人民新報
 ・ 第1459統合552号(2026年7月15日)

                  目次


●  暴走する高市政権の民主主義破壊

        民意を圧殺する衆院比例定数削減法案阻止へ!

●  主力戦車事故原因・隠蔽するな

●  イスラエルの虐殺ドローンを買うな!防衛省前抗議行動

●  共謀罪から9年

        おかしいと言い続けること

●  ともに声を上げよう!

        「ヘイトにNO!全国キャンペーン」

●  KODAMA / 子どもたちに忍び寄る自衛隊と戦争(2) ―現代版の赤紙か―

●  「最賃上げろ!共同アクション」

        最賃・全国一律制と大幅引上げを!

●  今月のコラム  /   今、改めてアメリカとは・・・
                   -吉見俊哉著「アメリカ・イン・ジャパン」を読む- ㊥

●  せんりゅう

●  複眼単眼  /  キングもクイーンもいらない



暴走する高市政権の民主主義破壊

        民意を圧殺する衆院比例定数削減法案阻止へ!

 特別国会は7月17日に会期末を迎えるが、高市政権の極右暴走に日本維新の会による加速が加わり、非常に緊迫した状況にある。2月18日からの特別国会では、2026年予算案の強引な審議、採決など強硬な国会運営がきわだってきたが、国会終盤で民主主義軽視の暴走政治の悪弊が一気に噴き出している。いまのところ政府が今国会に提出した64法案のうち、皇室典範改正案、再審制度の見直しに関連する刑事訴訟法改正案、防災庁設置法案、また維新の会が強く求めている衆議院議員定数削減法案や「副首都構想」関連法案など17法案が未成立となっており、会期延長を視野に入れて政府与党は全法案の成立をもくろんでいる。とりわけ衆院比例議員定数削減は、与党に都合の良い内容への選挙制度改悪によって戦争国家づくりに反対する民意を圧殺するものだ。野党の猛反発を招いていた「議員定数削減法案」と「副首都法案」について、与党は皇室典範改正案の成立を優先するために審議を一旦「中断」する姿勢を見せているが、臨時国会で再び持ち出すための時間稼ぎに過ぎないものである。  
 2025年10月20日の自民・維新の連立政権合意書で、衆院比例定数削減は、「戦後八十年にわたり、国のかたちを作り上げる過程で積み残してきた宿題を解決すると同時に、冷戦後の三十年の厳しい経済状況を乗り越え、国民生活を向上させる過程で積み残してきた宿題を解決するための改革が急務である。そのための方策として、国民に寄り添った経済対策等の速やかな実現に加え、憲法改正や安全保障改革、社会保障改革、統治機構改革を含む中長期にわたる日本社会の発展の基盤となる構造改革の推進について、本合意に至った」とあるように、日本国家大改造・かつての高度国防国家建設の一環として位置づけられているのである。
 こうした状況の中で戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の主催による「衆議院の比例定数削減法案は撤回!国会を軽視する高市政権の暴走ストップ7・9院内集会」が、衆議院第1議員会館・国際会議室で開かれた。
 菱山南帆子総がかり行動共同代表が主催者あいさつ。現在、国会では高市政権が数の力を背景に暴走し、国民の暮らしを軽視した悪法の制定や憲法改正に向けた審議を進めるなど、異常な状況が続いている。とくに比例代表の議員定数削減案については、野党の反発により今国会での成立は見送られたものの、次期臨時国会での審議入りが既に明言されており、全く予断を許さない。この定数削減は「野党は不要」と言っているに等しく、民主主義を破壊する極めて危険な行為である。また、定数削減は女性議員の進出にとって大打撃となる。現行の小選挙区制は、地道な顔売りや夜間の付き合いが重視される傾向があり、妊娠や出産といったライフイベントを抱える女性にとって非常に闘いにくい仕組みである。解散の時期が読めない衆議院において女性議員が少ない背景には、こうした小選挙区制の弊害がある。そのため、多様な女性の声を政治に反映させるためには、むしろ比例枠を維持・拡大することこそが必要不可欠である。世界的に見ても日本の女性国会議員の割合の低さは異常であり、これを解消するためにも定数削減には断固反対しなければならない。次期臨時国会での闘いに備え、この定数削減が持つ危険性と民主主義破壊の側面を広く共有し、女性をはじめとする多くの人々と連帯して声を上げ、全力で阻止していくことが強く求められている。
 国会からは、日本共産党の小池晃書記局長、社民党のラサール石井幹事長、参院会派「沖縄の風」の伊波洋一議員があいさつし、また自由法曹団の平井哲史幹事長、新日本婦人の会の米山淳子会長、市民連合の土井登美江さんが、高市政権の暴走にこうして共に闘っていこうとアピールした。
 最後に、「衆議院の比例定数削減法案の撤回を求める決議」(二面に掲載)が参加者の拍手で確認された。

