労社同第4回全国大会について


 二〇〇七年三月、労働者社会主義同盟第四回全国大会が開催された。
 われわれは、第三回大会(二〇〇二年)以来、新自由主義・新国家主義の小泉反動政治と闘い、イラク反戦闘争や憲法改悪阻止の運動、労働組合運動の前進のために全力をあげて闘いぬいてきた。
 アメリカ帝国主義が唯一の超大国・覇権国家になり、ブッシュ政権は、おごり高ぶって二〇〇一年にイラク侵略戦争を開始した。それから四年、イラク民衆の戦いと世界の反戦運動の高揚、そして米上下両院選挙での共和党の敗北、財政赤字の拡大などにみられるようにブッシュは孤立を深め弱体化してきている。しかし、ブッシュはそうした困難からの脱出を中東をはじめ地球的規模での戦争政策の拡大に求めている。安倍内閣は、ブッシュの世界的な戦争政策にいっそう加担しようとしている。こうした対米追随政策で日本の多国籍化した独占資本の利益を守り増大させようとしているのである。
 第四回大会の任務は、激動する情勢とこれまでの闘いの成果の上にたって、新たな情勢に対応した課題を確認し、新しい中央指導部を選出して、小泉政治を継承し、より反動的な攻撃をかけてきている安倍内閣と対決・打倒し、労働者・人民の闘う力量を強め社会主義の展望を切り拓いていく同盟の新体制を作り出すことであった。

 大会は、開会挨拶につづいて大会議長団、議事運営委員会、大会事務局、中央選挙管理委員会が選出した。大会成立が宣言され、中央常任委員会から大会決議案と選挙に関する特別決議案、財政報告、そして中央選挙管理委員会より第四期中央役員選挙について報告提案された。

 大会決議案では、情勢と任務、同盟建設について要旨次のように提起した。

 われわれはこの四年半余、三回大会決議に基づいて、改憲阻止、反戦平和、労働組合運動の強化などを中心として、民衆の闘いの前進のために奮闘してきた。この期間におけるわが同盟の政治的影響力の強化と、日本の民衆運動の前進は特筆すべきものであり、画期的なものであると評価できるだろう。この点で、前大会時と今日の変化をしっかりと確認しなくてはならない。とりわけ憲法改悪阻止の戦線、イラク反戦など反戦平和の戦線、小泉内閣による郵政民営化阻止などの闘いとその経験は、日本の民衆運動の様相を大きく変えた闘いであり、わが同盟が、情勢の変化を敏感にとらえ、新たな闘いの方向と方針を積極的に提起し、懸命に闘って勝ち取った大きな成果であった。

 ブッシュ政権はイラク戦争での泥沼化・敗北寸前という状況に直面している。ブッシュの対テロ戦争は、その意図とは逆に、世界各地で反米闘争を激化させた。中東地域では、イラク戦争によってブッシュが「悪の枢軸」のひとつとして敵視してきたイランの影響力を拡大させることになった。このようにして石油と地政学的位置の重要な地域でアメリカは困難性を増大させてしまったのである。しかし、ブッシュは敗北的状況を認めようとせず、イラクへ増兵し、それだけでなく、イラクの不安定の背後には外国勢力がいるとして、イラン、シリアなどに戦火を拡大しようとしているのである。それに、イスラエルが連動して、中東全体がきわめて不安定な一触即発の危機の中にある。アメリカが重大な困難に直面しているのは、中東地域だけではない。アメリカが自らの裏庭と自認する中南米地域は、グローバリゼーション・新自由主義の最大の被害地域だ。だが、いまあいついで反米左派政権が誕生している。われわれが第三回大会を開いた時と比べると、世界の力関係はアメリカをはじめとする帝国主義に不利に、人民勢力には有利に変わりつつあることが明らかになった。こうした歴史的趨勢の背景には、世界的な規模での力関係の変化がある。
 朝鮮半島では緊張した状態が継続し、米日政府は北朝鮮封じ込め圧力を強めている。しかし、再開された六カ国協議において新合意が成立した。その履行を要求する国際的世論の形成が重要になっている。対北朝鮮強硬策を維持し続けている安倍政権は、日本軍「慰安婦」問題の正当化発言とあわせ、ここでも国際的孤立を深めつつある。

