労働者社会主義同盟・第二回大会決議
一九九九年十一月に開催された労働者社会主義同盟第二回大会は、真剣な討議を経て二一世紀に向かう闘いの方針を決定した。第二回大会決議の要旨を掲載する。
1.はじめに
今、時代は歴史的転換期にある。
昨年の労働者社会主義同盟の結成は、時代の要請に応え社会主義革命の主体的条件を形成するものとしてかち取られた。
同盟結成以降の情勢は、予想を上回る急進展を見せている。この間の特徴は、「戦後」から「新たな戦前」への転換であり、日本社会は、経済、政治、文化のすべての面で劇的に変化した。
私たちは、情勢の変化を、マルクス主義の立場・観点・方法に立脚して、しっかりとつかみ、新しい段階での任務・戦線配置を決定し、広範な労働者・人民大衆とともに、敵に反撃する陣形をつくり出し、それにふさわしい同盟の組織体制を確立しなければならない。
2.闘いの総括
@ 戦争法・有事法制に反対する闘い
参議院選挙の敗北を機に橋本内閣が総辞職し、小渕内閣が誕生した。小渕内閣はまもなく自・自連立内閣となり、さらに一年を経て自・自・公連合を形成し、衆参両院における多数を獲得した。
同盟は小渕内閣の「戦争のできる国家」づくりと、それに対応した各種の危機管理関連法案づくりに反対して、「反戦反安保」を闘う市民団体・個人の共同行動の発展に協力して闘った。これらの闘いを経て、新ガイドライン関連法案阻止闘争の最終段階では、宗教者や陸海空港湾関連労組などのよびかけによる大集会も開かれ、社・共・新社や全労協・全労連・連合の一部、さまざまな市民団体や新左翼勢力が結集した。このパターンは、組対法や「日の丸・君が代」法制化反対の課題でも、それぞれ一日共闘の実現につながった。ほかにも、署名運動や国会でのロビー活動、議面集会、街頭宣伝など、さまざまな人びとと協力して、提唱、組織、推進してきた。またピースサイクルや日韓民衆連帯の課題などでも多くの人びと積極的に結合しながら、同盟は一定の役割を果たしてきた。
小渕内閣がタカ派の本性をあらわにして、地方分権一括法、省庁改革法、組対法、住民基本台帳法改悪、憲法調査会設置関連法、「日の丸・君が代」法制化など、悪法が相次いで上程されるという、かつてない危険な事態に対して、先進的な部分は全力で闘ったものの分散状況を克服できず、またマスコミなどによる世論統制もあって、戦線と闘争の規模の拡大と全国化の点ではきわめて不十分な結果に終わり、新ガイドライン関連法案をはじめとする一連の反動法案の強行採決を許してしまった。
社民党はようやく自民党との連立政権から離脱したものの、労組や市民運動への影響力を失い、土井社民党がうたい文句にした「市民の絆」も成功していない。共産党は党の最高責任者が宮本から不破に変わる中で、セクト主義に一定の変化がでた側面はあるものの、東京や大阪の知事選挙などでは党員候補をたて、統一戦線の努力を回避するなど、独善的体質は改まっていない。議会主義に純化した共産党は統一地方選挙が終わるまで大衆運動にほとんど力をいれなかったし、国会審議でも少数派の当然の権利である「物理的抵抗」にも消極的だった。
同盟は一貫して広範な共同行動、統一戦線を強化する方向を提唱し、努力し、いくつかの戦線では、同志たちが政治的主張や組織路線を含めて全国的運動の重要な役割を果たし、幅広い戦線の形成にある程度成功してきた。しかし、時代に要請されている課題に対して、同盟は組織的力量を格段に飛躍させなければならない。
A 労働組合運動
戦後労働法制の抜本的な破壊がすすみ、労働基準法、労働者派遣法・職業安定法などが改悪された。これは、日経連「新時代の『日本的経営』」の方針が貫徹されたことを意味する。
支配階級は、「大競争時代」において、国際競争力の強化のため、資本の強蓄積・搾取強化の条件をつくりだすため、規制緩和、とりわけ労働分野での規制緩和を戦略方針として位置づけている。それは不安定雇用労働者を激増させ、広範な労働者に失業、不安定雇用、低賃金、労働条件の低下をもたらすものである。財界は、政府に対して、労働分野での規制緩和と労働法制の抜本的改悪(労働者保護法制を軸とする戦後労働法制の全面改悪)を強力に要求し、実現させてきた。
