述べた。


2021夏    反戦平和・反原発をかかげて 

   
  ピースサイクル 各地で快走

埼玉ピースサイクル 埼玉ピースサイクルネットによる第35回目の自治体訪問(要請行動)が梅雨開け直前の中で行われました。昨年は新型コロナウィルス流行を迎え、慎重を期して中止としましたが、今年は既に緊急事態宣言が出されていましたが行政側の受け入れで実現しました。

 7月15日9時から要請行動を埼玉県庁から始め、さいたま市役所、北本市役所、川越市役所(約31キロ)の4自治体を回りました。さいたま市役所を出発した自転車隊は荒川の治水橋より土手上を走行するため到着しましたが工事中で全面閉鎖に遭い、市道へ迂回し、途中でまた土手に戻り、上江橋に到着しましたが、ここでも中州へ下る入口が閉鎖され、サイクリングロードを走ることが出来ず、一般車道を検索しながら探すことで時間を取られ、さらに上尾市、桶川市通過中に雨に降られ30分ほど遅れで北本市役所に到着しました。既に車組で到着していた浦和スタンディングの人たちと合流して午後より北本市役所で要請行動を行い、記念撮影をして川越市役所へ出発した。川越市では一昨年にも参加頂いた社民党議員、無所属女性議員や社民党の人たちから差し入れ、歓迎を受けました。
 各自治体では要請書を読み上げ、行政からはピースサイクルあてのメッセージを読み上げて頂き、川越市役所では質問書の回答を受け取り、若干の質疑時間を設けた。要請書前文では「新型コロナウイルスの世界的流行により、数多くの犠牲者が出ています。政府のコロナ対策の遅れなどにより、各地で医療ひっ迫や、生活困窮の救済が追い付いていない状況が続いています。また、東京五輪による感染拡大の指摘も上がっています」を初めに、以下7点の項目を提出した。@貴自治体が行った「平和を願う宣言」の趣旨を生かすため、必要な予算を継続的に計上し、非核・平和のための行政を積極的に取り組まれたい。A国連における核兵器禁止条約を批准するよう政府に働きかけをされたい。B広島・長崎に原爆が投下された日には犠牲者を追悼し、核兵器廃絶の願い、戦争の悲惨さを忘れないために、サイレンを鳴らす行動や、戦争展などの「戦争を風化させない」ための啓蒙をし、広報などを通じてその趣旨を広く住民に周知されたい。C沖縄普天間基地撤去とともに、沖縄県民の民意を尊重した、辺野古新基地建設の中止と日米地位協定の見直しをするよう、政府に働きかけをされたい。D東日本大震災や熊本地震を教訓に、防災対策・放射能対策などの点検・見直しを行われたい。E原発ゼロをめざすとともに、再生可能な自然エネルギーの積極的導入と地産・地消の促進、低炭素政策、緑地化などの自然環境保護政策を推進されたい。F自転車道や歩道の整備を実施し、自動車中心社会の緩和政策を推進されたい。
 これに対して各行政からメッセージが出された。それには戦争展や原爆投下の日には黙とうを行っていること、また川越市では昨年「全国知事会や全国市議会議長会が求める日米協定改定の見直しを求める意見書」を市議会で採択し、国へ提出された事などが紹介されていた。

 熱中症に罹る人もなく無事終了することができました。17時頃に浦和駅に到着し、解散となりました。帰りの車内での話でもでていましたが、多くの人が五輪開催に反対しているにも関わらず、菅首相は強行した。7月22日には新型コロナウィルス感染者が東京1979人超、埼玉でも500人超えが出た。森喜朗の女性蔑視発言に始まり、五輪関係者のいじめ自慢、ナチスのホロコーストを入れたお笑いなど世界から批判され、担当者更迭続きの開幕となり、菅首相に至っては、パラリンピックは「感染状況を見て観客を入れる」といった状況判断もできないほど支持率を上げるため、五輪に前のめりとなっている。