 小泉政権を受け継いだ安倍政権は、新自由主義と対米追随政策を継続しようとしている。だが、小泉政治の負の遺産は発足早々の安倍を厳しい状況に立たせている。小泉・構造改革は、日本の一握りの巨大多国籍企業を肥えふとらせるとともに、旧来の自民党支配構造を劇的に変化させた。歴代自民党政権が作り上げてきた保守勢力への大衆統合の社会的基盤を著しく縮小させたのである。これまでの自民党による利権政治は、中小企業・農村を手厚く補助金をばら撒くことで、そこを保守支配の基盤として保ってきた。だがそれはもはや不可能になってきている。補助金政治と並んで、またそれ以上に保守基盤を支え強化してきたものが企業社会であった。「終身雇用」制、年功賃金、企業内組合といういわゆる三種の神器によって代表される高度経済成長期以降の日本資本主義は、労働者を企業に統合し、多くの大企業労働者を家畜ならぬ「社畜」状況に押し込めてきた。しかし、資本は、グローバリゼーションに対応するためと称してリストラ、非正規雇用の増大、フリンジベネフィットの消滅など、低賃金と労働条件の低下を労働者におしつけ、その結果、さしもの企業社会の労働者統合機能もその力を落としてきている。
 グローバリゼーション・新自由主義が急進展した小泉政権の五年間がもたらしたものは社会的格差の拡大であった。下流社会が拡大し、少子高齢化の急進展とあいまって、総じて社会的活力・国力の減退につながってきている。にもかかわらず、安倍政権の政策は、ひとにぎりの日米独占資本の利益のために、新自由主義・市場万能主義を加速させている。
 今後、日本は階級・階層社会の姿をはっきりさせ、失業者、働いても働いても生活できないワーキング・プア、病気になっても病院に行けない無医療保険者などが激増し、多くの人びとの貧困化が急速に進んでいる。こうした事態は、アメリカの新自由主義政策の下で社会を解体させられた中南米や韓国がすでに経験してきたところであるが、それら地域では民衆の側からの断固たる反撃が展開され一歩いっぽ勝利がかちとられている。
 わが同盟をはじめ左派勢力は、この矛盾に切り込み、民衆を組織し、日本における闘いを守勢から反撃に転換させていかなければならない。

 日本とアジアの広範な人々にとって重要なのは、国際的な平和環境の創造であり、グローバリゼーション・新自由主義の推進ではなく、社会的格差の是正、自由と平等の新しい福祉国家・日本の実現である。米軍基地を撤去し、憲法の平和原則を生かし、自衛隊をなくし、軍事でない平和経済社会的な国際協力を実現することである。
 当面する闘いの環は、日本の参戦国体制の強化と憲法改悪、とりわけ九条改憲を阻止し、米日支配層の危険な野望を打ち砕くことにある。そして広範な統一戦線を組織し、この闘いに労働者・市民を組織し、立ち上がらせることである。改憲阻止の闘いはアジア地域の緊張緩和、平和状況の創出と表裏一体のものである。アジア、特に東北アジアの緊張緩和、朝鮮半島の非核化、日朝国交正常化実現のために奮闘することが求められている。
 われわれの任務は、これらの闘いの先頭に立って、大きく前進させ、小異を残して大合流させ、自民党政治と真っ向から対決し、労働者・人民の政治の実現をめざす戦線を形成することである。そして、この闘いの中で、積極的なイニシアチブを発揮し、社会主義政治勢力の再編・統合を実現するため奮闘することである。

 われわれの同盟建設での任務は、同盟がこれまで勝ち取ってきた成果をしっかりと確認し発展させる中で、弱点を克服していくことである。政治論議、理論学習を進め、大衆とのつながりをつよめ、組織しその先頭に立って闘おう。会議で議論し、方針を決定したら必ず実践し、点検し、実践したら必ず総括する。なれ合いの気風を排し、こうした実践的・戦闘的作風を確立する必要がある。その中で、同盟組織を強化・拡大していかなければならない。

 いよいよ時代は本格的な激動期に入る。アメリカ帝国主義に追随する安倍内閣の戦争のできる国づくり・改憲攻撃は自民党政治に対する大衆的な批判・反撃をもたらさずにはおかない。社会的格差の拡大は大衆の資本主義にたいする批判を強めていく。われわれをとりまく情勢には厳しいものがあるが、民衆の運動の継続・前進と敵内部の矛盾の拡大は、安倍政権との闘いで、われわれにとっての有利な局面を出現させている。
 団結を固め、決意も新たに、粘り強くしたたかに闘っていこう。
 労社同第四回大会決定の情勢認識と任務を確認し、広範な人びとと結びついて、断固として前進しよう。

 大会は真剣な論議の結果、大会決議案をはじめ、特別決議案、諸報告を出席代議員全員の賛成で採択した。
 つづいて、同盟中央三役と中央委員の選挙が実施され、新しい第四期の中央指導部が選出された。
 労働者社会主義同盟第四回大会は、その全ての任務を完了した。

 われわれは、第四回大会決議をもって、より多くの労働者・人民と深く結合し、憲法改悪阻止闘争、反戦闘争、労働運動などの前進をかちとり、また社会主義革命の主体の強化にむけて奮闘努力することを確認した。

 改憲攻撃を阻止し、社会主義革命の展望を切り拓こう。

        人民新報 ・ 第1223号<統合316号>(2007年4月16日)より