労働組合運動は、それに有効に反撃できず、労働法制の改悪を、あるかなしかの国会「付帯決議」をつける程度で通過させてしまった。支配階級が、問題を戦略的に提起し、着実に実施してくるのに、労働組合側は、大企業労組を主軸とする「連合状況」がつづいていることに規定されて、反撃の機ををつかみ得ていない。
昨年の労働基準法改悪反対闘争では、連合をも巻き込んだかたちで運動が展開された。しかし、今年の労働者派遣法・職業安定法改悪反対闘争では連合は消極的な取り組みしかせず、運動は昨年に比べて盛り上がりに欠けることになった。
全労協、そして全労連は、積極的かつ柔軟姿勢で労働法制改悪反対共同闘争などで、積極的な役割をはたしたことは評価されるべきであろう。私たちは、闘う潮流としての全労協運動を支持して闘ってきたが、今後も、国鉄闘争支援をはじめとして全労協運動を防衛しぬくために闘う。
今後の闘いの高揚を準備する諸要素が生まれてきている。それらは、@国労や各地の闘う労組の運動、A争議の多発、B多くの労資協調主義組合での指導部と現場労働者との対立、左右の路線的分岐の拡大、C新しいユニオン(コミュニティー、失業者、管理職、女性など)運動の拡大、D労働法制反対運動での共闘関係の拡大などである。
B 自治体選挙について
統一自治体選挙では、私たちは、地域的な拠点を形成し地域の民衆の中にしっかりと根をはった同盟形成を展望して、政策の一致する市民派無所属候補や新社会党、社民党などの候補を支援して闘い、貴重な経験を積み、重要な成果をあげることが出来た。今後もこの方向性を堅持し、大衆的な基盤の形成と闘える条件を作り出して、自治体選挙にとりくんでいく。
3.情 勢
@ 情勢の見方の基本
情勢認識と展望の確立が求められている。
主観主義的願望から出発するのではなく、情勢の冷静な分析の中から、将来の発展の可能性をつかみ出さなければならない。エンゲルスは、「道徳的憤激がどんなに正当であっても、経済科学はそれを論拠と見ることはできず、一つの兆候と見なすだけである。経済科学の任務は、むしろ、新たに現れつつある社会的弊害が現存の生産様式の必然的結果であると同時に、またこの生産様式の分解が迫っている印でもあることを立証し、そしてこの分解しつつある経済的運動形態の内部に、そういう弊害をとりのぞくべき将来の新しい生産および交換の組織の諸要素を見つけだすことである」(『反デューリング論』)と言っている。私たちに求められているのは、労働者・人民の闘争の要素、社会主義革命の物質的基礎を見つけだし、それを組織化していくことであり、これが情勢分析をおこなう基本視点である。
A 世界的な不安定と緊張の激化
ソ連崩壊・湾岸戦争を画期として世界情勢は、国際的秩序の分化・再編の過程に入り、各地で激動が続いている。
東西冷戦期においては押さえつけられていたそれぞれの地域の抱える民族・宗教的軋轢など諸矛盾が顕在化し、帝国主義諸国の「発展途上国」支配、帝国主義列強間・多国籍企業間でのトランスナショナルな対抗の強化、支配階級の労働者・人民大衆への搾取・収奪の強まりなど、世界の基本矛盾は激しくなる一方である。
唯一の超大国としてのこったアメリカ帝国主義は、アメリカ主導の世界づくりにむけ傍若無人に振る舞い、軍事ブロック拡大・軍事同盟強化政策によって、他国の内政に干渉し、武力による介入をつづけざまに行っている。ロシアを対象とするNATOの拡大、中国を対象とする日米軍事同盟の強化が、アメリカ世界戦略の要となっている。アメリカの覇権主義的行為は、中東での慢性的戦争状態、ユーゴ情勢の悲惨な泥沼化、東アジアでの緊張に象徴されるように危険な事態をもたらすものとなっている。