 市民と立憲野党の共闘を強化・再編して高市反動政治と対決する運動を進めていこう。

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衆議院の比例定数削減法案の撤回を求める決議

 現在開会中の特別国会は、2月18日に招集されましたが、2026年度予算案の年度内採決にこだわった高市首相の意向を受け、衆議院では委員長職権による委員会運営が繰り返されたのち、強行採決されました。以降の法案審議においても、与党による強引な国会運営が続けられています。
 その特別国会も7月17日に閉会が予定となっています。しかし、わずかな時間しかないにもかかわらず、国会で積み上げてきた議論を完全に無視した衆議院比例定数削減法案が国会に提出されました。そのため、野党が国会審議を拒否するという異常な事態となりました。
 現在の国会が不正常な状況に至っているのは、高市首相と与党が「数の力」を背景にして強引な国会運営を行っているからに他なりません。
 国会は、憲法で定められた国権の最高議決機関であり、多様な意見が国政に反映される運営が求められます。与党による乱暴な国会運営は到底許されるものではありません。

 自民・維新の両党は7月8日の党首会談で、衆議院定数削減法案を先送りすることを合意しました。野党の一致した対応と国民の世論が与党を追い込んだのです。
 国会に提出された衆議院の比例定数を45削減する法案は、民主主義の根幹に関わる法案です。そもそも定数見直しについては、選挙制度とも関わり、民主主義の共通の土俵として、各政党が参加して議論されてきたものです。
 小選挙区・比例代表並立制の中で、比例定数だけを一方的に減らすのは筋が通りません。また、比例定数のみを削減することは、女性議員の進出をより困難にし、多様な民意の反映が十分になされず、多数党による独裁を招きかねません。与党に都合の良い内容での選挙制度改悪を許すことでは民主主義は壊されてしまいます。
 国会に提出されている衆議院の比例定数削減法案は、審議の先送りではなく直ちに撤回されるよう強く求めます。野党には、その一致点での引き続きの対応をお願いします。

 本集会の名で、衆議院比例定数削減法案を撤回し、与党による「数の力」を背景にした強引な国会運営を改めるよう強く求めることを決議します。

2026年7月9日

  衆議院の比例定数削減法案の撤回!国会を軽視する高市政権の暴走ストップ7・9院内集会


主力戦車事故原因・隠蔽するな

 現在の陸上自衛隊の最新鋭かつ主力戦車である10式戦車は、2026年4月21日に大分県の日出生台演習場で、射撃訓練中、砲弾が砲身暴発し、搭乗していた4人のうち3人が死亡、1人が重傷という極めて重大な事故をおこした。防衛省は事故調査委員会を設置し、原因究明を進めているとしているが、未だに報告は公表されていない。
 日出生台演習場では他の火器(155mmりゅう弾砲や16式機動戦闘車など)の実弾射撃訓練は再開されたが、10式戦車は再開対象から除外されている。各部隊では10式戦車は現役装備として運用されているが、主砲による実弾射撃だけは事故原因の究明が終わるまで停止され、最終的な再開は、事故調査委員会の結論と防衛省の安全確認を経て判断される見通しだ。 こうした措置は、自衛隊では異例で、事故から数か月が経過しても最新鋭戦車の主砲実射が全国的に停止されていることは、防衛省が今回の事故を重大な安全問題として扱っているためとみられる。
 しかし、遺族や多くの人びとに対し、事故原因の調査状況を定期的に説明すべきであり、「調査中」であることだけが強調され中間的な説明もないという状況は自衛隊の秘密主義をもう一度明らかにするものである。

 高市内閣は4月21日の国家安全保障会議(NSC)と閣議で「防衛装備移転三原則」とその運用指針を改定し、従来の制度を大きく見直した。これまで完成品の輸出が認められていたのは、救難・輸送・警戒・監視・掃海という「5類型」の装備にほぼ限られていたが、この制限を撤廃し、ミサイル、護衛艦、戦車なども個別審査を経て移転可能とした。殺傷能力を持つ装備品についても、国際法や輸出管理の枠組みを遵守することを前提に、案件ごとの審査を経て輸出できるとした。防衛産業を国家戦略産業と位置付け、防衛産業の維持・育成、生産基盤の強化、国際共同開発への参加、同盟国・同志国との安全保障協力を重視するとした。小泉防衛相は「防衛装備品について各国へのトップセールスを一層強化する」とまで言っている。
 現時点では、10式戦車の事故だけで日本の武器輸出に大きな影響が出るとはしていないが、事故原因によっては輸出や日本製装備への評価に影響が及ぶ可能性があり、そのことも調査結果の発表の遅れに影響していることは疑いない所だ。