長野ピースサイクル 「平和への想いつないで」猛暑の信濃路を走る―今年で31周年となる長野ピースサイクルは昨年から引き続くコロナ禍のなかで、残念ながら規模を縮小しての昨年同様の取り組みとなった。規模が小さくても、「平和への想いをつないで」自転車を走らせ、ヒロシマ、ナガサキ、オキナワにピースメッセージを届けると言う行動は、今年も行うことができた。2日間かけて、松代大本営跡のある松代から柏崎原発をめざすという宿泊をともなう行程、ピースサイクル新潟との合流という長い間続けてきたパターンではない7月24日だけのピースサイクルでした。
 行程は上田から松代大本営跡のある松代をめざす35kmほど。小学校6年生から80代までと巾広い年代10名が参加した。31年間欠かさず参加しているメンバーやみんなと一緒に走るために早朝に長野を出発し、単独で「9条守ろう」の旗を掲げて上田まで走ってきた仲間(一人でみんなの倍以上の距離を走ったことになる)もいた。
 今年は早い梅雨明けで、天気は上々、天気予報と空模様のにらめっこだった昨年とは打って変わって、朝から晴天で猛暑が予想される状態での出発となった。集合時刻8時30分頃はまだ過ごしやすく、さわやかな空気を感じる中での出発準備、ミーティングをして元気に上田からの出発となった。
 自転車走行は最初から順調で4・5km走っての最初の休憩地点への到着は、伴走車の方が遅れ気味。このコースはほとんどサイクリングロードを使って松代まで行くことが出来るため、一般道路を走りながら休憩地点に向かう伴走車と自転車は同着かうっかりすると伴走車が遅れてしまうことが多くなるくらいだ。今年はサイクリングロードのかなりの部分の整備が進んでいて自転車での走行は楽しく、コロナ対策のために車間を開けて安全に走るためには条件がとてもよかった。それでも、暑さは厳しく熱中症を心配しての準備(水分補給や冷えたきうり、トマト、塩分補給剤)は必要で、遅れ気味の伴走車が待ち遠しいほどに体が暑くなった。目的地の松代には全体で予定時間より1時間も早く到着した。
 今年も参加者の知り合いの「手打ちそば」レストランで食事をしてからの解散としたが、午後からは雷雨の心配もあって、帰路の自転車運搬、乗車の手配をしてからの食事となった。一部は復路も自転車走行となったが、今年は雨に合わずに無事に帰ることができた。
 今年も実走規模は小さかったが、長年のピースサイクル運動の中で培われた「平和への想い」を同じくして自転車で走るということ、走りながら連帯するという目的は達成できた様に思うし、久々の再会だった顔ぶれが多い中でも、現状の政治や平和に関する話題や自転車の走りの楽しさを共有する1日となった。
 7月はじめには長野県内の自治体の首長や議長に例年のようにヒロシマ、ナガサキ、オキナワへのピースメッセージも依頼し、周辺の市民からのピースメッセージも取り組んだ。各自治体も個人もコロナ感染対策の影響下で今年も数が減ってしまったが、全国のピースサイクルの仲間を通じて、今年もピースメッセージは届けることができた。
 長野ピースサイクルはこれから秋に向けて、今年の報告集を作成していく予定にしている。コロナウイルスの蔓延が継続するなかで長野ピースサイクルの活動は2年連続きわめて細々としたものになってしまったが、それでも今回の参加こそはできなくても以前からに関わった方々からの連絡や賛同の意思表示が届いている。様々な理由で、なかなか実走には参加はできなくてもピースサイクル運動を理解し、協力し、「平和への想い」を共有してくれる方々とは今年もつながった。このつながりを安倍政権が敷いた「戦争する国」へのレールの上で、この国の崩壊に向かってひた走る菅政権を倒すエネルギーにして行きたいと思う。