だが、アメリカの力は歴史的には衰退する傾向にあり、経済・政治的に、世界は多極化している。巨大な多国籍企業は、国境を超えた資本の集中(合併・買収)をおこない、少数の巨人企業間での対決が展開されている。アメリカ・ヨーロッパ・日本の三つの資本主義のセンターの間の対決抗争は激しいものになっている。全世界的な不況と長期にわたる金融危機の継続は、資本主義世界が戦後最大の困難に直面していることを示している。
アメリカ経済は株式の異常高騰に象徴されるようにバブル状況を示しているが、遅かれはやかれこのバブル経済は崩壊せざるを得ない。中南米、東南アジア、アフリカ、ロシアなどで経済危機は深化しており、日本でも不況からの回復は程遠い状況にある。
世界は、政治・軍事・経済的に不安定と緊張をいっそう強める状態におかれている。これは、階級闘争の世界的な規模での高揚を準備するものである。
B 「戦争法」の成立の意味
「戦争法」が成立したことによって、戦力の保持・武力行使を抑制してきた戦後憲法体制は大きな打撃を受けた。小渕内閣は、ひきつづき、組織的犯罪対策法、中央省庁再編関連法、地方分権推進一括法、住民基本台帳法改悪などを成立させ、戦争が出来る体制づくりを一気に推し進めている。戦争法によって、世界の各地での「事件」が「周辺事態」と認定され、米軍の侵攻とそれへの日本の支援による「対処の対象」とされた。すでに米・日、日・韓、米・韓の軍事協力体制が強化されており、世界各地でのアメリカの軍事冒険主義的な侵略行為と日本のそれへの参戦の可能性が高まり、北朝鮮・中国などアジア諸国やロシアなどとの緊張が増すことは必至である。
日本の政治は大きく転換し、戦争発動の基本的な法制整備が出来たという意味で、「戦後」は終焉し、新しい戦争へ向かう「新たな戦前」の時代に入った。
私たちは、歴史的な段階の転換を深く認識し、新たな段階での闘いを再定義し、運動の再構築のために闘う。
直接に戦争動員される陸・海・空・港湾の労働者をはじめ、自治体など戦争体制への組み込みにたいする具体的な反対運動の構築が急がれている。「戦争法」などにたいする闘争では、国会の審議との関係で、社民党、共産党、ある場合は民主党などとの共闘をすすめたが、今後の闘いを展望する上では、人民の諸運動を背景にした国会議員が国会内に存在することの必要性はますます高まっている。
C 大失業と社会保障制度の解体
日本経済は、戦後最大の失業・倒産の時代にある。世界的規模で、巨大資本は生き残りをかけたすさまじい死活的激闘を行っており、それは、各国の経済・産業構造に激変をもたらしている。
新自由主義的な社会再編攻撃は、多くの人びとに犠牲を強いている。雇用、増税、さまざまの社会保障など社会的セーフティーネット(安全網)の解体は、労働者・人民大衆の生活と人生設計に大きな打撃を与えている。それらは、日本資本主義の「安定」とそれを基礎とする「繁栄」を支えてきたものであった。それを、支配階級みずからが破壊するということは、搾取強化・高蓄積と人民の資本主義支配体制への社会的統合の両立が困難になってきていることをしめしている。現在、労働者階級の中では、常用雇用者、不安定雇用者、失業者、各業種、各企業、男女、年齢の差別・格差が拡大している。労資関係の一定の「安定」を基礎とする戦後社会は、その根本的なところで崩壊しはじめたのである。日本資本主義は、階級格差・対立を表面化させざるを得ない状況、すなわち労働者・人民大衆の不満と怒りを激発させることによって、みずからを否定する条件をつくり出した。
Dイデオロギー状況と左翼の現状
憲法を否定する戦争法・有事法制体制は、旧社会党(村山内閣)の転向によって道を切り開かれた。それを、バックアップしたのは、連合指導部(IMF・JC労働官僚)であったが、なにより当時の中曽根内閣による国鉄の分割民営化による総評・社会党解体の「戦後政治の総決算」戦略であった。総評・社会党ブロックは解体され、戦後・五五年体制を「左」から支えた基盤が消滅した。