イスラエルの虐殺ドローンを買うな!防衛省前抗議行動

 高市政権の自衛隊の防衛能力強化(無人アセットの導入)に向けた実証試験および調達計画において、イスラエル軍事企業製の自爆型ドローンなど小型攻撃用ドローンが候補に上っている。イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの大規模攻撃では7万人以上の犠牲者が出ておりイスラエル製ドローンの購入は同国の軍需産業の支援につながる。日本の税金でジェノサイドに加担することに反対する動きが広がってきた。そのため、防衛省は2025年度予算に小型攻撃用ドローンの取得費として310機分約32億円を計上し、2月に一般競争入札を行ったが、自衛隊初の小型攻撃用ドローン(近距離用のⅠ型)の選定では、有力視されていたイスラエル製は入札に参加せず、オーストラリア製の導入が決定した。だが防衛省は中・長距離攻撃用の「Ⅱ型」「Ⅲ型」の導入も計画しており、それらの試験機としてイスラエル企業の機体がテストされてきた。
 イスラエル製ドローンの輸入には、住友商事の関係会社である日本エヤークラフトサプライなどが代理店・窓口として関わっている。会社概要・松下修社長は「日本エヤークラフトサプライ株式会社は、日本の防衛・航空宇宙産業の発展に寄与することを使命とした専門商社として、1958年(昭和33年)3月の創業以来、社是『誠実・信頼・感謝』の基に、お客様の様々なご要望にお応えすべく、米国や欧州などの高度な技術を有するメーカーの日本向け販売代理店として、最先端技術の製品の紹介や提案を行うとともに、取り扱い製品及びサービスの拡充に取組んで参りました。…」という武器商人・死の商人
を自認する自社紹介を行っている。

 7月4日、『防衛省と住友商事、日本エヤークラフトサプライはイスラエルの虐殺ドローンを買うな!防衛省前抗議』が行われた。よびかけは、BDS Japan Bulletin(イスラエルのアパルトヘイト政策を終わらせるためにパレスチナの市民から呼びかけられた、イスラエルに対するボイコット、資本の引揚げ、制裁を行うよう求める国際キャンペーン)、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)、ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会によるもので、パレスチナに平和を!緊急行動が応援行動を行った。
 主催者のNAJAT代表の杉原浩司さんの発言。―今年の1月上旬、イスラエルを訪問した自民党安全保障調査会の小野寺五典らは、戦争犯罪人ネタニヤフと握手して「戦争中の日本の支援に感謝」された。防衛省は、2年間で240億円以上の武器をイスラエルから輸入している。イスラエルのスマートシューター社製の照準器は、既に自衛隊が軍事演習で使い始めており、名古屋に本社があるサン電子が筆頭株主となっているイスラエル・セレブライト社製の悪名高いスマホ情報抜き取り機器は7月末に納入されようとしている。攻撃型ドローンに関して言えば、実証試験に採用された機種の中でイスラエル製の占める割合は明らかに低下して、今年度もイスラエル製を外させる条件は拡がってきている。一方で、この間追加された機種には欧米の軍需企業が目立つ。グローバルな「ジェノサイド経済」に、日本は「新しい戦い方」と称して、より積極的に参入していこうとしている。攻撃型ドローンを輸入させないことは、ジェノサイドに加担しないための最低限のことに過ぎないが、簡単なことではない。今油断することなく、確実に止めていこう。そして、いまだ何ひとつイスラエルへの制裁を行なわない日本政府をしつこく追及していきたい。


共謀罪から9年

        おかしいと言い続けること


 6月15日、共謀罪NO!実行委員会 秘密保護法廃止へ!実行委員会の共催で、院内集会「強行採決から9年 改めて共謀罪を問う」が開かれ、山田大輔弁護士(「共謀罪コンメンタール」編著者)が、「共謀罪から9年、監視社会はどこまで進んだか――『スパイ防止法』の足音」と題して講演した。「共謀罪」は、東京オリンピックに向けたテロ対策のために不可欠だとされた。その後、安倍総理大臣の銃撃事件、岸田総理大臣の襲撃事件、その他無差別殺人事件、「組織的詐欺」「組織的強盗」などが起こっているが、実際には、犯行があって初めて犯罪が認知されている。成立以後、共謀罪の適用例はない。すべての人の通信の傍受をすれば、組織的犯罪の端緒に気づき、共謀罪を適用して、犯罪の実行を防止することができるかもしれない。しかし、市民、国民の権利侵害の度合いが著しく、憲法上許されない。このような結末は、2017年の反対運動で、共謀罪が限定されたからこそだ。ただし、共謀罪成立が広範な共謀を犯罪化するという意味で、それまでの刑法類型を大きく変化させた。政府は、「市民に適用できない」という結論になるよう、多くの解釈を残し、その解釈の通りに運用されれば、市民に適用することはほとんどできないであろうと思われる。そこで、政府が何を言ったのかということをまとめ、市民に適用できないと言った政府自身を縛り、共謀罪を実際に運用、適用させないというのが今後も重要だ。政府は、市民の活動を監視したり、抑圧したがるという性質がある。いま必要なことは、おかしいことはおかしいと言いつづけることだ。


ともに声を上げよう!