静岡ピースサイクル 中電は、市民(消費者)が話し合いに来ているのだから、ウエルカムで迎えろよ!対応が悪いぞ!!―  7月21日、ピースサイクル浜松、浜ネット(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)、ピースサイクル神奈川ネットワークのメンバー11人は、午後2時から1時間、浜岡原子力広報館内の会議室で申し入れ行動を行った。
 ピースサイクルのメンバーが、浜岡原発の社員3人と話し合いに入ろうとした冒頭、中電社員から注意事項の発言(録音の禁止や意に沿わない発言などあった場合は、その時点で中止するという忠告)から始まったため、この威圧的な対応に参加者から抗議の声が上がった。
 参加者からは、「今まで何か問題がありましたか。今までなければ、中電の言う事を聞けは横暴だ」「私は東京電力の交渉にも毎回参加しているが、このような対応は始めてだ」と至極当然の意見を述べた。
 具体的な話し合いの主な内容項目を抜粋して、以下に掲載する。
 @原発再稼働と使用済み核燃料の処分方法について―ア・使用済み核燃料は六ケ所再処理工場へ運ぶことができず、さらに第2処理工場も目途も立っていないなか、中部電力は乾式貯蔵施設の建設を発表しているが、それは再稼働した後の使用済み核燃料の保管用として考えているのか? イ・最終処分地が決まらない場合、敷地内で保管することになるが現時点での保管場所と使用済み燃料の量を明らかにされたい。
 A安全対策について―中部電力は、浜岡原発の敷地における基準地震動として、1200ガル・2000ガルの策定を根拠にしているが、見合う各種原子炉機器に見合う対策として、どのような工事をしたか説明されたい。
 B採算性が合わない原発再稼働の永久停止及び廃炉にむけて―新聞報道によれば、2011年の福島原発事故を受け、政府の要請で停止した浜岡原発の維持費に、中部電力が10年間に支出した費用は計1兆円を超えたという。さらに老朽化した原発を再稼働しても莫大な維持費がかかり、その費用は電気料金の値上げに直結していることから、中部電力は早急に浜岡原発の再稼働は断念し、永久停止・廃炉を決定すること。
 中電→ 安全対策コストは火力発電が安いが、エネルギーセキュリティやCO2を出さないなど原子力発電はよい。
 ピースサイクル→ 原発の維持費に中部電力が10年間に支出した費用は1兆円を超えている。現在は再生可能エネルギーが安いし、放射能も出ず原発事故の危険性もない。廃炉しかない。

 なお、コストの問題や「原発はCO2を排出しない=クリーンエネルギー」などの点についても、大いに反論したかったが、残念ながら時間の関係で突っ込んだ話しは出来なかった。

四国ピースサイクル 東京オリンピックの強行開催が影響したのか、コロナウイルスが一段と猛威をふるっている。そのコロナ禍に四国ピースサイクルへ2年ぶりの参加をした。
 8月3日の朝に呉港を出発し、八幡浜までフェリーと軽トラ、自転車と乗り継ぎ、伊方町九町の四国電力(四電)伊方原発を目指した。
 伊方原発へ続く急な登り坂の自転車走行は、マスクを時々ずらして猛暑と無風と息苦しさを凌ぎ、走り切った。予定の15時前には無事にゲート前に到着した。
ゲート前には、地元市民団体「伊方から原発をなくす会」のメンバー4人も駆けつけてくださり、私たち5人と合わせて9人で、愛媛新聞の取材を受けながら要請行動を行なった。
 対応にあたった四電の担当者にピースサイクル全国ネットワークの要請文「伊方原発の再稼働を断念し、原子力発電事業からの撤退を求めます」を読み上げて手渡した。
 続いて地元市民団体から、重大事故に備えて待機する宿直者が無断外出を繰り返していた問題の抗議文を手渡し、四電の安全軽視の体質、姿勢を質した。
 これに対して、四電の担当者は黙って受け取り、「後日、文書で返答する」と言って、そそくさとその場を立ち去ってしまった。マスクをしたまま何も答えない、コロナ禍に便乗した不誠実な対応に怒りを覚える。

 翌4日は、呉まで移動し、8月5日の呉・広島ルートの実走に備えた。
 翌朝、ホテル前で大阪から来たメンバーと合流し、自転車5台で出発した。途中でもう1台と合流し、熱中症アラームが発令されている中を原爆ドームへと向かった。
 11時40分ごろには目標のNHK会館に着き、ひとまずほっとした。老体に鞭打っての実走だったが何とかやり切ったという達成感があった。
 原爆ドーム前で行われた到着集会は、2年前までのような盛大なものとはいえなかったが、ひっそりと、こぢんまりとした短時間の集会でも、次に繋げるためには意義があることだとつくづく思った。
 少人数でも続けて行くことが大事なことだと実感したので、来年も続けて行かなければと、伊方原発から広島原爆ドームまでを走り繋いで、想いを新たにした。