それ以降、共産党が社会党の位置に取ってかわって、「闘う」ポーズを示し、一定の大衆的支持を増大させている。しかし、共産党は、議会主義路線を全面開花させ、「資本主義の枠内での改革」という実質的な資本主義体制擁護派としての本質を鮮明にさせてきている。安保・天皇制容認論から、今年に入ってからの「日の丸、君が代」「自衛隊」問題での柔軟化が象徴的な表現である。そうした転向を象徴するものが、さきに出版された「新日本共産党宣言」にほかならない。同時に、各種市民運動との共闘や『査問』や『汚名』などの著書が元党員によって出版されたことなどの影響は、日共内部にもうひとつの思想的動揺を生み出すものとして、注目しておく必要がある。社会党につづいて、共産党も体制派への接近を強め、その影響下にある知識人を中心にして、なし崩し的な転向の時代の到来が予想される。
だがこのことは、私たちをふくめ左翼全体にも厳しい試練をもたらすものであり、原則の堅持と柔軟な闘争戦術によってこの状況を切り開かなくてはならない。
共産党以外の左翼勢力も流動状況に入った。
わが同盟は、結成大会「よびかけ」にもあるように、断固として社会主義勢力の再編・統合を意識的に推し進める。二一世紀初頭での社会主義政治勢力の大きな統合は、闘いの主体的基礎であり、私たちは条件をつくりだし、断固としてそれをやり遂げなければならない。
4.当面する大衆運動での任務
@ 闘いの基調
私たちは、おおくの人びととの団結を拡大し、支配階級の攻撃と新自由主義的な社会再編に抗する大衆的な反撃の体制を作りださなければならない。
その任務の第一は、「戦争法」の具体化を許さない闘い・憲法改悪を阻止する闘いを強化していくことである。
第二には、日経連の「新時代の『日本的経営』」方針と対決し、リストラ・合理化に反対して闘うことある。同時に、政府の規制緩和による社会的セーフティーネット破壊に抗する闘いを前進・拡大させることである。
私たちの闘いの基調となるべきものは、@具体的な課題で着実に闘いを前進させ、全体的には守勢でも局部的優勢をつくり出し、さまざまな陣地・拠点(労組、地方議会、生協その他とりわけ女性・青年への働きかけが肝要である)を獲得すること、A闘いの中で、現代社会の矛盾の根本的な解決のための社会主義的変革のよびかけを提起すること、B大衆運動の組織的結実として、労社同の強化・拡大と左翼勢力の再編団結による主体勢力の発展をかち取ることである。
A 憲法改悪阻止の広範な統一戦線の結成
支配層は新ガイドライン関連三法の成立から、国内的にはさらに有事(戦時)法制の確立へと、参戦体制と危機管理体制を整備し、強化する方向にある。対外的には日米安保の攻守同盟化を強め、東アジアでの日・米・韓の有事即応体制を強化しつつ、国連常任理事国入りをはかっている。「欧米並みに戦争のできる国(普通の国)づくり」の道である。これらの法的完成として憲法の明文改憲(憲法三原則の破壊)がある。
支配階級はこうした政治展望をすすめることによって、自らが直面する内外の危機を突破し、延命をはかろうとしている。
しかしながら、この野望の前途には、かつての日本帝国主義の侵略を忘れない自覚したアジアの民衆の闘いがあり、空洞化しているとはいえ、いまなお憲法第九条への日本の民衆の支持が多く存在するという問題がある。逆に言えば、この有利な条件を生かし、ここに依拠して支配層の「欧米並みに戦争のできる国づくり」の狙いを粉砕していく闘いを組織する必要があるということだ。
政財界で作られつつある「二一世紀臨調(改憲臨調)」と「新しい日本をつくる超党派会議」などの改憲勢力と対決し、自自公連立の改憲政権を打倒する闘いを呼びかけ、支配階級の戦略的な攻撃に対応し、迎え撃つことのできる広範な改憲阻止の統一戦線を主導的に形成していかなければならない。国会においては系統的・持続的に「改憲反対勢力の共同」を働きかけ、その動きを支持する。そのためにも、反戦平和と生活防衛の課題での国政や自治体レベルの選挙戦での連携・共闘を呼びかけ、その形成と前進に貢献する。