       
 「ヘイトにNO!全国キャンペーン」

 ヘイトスピーチ解消法が制定されてから10年が経ったが、高市政権の登場以来の外国人排斥・ヘイトスピーチは一段と強まってきている。こうした動きにさまざまな団体が反撃に立ち上がっている。NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」(移住連)、外国人技能実習生権利ネットワーク、「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」と「人種差別撤廃法」の制定を求める連絡会(外国人人権法連絡会)、外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)、コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク、人種差別撤廃 NGOネットワーク・ERDネット、全国労働安全衛生センター連絡会議、中小労組政策ネットワーク、つくろい東京ファンド、反貧困ネットワーク、フォーラム 平和・人権・環境(平和フォーラム)などの団体が呼びかけて2月11日に署名活動を開始し、国連の「ヘイトスピーチと闘う国際デー」の6月18日までに14万628筆を集め、法務省人権擁護局に提出した。署名の柱は、①高市早苗首相みずからがヘイトスピーチに反対することを明言してください、②差別を禁止する法律をつくってください、③日本が加盟している国際人権諸条約に基づき、日本に暮らす外国人の人権が守られる制度にしてください、④外国人労働者に差別なく労働法を適用してください。

 6月21日には、「ヘイトにNO!全国キャンペーン」の集約集会として国会議事堂正門前で、「ヘイトにNO! 国会前アクション」が行われ市民団体、労働組合など650人が結集した。全労協、平和フォーラム、外国人人権法連絡会、反貧困ネットワーク、下町ユニオン、日本キリスト教協議会、ブラジルコミュニティ、支援団体「在日クルド人と共に」などの発言が続いた。中道改革連合の有田芳生衆議院議員、日本共産党の山添拓参議院議員が連帯の発言をおこなった。最後に移住連の鳥井一平さんが、移民の存在を抜きに日本の社会は成り立たず、多民族・多文化共生のよりよい社会を求める声を大きくして行こうと述べた。


KODAMA 

        子どもたちに忍び寄る自衛隊と戦争(2) ―現代版の赤紙か―

 一読者として最近の憂慮すべき情勢に今までにない危惧の念を抱いております。
市井の話題として日本人が活躍するスポーツや高校生が逮捕された特殊犯罪の話は耳にしますが、なかなか話題にできない西日本で次々とミサイル基地が建設されていることやスパイ防止法が立法化されるなどの話は切り出しにくい。そのような空気に負けないようさり気なく話題を振ると心配していた言葉が返ってきました。ロシアのウクライナ侵略、日本近海に現れる中国船、北朝鮮のミサイル発射などを考えると日本の軍備力の大幅な増強や日本を守るためのスパイ防止法はしょうがないよ、と。決して右翼的な人々ではないのですが事実の一面だけを強調したニュース、意図的に対立を煽っている政治家の話などによってものの見方が作り上げられていると感じます。過去の歴史にもありましたが、そのような空気は戦争を後押しし、民主主義を後退させる源であることは間違いありません。この空気に抗いあらゆる場面で戦争へつながる足音に反対しなければなりません。
 今、国会前に集まる人々が増え続け、戦争の後押しを許さない思いを自分の言葉で様々に表現しています。危険な現実を知ったものは警鐘を鳴らし人々に伝えなければならないという思いでしょう。4月号に投稿した「子どもたちに忍び寄る戦争と自衛隊」では子ども版防衛白書が一部の小学校に配布されたことをお伝えしましたが、自衛隊の危険な動きは他にもあります。

◆同意なき自衛隊への名簿提供は憲法違反

 4月25日付の日本ジャーナリスト会議機関誌に、「3月26日、高校生が原告となり、地方自治体による自衛隊への住民個人情報提供を問う訴訟に立ち上がった」と報じています。記事によると、岐阜県の高校生の自宅に突然自衛官勧誘はがきが届いたことで自分の個人情報が許可なく提供されていることに気づき提訴したとあります。また、高校生による訴訟は奈良県においても、2024年3月29日に起こされています。どちらも自治体が自衛隊に名簿を提供する行為はプライバシー権の侵害に当たるかどうかを争点としています。2024年2月27日の朝日新聞には、高校生ではありませんが神戸の市民6人が、神戸市長に対し個人情報を本人の同意なく提供した責任を問う訴訟を起こしたと伝えています。
 全国の多くの自治体は、高校を卒業する18歳と大学を卒業する22歳を対象に氏名、生年月日、住所、性別(4情報)の個人情報を紙や電子媒体で自衛隊に提供しています。自衛隊はこの情報を使って募集のチラシやパンフレットを送付しています。北海道新聞によると帯広市では制服姿の自衛官が自治体から得た情報を使い対象者の自宅を訪問し勧誘を行っています。
自治体が提供している情報は住民基本台帳の写しですが、個人情報の意識の高まりにより2006年に住民基本台帳法が改正されました。その結果、基本的には誰であっても勝手に閲覧することはできなくなっています。そのことについて、5月12日の参議院外交防衛委員会で福島瑞穂議員は自衛隊が個人情報を勝手に取得するのは違法であると国・防衛省を追及しています。追及の主な内容は、消防、警察、海上保安庁など多くの職業があるが個人情報を提供させているのは自衛隊以外にないこと、自衛隊が根拠としている施行令は法律ではないこと、法律の規定なしで個人情報の提供を行うのは違法なことなので直ちにやめること、住民基本台帳法ではコピーすることすら許されていないこと、最後に、自治体は自衛隊に個人情報の提供を拒否できることを防衛省と確認し、反対運動を進める際の貴重な言質として国民の前に引き出しました。