桜を見る会 検察審議会議決

     
安倍晋三を徹底的に追い詰めよう

 「桜を見る会」前日夜の懇親会で、安倍前首相側が費用の一部を負担したのは有権者への違法な寄付で公職選挙法に違反する疑いがあるにもかかわらず東京地検特捜部が不起訴処分にしたことについて、7月30日、東京の検察審査会は「不起訴は不当だ」と議決し公表した。
 去年12月には、懇親会を主催した政治団体「安倍晋三後援会」の代表だった安倍の元公設第一秘書は、政治資金規正法違反の罪で略式起訴され、罰金100万円の略式命令を受けているが、安倍は嫌疑不十分で不起訴となった。
 審査会議決は、一部の参加者の供述だけでの判断したのは不十分であり、安倍や秘書だけでなくメールなどの客観資料ふくめて「犯意を認定」するべきだとしている。容疑者本人が犯行を否定したという発言だけで「無罪」となるわけではない。しかし検察は、政権に忖度して「不起訴」にしたといわれ批判されるのはしごく当然のことだ。
 安倍は、「当局の対応を静かに見守りたい」「検察当局が厳正な捜査を行い、私や私の事務所も真摯に対応し全面的に協力をした結果、不起訴との判断が示された」と述べたが、また一歩追い詰められたことは疑いない。
 審査会は「政治家はもとより総理大臣であった者が秘書がやったことだと言って関知しないという姿勢は国民感情として納得できない。国民の代表者であるという自覚を持ち、清廉潔白な政治活動を行い、疑義が生じた際にはきちんと説明責任を果たすべきだ」と書いているが、その通りだ。
今後、検察が起訴するかどうかが問われている。東京地方検察庁の森本宏次席検事は「不起訴不当とされた事件について再び捜査に着手し、議決内容を精査して適切に対処したい」としてるが現在の検察の姿勢から言うと、その精査・適切対処は、疑問だ。
 安倍は、東京五輪・パラリンピックを中心的に招致した人物であるにもかかわらず、開会式に出席しないなど、逃げ回っている。
 隠ぺいしようとする安倍と事実を明らかにしようとする力が対抗している。桜を見る会問題は、安倍・菅政権の腐敗本質を示すものであり、いまの日本社会の閉塞状況、コロナ蔓延事態、格差の拡大・貧困化からの脱却を阻害するものの象徴である。森友・加計学園問題とともに、隠ぺいを許さず、その過程を明らかにし、責任者の処罰を行わなくてはならない。


いかにして弾圧を粉砕するか考(2)

 6月28日、全国一般全国協ユニオン北九州に対して半年も前の親会社への申し入れ行動について福岡県警は組合事務所と自宅に捜索に入れデータ資料など組合活動に影響を及ぼすものまで不当に押収した。会社側の組合加入そして職場復帰への暴力を使っての組合つぶしへの申し入れ行動だった。

 大阪では、7月12日に大阪高裁において加茂生コン事件の第1回控訴審があり、32名の傍聴者はすべてこちら側で抽選なしで法廷に入った。子どもの入園手続きのため就労証明要求や正社員要求したなどが罪として一審で有罪となっている。