同時に、この闘いを真に発展させるには、さまざまな阻害要因とのねばりづよい、巧みな闘いが必要である。連合は「政治センター」でその右派路線によるかこい込みを行い、共同をすすめることに不熱心である。共産党はいまだ独善と議会唯一主義によって大衆運動の戦線を撹乱する傾向を放棄していない。また、いくつかの内ゲバ集団はその内ゲバ主義を放棄しないままに、運動への介入をはかっている。それらの傾向は運動の前進を阻害する要因に容易に転化する可能性があり、軽視してはならない。
これらと一線を画する闘いは、民衆の組織合戦において巧みに、一貫して行われなければならない。無原則に共闘しつづけたり、われわれが逆に孤立させられるようでは問題にならない。時と条件に応じて、一日共闘的な連合を図ることはありうるし、それらの場も、それらを通じて人びとが体験し、自覚するようにしなければならない。統一戦線における共同と独立自主の原則を駆使する能力と実力が求められている。
こうした支配階級やその他との闘いを有効にすすめていくために、労組・市民・政治勢力などによって構成される恒常的な共同闘争機関を形成・発展させなくてはならない。地方的にも、同様の性格をもった共同闘争機関を形成し、発展させる必要がある。
「戦争法」は、日本の新植民地主義的進出を軍事的に保障するものである。戦争は、朝鮮有事、台湾海峡危機を想定して発動が予定され、新しい排外主義がまき散らされている。「新たな戦前」という時代認識に立って、私たちは、世界人民、とりわけアジア・太平洋諸国人民との、日本帝国主義の経済侵略・軍事大国化に反対し、同時にアメリカ帝国主義の覇権主義と闘う国際的連帯をつくり出していかなければならない。日朝国交回復と朝鮮の自主的平和統一を支持する闘いをはじめ、日本政府の戦争・戦後責任を追及し、政府による侵略への謝罪と戦後補償をかち取りアジア太平洋諸国民との本当の平和な関係をつくり出すために断固としてたたかう。
B大失業時代における労働・社会闘争の展開
いま進行している日本社会の変化は、資本主義の大衆的統合基盤を狭小化させている。雇用破壊・社会保障の大幅な後退は、さまざまな人間関係の崩壊の基礎となっている。
私たちは、労働運動を中軸とした諸運動を立て直し、前進させていかなければならない。
中小のみならず大企業もふくめた倒産・リストラ、中央省庁再編がらみでの国家公務員の削減、地方行革での地方公務員の大幅削減が進んでいる。支配階級は、闘う労働組合運動への攻撃を強めている。それは、かれらが、大失業状況の到来を予感し、そうした時に、闘う労働組合が残っているならば、そこを拠り所として労働者の闘いが高揚してしまうことを極度に恐れているからにほかならない。したがって、闘う労働組合運動を守り抜き発展させることが、いっそう重要な課題となっている。
その第一の任務は、国鉄闘争の防衛であり、また全労協の旗を守り抜く闘いである。同時に、教職員・自治体労働者の闘い、また郵政民営化反対闘争などへの支援を強めることである。
第二には、新時代の労働者の要請にこたえる数万の基盤を有するゼネラル・ユニオンの結成をかちとることである。それぞれの労組は「合同組合」としての機能を拡大し、企業を超えた労働者の連帯組織となる方向性を獲得し、いくつかの拠点組合は断固として「組合合同」をかちとり、おおくの労働者に、「頼れるわれらのユニオンあり」という強烈なアピールを打ち出すことが求められている。
第三には、労働者の意識の変化を、労働組合運動の強化にむけて有効に働きかけることである。連合大労組を含めて、内部での労働者の不満は高まっている。しかし、放置されれば組合ばなれの現象はひろがっていく。こうした状況に対して、もう一度、大衆的な労働運動の再構築にむけて職場・地域で取り組みを強化しよう。
第四には、社会保障、税金、介護・福祉など生活のための闘いを前進させることである。
以上のような課題を達成するために、労資協調主義路線に対して、階級・階級対立・階級闘争、社会主義の展望を持つ路線を確立し、粘りづよく宣伝しなければならない。連合系などの組合内部の矛盾を的確に分析し、多くの現場労働者と労資協調主義幹部との矛盾を拡大させ、闘う側に獲得しなければならない。