◆自治体に名簿提供を忖度させた安倍政権
 多くの自治体が自衛隊に名簿の提供を拒否できるのに拒否を渋るには訳があります。
 2023年8月9日の東京新聞によると「…2019年2月、安倍晋三首相が自民党大会で『都道府県の6割以上が新規隊員募集への協力を拒否している』と述べ…政府は2020年12月、『市区町村長が住民基本台帳の一部の写しの提供が可能であることを明確化する』ことを閣議決定し、翌年2月に防衛省と総務省が各自治体に提出が問題ないことを通知した」と経過を説明しています。このことにより、名簿提供は一気に増えました。本人の知らない間に自衛隊に名簿が提供されている理不尽な事実に対して、各地で平和を求める市民団体や住民が名簿提供の取り止めを求めて抗議活動を起こしています。 また、北海道弁護士連合会は3月26日、『自衛隊への個人情報提供に関する意見書』を公表し、個人情報の提供は、本人の同意を得ずに行わないよう自治体に求めています。また、昨年2月には札幌市民より「自衛隊への名簿提供の中止を求める陳情」が札幌市に提出されていました。

◆自治体の「除外申請」制度はアリバイ的
 自衛隊への名簿提供に対し、市民団体や住民の抗議の声を何とかそらしたい自治体は「除外申請」制度を作りました。「除外申請」制度の内実を見ると自治体の不誠実さが分かります。
札幌市の「自衛官募集事務に係る対象者情報の提供について(令和8年度)」を見るととんでもない記述があります。「本件については、法令(自衛隊法施行令第120条)に基づき提供するものであり、法に基づく適正な情報提供です。(提供にあたって、ご本人の同意は必要とされていません)」と恐ろしく強権的です。抗議の声を予想してなのか、巧妙にも末尾に除外申請を記載しています。その内容は「自衛隊にご自身の個人情報の提供を望まない(パンフレットの配布を希望されない)方につきましては、除外申請の手続きをしていただくことにより、自衛隊へ提供する情報から除外します」とあり、申請方法はオンライン、メール、郵送にて行い、申請フォームやPDFの申請書を必要としているのです。更にこの文書にアクセスするには市のホームページを開き、くらし・手続きをクリック、戸籍・住民票・証明をクリック、その他の手続をクリックしてたどり着けるのです。広報誌では最後のページに小さく記載されていました。これでは、あえて人目につかないようにしているのではないかと疑いを持ちたくなります。「除外申請」制度が市民に周知されているとは言えません。

◆自治体には個人情報を守る責任がある
 板橋区のホームページを見ると、「…自衛隊では、全国で700を超える市町村から紙または電子データで名簿の提供を受けており、対象者情報の提供は板橋区独自の制度ではありません」とほかの自治体も提供しており区の政策ではないように印象付けています。自治体には個人情報を守るという観点が希薄と感じます。
自治体の姿勢にも違いがあります。自衛隊関係者に住民基本台帳から4情報を手書きで写し取らせている自治体、紙または電子データの名簿を作成し提供している自治体、自衛隊が直ぐに使用できるよう宛名ラベルを作成し提供している自治体があります。市民団体との話し合いや抗議により自衛隊への対応が変化した自治体もあります。1月23日付の日本平和委員会発行の平和新聞によると、平和委員会と埼玉県の自治体との懇談の成果、自衛隊へ名簿提供を来年度から行わない予定であると報じています。
 自治体が個人情報を守る責任を放棄した極めておぞましい事例があります。2003年4月22日の毎日新聞には戦前社会を彷彿させる記事が掲載されていました。自衛隊石川地方連絡部と石川県が作成した募集マニュアルには4情報以外の個人情報も自衛隊に提供する取り決めがされました。その内容は、「世帯主との続柄および世帯主名」「職業、健康状態など募集上参考となる事項」の個人情報を収集していたのです。毎日新聞によると4情報以外を提供していた自治体は557市町村に及ぶというのです。自衛隊は旧日本軍「徴兵検査の甲種合格(身体強健なる者)」を想定しているのでしょうか。自治体が名簿を含め個人の健康状態などを自衛隊に提供することは極めて危険なことであり戦争への加担につながります。その後、防衛庁(当時)は「情報収集は4情報に限定」という事務次官通達を出しました。
 自衛隊は武力を行使できる組織であり、戦争へとつながる不都合なことは人の目から遠ざけようとします。大きく報道されない危険なカケラを見逃さず、平和を願う市民とともに監視する必要があります。(元教育労働者)


「最賃上げろ!共同アクション」

      
  最賃・全国一律制と大幅引上げを!