 翌日の13日は、3つのデッチアゲ事件の組合トップの責任者として武委員長が検察から「懲役8年」の求刑をされている裁判の判決日だ。裁判所前の公園に全国から400名の組合員・支援者が結集した。大阪広域協組や経営側がは300名を集めて威圧したが、傍聴券抽選はこちら側が半分をこえた。
 高裁判決は1事件が無罪で他は有罪「懲役3年執行猶予5年」というまさに不当判決そのものだった。裁判所は、労働組合や活動を罪に問う前にその使用者が何をやり労働者ににどのような影響が出ているのかを現場の実態から調べるべきである。その歴史的背景と安全衛生面や労使関係を全体的に把握すべきだ。とくに今回は企業別組合ではなく産業別組合という組織運動で関西エリアが中心ということに理解力が必要となる。筆者は前回に深く知ることが弾圧粉砕の第一歩と書いたが、今回は「かっこよく・痛快乗に・楽しく」を伝えたい。関生支部の組合員は確信をもっている、行動に自信があり、おかしいことはおかしいといえ、不当な経営側のやくざを使った脅しには腹の底から怒るということができるということだ。裁判が「有罪であっても運動で乗り越える」と言い切る痛快さにある。その言葉が仲間の心を奮いたたせる。当日に集会参加者全員には、@不当弾圧ゆるせんべい。腐った権力ゆるせんべい(バリバリ噛んで世の中変えよう!)A不当弾圧拭き落とせ!関生弾圧ふくのかみ(武委員長のイラスト入り)ティッシュが配られた。権力にものおじしない根性の座り方が仲間を引き寄せている。
 生コン現場は、賃金労働条件が一気に悪化し、関生支部の力の復活がぜひとも必要となっている。これが現実だ。資本が儲けを独占するためにヘイトやヤクザを使い警察とともに組合つぶしをする。この動きを許し認めるととはできない。 みなさんもっと声をあげて怒ろう!仲間を増やし連帯を強めていこう。
 今回の一部無罪をかちとれたのも運動側の反撃が広がっているからであり、さらに運動のスクラムをとつながりを広げていこう。  (河田良治) 

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関生支部武建一委員長への不当判決に抗議する

 7月13日、大阪地裁(佐藤卓生裁判長)は、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(以下関生支部)武建一委員長に対して、その指導の下に組織的に行われたストライキが威力業務妨害にあたるとし、また、コンプライアンス活動が脅迫にあたるとして、懲役3年執行猶予5年の重罰判決を出した。文化人・労働者、市民などで組織する「関西生コンを支援する会」は、この司法の暴挙に大きな怒りを持って抗議する。
 判決は「被害者とされる企業には、関生支部組合員が雇用されていない」として、かかる企業は争議の対象とはならないと主張しているが、多くの労働法学者が産業別労働組合運動として正当化されることを明らかにしてきた。労働組合運動の相手方は組合員が雇用される企業だけに限られると考える狭隘な法解釈で、勤労者全体の地位・労働条件向上を図る活動を阻害することは、憲法の規定およびこれまでの労働運動の歴史からも許されるはずはない。
 そもそも、関生支部は、労働委員会が認めた正当な労働組合である。そしてその組合が権利を行使した場合、労働組合法第1条と第8条は、刑事責任と民事責任は問えないと規定している。また、国際人権規約(社会権規約)の第8条(d)項は労働者の全世界共通の権利として、団結権・争議権を保障している。司法は、労働者の権利を自ら侵害し、日本社会をどのように考えているのか。理解しがたい。
 また、関生支部が行ってきた企業の不正な行為をただそうとするコンプライアンス活動を、ゼネコン関係者の負担は重いなどと、行為の正当性を否定する。企業の法令違反を、「重い負担」などとして免罪する司法判断があっていいとは考えられない。労働者の安全や市民の権利を守ろうとする活動に理解を寄せることなく、企業の法令違反を擁護・免罪し、労働組合を弾圧する。司法が法の番人の役割を放棄したとしか考えられない。
判決は、検察官の8年の求刑に対して、恐喝事件を無罪として大きく減刑している。判決が、どのような理由をつけようとも、検察官の求刑に与することが出来なかったことに本事件の本質が見える。関生支部に関する様々なでっち上げられた事件は、各府県警察と検察が、関生支部という労働組合の弾圧を目的に行われてきた。検察官による、関生支部組合員に対する組合脱退強要の事実が、そのことを明らかにしている。働く者の職場の多くが中小企業である生コン産業において、中小企業の利益を守り、労働条件の向上をめざして大きな成果を上げてきた関生支部のとりくみを、そのことを以て弾圧する権力側の姿勢を私たちは絶対に許してはならない。
 1945年10月11日、連合国最高司令官総司令部(GHQ)は、日本の民主化のための五大改革指令を発した。女性の解放、教育の自由化、秘密警察の撤廃、財閥解体、そして労働組合結成の促進だった。戦後の民主主義の確立になぜ労働組合結成の促進が必要とされたのか、そして、今なぜ労働組合への弾圧なのか、その意味を私たちはしつかりと捉え直さなくてはならない。
 「関西生コンを支援する会」は、民主主義の基本に、しつかりとした労働組合運動がなくてはならないと考える。そのために、働く多くの仲間と連帯し、関生支部への弾圧を許さず、民主主義の確立と、働く者の地位向上に、最後までとりくむことの決意を表明する。

