労社同第2回全国大会について

 一九九九年十一月、労働者社会主義同盟第二回全国大会が開催された。一九九八年二月に日本労働者党と建党同盟が組織統一した労社同第一回全国大会から一年九ケ月余を経た今回の大会は、全国的な組織統合の完了を確認し、激変する情勢について認識を一致させるとともに、団結をいっそう打ち固めて二一世紀に向かう革命運動と大衆闘争の方針を確立するためのものであった。
 大会は、中央常任委員の工藤敬同志による「激動の情勢の中で開催される今大会で、労杜同結成以降の運動をしっかり総括し、新世紀に向けての前進の糧を作り出していこう」という開会のあいさつで始まった。続いて、大会役員の選出に移り、大会議長、資格審査・議事運営委員、大会書記、大会事務局が選出され、選挙管理委員の補充が承認された。議長が大会の成立を宣言した。
 はじめに、山川暁夫中央委員会議長が次のようにあいさつした。
 まず労社同結成以降の全国の同志たちの奮闘と運動の成果を確認したい。二十世紀の終りという時代状況の中で、いま日本では権力が腐敗し、社会は解体状況にある。これにいかなる対応をしていくのか。これは、まさに革命の綱領的課題であり、今大会でしぼりこんだ論議をしていかなければならない。
 今大会で論議しなければならない重点としては、第一に生活の中から見た資本主義の変貌はいかなるものなのか、これと私たちが様々な大衆運動の中でいかに関わっているのかを豊かに出し合っていくこと。第二に、従来の「護憲」でいいのか、改憲論とどう闘うのか。この憲法問題と私たちのめざす杜会主義革命がどうつながりあっているのかを理論的にも解明することである。第三には、二一世紀の党のあり方をどうつかみ取るのか、意志統一していくのかということである。それらのことは、マルクス主義を発展させ、それを運動の中に現実化させていくことである。
 大会決議案の提案を橋本勝史中央常任委員長が行った。橋本同志は、直前に開催された中央委員会総会での確認に基づき、新ガイドライン関連法の成立・憲法改悪の動きなどに象徴される「新たな戦前」と規定できる時代の変化を確認して闘いに勝利できる方針の獲得と闘う体制確立をたたかいとることを大会議論のポイントとして提起した。
 論議では、はじめに統一地方選での闘いを中心に報告・討論が行われ、前進と成果を獲得したことを確認した。
 情勢、当面する大衆運動に関しては、新ガイドライン関連法案成立につづいて有事法制など、戦争のできる国家づくりをすすめる段階という現実を前にに、「新たな戦前」という共通認識を勝ち取り、ますます重要となっている反戦、反安保、反改憲の闘いを推し進めること、沖縄の闘いの重要性、そして憲法改悪阻止闘争で広範な共同戦線をつくり出して行くことの重要性などが語られた。労働運動の面では、各地各線戦での闘いの強化・成果を基礎に、労働者の様々な格差(男女差別、雇用形態など)に積極的に対抗し、地域ユニオンの形成、二重加盟も積極的に行いながらの労働者の組織化が強調された。また青年運動・女性運動・部落解放運動にたいする取り組みの立ち遅れを克服することが確認された。
 こうした闘いの中で、大衆としっかりと結びついた強固な革命組織として労杜同組織を建設していくことについて率直で真剣な論議が展開された。その中で、社会主義論の充実・発展が不可欠であること、社会主義勢力の再編・統合のテンポを早めることなどが確認された。
 論議を終え、議案は代議員すべての賛成で採択された。つづいて、同盟規約の一部改正についての提案が中央常任委員の斉藤吾郎同志によって行われた。提案の要旨は、中央機構において、これまでの議長・中央常任委員会体制を、委員長・副委員長・書記長・常任委員の体制に変更し、より実務的なものにすることである。規約改正案は、論議のうえ代議員が一致して採択した。
 決算報告が中央財政部よりおこなわれ、会計監査委員が報告を行い、承認された。つづいて、予算案が提案され、承認された。
 第二期中央委員の選出にうつり、労働者社会主義同盟第二期中央委員会が選出された。大会の休憩中に、同盟規約にもとづいて第二期第一回中央委員会が開催され、中央委員会三役と中央常任委員が選出された。三役としては、委員長に橋本勝史同志、副委員長に城戸翔子同志、書記長に斉藤吾郎同志が選出された。
 最後に新旧役員のあいさつが行われ、議長を退任した山川同志と委員長に選出された橋本同志が発言した。
 大会は、情勢の変化に対応して、労働運動をはじめとする大衆運動の前進と社会主義革命の主体的力量を強化するため、大会決議の精神を全同盟に貫徹し、労働者・人民の未来を切り開くために奮闘することを誓い合ってその全日程を終了した。
 労働者社会主義同盟第二回大会は、厳しい情勢に抗し、多くの労働者・人民と協同し、社会主義勢力の早期の団結・統一の促進ために、決意もあらたにいっそう努力し、闘いの先頭に立って活動していくことを宣言した。


           「人民新報」第973・974号<統合66・67号>(2001年1月1日)より