 2026年度の最低賃金の目安を決める中央最低賃金審議会(第74回)が6月26日から始まった。先行き不透明な中東情勢や歴史的な円安により、物価高騰はおさまる気配がない。実質賃金は4年連続でマイナスとなり、物価上昇に賃上げが追いついていない状況が続いてる。26年度の最低賃金改定で求められているのは、何よりも物価高騰を上回り、安心して人間らしく暮らせる大幅な引上げである。
 2月の総選挙で「圧勝」した高市首相は、最低賃金の流れを変えようとしている。石破前政権は「2020年代までに全国平均で1、500円」の目標を掲げたが、高市首相はその目標の達成時期を事実上「撤回」し、「30年代前半」を7月中旬に公表予定の日本成長戦略会議報告に書き入れようとしている。「高市政権で最賃の流れが変わった」とある公益委員のコメントがある。最低賃金は法定三要素のデータの中で、物価高騰を反映して、生計費が重視され、23年度は4・5%、24年度は5・1%、25年度は6・3%と引上げられてきた。26年度の最賃改定で大幅な引上げの流れにブレーキをかけてはならない。
 25年度の最賃改定では地域別最低賃金を適用する発効日の先送りが大きな問題となった。発効日は、「公示日から起算して30日を経過した日」(最賃法第14条2項・法定発効)の原則を崩し、26府県が11月以降の「指定日発効」となった。先送りは新たな地域間格差を生み、労働者に著しい経済的不利益をもたらし、「労働者の生活の安定」を目的とした最低賃金法の趣旨に反する。3月から3回にわたって行われてきた目安制度の在り方に関する全員協議会は6月23日、「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」(以下、報告書)をまとめた。報告書は発効日の先送りに対して、「大幅な引き上げを確保するための過度の『交渉材料』とすべきではない」とし、各地方最低賃金審議会に早期の適用を促した。報告書の対応方針は評価でき、確実に履行される一方で、発効日の早期適用を“条件“に最低賃金引上げが“抑制″されるようなことは絶対に許されない。
 報告書は発効日の先送り問題とともに、25年度の地方最賃審議会における「目安額を大幅に上回る答申は、近隣県等との競争や最下位回避の意識の下、地域の実態と乖離した引上げ」を課題としてあげている。そして、対応方針として、「目安額に大幅な上乗せをするのであれば、その判断理由を地方最賃審議会の公益委員見解等で明らかにすべき」としている。
 しかし、この間の中央目安額を上回る最低賃金の引上げは、「近隣県との競争」や「最下位回避の意識」からだけではなく、各地における意見書の提出、要請行動、最賃近傍雇用労働者や外国人労働者などの意見陳述等、懸命なとりくみによって勝ちとられてきたものであり、地方最賃審議会が物価高で困窮化している最賃近傍労働者の生活負担の改善や最賃決定の三要素の中で生計費を重視した結果でもある。地方最賃審議会の相次ぐ目安越えは中央最賃審議会の「目安制度」の在り方そのものが問われている。
 「失われた30年」は非正規雇用4割の雇用社会を生み出した。労働組合の有無や企業規模の大小、正規・非正規の雇用形態、年齢、ジェンダー、そして国籍等の違いから差別が広がり、賃金格差が拡大した。「法定最賃」の役割と重要性はますます高まっている。

 全労連・国民春闘、全労協・けんり春闘、最賃大幅引上げキャンペーン委員会による「最賃上げろ!共同アクション」が7月2日、とりくまれた。厚労省で共同記者会見の後に、JR新宿駅南口で市民アピール行動が行われた。リレースピーチと約100人を超える参加者で大いに盛り上がったとりくみとなった。最賃の地域間格差、発効日の先送りを解決するためにも全国一律制と大幅引上げをめざして、労働運動の潮流の枠を超えたたたかいが必要であり、求められている。


今月のコラム

        今、改めてアメリカとは・・・
              -吉見俊哉著「アメリカ・イン・ジャパン」を読む- ㊥

まなざされる対象としての敵国日本
 1910年代から20年代にかけて日米戦争を煽るかのような本が次々に出版された。アメリカが膨張する日本に向けていたまなざしは人種主義的なものだった。「黄禍論」に代表されるようにアングロ・サクソンではない、白人ですらないアジアの人種が「文明化」を遂げて帝国を建設し、太平洋の西から迫ってくることはアメリカ人には恐怖だった。これに対し日本がアメリカに向けていたまなざしは「成り上がり者」のメンタリティだった。成り上がり者の心理にはいつも傲慢さと劣等感が表裏をなし、戦前から戦後までアメリカに対する劣等感とアジアに対する傲慢さとして表出された。
 平均的なアメリカ人からすれば日本はあくまで「野蛮な帝国」に過ぎず「黄色い猿」だった。同じ敵国でもドイツと日本はまるで異なっていた。アメリカは日本を冷静に観察し、計測し、調査し、解析していく。その中に日本上空からの空爆技術があった。F13という写真偵察機が1944年11・12月にほぼ連日出撃し、撮影された膨大な写真をもとに綿密な分析と地図や模型の製作が進められた。1943年に策定された「日本―焼夷攻撃資料」は日本の20都市を空爆の対象として選定し、それらの都市を焼き尽くすのに必要な焼夷弾の量を計算していた。爆撃の対象地域が三種の焼夷区画にゾーニングされた。これには1940年に日本政府が実施した国勢調査の結果が利用され、日本諸都市の火災保険データまで入手し地区ごとの「燃えやすさ」まで算出された。気象予報で予め激しい北北西の風を予測し、殺戮効果を高めるために選ばれた1945年3月9・10日の東京大空襲以降、日本列島が焼き尽くされていくことになる。