2021年7月16日

関西生コンを支援する会



せんりゅう

    パンデミックを象徴TOKYO五輪

          前例のない病み付きのオリンピック

    オリパラでいや?な街になっちゃった

          無観客無味無理無駄無策でした

    ぜんせかい平和にあれよ祈りあり

          歴史をば背負いことばのいきている

    一隅を照らす我等の底力
               
                         ゝ 史
2021年8月


複眼単眼

     
86首相挨拶の顛末

 8月6日の朝、「この日に広島を訪ねなくなって何年になるだろうか、その昔、当時の佐藤栄作首相が広島に行くことに抗議してかの地をおとずれたのが最初で、以来、しばしば8月6日には広島市を訪れていたこと」などを思いながら、見るとはなしに記念式典のテレビを見ていた。
 松井一実広島市長の挨拶は憲法に触れてないなあ、などとおもいながら子ども代表のスピーチの「本当の別れは会えなくなることではなく、忘れてしまうこと」のくだりはいい表現だなあなどと思いながら聞いていた。
 菅義偉首相の「あいさつ」は少し身構えながら聞いた。
「今日も」というべきか、彼の原稿読み上げのスピーチは最初からうつろに聞こえた。
 ボソボソした喋りだが、NHKは字幕がついているからわかりやすい。
 そのうち、「あららら」と思ったのは、「広島市」というべきところを「ひろまし」ともつれ、「原爆」を「げんぱつ」と言い間違えたからだ。
 菅は反原発になったのか、などとヤジを入れたりしてみた。
 それでも菅のスピーチの言い間違えや原稿の誤読は毎度のことだし、「読み違えを鬼の首をとったようにはやし立てることも大人げない」などと怒りもわすれてあきれて聞いていたら、突然、テレビの字幕と首相の読み上げの声が一致しなくなり、間もなく字幕が消えた。
 いったい何が起こったのだろう。
 後で政府が公表したことによると、この瞬間、菅首相は用意していた原稿を一部、読み飛ばしてしまっていたのだ。
 首相は「わが国は、核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、『核兵器のない世界』の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことが重要です」というくだりを読み飛ばしたという。NHKは事前に原稿を受け取り字幕を準備していたから、首相の声と字幕が合わなくなったわけだ。
 「核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国」という規定を読み飛ばしたのは、偶然であるとしても首相の本心そのものに通じるものだ。
また、松井市長が読み上げた平和宣言で「一刻も早く核兵器禁止条約の締約国になる」ことを政府に求めた課題については、菅首相は全く触れなかった。
 のちに政府はこの読み飛ばし事件の原因を「原稿がのりでくっついて剥がれなかった」ことが原因だったと弁明した。紙同士がくっつき、首相が開く際に剥がれなかったためにその箇所を読み上げられなかったというわけだ。首相は承知の上で読み飛ばしたという事だ。しかし、それならスピーチの趣旨さえ理解していれば、このハプニングは自分で対処することができたはずだ。もともと首相の「あいさつ」には心がこもっていなかったという事だ。私はこの「糊事件」は後付けの虚偽で、菅は本当に気が付いていなかったのではないかと疑っている。
 8・6の首相挨拶といえば安倍政権の時代も広島と長崎の原稿がほぼ同じだったりしたことが問題になってきた。NHKの8・9の長崎では、首相の挨拶に字幕がつかなかったという笑えないオチまである。要するに彼らには被爆者への心からの追悼の気持ちも、非核の世界の実現の決意もなく、いやいやスピーチしているからこうなるのだが、今回のような長文の読み飛ばしは、すでに菅首相にその任を果たす能力がなくなっていることを示すものだ。 強情を張っていないで、引きずりおろされる前に、おやめになってはいかがか。  (T)