各職場に労働組合の左派活動家集団をつくりだし、労働戦線の左翼再編をめざし、ナショナルセンターの枠をこえる全国的横断的な闘う労働者の連携を強化することは急務となっている。
日本資本主義の危機が進行する中でさまざまな差別が拡大している。とくに女性・青年・部落へのさまざまな犠牲のしわ寄せは、不況と戦争体制づくりの中で一段と厳しいものとなってきている。
私たちは、犠牲を強要されている女性・青年の独自の闘いを支援し発展させていかなければならない。部落解放運動への取り組みを積極化させ、運動の発展のために闘う。
支配階級による社会保障・福祉切り捨て、自己負担政策は、高齢者や「社会的弱者」の生存権をおびやかしており、いっそう切実な問題となっている。
B 攻勢的な理論・イデオロギー闘争の展開
社会的危機が深まり、人びとの言い知れない閉塞感がつよまっている。日本は何処へむかってすすむべきかについて、支配階級の大規模なイデオロギー攻勢がかけられてきている。それは、歴史総括において、日本の進路について、そして体制選択(資本主義か社会主義か)において、さまざまなメディアで、多様に論じられている。このような基本問題をめぐる論争は、大衆をどちらの路線で獲得するか、というイデオロギー分野での厳しい階級闘争である。
私たちは、この論戦、大衆の獲得合戦に積極的に介入し、いま論じられていること、論ずべきことについて、また、どのような社会主義をめざすのか、その実現のためにどのような党を建設するのか、という基本的路線の充実・強化・発展の努力を、おおくの良心的な人びとと協力を拡大しながら、やり遂げなければならない。
5.同盟建設
労社同結成は、階級闘争の新しい段階対応する主体勢力の強化にむけての決断と実行としてあり、そのことは大きな意義を持ち、同盟の内外に積極的な影響・波及を生んだ。同盟はその結合した力量を発揚して、労働組合運動、「新ガイドライン」反対・憲法改悪阻止の闘いなど各種大衆運動への取り組みの強化、自治体選挙への挑戦などをやりぬき、成果をかち取った。
情勢の急進展は、わが同盟に一段と重い任務を課している。情勢は、いっそう厳しいものとなるのは不可避であるが、それはさまざまな形での労働運動・民衆運動の反撃の契機をつくりだすようになることもまた確実である。
私たちは、創立大会の方針で、(1)同盟の団結の強化、同盟員の拡大、@地方組織の統合の推進、A細胞活動の活性化、B同盟員の拡大、(2)中央委員会機能の強化、@中央委員会、中央常任委員会の指導力の強化、旬刊「人民新報」の定期発行、理論誌「協働−インターコム」の発行、A中央委員会の専門部(担当)の確立、(3)社会主義勢力の交流と団結、統合のための努力を強める、ことを決定し、その達成にむけて奮闘してきた。この間、地方組織の統合をすべて成し遂げ、中央段階では、機関紙の定期発行、理論誌の発刊、中央指導機能の一定の強化などを達成してきた。しかし、中央委員会・中央常任委員会の活動の強化の面では、なお強化・改善をしなければならない課題が多い。また、地方組織・細胞段階で組織生活の確立の面で改善すべき点が存在している。
わが同盟に求められている任務を実現するには、全国の同志が、共通の課題−同盟の思想・政治・組織建設に真剣に取り組むことが是非とも必要なことである。
第二期の同盟建設の重点課題は、次の二点である。
第一に、同盟建設の基礎は、活発な大会議案の論議とマルクス主義の学習をむすびつけて、全同盟が、情勢の認識、社会主義革命の展望の認識での一致と確信をつくり出すことである。そして、大衆運動でも、同盟建設でも、同盟の力量を集中的に使用することによって局部的な優勢をつくりだし、一つひとつ着実に成果をかち取っていくことである。
第二に、中央委員会・中央常任委員会を十分機能的なものとし、全同盟の指導機構として確立することである。
全同盟は、団結を固め、社会主義への確信を持って活動を活性化さよう。