カーティス・ルメイ
 これらの空爆はほぼすべてがB29という一種類の爆撃機によって、またカーティス・ルメイという一人の指揮官によって遂行された。彼は無差別爆撃となる夜間爆撃や焼夷弾使用をためらっていた前任者の方針を転換したのだ。日本政府は航空自衛隊発展の功績で1964年に勲一等旭日大綬章を授章した。カーティスはベトナム戦争当時空軍参謀総長として「ベトナムを石器時代に戻してやる」と豪語し北爆を推進した。トランプには先唱者がいたわけだ。
 アメリカが「敵国日本」を描く際の典型的な表象は「猿としての日本人」だった。アメリカが「敵」としてのナチスを描く際、ドイツ人を猿として描くことはほぼなかった。露骨な人種主義は明白だ。これらのイメージは空爆による無差別大量殺戮を間接的に正当化するものだった。なぜなら「日本人が人でなく猿であるのなら、日本人の殺戮は、『殺人』でなく『狩り』になるから」。戦争末期、「ライフ」誌は日本兵掃討中の米兵の写真を載せ「多くの戦友と同じく彼らはジャップ狩りをしていた。かつて故郷の森の中で小さな獲物をよく追い求めたように」とキャプションをつけた。
 一方、日本側の英米に対するイメージはルーズベルトやチャーチルを「鬼」や「悪魔」として描き出すことだった。文字通り「鬼畜米英」、「鬼のような他者というというパターンに陥り、なかば超人的、なかばヒトより劣る、はっきりしないヨソ者という伝統的な認識」を繰り返した。侵略的帝国主義国家となった戦時下の日本においても「『身内』と『ヨソ者」』とか見知らぬ人との伝統的、社会的識別」こそが、日本人の他者イメージや自己意識を構造化し続けていた(ジョン・ダワー「容赦なき戦争」)。

ダグラス・マッカーサー
 1898年、米西戦争に勝利したアメリカは、フィリピンの植民地支配を引き継ぐ。ゲリラ戦で抵抗するフィリピン人を徹底的に弾圧し、ゲリラは兵士にあらずと捕虜にせずに殺し、10歳以上の兵士は皆殺しにする命令まで出された。カミングスの調査では「フィリピンの反乱軍と戦った87%の将官がインディアンとも戦っていた」。西太平洋での現地人との関係はそれまでの大陸先住民との関係の反復だった。そうしたアメリカの将兵のトップがアーサー・マッカーサー准将、フィリピン駐留米軍の司令官となる。日本占領の立役者ダグラス・マッカーサーはその三男。厚木飛行場に降り立ったマッカーサーは周到にそれらしい威厳を演出していたが、日本の新聞各紙はそれを無視した。1か月後に報じられた天皇との会見写真(内閣情報局はこの写真を掲載した新聞を配布禁止にしたが、占領当局が激怒し禁止措置を解除させる)は衝撃的だった。「大人」のアメリカと「子ども」の日本、「男性的」なアメリカと「女性的」な日本という関係が顕わと受け止められた。しかしマッカーサーはそれ以降あまり姿を見せなくなる。一方で占領軍はメディアに対して厳しい検閲を課していたが、それは「検閲の事実をけっして公式に示してはならない」というものであり、そればかりかメディアに「占領軍」の姿が登場すること自体を避けさせた。映画からも占領軍の姿が消され「戦後日本には、あたかも自分たちだけで自足しているかのような表象空間が作り上げられた」。その一環としてのマッカーサーの不在だった。

操作された「天皇」と「元帥」
 マッカーサーの露出の少なさと対照的に舞台の前面に躍り出たのは昭和天皇だった。占領期に精力的に進められていく「人間天皇」の現前化戦略の中心になったのは一連の地方巡行だった。それは、マッカーサーに代えて昭和天皇のイメージを新しい支配体制の要にしようとする占領軍の意向だった。マスコミには大量の天皇の写真や記事が掲載されニュース映画も動員された。特に、天皇の訪問先の地方紙は詳細な報道が大々的になされた。戦後巡行には戦前からの連続性があった。
 大量の日本人がマッカーサーに手紙を書き、その数は50万通に及ぶ。「結局のところ、戦後日本人はマッカーサーに、自分たちの存在に新たな意味を与えてくれる超越的な力を見出した」「これは、かつて人々が天皇に向けていた信憑と同じ」「このまなざしは、占領軍の圧倒的なプレゼンスとこの時代の日本人の感情の構造が結合していったとき、それまでの天皇制的な感情が部分的に変形されることで析出されたもの」だった。「その変形した感情とは、要するに権力ある者に一体化していこうとする願望」である。マッカーサーは、「東洋人は勝者にへつらい敗者をさげすむ習性がある」と日頃から語っていたが、敗戦後の日本人はこの「人種的偏見」を裏付けるような実例を提供した。「明治以降の日本人が深く身につけていた人種主義は、とてつもない数のアジア人を殺戮しながら、敗戦後、そのことを忘れ、とてつもない数の日本人を殺戮したアメリカにこびへつらうことをやめ」なかった(ジョン・ダワー)。(つづく)  新


せんりゅう

     日の丸で不平鎮圧大逆罪

         「中傷動画」で逃げまくり「森友」

     不都合は廃棄の実績「森友」

         証拠ですノリ弁開示もうむり

     九条で逃げるタカイチの誉れ

         血を流せとは言わないが腹がみえ

     戦乱ありて大資本活況
 
                  ゝ  史

 2026年7月


複眼単眼

        キングもクイーンもいらない


 現代は王様や女王様が跋扈する中世だったかと目がくらくらしそうな日々が続く。
 トランプ米国大統領、髙市日本首相、ネタニヤフ・イスラエル首相、それぞれ度外れた領袖が毎日のように、トンデモな話題でメディアを賑わせている。
 トランプ氏は建国250年式典で米国は「これまで以上に強く、豊かで、安全で、誇り高い国になった」と演説した。彼は就任以来、グリーンランド購入を表明してデンマークに圧力をかけ、カナダに対して「アメリカの51番目の州になるべきだ」と主張し、メキシコ湾を「アメリカ湾」への名称変更を提案。またかつて返還したパナマ運河を取り戻そうともしている。最近では、「ドンロー主義」(モンロー主義と「ドン」(ドナルドの愛称)の名を冠した造語)を標榜し、西半球勢力圏の主張を露骨に表明している。主権国家ベネズエラの大統領を奇襲して拉致した。
 私はその筋にはまったく素人だが、今回のFIFA(国際サッカー連盟)男子ワールドカップでのトランプ氏は気に入らない判定の見直しをFIFA会長に求めた。レッドカードを出されたアメリカ代表選手の出場停止処分を取り消させた。このFIFAの会長はノーベル平和賞をほしがったが、もらえなかったトランプ氏に、25年11月、「FIFA平和賞」を創設し、トランプ氏に「平和のために比類のない、並外れた行動を取り、それによって世界中の人々を団結させた」と称えて贈ったゴマスリ男。
 ゴルフでは世界に18コースを所有するトランプ氏は「ティショット以外すべて打球を蹴ったり拾ったりして」ラインの改善を行うという。あまりにもボールを蹴るので陰で「ペレ」と呼ばれているそうだ。ペレは知る人ぞ知る、ブラジル人のサッカーの名手だ。
 しかし、MAGA=米国を再び偉大に(Make America Great Again)」運動の岩盤勢力の上にたって、好き放題、メチャクチャし放題のトランプの米国にも陰りが見えてきた。「王はいらない」抗議活動(No Kings protests)は、2025年6月14日(No Kings Dayと名付けられた)にアメリカ国内で行われた一連のデモは、フィラデルフィアでのメインイベントを含め、2、100以上の都市や町で500万人以上が参加した。国外でも、グアム、北マリアナ諸島、プエルトリコ、アメリカ領バージン諸島など米国の海外領土、およびカナダ、日本、メキシコ、ヨーロッパを含む20ヶ国でも抗議活動が行われた。最近でもこうした巨大なデモが行われているというのが救いだ。

 髙市首相はと言えば、横須賀で米原子力空母のうえでトランプのそばで飛び跳ねたり、あらゆる国際会議の場で外国の首脳に媚を売りまくったり、極めつけはインドのモディ首相が言わなかった「美しい妹」というルッキズムまがいの誤訳を自慢する。就任時に「働いて×5」を打ち上げたと思ったら、「寝る暇もない」と愚痴る一方、「ベストドレッサー賞」の受賞式などにはとことこ出かけていく。二日酔いの記者会見などは論外だ。そういえば高市首相もFIFA会長なみにトランプに「世界の平和に貢献できるのはドナルドだけ」とゴマをすった。
 そのドナルドはネタニヤフにそそのかされてイランの最高指導者を爆殺して、対イラン戦争を始めた。ネタニヤフは裁判にかけられるので、戦争をやめることができない。
よくもよくもこうした連中が世界を牛耳っているものだ。21世紀の人類の不幸だ。  (T)

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